JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

VUデュアル 3エレ OWA八木の特性

2024年05月16日 | 八木アンテナ

 

 

 このアンテナは2種類作り、1本はすべてロッドエレメントで重さ150g、2本目は放射器にロッドエレメント、導波器および反射器に4mmアルミパイプを使い軽量化を図り重さ115g。どちらも2年半ほど前に製作し、山で使ってきました。1本目の方がロッドエレメントを伸ばすのみなので扱いが楽ですが、エレメントがきれいにそろいにくい欠点があります。2本目は導波器と反射器を蝶ナットを回して固定する作業があり、ひと手間かかりますが、エレメントはきれいにそろいます。最近よく使うのは2本目の方で、栗駒山の運用でもそれなりの手ごたえが感じられました。製作時に調整して以来、特に問題なく使えてはいますが、どんな特性だったのか気になり、あらためて測定してみました。

収納状態 ロッドエレメントタイプ(上) アルミパイプエレメントタイプ(下)

 

 

 はじめに、145MHz単体の状態で測定した結果です。バンド内どこもSWR1.1以下フラット、見事なほどのベタ落ちとなりました。アマチュアバンド外に広げて測定したところ150MHzあたりまでは2.0以下、鍋底を形成し、きわめて広帯域な特性が見て取れました。

アマチュアバンド内フラット

140MHz~155MHzで測定

 

 続いて430MHz用のオープンスリーブエレメント(導波器2本)を追加して測定してみました。145MHzの特性は変化なし。430MHzの方は430~440MHzまでSWR1.5以下、433.000メイン周辺は1.1以下と、145MHzに比べはるかにバンド幅が広いにも関わらず、こちらも広帯域でフラットな特性を示してくれました。

430MHzオープンスリーブエレメント追加

145MHzは変化なし

430MHz帯も広くフラット

 

 OWA八木は Optimized Wideband Antennaの略だそうで、広帯域に最適化されたアンテナということになるかと思います。145MHzの3エレ八木は、設計によっては9dbiほどの高ゲインが得られますが、OWAはゲイン重視ではなく、広帯域と安定性、使いやすさ重視といったところです。ブーム長も50cmと短く、利得は7dbiほどかと思われます。放射器と反射器の間隔を広めにし、導波器との間隔は狭く設定するのが勘所のようで、自分はネットで公開されているデータでほぼそのまま作り、ついでに430MHz用のオープンスリーブエレメントを追加して給電部共用のVUデュアル八木として使っています(製作時の記事「八木アンテナ」カテゴリー)。当初、430MHzの方の性能はどうなんだろうと、疑問視していたところがありましたが、430MHz単体の3エレ八木と比べて特に遜色ないとの感触で、悪くありません。

 

 今回測定してみて、再調整の必要はまったく感じず、安定的に使える特性のよいアンテナと見直した次第です。

 

 

 

 

 

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1200MHz  5エレプリンテナの調整

2024年02月01日 | 八木アンテナ

 

 

 共振点もSWRもあいまいで今一つ腑に落ちない結果となった5エレプリンテナ。寸法図通りに作ったつもりだったのですが、あらためて現物を確認したところ、放射器の寸法に問題があったかもしれません。放射器はフォールデットダイポールで、真鍮線の切り出しは寸法どおりですが、折り曲げが甘かったのか、幅が多少広くなったために、長さの方が短くなってしまった、ということのようです。原因はたぶんこれかと。ただ、放射器を外してはんだ付けし直すと、給電部のプリント配線(バラン部分)を損傷しかねず、できればいじりたくありません。

 

 残る方法は他のエレメントで調整ということになります。手っ取り早いのは第一導波器、これの寸法を変えてみることにしました。

 

 第一導波器のはんだを溶かしていったん外し、放射器よりも少し短い125mmの銅線をセロテープで固定。この状態でメインよりだいぶ下になったものの共振点は見えてきました。測定しながら1mm単位でカットを繰り返している内に、今度は切り過ぎたようで、わずかに上にズレてしまう、といった感じで、思いのほかクリティカルです。最後はエレメント両端にほんの少しはんだを載せて調整しました。

 

 第一導波器

 変更前(初期値)   107mm

   変更後        119mm

 

 変更前SWR1.8前後だったのが、変更後は1.029に下がり、共振点も明瞭となりました(RG174A/U同軸ケーブル1.5mを接続)。予想した以上にエレメントが長くなったのはちょっと気になります。

変更前

変更後

 

 アナライザー直結でも測ってみました。SWRは1.480と高めですが、共振点はこちらも明瞭となりました。ハンディ機直付け専用にするのであれば、さらに追い込めるかと思います。

 

 このアンテナは寸法図通りに作れば無調整でよいはずですが、実際調整してみて、0.5mm単位くらいの厳密さが求められるアンテナでもある、という印象です。ある程度ゆるく作ってもOKかな、と勝手に考えていたのですが、そうではないようです。

 

 仙台一番町および石巻上品山レピーターにアクセスした感じでは、調整前より良くなったというような感触はなく、特段変わらず。マッチングは取れているものの、性能的には? といったところです。コメットの5エレ八木(HFJ-1205Y)と比べ、S1低下します。

 

 いじろうと思えば、いろいろできそうではありますが、とりあえず調整終了です。次回の山歩きではこのアンテナを使ってみます。

 

 

 

 

 

 

 

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430MHz 山岳用軽量5エレ八木 

2023年01月05日 | 八木アンテナ

 

