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せんだいSD550  山岳移動運用 

磁力浮遊コマ

2012年07月20日 | 地震予知器


 マグネット式地震予知器を作る過程で、磁石の面白さにはまってしまったことは以前に書きました。今回、かねて試してみたいと思っていた磁力で浮遊するコマに挑戦。地震予知器と直接関係ありません。番外編。



 10年ほど前、U-CASという名前で商品化され、試した方も多いと思います。今は、「UFOゴマ」と名前は変わっていますが、ほぼ同じものです。レビトロンというもっと洗練された外国製?も以前からあるようで、「浮遊実験」とか「磁力浮遊」などで検索すると、YouTubeの興味深い動画がたくさんヒットします。






 さて、この浮遊コマ、原理は「地震予知器その6」に記したリング磁石の特性を利用しています。リング中心部は吸着する力が働きますが、その上部の一カ所に反発する磁力が生まれます。このスポットに回転するコマをうまく納めると、落ちることなく宙に浮かぶというわけです。回転が止まれば、落下します(アーンショーの定理)。

 箱を開けると、マグネットで出来ているベース盤、同じくマグネットのコマ、おもり各種、プラスチック板、ベース盤の傾きを調整するクサビ2個、説明書が入っていました。ベース盤には強力なリング磁石がはめ込まれているのだと思います。説明にもテレビや精密機器に近づけないように注意書きがありました。

 まず水平な机の上にベース盤を置いてプラスチック板を乗せ、その中心でコマを回す。と、簡単に説明されているのですが・・・。回りません。回そうにもベース盤に吸い寄せられてバランスを崩してしまいます。勢いをつけて回そうものなら、今度は反発力が働いてあらぬところに飛んでいく、そんなことの繰り返し。空中に浮かすどころか、回すことすらできないのです。
 
 たぶん100回以上、そんな失敗を繰り返して、いい加減、あきらめかけた頃に、やっと回ってくれました。今も3回に1回くらいしか成功しません。手首を使わずに、親指と小指のみで素早くコマの軸を回すのがコツのようです。


ベース盤の上でコマを回す


 この状態で、プラスチック板を少し持ち上げると、スーッとコマの回転が安定するポイントがあります。その真上が浮遊スポットのはずですが、あっという間に、コマはバランスを失って飛んでいってしまいます。

 そこで、コマの重さの調整です。
 付属のおもりは、
 金属リング3g、1g 各2個
 プラスチックリング0.6g、0.3g、0.1g 各2個 

 合計10個のおもりを試しながら、最終的な調整は0.1g単位ということになります。重い方が安定して回転するのでは?と考え、金属リング4枚すべてを取り付けたところ、まったく浮上しません。次に、軽い方からプラスチックリング3枚1.5gで試したところ、浮上ポイントでふわっと浮く感じがありました。プラスチック板を外すというよりも、勝手にコマが浮き上がる感触。この時点で、やっと成功しそうな予感が出てきました。その後、何度かおもりを微調整し、1.8gにしたところ、ついに浮上しました!数秒間の完全浮遊。

 最終的に、プラスチックおもりすべてを使い(2g)、かつ、ベース盤の傾きをクサビで微妙に調整して、浮遊時間90秒まで伸ばすことができました。何の支えもなく、空中にふわりと回転しながら浮かぶコマ。磁力と重力の絶妙なバランス。実に不思議な光景です。




 磁力は刻々と様々な影響を受けて変化します。地震予知機は、地下の岩盤破壊に起因した磁界の変化を利用した装置です。浮遊コマの場合は、逆にそういう影響を受けない方がよいわけですが、そうはいきません。たとえば、木造家屋と鉄筋マンションでは浮遊する条件は異なるようです。また夕方にうまく浮いたとしても、翌朝も浮くとは限りません。温度や湿度による変化もあるようです。一度調整したからといって、それで良しとはいかないのです。磁力による絶妙な安定と共に、その変化を考えさせてくれるなかなか奥深い装置(玩具)と言えます。


〈浮遊時間を伸ばすいくつかの方法〉
 回転していることが浮遊の絶対条件です。浮遊物がコマである理由はそこにあります。コマは空中で回っているので、抵抗が少ない分、床で回すよりも長く回るはずです。回転が遅くなる要因は空気抵抗や磁力そのものと思われます。真空状態にすると数時間、浮遊し続けるとの報告を見つけました。研究室レベルの話しで、素人には難しいです。電磁波を与える方法というのも見つけました。具体的にどうするのかは不明ですが、自分としては、コイルを作製してコマを空中モーターにしてしまう、という方法を思い浮かべました。そんなことが可能なのかどうか、そのうち実験してみたいと思います。





