JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

アンテナアナライザーPS100 (N1201SA)

2024年01月27日 | アナライザー・測定器

 

 

 これまで使ってきたAA-200とTE-2101は、いづれもアマチュアバンドの145MHzまで測定可能で、430MHzのアンテナ製作ではやむなくIC-705のSWRプロット機能で簡易的に測定するなどしてきました。HFは測定できなくともよいので、145、430、1200が可能で、操作が容易なものあればということで、PS100というアナライザーを購入してみました。N1201SAという型番のものもあり、二つが併記されているのもあり、どちらも同じかと思いますがよくわかりません。アマゾンなどで「ベクトルネットワークアナライザー」との記載もありますが、アンテナアナライザー専用機種です。それ以外の機能はありません。

 

<仕様>

動作周波数: 137.5MHz-2.7GHz

充電ポート:USB

測定:インピーダンス、リアクタンス、スタンディング波形比、S11周波数精度

コネクタ: SMA

バッテリー: 2000mAhリチウムイオン電池 (内蔵)

重さ:250g(実測)

 

 アマチュアバンドの145MHz、430MHz、1200MHz、2400MHzをカバーします。本体、USBケーブル、取説(英語表記のみ)、キャリブレーション用ダミーロード3種が同梱されていました。ダミーロードが付属されていないのもあるらしいですが、到着したものには同梱されていました。

 

 操作方法はネット記事を参考にさせていただきました。改良はされているようで、ネット記事にあるようなダイヤル方向が逆などということはありませんでした。さっそく付属USBケーブルで充電。充電状態は電源を入れると画面右上に%で表示されます。到着時58%でしたが、2時間ほどで100%になり完了。

 

 起動して最初に表示されるのはシングル測定画面で、Mボタンを押すとスキャン測定画面に切り替わります。ただ、シングル測定画面の周波数がスキャン測定画面に反映されるわけではなく、それぞれ設定が必要。ちょっと変ですが、たとえばシングル測定は145MHz、スキャン測定は430MHzにしておけば特段の面倒なしに2バンドすぐに測定できる、ということでもあり、これもありかなという気もします。

 

 さっそく付属のダミーロードを取り付け測定してみました。

シングル測定

スキャン測定

 

 

 アンテナを同軸ケーブルにつないで測定する場合は、ケーブル先端に付属ダミーロードを取り付けてキャリブレーション(校正)作業が必要なようですが、とりあえず初期状態のまま測定してみました。

 

 VUデュアル八木(145MHz2エレ、430MHz3エレ)に、いつも移動運用で使っているRG58ケーブル3mを接続。

430MHz

145MHz

 

 ケーブルの種類や長さにもよると思いますが、初期設定のままでも両バンドとも違和感ない感じです。比較のため145MHzのみTE-2101でも測定したところ同じようなグラフとなりました。

TE-2101にて測定 145MHz

 

 続いて1200MHz。5エレプリンテナをアナライザーに直付けして測定してみました。直結なのでケーブルの影響なく正確に測れるはずですが、SWR2.619と高めの結果に。マッチングが下にズレている感じもあります。

 

 では、ケーブルをつないだらどうなるのか? 長さ1.5mの細いケーブル(RG174A/U)を接続して測定したところSWR1.760。バンド内2.0以下に下がりました。ケーブルが良い方向に影響しているということなのかどうか。

 

 次にコメットの5エレ八木(HFJ-1205Y)。同じケーブルをつないで、こちらは共振点も明瞭で見事に下がってくれました。キャリブレーションせずとも短いケーブルならどのバンドも特段問題ないような印象ですが、どうなんでしょう?