 

 MMANAで設計し作ってみたところ、ほぼその通りのものが出来上がった、ということを前回書きました。QSOパーティで実際使ってみて、利得、指向性、帯域とMMANA解析と違和感ない印象を受けました。ただ、たまたま偶然うまくいっただけなのでは?との思いがなくもありません。今回は5エレ八木で設計・製作し、シミュレーション通りとなるのかどうか再度試してみることにしました。

 

 山で使うことを考え、次の点を目標としました。

・ブーム長は50cm程(併せて軽量化と収納を考慮)

・ゲイン10.5~11dBi

・D-starレピーター周波数を含むバンド全域でSWR2.0以下

 

 前回の4エレ八木のデータをベースに第3導波器を追加し「最適化」。ブーム長を考慮しなければ11 dBiを超えるものができますが、50cmでは難しいようです。利得を追い求めるとメイン付近はSWRが下がるものの439MHzが跳ね上がってよろしくありません。エレメント間隔を固定する設定にし、エレメント長のみ変更しながら何度か「最適化」していったところ求めに近いものが示され、あとはカット&トライおよび間隔を微調整しました。リアルと異なり、カット&トライにしても同じようなことを何度も繰り返したりして切りがなく、目標の範囲ということで妥協点としました。

 反射器から第3導波器までの長さがちょうど50cm。利得10.68 dBi 。メイン付近でSWR 1.02、バンド全域2.0以下。

 

NO.1第1導波器 NO.2放射器 NO.3反射器 NO.4第2導波器 NO.5第3導波器

 

 

<製作>

 シミュレーションによるとエレメント寸法および間隔はクリティカルです。データ通り1mm単位で正確にカットおよび配置。これまでよりブームはより細い角材を使い、放射器もロッドアンテナから4mmアルミパイプに変更し軽量化を図りました。

 (材料)

 ・角材 9mm×9mm×51cm

 ・アルミパイプ 直径3mm(反射器、導波器) 4mm(放射器)

 ・六角銅スペーサー 4個(給電部、放射器用) 

 ・六角樹脂スペーサー4個(反射器、導波器差し込み固定用)

 ・BNCコネクター  樹脂板  片支持ブーム取付け用塩ビパイプ ボルト等

 

 放射器エレメントの取り付け、分離方法に少し悩みましたが、給電部との連結は六角スペーサーによるネジ込み式にしました。給電部側は丸端子にスペーサーをはんだ付けで固定、エレメント側はネジ部分がちょうど4mmパイプ穴に入り、接着剤で固定しました。初めて作る方式で加工にてこずり、見た目スマートとはいきません。この部分はさらに工夫のしどころがありそうな気がします。

 反射器、導波器はこれまで同様、接着固定した樹脂ナットに上から差し込む簡易方式。今回も製作自体は半日ほどで完成しました。

 

 ブーム長51cm、重さ53g。5エレなりのゲインを確保しつつ、軽量にはできたかな、と思います。このくらいの軽さであれば山でも全然苦になりません。組み立ては給電部に放射器上下をねじ込み、他のエレメントを上から差し込むのみです。

収納状態

 

 さて、MMANAの解析通り共振してくれるのか?さっそく各エレメントを取り付け、IC-705のプロット機能で測定してみました。この瞬間がいつも楽しみでもあり、不安も交錯するわけですが、その結果は下の通りです。

 

 シミュレーションそのままと言ってよいかと思います。共振点、帯域とも無調整で問題なし。このような小型八木であれば、解析データとの誤差はほとんどなさそうで、前回、今回と実際製作してみて、MMANA-GALの秀逸さを再認識できたように思います。むしろデータ通り1mm違わず製作できるかどうか、その工作精度の方が問題となるのかもしれません。アナログなアンテナ作りは変わらないものの、あらかじめ様々解析、検討できるというのはホントありがたいです。

 

 寒くて山歩きも躊躇しておりますが、近いうち4エレと比較でもしながら使ってみます。

 

 

 

 

 

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430MHz 4エレ八木(その2)MMANAで作ってみる 

2022年12月15日 | 八木アンテナ

 

 

 今回はMMANAを使って得られたデータをもとに製作を試みました。前回同様4エレとし、小型ザックにも入るようブーム長40cm以内で、より高ゲインのものをめざしました。

 

 軽量4エレ八木のデータをMMANAに入力し、これをベースに「ゲイン」「FB比」「SWR」等のパラメーターを変えながら何度か「最適化」を実行。4エレであっても10dbiを超える組み合わせが示されるものの、長さがどれも50cmを超えてしまいます。エレメント間隔が狭いと利得は上がらず、あるいは利得はそこそこ得られてもSWRが高過ぎ・・・。エレメントの間隔と寸法の組み合わせは無限にあって、八木というのはつくづく妥協の産物では?と思えてきます。

 

 ベースとなる数値を変え「最適化」を続けたところ、反射器から第2導波器までの長さが36cmほど、ゲイン9.5dbi、SWR1.5以内という求めに近い組み合わせにたどり着きました。さらに追い込むため、間隔は変えず、エレメント寸法のみを増減。いわばシミュレーター上でカット&トライを繰り返すといった風で、何とかSWR1.05まで落ちてくれました。偶然にも4本ともキリのよい寸法。不満なところがないわけではありませんが、ここで自分に折り合いをつけ、妥協点としました。参考まで、データ下記の通り。

 

 