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地震予知器 その後

2012年03月19日 | 地震予知器


 途方もない地震と津波に揺さぶられた長くて短い1年が過ぎました。昨年の今頃は、陸海空すべてが寸断され、冷蔵庫の食糧も尽きかけ、これからいったいどうなるのだろう、などと考え始めていたことを思い出します。

 さて、こんな大地震に見舞われたのだから、何か前兆らしきものがなかったのか、ということから、思いつきで作り始めたマグネット式地震予知器。いつか、その検証をしておきたいと思いながら、なかなか確証がつかめず、今日に至っています。当初、余震の続く今こそ、地震発生と予知器作動の因果関係を検証するチャンスと考えていたのですが、簡単ではありませんでした。

 その理由は
1) 昨年の8月ごろまで大きな余震が頻繁にあり、予知器が作動してもそれがどの地震に対応したものなのか不明。
2)予知器が作動して比較的大きな地震が起こることもあるが、作動しなくとも地震が起こる事例もあった。
3)生活振動や人工ノイズなどによる誤作動も考えられ、確証がつかめない。

 磁界も電界も刻々と変化しているわけです。無電源電界強度計も観測を続けていますが、本当によく変化します。日々、同じということはありません。磁界にしても、家電製品の人工ノイズから天体の位置まで、さまざまな影響を受け、一定ということはないはずです。その中で、地下深くの岩盤破壊を起因とする磁界の変化のみをとらえるというのは、この単純な装置には荷が重すぎるということでしょう。
  
 では、この地震予知器、何の意味もないのか?というと、そんなことはありません。このブログでは6号機まで紹介していますが、実はその後も作り続け、今は10台の予知器を我が家のあらゆる窓辺に設置してあります。

 1台のみの作動であれば、誤作動ということも考えられますが、位置の異なる複数が同時または連続的に作動したとなれば、強い磁界の変化があったと考えられます。これまでも複数が作動し、その1~3日後、比較的大きな地震発生ということを経験しており、因果関係はあるとの印象は強まっています。

 マグネット式地震予知器には、
 1)誰でも簡単かつ安価に作れる
 2)電源不要
 3)常時見ている必要がない
 4)鈴や磁石が落ちる、という現象が何か不安な気持ちを惹起させる

  というメリットがあります。気長に観察するのにはよい装置です。

 作った当初は、そもそも本当に鈴や磁石が落ちたりするのか、ずっと、このまま何の変化もないのでは?と思っていたのですが、あにはからんや、なぜか、鈴ははらりと落下し、磁石も前触れなく落ちます。不思議な現象ではあります。






 これは、今年作った予知器です。リング磁石を2個、ナイロン糸で落ちないように宙に浮かせてあるだけの装置です。簡単そうに見えますが、リング磁石の重みに加え、ナイロン糸のわずかな伸縮もあり、安定して宙に浮かせるのは至難です。鈴と違って、近づけすぎると吸着し、離し過ぎると簡単に落下してしまいます。重力との関係では、これまでで最も高感度と言えるかもしれません。ナイロン糸が免震の役割を果たすのか、いったん宙に浮かせられれば生活振動には意外な粘りも見せくれます。二つの磁石が微妙に揺らぎ、見ているだけでも楽しめる、いわば、癒し系予知器。

 1週間ほど前から、この予知器が何度か作動しました。この間、当地では、震度1~3の揺れが数度あり、それを予知した動きだったのか、単なる誤作動なのか・・・は不明です。




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地震予知器? 試作その6

2011年08月06日 | 地震予知器


 とあるサイトにリング磁石を使った面白い実験と考察がありました。興味をそそられて、自分でも実験してみました。


 リング磁石の穴にすっぽり入るアクリル管を用意。上から球形磁石を落とすと、反発し合って球が浮いた状態となります。これ、磁極はSとNです。なので、吸着してしまうはずですが、リングの中心上部に反発する磁場が生じてこのような現象となるのだそうです。





 これをこのままひっくり返して、上下逆にしてみると・・・??? 球は落下せず、同じ場所に浮いています。リング磁石の外側の磁力で吸着され、それが重力を上回っているわけです。中心部で反発を受け、外側から吸着される、という状態。もし、アクリル管がなければ、あっという間にリング磁石の外側に吸着してしまいます。



 この均衡点の磁場はかなり強力で、アクリル管を振ったくらいではまったく動きません。圧倒的な磁力により重力など問題外といった感じで、反対側から棒を入れて押し下げ、やっと落下しました。