 

 

 操作していて不満なのは、4つのアマチュアバンドが簡単に切り替えできず、いちいち周波数設定(上下スキャン範囲と中心周波数)しなければならないのが面倒なところです。また、思いのほかバッテリーの減り具合が早いようで、上記の測定をしているうちに100%→60%に減ってしまいました。省エネ対策なのか何も操作しないでいると、わりと短い時間で勝手に電源が落ちます。

 

 癖のある操作系ではありますが、単機能だけに慣れれば何ということもないです。精度的にも自分の使い方からすればこんなものでは?との感触で悪くありません。これで1200MHzのアンテナもいじれるようになりました。とりあえず5エレプリンテナの手直しでもしてみます。

 

 

 

 

 

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LCメーター MLC500

2020年02月22日 | アナライザー・測定器
 前回、LC100-Aの動作に気難しさがあると書きました。キャパシタンスに関しては安定して測定でき、問題ありません。本命であったインダクタンス測定において、クリップリード線を短絡しても「0.000μH」表示にならないことが度々あります。また、ゼロ補正後であっても測定数値が動いてしまう現象や、数値自体のバラツキもあります。安定して測定できるときもあるのですが、挙動がわからないところがあります。前回記事の測定結果も疑問に思えてきました。

 というわけで、もう一つMLC500という別のLCメーターを購入することにしました。計測範囲はLC100-Aとほぼ同じです。価格は3倍程。キャパシタンス、インダクタンスとも誤差1〜3%とそれなりの精度ではあるようです。英語と中国語版取説が同梱されていました。








〈操作〉
 単3電池2本またはUSB給電。LとCをボタンで切り替えます。インダクタンスはクリップを短絡してゼロ補正後に測定。この点はLC100-Aと同じです。測定範囲の切り替えもできるようですが、自動設定のまま使いました。特に問題ありません。

〈インダクタンス測定〉
 クリップリード線の引き回し方によっても変化するため一定とし、コイルも同位置に置いて測定。前回と同じコイルを試してみました。

太さ2.2mm銅管、外径2.3cm、4回巻き 0.175μH

太さ2.2mm銅管、外径1.2cm、6回巻き 0.170μH

太さ1.7mm銅線、外径1.2cm、6回巻き 0.171μH




 概ねLC100-Aに比べ0.04μH高い数値となりました。LC100-Aでは毎回測定値が変動しますが、この機種は比較的安定しています。測定状態でコイル間隔を縮めたり広げたりして目的の数値に合わせることができます。前回の記事では、145MHzのLCマッチング回路において0.130μH〜0.140μHに調整と書きましたが、MLC500では0.170μH前後としておきます(コンデンサー5pF)。あらためて回路を組みアナライザーで測ったところ、上記コイル3つとも145.000MHz付近に共振してくれました。






 ラジオ用に作ったコイルも測定してみました。98.960μH。これまで使ってきたLCメーターDM4070に比べ低めに出ました。巻き数が少な過ぎ。コアを1本入れるとちょうど良いインダクタンスとなります。




〈キャパシタンスの測定〉
 5pFコンデンサーが4.74 pF、同軸コンデンサーが2.32 pF 。LC100-Aの測定値より全体的に低めな感じです。




 ネットで検索するとChina製などの測定器が多数表示されるものの、良いのか良くないのか実際に使ってみないことにはまったくわかりません。このLCメーターは動作と測定値が安定しており、使っていてストレスが少ないです。はじめからこれを買えばよかったかな、と少し反省しています。












コメント (3)
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LCメーター LC100-A

2020年02月17日 | アナライザー・測定器
 手元にあるLCメーターは主にゲルマラジオのコイル作りに使ってきました。インダクタンスが200μHまでのレンジのため、VHF用の小さなコイルは測れません。この間、145MHz電圧給電アンテナのコイルを様々作ってきたものの、インダクタンスがいくらなのか、確認するすべはありませんでした。計測器があれば、目的の周波数にマッチングするインダクタンスをあらかじめ把握でき、その数値に合わせ込めばベストな回路が組めるはずです。