 さて、MMANAのデータと製作したアンテナとの間に乖離がみられることはままあるようです。データ通りに作って本当に大丈夫なの?という不安がよぎらないでもないです。そこで、カットしたエレメントを仮止めして事前にSWRを測定したところ、1.0とはいかないものの、ほぼデータ通りという結果になりました。シミュレーションソフトなのでこうなって当たり前ではありますが、MMANA、なかなかのものです。安堵して作り込みを進めることにしました。

 

エレメント差し込み式(六角スペーサーに変更)

 

 製作は前回とほぼ同じですが、エレメントを差し込む中空丸パイプを樹脂製六角スペーサー(長さ2cm)に変更しました。丸パイプと異なり六角スペーサーは角材に平面で合わせられるため、精度が高まります。また放射器のロッドアンテナは太めのものしかなく、少し重くなってしまいました。ロッドアンテナを使うと調整が楽ではありますが、無駄に重くなってコストもかかるため、何か良い方法がないか、考え中です。

 今回も製作自体は半日ほどで完成。ブーム長38cm、重さ80g。ほとんど調整不要で、放射器のロッドをほんの少し短くしたのみでSWRベタ落ちになってくれました。IC-705のプロット測定でまったくバーが立たず、帯域も広そうです。

 

 

 固定局からの弱めの信号。前作との比較で今回の4エレの方がS1~2上がってくれました。前作で了解できない信号がぎりぎりで了解できるケースもあり、悪くない感触です。ゲインの向上という目標は一応クリアできたように思います。取り回しも問題なし。もっと良いものができるのかもしれませんが、自分的には御の字で、次の山歩きはこれを持って行こうかと思います。

前作(左)と今回(右)

 

 求めるアンテナをMMANAで設計し、得られたデータに基づき作ってみると、ほぼその通りのものが出来上がる、ということ自体、新鮮な感じがありました。「最適化」を繰り返していると「おやッ」と思えるような計算結果もあるし、一歩づつ目標とするものに分け入るような、あるいは見えない何かを探り当てるようなアナログな面白さもあり、MMANAを使ったアンテナ作り、あらためて興味をそそられました。

 

 

 

 

 

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430MHz 4エレ八木を試す

2022年12月11日 | 八木アンテナ

 

 

 大年寺山(仙台市太白区)にて430MHz 4エレ八木を試してみました。相手局は岩手県一関市の石蔵山移動局。デジコミで交信後430MHzにQSY、アンテナを変えながらの交信実験にお付き合いいただきました。石蔵山は一関市の東にある標高356mの里山。距離83km。

 

 はじめにVUデュアル八木(430MHz 3エレ)。方角を合わせ双方10Wにて59-59。これでは比較にならないということでパワーを5Wに落とし、それでも59-59。さらに相手局1W、当局0.5Wで52-55となり、かすかなノイズも感じられるこの状態で比較することにしました。

デュアル八木(430MHz 3エレ オープンスリーブ)

 

 さっそく4エレ八木に換えたところ55変わらず、わずかなノイズの感じもほぼ同じ。相手局からも52変わらずのレポートでした。モノバンドの4エレなのでデュアル八木より少し勝ってくれるのではと期待したのですが、同等の結果でした。逆にデュアル八木の方はオープンスリーブにもかかわらず、まずまずの利得、ということになるのかもしれません。

 

 

 ちなみに以前に作ってほとんど使っていなかった2エレの「プリンテナ」も試してみました。51-53に低下。ノイズが増え、信号強度も下がりました。相手局からもノイズが増えたとのレポート。プリンテナはバラン付きの基板にエレメントを付けた超軽量で面白いアンテナですが、3エレ、4エレとの違いは明らかなようです。

 

プリンテナ(右)

 

 今回製作の4エレ八木はカット&トライでマッチングを追い込んだものの、MMANAでの計算結果とは合わず(原因不明)、利得的には3エレ並みのようです。ただ、送受信とも悪くはなく、十分使えることはわかりました。もう少しブームが長くとも許容範囲ではあるので、利得重視の設計でもう一本作ってみてもよいかな、と考えています。

 

 

 

 

 

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430MHz 軽量4エレ八木

2022年12月08日 | 八木アンテナ

 

 

 里山での無線運用はもともと遠方との交信というロケでもなく、145MHzに比べるとノイズのほとんどない430MHzの方が良さそうな気がしています。ここ数回の運用では粘りのある伝搬も見せてくれて、少し見直しています。あまり430MHz用アンテナは作ってこなかったのですが、オープンスリーブのVUデュアル八木と比較もしたいと考えシングルバンドの4エレ八木を製作してみることにしました。いつもの通り、山で使える程度の耐久性を考慮しつつ、軽量化優先です。

 

 430MHz用八木はネットに製作例がたくさんアップされており、作られる方は多いようです。いろいろと参考にさせていただきました。ザックに入るブーム長を考えると5エレでも良いのですが、寒い中で少しでも手間なく組み立てられるもの、ということで4エレとしました。

 

<材料>

・ブーム 角材 10mm×10mm×31cm

・ロッドアンテナ 30cm×2本

・アルミパイプ 外径3mm 長さ1mを切り分け

・ベークライト中空パイプ(内径3.5mm)長さ20mm×3

・BNCコネクター

・給電部用プラスチック板、ボルト等

 