 自分で実験してみるまでは、逆さまにした時の球の浮上はかなり不安定で、すぐ落下するのでは?と考えていたのですが、実際は、違っていました。言葉で表現しにくいのですが、一定の位置に固着して浮いている、といった状態でした。


 こんなに安定して浮いているのでは、磁界の微妙な変化をとらえる地震予知器としては使えません。

 そこで、球をアクリル管の中で少しずつ離して、重さで落下するぎりぎりのところに設置できないか試してみました。それで一応の完成をみたのが、試作6号機です。


6号機 高さ14cm アクリル管の内径12mm

 アクリル管の中で球形磁石を浮かせようと何度も試してみたのですが、うまくいきませんでした。結局、8mm厚の円筒状磁石で成功。円筒と球の接地面のわずかな違いによるものと思います。球の大きさを少しずつ変えて、そのうちまた試してみます。


上部磁石から約7cmの所で均衡


 下部磁石の装着は、アクリル管の下から指で押し上げて慎重に均衡点に合わせます。管の長さはあらかじめ均衡点に合わせてあるので、クリティカルという程でもありません。4号機、5号機と原理は同じで、同等の高感度。落下した場合、転がって紛失しやすいのが難点です。


 さて、これらマグネット式地震予知器。この間の経験では、作動して数時間から数日の内に比較的大きな地震が来るということを何度か経験しました。数時間から数日前に予兆を察知したとして、いったい何ができるのか? 緊急地震速報と違って、かなりの時間的余裕はありますね。

考えられるのは
 ・家具の固定具を再点検
 ・不安定な置き方をしているモノはないか点検
 ・風呂桶に水を満タンにしておく
 ・水が出るうちに洗い物を済ませておく
 ・蓄電装置(バッテリー)、エネループ、ケイタイなどを充電しておく
 ・飲料水、食糧、燃料、電池など不足があれば買い出し
 ・海や山に行く予定を取りやめる(なるべく出かけない)

 などなど。心の準備の他にも、やれることはけっこうあります。自分自身、毎度毎度こんなことをしているわけでもありません。一度、山行を取りやめたことがありましたが、その時は何も起こりませんでした。そんなものですね。わずかな予兆に素直に耳を傾けるかどうかは、人それぞれではあります。




<8/8追記>
 本日(8/8)早朝、北側の部屋に設置してある4号機の磁石の落下を確認。昨夜就寝前は異常ありませんでした。他は作動なし。
 以上、記録として追記しておきます。

<8/12追記>
 昨日(8/11)午後10時31分、宮城県沖を震源とするM5.3発生。最大震度4。当地は震度2。本日(8/12)午前3時22分、福島県沖を震源とするM6.0発生。最大震度5弱。当地は震度3。8/5、8/6の2号機の作動、8/8の4号機作動の結果が出ていなかったのですが、今回大きな揺れを感じました。
 なお、今朝確認したところ、4号機の磁石が落下していました。3時22分の地震の揺れによる誤作動の可能性もあります。
 以上、記録として追記しておきます。

<8/17追記>
 本日早朝(8/17)、北側の部屋に設置している6号機が作動しました。6号機の作動は今回が初めて。昨夜就寝前は異常ありませんでした。
 以上、記録として追記しておきます。

〈8/17追記2〉
 本日12時05分、宮城県沖を震源とするM5.2(最大震度4)発生。仙台中心部は震度2とのことでしたが、けっこう揺れました。
 以上、記録として追記しておきます。

《8/19追記》
 本日14時36分、福島県沖を震源とするM6.8(最大震度5弱)発生。当地は震度4。突然の大きな横揺れでしたが、棚から物が落ちるほどではありませんでした。
 以上、記録として追記しておきます。

<8/20追記>
 昨日帰宅後、予知器を点検したところ、1号機と4号機が作動していました。M6.8の前に作動したのか、地震の揺れによる落下(誤作動)なのかは不明。この間の経験では、地震の揺れによって落下したことはありません。なお、1号機の作動は2度目。
 以上、記録として追記しておきます。

<8/24追記>
 本日午前7時、北側の部屋に設置してある4号機が作動。他は作動なし。
 以上、記録として追記しておきます。

<8/24追記2>
 本日午前10時10分、南側の部屋に設置しある2号機の左の鈴が落下。Xが落下の瞬間を偶然目撃。振動も風もなく、パラリと落ちたとのこと。本日午前に、二つの予知器が相次いで作動しました。
 以上、記録として追記しておきます。

<8/25追記>
 本日午前11時30分、2号機左の鈴落下。さらに午後1時30分頃、同じく2号機の左右両方の鈴落下。昨日から、予知器の動きが不穏です。 
 以上、記録として追記しておきます。