 そんなことを試してみたいと思い、LC100-AというLCメーターを購入してみました。






測定範囲は下記のとおりです。
1.キャパシタンス(0.01pF-10uF)
2.インダクタンス(0.001uH-100mH)
3.Hi.L範囲 大きなインダクタンス(0.001mH-100H)
4.Hi.C範囲 大きなキャパシタンス(1uF-100mF)

 高額な機種は別として安価(2000円弱)でインダクタンスが0.001μHから測れるLCメーターは少ないと思います。2週間ほどで到着した箱の中には、本体とUSBケーブルが同梱されていました。説明書はありません。5V仕様でUSBと電源コネクターの2方式。ネット情報を参考にさっそく使ってみました。

「L/C」ボタンでどちらかに切り替えます。

<キャパシタンスの測定>
 ミノムシクリップを開放状態でゼロ補正ボタンを長押しするとOK画面となり、そのまま押し続けると< DATA SAVED >画面が表示され、測定可能状態となります。5pFコンデンサーを測定したところ5.5pF、5pFバリコンは最大で5.00pFとなりました。目安をつかむには問題ない精度です。同軸ケーブルで作ったコンデンサー容量も測ってみました。2.63pF。微小単位まで測れるので、容量調整に使えるかと思います。


5pFバリコン最大値

同軸コンデンサー


<インダクタンスの測定>
 こちらが本命。まずミノムシクリップを短絡状態にします。「0.000μH」と表示され、この画面が出た状態でゼロ補正ボタンを長押しすると「OK」画面となりそのまま押し続けると< DATA SAVED >画面が表示されます。これで測定可能となります。この機種に限らず、インダクタンスの測定はけっこうやっかいです。クリップリード線を広げたり、近づけたりするだけでも数値が変わってしまいます。操作中、よくわからない動作も時々発生しました。電源を入れ直したり、上記ゼロ補正をその都度おこなう必要があるようです。


この状態からゼロ補正


 はじめに、あらかじめアナライザー(ディップメーター)にて145.000付近でディップしたコイルを測定しました。

 太さ2.2mm銅管、外径2.3cm、3回巻き。インダクタンスは0.134μHとなりました。数値が正しいのかどうか確かめようがありませんが、目安にはなります。




 条件を変えていくつか別のコイルを作ってみました。

 太さ2.2mm銅管、外径2.3cm、4回巻き

 太さ2.2mm銅管、外径1.2cm、6回巻き

 太さ1.7mm銅線、外径1.2cm、6回巻き

 どれも間隔を縮めたり広げたりして、目安である0.134μH付近に調整しました。

 次にこれらのコイルに5pFバリコンをつないで回路を組み、どのあたりで共振するかアナライザーで測定してところ、いづれも思惑通り145MHz帯でディップしてくれました。






 2m用電圧給電アンテナ(1/2λ)を作る場合、インダクタンスを0.130~0.140μHあたりに追い込んでおけば、コイルの形状など条件を変えても整合が取れるということかと思います(あくまでLC100-Aによる自分の測定での値)。いづれ、数値で目安が得られるのはありがたいです。

 使い勝手や動作に気難しいところはありますが、小さなコイル作りに重宝しそうです。





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アナライザーをディップメーターとして使う(続編)

2020年02月11日 | アナライザー・測定器


 ノンラジアルアンテナを作る際に、目的の周波数に合ったLC回路(コイル、コンデンサー)とする必要があります。その際、あらかじめコイル巻き数やコンデンサー容量がわかっていれば好都合なわけです。でも、コイルといっても巻き数だけでなく、太さ、間隔、材質によってインダクタンスが変わってきます。コンデンサーもバラツキがないとは言えません。実際に使用するコイル、コンデンサーで回路を組み、どのあたりの周波数で共振しているのか。その作業を進める上でディップメーターというのは重宝な計器で、アンテナアナライザー(AA-200)がその代わりになりうる、ということは以前書いた通りです。