<製作>

 ブームは精度を出すのが容易なように今回も角材を使いました。導波器、反射器はアルミパイプ、調整できるよう放射器のみロッドアンテナとしました。導波器、反射器エレメントは中空パイプに上から差し込むだけの簡便な方式です。角材に直接穴を開けて差し込むことも考えましたが、精度を確保するのが難しいと判断し、この方法にしました。角材に溝を付けて中空パイプを仮止めし、エレメントがきれいに並ぶよう調整した上で接着固定しました。

  給電部はBNCコネクターにて直接給電、バランなし。最後に片支持ブーム接続用の塩ビパイプをバランスの良い個所に取り付けて完成。2m用八木と違ってエレメントの2分割等、面倒なところもなく製作自体は半日ほどで済みました。

中空パイプ差し込み式

給電部

収納状態

 

<調整>

 430MHzに対応するアナライザーがないので、IC-705のSWRプロット機能で測定したところ、バンド全域SWR3.0。共振点が上にあるのか下にあるのかの見当もつかず、想定外な結果に一瞬途方に暮れてしまいました。ネットデータの寸法を参考に作ったのですが、エレメントの太さ・材質など様々な条件が異なるのかもしれません。エレメント間隔は変えず、試しに第1および第2導波器を短いものに差し替えたところ、改善の兆しが見られたため、両エレメントをカット&トライで切りつめ、最終的に放射器寸法を調整してベタ落ちとなり、何とか事なきを得ました。

調整後

 

 調整後のデータをMMANAに計算させたところメイン付近でSWR2.0以上となり、実際の測定結果とだいぶ開きがあります。この状態で所定の性能が出るのか?は疑問ですが、一応、これで調整終了としました。アルミパイプの差し替えは簡単で、放射器もロッドエレメントなので長さや間隔を変えて、追々また試してみたいと思います。調整後の寸法図を残しておきます(自分の備忘録。当てになりません)。

 

 受信およびアナログレピーターにアクセスしてみたところでは良くもなく悪くもなし、サイドはそれなりに切れ、前方利得でVUデュアル八木(430MHz3エレ)、スイスクワッドと同等な感触です。信号によって4エレが良い場合もあるし、逆もあります。

 

 長さ31cm、重さ65g。コンパクトかつ軽量には仕上がったと思います。ハンディ機とこのアンテナを持って430MHzのみ運用、軽身で里山を歩き回る、そういうのも悪くないかな、などと考えています。とりあえず次の山歩きの際に持っていくつもりです。

 

 

 

 

 

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大年寺山散策(アンテナ調整)12/12

2021年12月12日 | 八木アンテナ

 

 

 この間、里山運用ではオープンスリーブによるデュアル3エレ八木を使い続けています。D-star430レピーターにもアクセスできて、やはりデュアルは重宝です。現地ではIC-705のSWRプロット機能で確認はしているのですが、アナライザーではここしばらく測定していませんでした。ロッドエレメントなので微妙にズレてくることがたまにあります。大年寺山散策ついでにアンテナ調整してみました。

 

 周辺の樹木はほとんど落葉して冬支度です。少しだけ紅葉の名残らしきものが残っていました。

 

山頂公園 いつもの運用場所

 

 野草園の上、大年寺山山頂部の公園でさっそく測定したところ、特に問題というほどのズレはなし、ロッドエレメントの長さのみ微調整しました。143MHz ~150 MHz までSWR1.2以下でフラット。145MHz用3エレのみの状態と430MHz用オープンスリーブエレメント2本(第一および第二導波器)を装着した状態で比較しながら測定してみました。ほとんど変化ありませんが、430MHzエレメントを追加した方が若干SWRは下がってくれました。430MHzに関してはアナライザーが対応していないのでIC-705のプロット機能で測定。バー表示されない状態、SWR1.0? 良好なようです。

 

デュアル3エレ八木

145MHz用エレメントのみの状態

430MHz用オープンスリーブエレメント装着時

430MHzのSWRプロット

 

 調整後、せっかくなので2mSSBでCQを出してみましたが応答なし。145MHzFMをワッチしたところCQが聞こえ、数局に応答。栗原市固定局、岩手県平泉町の音羽山移動局、大崎市加護坊山移動局。パワー1W~5Wで特に問題なく交信いただきました。悪くはないようです。

 

 

 利得重視ではないもののOWA八木ならではの超広帯域で、使いやすいアンテナではあります。430MHzについては3エレとして機能しているのかどうか?よくわかりません。これまでのところシンプレックスの通常交信でも感触としてはまずまずです。今シーズンの里山運用、引き続きこれを使ってみます。

 

 

 

 

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超?軽量3エレ八木(145MHz)

2021年09月23日 | 八木アンテナ

 

 

 泉ヶ岳で使った3エレ八木は単体で150g、これに片支持ブームを加え220gとなります。先日の運用で、微風であればモノポールでも設置できるとの手ごたえがありました。ただ、トップヘビーではあるわけで、バランスを考えればさらに軽量化するに越したことはありません。使用に耐えうるレベルの強度と使い勝手を確保しつつ、もっと軽くできないか? 性能的にも感触の良かった3エレで、寸法等はほとんど変えず、もう1本作ってみることにしました。

 

 

<材料>

角材(ブーム) 1cm×1cm×51cm

ロッドアンテナ(放射器エレメント)60cm×2本

太さ4mmアルミパイプ(反射器、導波器エレメント)

樹脂板、丸端子、ボルト、他

 