<8/27追記>
 昨日(8/26)12時50分、2号機右の鈴落下。12時55分、同じく2号機左の鈴落下。またまたXがその瞬間を目撃。
 以上、記録として追記しておきます。

<8/28追記>
 本日早朝、4号機作動。昨夜就寝前は異常ありませんでした。ここ数日、予知器の作動が続いています。
 以上、記録として追記しておきます。

<8/29追記>
 昨日8/28、午後2時、2号機の右の鈴落下。他は作動なし。
 以上、記録として追記しておきます。

<8/29追記2>
 本日、無電源電界強度計の針が14まで振り、19時現在も12から14の間で動いています。設置して以来、これほど高めに針がふれているのは初めてのことです。
 以上、記録として追記しておきます。

<9/4追記>
 昨日(9/3)、午後2時40分、2号機の右の鈴落下。8/24からの連続的な予知器の作動。それに対応した地震も今だ発生せず。 
 以上、記録として追記しておきます。

<9/6追記>
 本日、10時25分2号機左鈴落下、12時00分同右鈴落下、13時50分再び左鈴落下、13時55分再び同右鈴落下、19時50分三度同右鈴落下。1日で5回も作動したのは、設置して初めてです。
 以上、記録として追記しておきます。

<9/15追記>
 今朝、4号機の磁石が落下していました。昨夜就寝前は異常ありませんでした。他は、作動なし。
 以上、記録として追記しておきます。


<9/17追記>
 昨日午後2時ごろ2号機右鈴落下。本日、午前4時26分、岩手県沖を震源とするM6.3発生。最大深度4。当地は、震度1~2。長めの横揺れでした。
 以上、記録として追記しておきます。

<9/24追記>
 本日早朝、4号機の磁石落下。昨夜就寝前は異常ありませんでした。他は、作動なし。
 以上、記録として追記しておきます。

本日午前、4号機の磁石再度落下。午後7時30分頃、2号機の左右両方の鈴落下。
 以上、記録として追記しておきます。

<9/30追記>
 本日早朝、4号機の磁石落下を確認。昨夜は遅く帰宅し、その時点で落下していたかどうか確認できませんでした。
 昨夜19時5分、福島県沖を震源とするM5.6(最大震度5強)発生。久しぶりに緊急地震速報が鳴りましたが、当地はほとんどゆれませんでした。
 以上、記録として追記しておきます。

<10/4追記>
 本日午前11時、2号機の鈴、左右同時に落下。設置して以来、左右同時落下は初めてでした。
 以上、記録として追記しておきます。

<10/12追記>
 本日午前10時頃、2号機の鈴、左右同時に落下。10/4に続いて、左右同時落下。昨日(10/11)は4号機の磁石落下あり。
 以上、記録として追記しておきます。

<10/14追記>
 昨日10/13、夜帰宅すると、2号機の左の鈴が落下していました。左のみ落下はしばらくぶり。 
 本日、4号機の磁石落下。9月下旬以降、予知器の作動が続いています。
 以上、記録として追記しておきます。
 

<10/30追記>
 8月を境に、当地での余震は極端に少なくなりました。しかし、予知器の方は9月末ごろから頻繁に作動しています。すべては追記しておりません。昨日および本日早朝、4号機が作動しました。

<12/20追記>
 久しぶりの追記。今朝、6号機が作動しました。6号機の磁石落下は初めてで、きわめて珍しい現象です。他は作動なし。
 珍しい現象なので、追記しておきます。

<12/23>
 昨日4号機が、今朝、再度、6号機が作動しました。





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地震予知器? 試作その5

2011年07月28日 | 地震予知器


 6月下旬に地震予知器を設置して1ヶ月が経ちます。

 この間、何度か作動し、その後に比較的大きな地震が発生するということを経験してきました。ただ、震災直後ほどではなくなったとはいえ、かなりの頻度で余震が起こっており、予知器の作動がどの地震に対応するものなのか。たとえば、鈴が落下し数時間後に地震が発生したとして、それがそうなのか? その後、さらに大きな地震が起こって、こちらが本命だったのでは? という感じで、因果関係に確証が持てないという状態ではあります。

 そもそもすべてが単なる偶然なのか? それならなぜ予知器が作動するのか? これらの考察は、いずれ時期をみてまとめてみたいと思います。今の段階としては、やはり因果関係はありそう!との感触はあり、予知器が本当に作動すること自体に驚いています。