 その後もいくつかコイルを巻いて試してみました。すべて145MHzのコイルで、中心周波数は145.000を念頭に調整しましたが、たいへん便利に使えています。






(測定の要点)
・この周波数であればアナライザー側のリンクコイルは1回巻き(直径3cm)で十分。
・5pF前後のコンデンサーやバリコンで回路を組む。
・被測定コイルに接触すれすれまで近づけ測定する。1cmくらい離すと浅いディップとなり、さらに離すと測定できなくなる。
・大方の周波数を把握し、目的の周波数より上にあればコイル間隔を縮める、下にあれば広げるといった具合に調整し追い込んでいく。

 といった感じです。とんでもない周波数になっていれば、コイル巻き数を増減するということになります。

 太さ2.2mmのなまし銅管、外径1.5cm、5回巻きにしたコイルでは、おおむね145MHz帯でマッチングし、コイル間隔1mmほどで145.000付近となりました。






 もう少し大きなコイルをということで、同じ線材を外径2.3cm、4回巻きとしたところ123MHzでディップ。直径を大きくすると、一気にインダクタンスが増してしまうようです。3回巻きに減らして145MHz帯には収まったものの、上に行き過ぎてしまいました。コイル間隔を縮めると今度は下に行き過ぎ。という感じで、クリティカルですが縮めたり広げたりしてなんとか145.000に近づけることができました。コンデンサー側はバリコンの場合も5pFあたりで固定しておくのがコツのようです。










 コイルの特性(共振)が目に見えるというところが面白く、巻き数、直径、間隔の違いで思いのほか変化します。単銅線、撚り線、銅管、スズメッキ線など線材での変化も少なくないです。アンテナに組み込んだ場合、性能的にどのように変わるのか? あるいはさほど変わらないのか? そのあたりは追々試してみるつもりです。



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アナライザーをディップメーターとして使う

2020年02月01日 | アナライザー・測定器

 ディップメーターとは共振回路の共振周波数を得るための計測器ですが、自分は写真でしか見たことがありません。計測範囲に応じていくつかのコイルが差し替えられるようになっており、アナログな丸いダイヤルで周波数を読み取るもののようです。二つのコイル間の磁界誘導を利用し、ちょうど共振したときにメーターが動くという原理で、この瞬間を「ディップする」と言うのだそうです。興味が湧いて1台ほしいと思いネットを閲覧している内に、アンテナアナライザーで同様のことができるとの記事を目にしました。

 アナライザーでは通常、エレメント代わりに抵抗をかませ共振回路を直接コネクターに接続して計測します。考えてみると、直結しなくとも磁界誘導を使えば同じなわけです。ということで実際うまくいくのかどうか、AA-200で試してみました。

 145MHzの共振回路を前提に、ミノムシクリップでリンクコイル、被測定コイルを変えて試せるようにしました。被測定コイル(共振回路)側には5pFのコンデンサー(セラミックコンデンサー、バリコン)を取り付けました。












 はじめリンクコイルは直径2cm、2回巻きで試しました。コンデンサーを付けた各種コイルを近づけ、アナライザーで測定したところ、直径1cm、4回巻きのコイルの場合、160MHz付近でディップ。5回巻きで145MHz帯となり、かつ間隔を調整して145.000付近でディップしてくれました。被測定コイルとリンクコイルはコイル面を合わせるようにするとよく、接触すれすれまで近づけないとうまくディップしてくれません。コイル巻き方向はどちらもOKですが、逆巻き面を近づけた方が深く鋭くディップします。








 次にリンクコイルを4回巻きや直径3cm1回巻きで試してみました。VHFだからかもしれませんが、これでも特に変わりなく同じ結果でした。直径が大きい分、そこに被測定コイルをすっぽり入れられ、測定しやすいです。