 前回の3エレは、エレメントすべてをロッドアンテナとしました。1本20gほどなので、上下6本で120g強。これに給電部やブームの重さが加わります。今回は反射器と導波器をアルミパイプに変更し軽量化を図ることにしました。放射器および給電部は変わりません。

 

 

<組立て、収納>

 反射器、導波器それぞれ所定の寸法に切ったアルミパイプ先端に丸端子を装着し、ボルトと蝶ナットで角材ブームに固定するのみ。と、簡単に考えていたのですが、収納の際、ある程度長めのボルトでないと丸端子同士が接触しV字型になってしまうことが判明。ブームに沿って直線状に収納するには、蝶ナットを緩めた状態で丸端子が上下に重なるだけの余裕のある長さが必要となります。手持ちのものをいろいろ試したところ、3cmのボルトで事なきを得ました。丸端子周辺はきつめに差し込んであるだけなので、アルミハンダで補強する予定です。

 

 

<調整>

 放射器ロッドの伸縮で調整します。反射器と導波器の長さも丸端子の重なり具合で5mmほど調整可能ですが、共振点やSWRはあまり変わらず、でした。放射器寸法を前回と同じにしたところSWR2.0。エレメントの太さと材質が異なるため微妙に変わってくるようです。調整の結果、バンド内広くSWR1.2以下となり、ベタ落ちではないものの、調整終了としました(寸法下図)。

 

 

 

 

 重さ115g。RH-770と同等の軽さをめざしたのですが、クリアならず。3mmアルミパイプなら100gを切ったと思います。今回は実用を考え4mmとしました。前作と比べ35gの軽量化に過ぎないものの、手に持った感触はけっこう違います。ポールとのバランスも良くなるのでは? アルミパイプにしても丸端子にしても交換やリペアが容易なことも利点です。難点は、組立て収納の際、2ヶ所の蝶ナットを回さなければならないこと。ロッドエレメントの方が手間はかかりません。ブーム長51cmの2本の3エレ、ケースバイケースで使ってみます。

 

 

 

 

 

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軽量4エレ八木(145MHz)

2021年09月17日 | 八木アンテナ

 

 

 山岳用アンテナの条件となるのは長さ、重さ、設営・撤収の手間、ある程度の丈夫さ、などなど。これらと利得との折り合いということになります。もう一つ重要なのは設営に三脚が必要かどうか。アローラインや軽量ホイップであればポールを地面に突き刺すだけで設営可能です。あるいは樹木を利用するとか。八木系の場合でも2~3エレ程度ならポール設置も不可能ではないと思うのですが、踏み切れないでいます。そこそこの利得があってもっと軽量なものはできないか?ということで、丈夫さにはこだわらず軽さに特化した4エレ八木を作ってみることにしました。5エレも考えたものの、ブームが1m近くになってしまい、ザックサイドに取り付けるにしても無理があります。ブームを分割すれば済むのですが、良い方法が思いつきません。4エレならなんとか許容範囲かと。

 

 

<材料>

角材 1cm×1cm×78cm

エレメント 60cmロッドアンテナ2本

      太さ4mmアルミパイプ

太さ5mm銅パイプ

BNCコネクター

樹脂板、六角ボルト等

 

<製作>

 放射エレメントはマッチング機構を兼ねてロッドアンテナとし、反射器、導波器はアルミパイプを使いました。エレメントにアルミパイプを使うのは初めてです。軽量化のメリットと変形しやすいデメリットがあり、今回は軽量化を優先しました。エレメント取り付けはブームに接着した5mm銅パイプに上下から差し込む方式としました。このような簡便な方法で下部エレメントが抜け落ちないのか、という心配はあります。またキツく入れ過ぎて、撤収の際に抜けなくなっても困るわけです。何度か試行錯誤しながらパイプの挿入部を慎重にヤスリで調整しました。アルミパイプはとても軽量で材質的にも少し弾性があり、うまく保持してくれるようです。手元での短時間の運用ならなんとかなるかな、と。エレメント寸法等は今回もネットデータを参考にさせていただきました。ブーム長78cm、重さ140g。2m用4エレ八木としては軽量なものにできたと思います。

 

 

 

<組み立て、調整>

 反射器および第一、第二導波器エレメントを上下に取り付け、放射器ロッドの伸縮で調整します。データ通りの寸法でバンド内全域SWR1.3前後と良好な状態となりました。ベタ落ちとはならず、ロッドを伸ばしたり縮めたりしてみましたが、あまり変わりません。少しSWRが下がったところで調整終了としました。それにしても144~145MHz帯を中心にフラット。癖のない性格というべきなのか、このような鍋底状のSWRグラフはあまり目にしたことはありません。利得はともかく、広帯域で使いやすそうな特性ではあります。

 

143.000~147.000MHzの範囲でフラット

 

 

 この軽さならポール設置も可能な気がします。ただ、強風では持たないかも・・・。オープンスリーブによる430MHzデュアル化もそのうち試してみます。

 

 

 

 

 

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LFAアンテナ VUデュアル

2021年08月30日 | 八木アンテナ

 

 

 通常1/2λダイポールを使う八木アンテナの放射器を1λループに置き換えたものをLFA(Loop Fed Array)アンテナというそうです。立体構造となる多エレメントループアンテナと違い、平面なので設営や取り回しは容易な感じがします。この間いろいろと試してきたオープンスリーブですが、ループ型放射器の場合でもデュアル化が可能なのかどうか、可能であればエレメント配置はどのようになるのか、そんなことに興味が涌き、作ってみることにしました。