 これまでもっとも敏感に反応したのは南向きの窓に設置している2号機で、なぜか左の鈴だけが落下するという現象が続きました。磁界にもホットスポットがあるとか・・・。設置場所(南側、北側)、予知器の向き、磁力に対して垂直か水平か、等々、それらによってどんな挙動の違いを見せてくれるのか? 試したいことが多くなりました。磁石に吸い付けたり、反発させたりというだけの単純なことなのに、奥が深いです。

 今回の試作5号機。何かアイディアが生まれて、とりあえず形にしてみる、というのが面白くて、またまた作ってしまいました。いったい何台作ることになるのか、自分でも見当つきません。佐久間象山の地震予知器のイメージがあって、改良を加えたらこうなるのでは?というようなことを考えているうちに、磁石そのものの面白さにも目覚めて、試作が増えてきました。


試作5号機 全体の高さ15cm  上の磁石は直径24mm

球形のネオジム磁石 直径8mm

ナイロン糸を介して浮いた状態


 4号機と原理は同じで、その改良版。前作と違って銅パイプではなく、ナイロン糸に球形の磁石を通してあります。上からの磁力と重力とのバランスで浮いている状態。上下の磁石の間隔は約7cm。これだけ離れていても落ちないのは、ネオジム磁石の強力な磁力の賜物ですね。直径が10mm、8mm、6mmの3種類の球形磁石を試したところ、8mm以外はうまく安定してくれませんでした。バランス点は微妙です。細い糸1本でバランスを取るのは無理で、4本を束ねてあります。ただ、いったん浮いた状態にできれば、意外に安定して、生活振動で落下することはありません。指で触れたりすると、あっという間に吸い上げられるか落下します。4号機に比し、さらに高感度。

 それぞれ設置場所を変えて、観察を続けてみます。


<8/5追記>
 今朝(8/5)、2号機の左の鈴の落下を確認。昨夜就寝前は異常ありませんでした。他は作動なし。
 以上、記録として追記しておきます。

<8/6追記>
 本日(8/6)正午過ぎ、2号機の左右の鈴の落下を確認。落下の瞬間は見ていないのですが、気が付いたら落ちていました。二つ同時に落下は初めての現象です。その直後から雷が鳴り始めました。関連あるかどうかは不明。
 以上、記録として追記しておきます。



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地震予知器?試作その4

2011年07月17日 | 地震予知器


 試作を重ねていくうちに、磁石というものの面白さにはまってしまいました。アナログなマグネット工作、けっこう楽しめます。

 いよいよ試作も4台目。これがファイナルとなるかもしれません。テーマは重力との均衡。2個の磁石をSNで上下に向い合せる。上の磁石を固定し、下の磁石を少しずつ離していく。互いに吸着する力が働き、ある距離までは上に吸い上げられますが、磁力の限界点に達すると、今度は重力が勝り、一気に落下することになります。しかし、磁力と重力が均衡を保ち、宙に浮いてしまう絶妙な位置があるのではないか?もし、その位置に磁石を安定させることが可能なら、1号機、2号機のようにナイロン糸の長さで調整する必要はなく、これ以上ない高感度な地震予知器となるのでは?

 そんなことがあり得るのかどうか、まずは実験。3号機で使ったものと同じリング磁石2個に糸を通し、慎重に磁力と重力のバランス点を探しましたが、案の定、うまくいきません。上の磁石に吸着されるぎりぎりのところから、わずかに下に移動させると落下してしまいます。磁石が安定する位置はどうしても探り当てることはできません。糸なので、磁石の安定を保つことができず、磁力線が微妙に変化してしまうようです。

 それではということで、リング磁石に銅パイプを通して試してみました。これなら、磁力の軸は安定するはずです。が・・・、結果は同じでした。吸い付くか落ちるか、どちらかです。均衡点は見当たりません。

 同じ2個の磁石では難しい。では、重力に対してもっと強力な磁力を一方に持たせればバランスを保つのでは?と考え、上の磁石のみを大型のものに替えてみました。結果は?・・・見事に均衡を保ってくれました。もちろん、何の支えもなく中空に浮くわけではありません。銅パイプを介してです(アーンショウの定理)。銅パイプの代わりに、たとえば透明なアクリル管などを使えば、見た目はまさに宙に浮いた状態に見えるのでは?