 ということで、アナライザー(AA-200)をディップメーター代わりに使うことは可能なようです。この間いくつか作ってきたノンラジアルアンテナのLC共振回路も、この方法であれば希望の周波数に共振した各種コイル(直径、巻き数、材質など)を作るのに重宝かもしれません。1~4回巻きのリンクコイルがどの周波数帯までカバーするのかはわかりません。何種類か作っておけば、短波帯や中波ラジオ用も可能では、と思います。
 



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SWR・パワー計 SW-33 を試す

2020年01月18日 | アナライザー・測定器
 山岳移動の際、自作アンテナを現地で調整したり周辺の状況による変化を知っておきたいということがありアンテナアナライザーAA-200または簡易SWR計SX27Pのどちらかを持っていくことが多いです。AA-200は重く大きいので高い山に登る場合は躊躇します。小型のSX27Pは持っていく頻度は高いのですが、変換コネクターが最低2個必要でそれなりの重さになってしまい、やはり躊躇することがあります。山に持っていって簡単に使え、軽くて小さいSWR計があればとネットで探したところ「SW-33」というのがあり、興味をそそられ購入してみました。China製。




 USB給電タイプで、SWRとパワーを切り替えて計測できます(測定範囲125-525 MHz
)。充電器、充電ケーブル、ダミー抵抗、各種変換コネクター、英語版取説が付属。SMAなのでハンディ機で使うことを前提としているようです。重さは商品案内に160gとあり、そこそこ重いかなと考えていましたが、現物を計ったところ本体70gでした。両端にコネクターを装着した状態でも85g。変換コネクターも軽く、ありがたいです。SX27Pが本体のみで180gなのでそれに比べると超軽量。








 さっそく試してみました(すべて145MHzにて)。

 まずはUSB充電器で満充電。一方にハンディ機ID-51、もう一方に付属のダミー抵抗を取付け、リグのパワー設定を変えて計測しました。

 その結果は
 0.1W設定→00表示(計測せず)
 0.5W設定→0.2W表示
 1.0W設定→0.8W表示
 2.5W設定→2.6W表示
 5.0W設定→5.7W表示




 パワー1W以下の場合は低い数値となり、2.5W以上の場合は高い数値になります。付属のダミー抵抗がおかしいことも考えられるので、第一電波のDL-50Aに差替え計測してみました。結果は同じでした。校正の機能はなく、パワー計としてはかなりいい加減です。ダミー抵抗まで付属品として入っており、メーカー側は十分承知のはずですが・・・ 恐れ入ってしまいます。


 続いて、アンテナをつないでSWR計として試してみました(リグID-51  5W設定)。

 コメットのBNC24をそのまま取付けたところSWR2.2を表示。ハンディホイップ単体を取付けたのではアースがとれていないので当然高い数値となります。これにアドオンラジアルを追加したところ1.02に低下。良好な数値となりました。同じ状態をAA-200で計測したところラジアル追加時のSWRは1.2となりました。SW-33は低目の数値が表示されます。SX27PもAA-200より低い数値となりますが、SW-33ほどではありません。RH-770(ノンラジアルタイプ)でも試してみました。AA-200で1.3前後。SW-33で1.06。


ホイップ単体 2.2

ラジアル追加 1.02

RH-770   1.3前後

RH-770  1.06


 他のアンテナでも試してみて、おおかた下記のような結果です。

・AA-200でSWR1.2以下の場合→1.00と表示
・AA-200でSWR1.2〜1.5の場合→1.05〜1.20と表示
・AA-200でSWR1.5〜1.7の場合→1.20〜1.40と表示

 平均して0.3ポイントほど低い数値を示すようです。この「差」を考慮すれば正値に近い値を推測することはできます。SWR1.00と表示されればベストな状態、1.05~1.20と表示されれば問題ないレベル、1.20以上の表示であればそれ以下になるように何らか調整を試みる、そんな感じになるかと思います。また、バンド内の数カ所を計り、共振点が下にあるのか上にあるのか、といったことはおおよそつかめます。