 

 

 まずは145MHzのLFAアンテナを作ります。ネットにシュミレーションデータが公開されていたので、参考にさせていただきました(感謝)。製作自体はデュアル八木やモクソンアンテナと同じです。角材ブームにロッドエレメントを取り付け、ループ型放射器は銅パイプとミノムシクリップで作りました。ロッドアンテナを8本使い、大きさ的には4エレ八木に近いです。ブームも長めでザックサイドに取り付けることになります。また、上下各4本のエレメントがきれいに揃うように角材を削って加工しました。これがけっこうクリティカルな作業で、見た目だけでなく性能に影響を与えるので気を遣う部分です。

 組み上がってシュミレーションデータの寸法で測定したところ共振点がだいぶ上にあり、バンド内すべてSWR3以上となってしまいました。エレメント材質や太さが違うためデータ通りとはいかないにしても、ちょっと想定外。手ごわい調整が必要なのでは?と不安がよぎりましたが、そうでもありませんでした。反射器と導波器はいじらず、ループ放射器のロッドを少しずつ伸ばしたところメイン付近まで共振点が下がり、SWRもあっけなく1.1前後と良好な状態に落ち着いてくれました。気難しいところはなく、考えていたより素直な特性です。145MHzのLFAアンテナ完成。

 

 

 続いてオープンスリーブによるデュアル化。といっても今回はうまく430MHzに共振してくれるのかどうか? 共振するとすれば第一導波器の位置はループの中なのか、あるいは前方外側なのか? 太さ2㎜、長さ33cmの銅パイプを例によってセロテープでブームに貼り、測定を繰り返しました。はじめループの中ほどに貼り付けたところバンド全域SWR2以上。でも、マッチングしそうな感触もあり、少しずつ移動させていったところ、給電部から2cmのところで急にSWRが下がってくれました。上の方に共振点があるようでさらに移動させたりエレメント長を調整してみましたが追い込み切れず、この位置で確定としました。

 その上で、第二導波器の位置を同様に探っていきました。ループ内ではどこもSWRが大幅に悪化してしまいます。結局、ループの前方7cmでSWRグラフがもっとも良好となり、確定としました。第一導波器のみよりも第二導波器を取り付けた方がSWR的には改善します。また、430用エレメントを付けても外しても145MHzへの影響はみられません。これまでの経験からはループアンテナの中に金属類を入れると良いことはないのですが、このケースの場合は違うようです。略図、下記の通り。

 

 

430第一導波器のみのSWRグラフ↑

430導波器2本取り付けた際のSWRグラフ↑

 

 ということで、LFAアンテナのオープンスリーブによるデュアル化、一応の奏功をみました。ただ、SWR的に問題ないとしても両バンドの放射パターンがどうなっているのか、などは不明です。実際に使ってみて何か気づくこともあるかもしれません。

 

 

 

 室内の三脚に設置し145MHzをワッチしたところ、タイミングよく秋田県の秣岳移動局の交信が聞こえてきました(距離約80km)。方角を合わせ51。3エレ八木に換えたところノイズが増えて41。2エレ八木では信号は確認できるもののノイズに埋もれ聞き取れませんでした。145MHzについては悪くない印象です。LFAは欧米で6mバンドを中心に人気があって、低ノイズかつFB比と利得に優れるとの評価のようです。ブーム長74cm、重さ220g。自分的には大きめなので持っていく機会は限られますが、時々使ってみたいと思います。

 

 

 

 

 

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デュアル八木の改良

2021年08月29日 | 八木アンテナ

 

 

 昨日、大年寺山にて3エレ/4エレデュアル八木を使ってみました。 145MHzに関しては2エレで51の信号が3エレでは54~55に上がり、耳Sでも利得の違いがはっきりわかります。一方、430MHzは4エレのわりに今一つな印象がありました。前作の小型デュアル八木(2エレ/3エレ)よりもほんの少し劣る感じがあります。試しに第二導波器を外して第一導波器のみにすると大幅に信号が悪化。反射器については外しても変化なし。反射器の意味をなしていない? ということで、帰宅後、反射器の配置と長さを見直してみました。

 

 

 製作時はIC-705のSWRプロット機能を使い、共振点とSWRグラフを見ながら最適と思われる個所にエレメントを配置しました。今回は実際に固定局からの弱い信号(41~51ほど)をベランダで受信しながら、良く聞こえる位置を探っていくことにしました。第一導波器と第二導波器はいじらず、反射器のみいつものセロテープ貼り付け法で探ったところ、どの位置も大きな変化はありません。それでもこれまでの取り付け位置よりも放射器の後方2.0cmで信号が安定するのがわかりました。エレメント長も少し調整しました。第一導波器にしても反射器にしても放射器から近すぎ、これがベストではないようにも思います。オープンスリーブの挙動、よくわかりません。この状態でSWRをプロットしたのが下の写真です。

 

 

修正後の寸法

 

 変更前と比べ上の周波数で少し悪化しているものの問題なし。アナログレピーターに接続したところ、これまでよりSメーターで1~2個上がります。いくらか耳Sの向上も感じられるのでこれで良しとしました。SWRがバンド内ベタ落ち、それで性能を発揮するかというとそうでもなく、かえってSWRのみにこだわると肝心の性能を犠牲にしてしまっている、ということがあるのかもしれません。放射器の寸法も野外での測定に沿って少し修正しました。145MHzの性能は3エレとしては十分手ごたえがあり、使い勝手は悪くありません。防水などさらに手直しが必要かもしれませんが、山ではこれをメインに使おうかと考えています。