 ポイントは、上部マグネットの磁力の強さと下部マグネットの適度な重さにあると思われます。たまたま、組み合わせが良かっただけなのかもしれません。実際やってみるとわかりますが、磁力と重力のバランスを得るのは容易ではないです。


 以上を再現したのが、試作4号機です。形は3号機と似ていますが、原理は正反対となります。

 これまでと同様に銅パイプでフレームを作成。高さは15cm。上部に画びょうに吸い付けた直径2.5cmのネオジム磁石を装着。恐ろしく強力です。下部フレームに直径1.1cmの小型リング磁石を上の磁石に吸い付くように通し、下から慎重に持ち上げて均衡点を探します。


磁力と重力の均衡状態

上の磁石に吸い上げられた状態


 上部マグネットから約7cmのところで浮いてくれました。写真ではうまく伝わらないかと思いますが、下のマグネットは銅パイプに引っかかっているということではなく、絶妙なバランスで浮いた状態です。少しくらいなら揺らしても動きませんが、触ったりすると、スーッと上に吸い上げられるか、下に落下します。生活振動で誤作動ということはなさそうです(下部フレームの先端にあるのは、上の磁石に吸着してしまうのを防ぐための留め具です)。






 これで、超高感度なマグネット地震予知器完成・・・。 地電流によるわずかな磁界の変化も見逃すことなく、作動してくれるのでは? 


<7/24追記>
 昨日(7/23)午前8時、4号機が作動しました。ただ、近くの神社のお祭りを知らせる花火があり、その最中にマグネットが落下。花火の振動による誤作動かと思ったのですが、13時34分に宮城県沖を震源とするM6.5(最大震度5強)が発生。当地は震度3とのことですが、市内を歩いていたため、まったく地震に気づきませんでした。
 本日(7/24)午前11時30分頃、2号機の左の鈴のみ落下。その前、11時にまた神社の花火が上がり、同じように振動を感じましたが、その時は、どの予知器も作動しませんでした。花火の振動による誤作動ではなかった? 今回は、2度とも、目の前で作動しました。
 以上、記録として追記しておきます。

<7/25追記>
 本日(7/25)午前3時51分、福島県沖を震源とするM6.2(最大震度5弱)が発生。仙台青葉区は震度4。4/7以来の強い揺れを感じました。
 以上、記録として追記しておきます。

<7/28追記>
 本日(7/28)早朝、北側の部屋に設置している4号機が作動。昨夜就寝時は異常なかったのですが、朝起きて確認したところ、磁石が落下していました。南側に設置している他の予知器は作動せず。
 以上、記録として追記しておきます。

<7/30追記>
 昨日(7/29)午後11時53分、福島県沖を震源とするM5.5(最大震度3)発生。当地は震度2。
 以上、記録として追記しておきます。

<8/1追記>
 昨日(7/31)午前3時54分、福島県沖を震源とするM6.4(最大震度5強)発生。当地は震度3。東京出張中で、ホテルで揺れを感じました。帰宅後、確認したところ、北側の部屋に設置してある4号機が作動していました。事前に作動したのか、揺れによる誤作動なのかは不明。他は、作動なし。
 以上、記録として追記しておきます。



 





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地震予知器?試作その3

2011年07月14日 | 地震予知器


 昨日の鈴落下。その後の福島沖M5.3(震度4)や本日午前の宮城県沖M4.8(震度3)が発生しましたが、これらがそうなのか? それにしては感度が良すぎるような・・・。そもそもめったなことでは落ちそうもない予知器の鈴がなぜ落ちるのか?不思議な現象ではあります。

 そのメカニズムですが、一説では次のように解説されております。

 大きな地震は突然引き起こされるように感じるが、実は、その数日前または数時間前から小さな岩盤破壊が始まる。その際に地電流が発生、局所的かつ一時的に強力な磁界が形成され、周辺の磁力に変化をもたらす・・・。

 その際の磁界の変化というのは、かなり瞬間的なもので、あっという間に元の状態に戻る、しかも普通に磁石に張り付けていたものが落ちるという程のことはない、ということらしいです。突発的に形成される磁界の強さや及ぼす範囲は、前兆となる岩盤破壊の大きさ、距離、深さによるということでしょうか。

 この間、3度鈴が落下し、その後リセットできたことを考えると、瞬間的に磁力が弱まる、そしてすぐに元に戻るというのは、なんとなく理解できます。また、数日から数時間前に作動というのも納得がいきます。鈴が落下してから比較的大きな地震が発生したのは事実なので、自分の周辺地域に関しては、ある程度予知できるのでは? それとも単なる偶然や勘違い? まあ、気長に観察することにします。

 ただ、前兆の岩盤破壊による磁界の変化で鈴が落下するとして、さらに大規模破壊が起こる本震においてどうして落下しないのか? この点が疑問ですね。

 さて、これまで試作したマグネット地震予知器は、磁石の吸着力を利用した装置ですが、当然、SSまたはNN極同士の反発力の方にも磁界の変化は現れるはず。もしかすると、その方が端的に影響を受け、何らかの作用を察知できるのでは?との思いつきで作ってみたのが今回の試作3号機です。