 

 

 

 

 

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145 MHz 3エレ/430 MHz 4エレ デュアル八木

2021年08月23日 | 八木アンテナ

 

 

 この間、オープンスリーブによるデュアル化を実験的に試してきました。共振という現象の深層に分け入るような面白さがあり、興味深く感じています。製品化もされており、自分が知らなかっただけで以前から普通に使われていた技術なのだろうと思います。比較的容易にデュアル化できる方法にも関わらず、ネットの製作記事やアンテナ製作本にもあまり見当たらないのが不思議です。

 

 さて、いくつかのメーカーから3エレ/5エレタイプのVUデュアル八木が製品化されていますが、どれもブームはけっこう長いです。同様のものでザックにすっぽり入るようなものが作れないかと考え、ブームを50cm程に抑えた145MHz3エレ、430MHz4エレ(放射器共用)のデュアル八木を製作してみました。

 

<製作>

 今回もブームに角材を使いました。軽く、精度が保ちやすく加工もしやすい、間違っても修正がきく、という点でとても重宝しています。固定用には向かないものの移動用なら強度も問題なし。塗装を施せば耐候性も悪くないと思います。製作は先に145MHzの3エレを作り、その上で430MHz用のオープンスリーブエレメントを追加します。145の3エレはネットに公開されていたデータを参考にしました。利得よりも小型化重視です。430用エレメントの反射器と第一導波器はモクソンデュアル化で使ったものを活用し、第二導波器のみ追加。5エレも考えましたがこのブームでは無理があり4エレとしました。ブーム長51cm、重さ175g。エレメント寸法、間隔は調整後に下記のようになりました。

給電部作製

前作(左)と今回のデュアル八木

収納状態

 

<調整>

 145 MHzは上記の寸法がほぼ無調整の状態です。メイン付近でSWRベタ落ち。帯域は広くバンド内1.2以内。430MHz用エレメントは反射器と第一導波器をはじめに取り付け、その上で第二導波器を追加。モクソンデュアル化の経験から放射器からのおおよその間隔の見当をつけ、例によってセロテープで貼り付けて測定を繰り返し位置決めしました。放射器と第一導波器の間隔はわずか1.3cm。追加の第二導波器も33cmの銅パイプを同様に位置決めし1mmずつ切り詰めSWRの良好な寸法となったところで確定としました。オープンスリーブの特性なのか、1mmカットでも変化が大きくクリティカルです。調整の結果、バンド内SWRベタ落ちとなりました。かなり帯域が広いです。

 

 

 なお、第一導波器1本のみでもマッチングしますが、帯域が狭くなりSWRも少し悪化します。430用エレメント3本を取り付けた状態で再度145 MHzを測定したところまったく影響は見られず、これで調整終了としました。

 

 

 

 ベランダおよび室内で受信してみました。弱めの信号で前作の小型デュアル八木(2エレ/3エレ)と比較したところ145 MHz についてはS1ほど強くなり、3エレなりの利得が出ているようです。430MHzは明確な違いというほどのものは感じられず、といったところです。オープンスリーブによるデュアル化、感覚的にだいぶ慣れてきました。エレメント寸法、配置ともほぼ想定したスケッチ通り製作を進めることができました。期待した性能が出るのかどうはこれから。近いうち野外で試してみます。

 

 

 

 

 

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小型デュアル八木(145MHz・430MHz)

2021年08月14日 | 八木アンテナ

 

 

 モクソンアンテナのデュアル化でふと脳裏に浮かんだのがCQオームのOHM-2243VBという小型八木です。145MHz2エレ、430MHz3エレとして機能するベランダ用アンテナで、以前に購入を考えたこともあります。ナガラ製とのことで重さが1.2kgあり、とても山に持って行けそうになく躊躇しました。ホームページに掲載されている略図をみると430用エレメントへの給電はなく、オープンスリーブとなっているようで、モクソンデュアルと同じ原理と考えてよさそうです。実際どのように動作するのか、モクソンデュアルとの違いは? そんなことに興味が涌いて略図を参考に自分なりに自作してみることにしました。いつものことながら山で手軽に使えればよい、そんな考え方なので耐久性は考慮せず、軽量化優先で作りました。 

 

 

<材料>

ロッドアンテナ60cm  4本

直径4mmおよび3mm銅パイプ

BNCコネクター

角材1cm×1cm×46cm

樹脂板、丸端子ほか

 

 

 すべてあり合わせの材料です。寸法はOHM-2243VBを参考にほぼ同じに作りましたが、エレメント材質や太さに違いがあり、最終的に調整し下図のようになりました。

 

 

<製作>

 2エレ、3エレであっても八木の場合エレメント間の歪みが出やすいので、今回もブームは角材です。給電部は同軸ケーブルの引き回しを考慮し直結でなくBNCコネクターとしました。前回同様430エレメントは上から差し込むだけの銅パイプ差し込み式を採用。軽量化できる上に手間がかからず気に入っています。給電部(放射器)、反射器、差し込み用銅パイプ(4mm)を所定の位置に取り付けたら補強のため接着材で固定。あとは乾いてしっかり固定されるのを待つのみ。工作は以上です。ブーム長46cm、重さ125g。コンパクトさではモクソンに分があるものの、山に持っていく気持ちになるくらいの軽さには仕上がったと思います。

 