 2個の磁石を使用。同極では反発しあって1個が空中に浮上しますが、そのままで安定的に浮上させることは不可能とされています(アーンショウの定理)。そこで、支えとなるものを介して、反発力の限界点で浮上させ、地震前兆によって磁力が弱まった瞬間に一気に落下する、そういう装置を考えてみました。


リング状のネオジム磁石。直径11mm、穴径4mm、高さ5mm。小さいのに反発力は5cm弱あります。

銅パイプのハンダ付けでフレームを作製。リング磁石を慎重に装着。

上のマグネットは反発力で浮いた状態

 フレーム中央、切れ目の下部に磁石を通し、もう1個の磁石を同じ極で向かい合わせて上部フレームに通す。慎重に下の磁石を持ち上げ、上部の磁石が落下ぎりぎりのところで安定する位置を探します。位置が決まったら、下の磁石を固定し、完成。上の磁石は、常時、浮上した状態となります。磁力が弱まると、フレームのわずかな支えがなくなり、バランスを崩して落下する仕組み。落下した磁石は1回転して下の磁石に吸着され、カチッという音で作動を知らせる。

 何か興味深い現象がみられるのかどうか? 観察するものが増えてきました。


<追記>
本日(7月17日)、午後4時ころ帰宅したところ、2号機の左の鈴が落下していました。他は作動せず。どうもこの鈴だけが敏感すぎるのか、何か他の要因なのか、今回で3度目です。
 以上、記録として追記しておきます。



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地震予知器?試作その2

2011年07月10日 | 地震予知器

 前回記事の<追記>で、7月7日に予知器の鈴が落下、その数時間後の7月8日に福島県沖のM5.6が発生したことを書きました。そのとき疑問に思ったのは、地震前兆による磁界の変化が起こり、その結果として鈴が落下したのが仮に本当として、この程度の規模で反応するものなのだろうか?ということでした。

 そして本日、9時57分、三陸沖を震源とするM7.3が発生しました。最大震度4、当地は震度3。揺れの大きさは7月8日の時と同程度ですが、時間的には数倍長く揺れました。案の定、津波警報が発せられ実際10センチ程の津波が観測されたとのこと。M7以上の地震は4月11日以来、3か月ぶりだそうです。

 後付けの話ではありますが、鈴が落下したのは、実はこれだったのでは?などと大真面目に考えています。7日に落下して10日発生ですから3日も間があるわけで、そういうものなのかどうか、さらに観察を続けてみないとわかりません。でも、このマグネット地震予知器、自分の中で、急に真実味を帯びてきたのも事実です。

 そんなわけで、急きょ、試作2号機を作ってみました。1台のみでは、無意識のうちに触れてしまったとか、瞬間的にエアコンの風が吹き付けたとか、何らかの不慮の要因が考えられなくもなく、確証を得ることはできません。でも、離れた2台の予知器が同時にまたは連続的に反応したとなれば、信頼性は格段に高まるのでは?

 あるサイトに「地震による地磁気は垂直方向に影響を受ける」との記述がありましたので、今回は、磁石と鈴の関係を水平にしたものを作ってみました。





 作り方は、前回と同じで、何も難しいことはありません。中央のマグネットは画びょうをはんだ付けして吸いつけています。磁力の関係もあって、1号機よりも少し「高感度」です。





 無電源電界強度計。ロッドアンテナの長さは37cmでもっとも電界強度が高くなり、目盛11から4の間をゆっくり変化します。きちんと記録しているわけではありませんが、数日前から4に下がり、今日の地震後、7まで上がってきました。こちらも真面目に観察してみようかと思います。


<追記>
 昨日(7月12日)午後5時頃、2号機の左の鈴が落下しました。今回もXが確認。気づいた時刻なので、これより前に落ちていた可能性もあります。右の鈴は落ちませんでした。1号機も変化なし。左の鈴のみ少し感度が良すぎた(落ちやすかった)かもしれません。そう思っていたら、本日(7月13日)0時37分、宮城県沖を震源とするM5.1が発生。最大震度4。当地は震度3。
 以上、記録として追記しておきます。

<追記2>
 本日(7月13日)、午後3時15分頃、また2号機の左の鈴のみが落下しているのをXが確認。ちょうど雷が鳴っていたとのこと。電界あるところに磁界あり。その影響かもしれません。
 以上、記録として追記しておきます。




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地震予知器?