 

 

 

<調整>

 はじめOHM-2243VBと同じ寸法にしたところ、145MHzは問題ないものの430MHzは上の方に共振点がありました。この状態でも悪くはないですが、放射器および430第一導波器の長さを少し調整しました。その結果、145はバンド内SWR1.2フラット、430はメイン付近で1.2~1.3、430.000~436.000まで1.5以下。両バンドとも帯域が広く、モクソンよりも性格が素直というか使いやすそうなアンテナといったところです。なお、430の第一導波器のみでもマッチングするのはモクソンデュアルと同じです。また430エレメント2本は取り付けても外しても145MHzのマッチングに影響はないようです。

 

 

 

 

 

 モクソンデュアルは導波器1本と反射器、このアンテナは導波器2本、ならば反射器を追加して4エレ? にしてみるとか・・・。まあ、暇を見て追々試してみます。直接給電せず、エレメントの寸法と配置のみで別の周波数帯の電波を乗せてしまう。オープンスリーブによる八木のデュアル化、なかなか興味深く、面白いです。

 

 

 

 

 

 

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430MHzプリンテナ

2021年01月02日 | 八木アンテナ



 年始に何か作ってみようかと考えあぐねていると、ふとプリンテナことが思い浮かびました。そういえば作らずじまいのものがあったはず。物置を探したところ未開封の430MHzプリンテナキットが出てきました。7~8年前、キャリブレーションの通販で1200MHz用と一緒に購入し、430の方はそのままになっていたのです。もとはFCZ研究所のキットです。今もまだ販売されているのでしょうか。こうした良心的で安価かつ面白味のあるキットも少なくなりました。






 フォールデットダイポール型2エレのビームアンテナ。最大の特徴はUバランを内蔵したプリント基板です。この基板にエレメントとコネクターをハンダ付けして完成させます。親切な組み立て説明書が付属しており、その通りに作ればよいのですが、1200用プリンテナを作った際に反省点があったのを思い出し、いくつか変更してみました。


<エレメント>
 エレメントを直接半田付けせず、取り外しできるように銅パイプ差し込み式にしました。エレメント部材(真ちゅう線)がきつめに入る銅パイプを所定の位置に半田付け。カットしたエレメントを差し込むだけですが、緩んで外れることもなさそうです。






<BNCコネクター取り付け>
 コネクターの形に沿って基板を切り抜くのがこのキットでもっとも手間と時間のかかる作業です。これを省くことにしました。コネクターを基板の上にそのままハンダ付けし、両端に穴を開けて裏面と導通するように固定しました。芯線側はストリップラインを切断した上でコネクター先端を延ばしハンダ付けしました。






<調整>
 今回もIC-705のSWRプロット機能を使って調整しました。測定器代わりにとても役立ってくれます。無調整で共振点がだいぶ下の430.000あたりになりましたが、433.000もSWR1.5以下ではあり、帯域は広いようです。ラジエーターを少しずつカットし、433.000に合わせていきました。SWR1.3止まりでベタ落ちとまではいかず、フラットな特性です。カットしすぎても戻せなくなるので、これで良しとしました。






収納寸法20cm   重さ35g


<使用感>
 とにかく軽いので取り回しが楽です。ベランダで受信した感じでは、向きを合わせてRH-770と同等か少し良さそう、といったところです。2エレなりの利得は感じられます。




 久々にハンダごてを握りました。BNC先端のハンダ付けがうまくいかなかったり、銅パイプにエレメントが入りにくかったり、何度かやり直しや調整を繰り返しました。こんな簡単なものでも作り始めるとつい夢中になってしまいます。アナログな工作、今年も楽しみたいと思います。








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3エレ八木の4エレ化

2018年08月25日 | 八木アンテナ



 ロッドアンテナをエレメントに使い簡単に設営できるように作った2m用3エレ八木。導波器を追加し4エレ化してみました。全長113cm。重さ380g。収納時40cm。大きさ的には第一電波工業の5エレ八木と同等。重さは軽めといったところです。4エレループの場合はけっこう目立ちます。そして設営に少し手間がかかります。山頂でなるべく目立たず、景観を損ねず、手間なく設営することを考えると、この辺りがちょうど良い、もしくは限界なのでは?と思います。










 第一導波器と第二導波器の間隔は37.5cm、エレメント上下43.0cmでマッチングが取れました(SSB帯)。製作は塩ビパイプにロッドエレメントをボルトで固定。3エレ部分に変更を加えず、3エレとしてもそのまま使え、第二導波器をつなげば、4エレに早変わりです。





 4エレにした場合は重量のバランスが変わってしまうのでブームの固定位置(クリップ)を変更する必要があります。それに伴い同軸ケーブル引き回しも変わってきます。とりあえず、いったん横に回してマストに添わせるようにしたところ、特に問題ないようです。マッチングだけでなく三脚とのバランスも考慮する必要があり、ケーブル問題はけっこう厄介です。バラン追加が効果的かもしれませんが、山のみで使うことや軽量化を考え、直接給電としています。




 さっそくベランダで受信してみました。3エレの状態と第二導波器追加し4エレでの聞き比べ。残念ながら、ほとんどその差は感じられませんでした。多少信号が安定するかな、程度。指向性についても違いというほどのことは感じられず、でした。今日は出ている局がほとんどなく、かつ、ベランダといえども気温35度。受信もままなりません。移動運用の機会に3エレ、4エレを比較しながら使ってみます。





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