2011年06月26日 | 地震予知器


 M9という途方もないエネルギーを発する巨大地震に見舞われたのだから、何か前兆のようなものがなかったのか、ということが時々話題になります。自分としては特に思い当たらないのです。3月9日に久しぶりに大きな地震が来ていたのですが、それすら忘れかけていた二日後、唐突に揺れが襲ってきた、そんな感じでした。

 新聞報道によれば、GPS衛星などを使って様々な前兆はとらえられていたようです。

 ・東北地方のFM放送の電波伝搬が8ヶ月前から2~3倍強くなっていた(北大)
 ・地震の40分前から震央上空300Km付近の電子量が異常に増加(北大)
 ・地震発生1~3日前から上空の電子量の増加を確認(千葉大)

 毎朝、7MHzやVUをワッチしていますが、何かいつもと違う異変や兆候には気付きませんでした。ただ聞き流しているだけで察知できるというものではないようです。

 ネットで検索すると、前兆観測を公開されている方も多いですね。
 ・地震雲の観測
 ・大気中のイオン濃度
 ・ガンマ線の増減
 ・電子機器の異常動作  などなど
 
 どれもそれらく思えてしまいますが、中には「体感」などというのもあります。地球上に70億近い人がいるわけで、その中には、特殊な能力をお持ちの方もおられるのかもしれません。一概に否定もできないし、信用もできない、地震予知というのはそういう不確かさがあって、そこがまた面白くもあり、ロマンでもあるのかなとも思います。


 江戸末期、安政の大地震。浅草の眼鏡屋で磁石に吸い付けてあった釘などがバラバラと落ちてしまったので不思議に思っているところに、数時間後、大きな揺れが襲ったのだとか。大地震の前兆として磁力が急に弱くなるということが話題となって、当時、作られたのがマグネット式地震予知器というものだそうです。磁力を相対的に弱めてしまうような磁界が、大地震の前に発生するということでしょうか? だとすると、電子機器の異常動作なども説明がつきますね。これで実際、予知できたとか、そういう研究が大規模に進んでいる、というわけではないようです。当時は、まだ磁石そのものの珍しさもあって、真実味をもって広がったのかもしれません。

 でもこの話、妙に興味をそそられてしまいました。マグネット地震予知器・・・。


 ネットで検索してみたら、佐久間象山が作ったという予知器の現物も残っているそうで、図解も見ることができました。さらに、仙台在住のOMのブログでも「超高感度マグ」という装置を開発して、実績を重ねていることが紹介されており、6月23日の地震(震度5弱)も的中させたのだとか。やはり、磁界に変化が起こるというのは本当らしい???

 佐久間象山の装置は絵図を見る限り何も特別なものはなく、要は、「磁石の磁力が急に弱くなって吸い付いていた物が落ちる」という現象を視覚および聴覚でわかるような装置であればよい、と解釈できます。難しいことは考えず、雨天休日、簡単な試作品を作ってみることにしました。



銅パイプで支柱と土台を作製 


二つをはんだ付け。高さは12cm。上部中央に鉄板(何でも良い)と磁石を装着
鈴にナイロン糸を通して、ぎりぎり落下しない位置に調整して完成


一見すると鈴が宙を浮いているよう

磁力が弱まれば、落下して音を鳴らす


 銅パイプの切れ端と磁石と鈴。すべて有り合わせの材料で作りました。製作費100円程。ホント、単純な装置です。Xはオブジェとしておもしろがってくれました。真偽のほどは半信半疑。とりあえず室内に置いてみることにします。



奥が昨年のハムフェアで購入した電界強度計(無電源で作動)
微妙に変化するのでこちらも観察してみます


《追記》
 設置して2週間、昨日(7月7日)初めて鈴が落下しました。自分はCMでいなかったのですが、Xによると、午後5時頃ふと見たら落下していたとのこと。午後2時過ぎに弱い地震があって、もしかするとその揺れで落下したのでは?との話でした。鈴は微妙なバランスで浮いているので、かなり敏感ではありますが、生活震動や空調で落下しないことは確認済みです。また、この2週間、震度1~2は何度かありましたが、その揺れによって落下したことはありません。なので、別の要因と思っていたところ、本日(7月8日午前3時46分)、福島県沖を震源とするM5.6(最大震度4)が発生しました。当地は震度3で、6月23日以来の割と大きな揺れでした。予知器を確認したところ、鈴は落ちていませんでした。やはり地震の揺れによるものではなさそうです。M5.6を予知して(磁界が変化して)数時間前に落下したとか?この規模で???
 以上、記録として追記しておきます。


コメント (2)
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