 ということで、パワー計、SWR計とも精度はよくありません。アマチュアで使う一般的な測定器からすると数段下回るレベルです。正確な数値を計る計器ではありません。

 ではジャンク箱に直行かと言えばそうでもないのです。自分的には、移動地においてマッチングが取れているのか、バンド内のどのあたりで最も良好な状態になっているのか、要は設置したアンテナの状態が大まかにでも把握できれば良いわけです。そういう目的からすると、この程度の計測器であっても現地で何もないのとあるのとでは大違いなのでは? と思わなくもありません。

 軽さと小ささは魅力なので、ザックに忍ばせてとりあえず山で使ってみようかと思います。






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アンテナアナライザーAA-200のこと

2019年09月23日 | アナライザー・測定器


 自分が使っているアンテナアナライザーAA-200はちょうど10年前、生産終了に伴い安価に購入したものです。自作アンテナの調整をはじめ自分にとって欠かせない測定器で、使用頻度は高い方だと思います。ずいぶん酷使もしました。山頂でどのようにアンテナ特性が変化するのかを知りたくて、山にも持っていき、周辺環境やケーブルの引き回し方で大きく特性が変わることも気づかされました。




 この間、1度だけ不具合が発生し修理に出しましたが、アナライザーの性能自体には何の不安も持たず、重宝に使ってきました。ふと、10年も使っていると計測性能が劣化したり、誤差が大きくなったりしないのだろうか、との疑問が脳裏をよぎり、リグエキスパートのホームページをあらためて見ると、次のような解説がありました。

「CPU 制御のスイッチはブリッジの片側の信号をミキサーに供給します。負荷が純抵抗の50 Ωの場合、ブリッジはバランスしスイッチの位置にかかわらずスイッチの出力は同一値になります。 これによりアナライザーの校正は不要になり、非常に精度良く SWR=1に近くになります」

 ただ、10年前に生産終了したAA-200についてもあてはまるのかどうかの記述は見当たりません。

 少し心配になって、手元にあるダミーロードを付けて簡易的に計ってみることにしました。ダミーロードは第一電波のDL-50AでDC~800MHzまでSWR1.15以下となっています。ダミーロード自体が劣化していれば話になりませんが、メーカー製の新品なので信用することにします。

 145MHzでの測定。







 SWR1.13~1.14。グラフ表示でもフラットにベタ落ちとなりました。SWR=1とはいきませんが、ダミーロードの性能もあるのでこんなものでしょう。


 続いて7MHzで測定。







 SWR1.08~1.09。145MHzよりさらにベタ落ちとなりました。

 これで見る限り、誤差の拡大や大きな劣化はなさそうで、とりあえず安心しました。


 以前はアナライザーの選択肢はほとんどありませんでした。今は1000MHzまでカバーする機種や数種のメーカーから超小型軽量のタイプも登場し、もう一台あってもいいかなと考えることもありますが、しばらくAA-200を使い続けることにします。部品そのもの、特に液晶の劣化がみられたら潮時かな、と考えています。




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マルチテスター

2016年08月27日 | アナライザー・測定器


 NPO法人ラジオ少年に注文していたマルチテスターが到着したので、さっそく使ってみました。LCメーターの一種で、トランジスターやダイオード極性、コンデンサー容量、抵抗値、コイルのインダクタンスなどが計測できるようです。電池付きの状態で送られてきましたが、取説などはいっさいありません。本体のみです。実際、使ってみて、取説がいらないことはすぐにわかりました。ただ、測定範囲などの基本的な仕様は公開してほしいものです。






 本体中央部に上下7個の差込口があります。使えるのは上下1~3の6ヶ所で、1の番号が振られている上下8ヶ所はダミーのようです。ここにCR類を差し込んでレバーで固定し、右のボタンスイッチオンで計測開始、1~2秒で液晶に表示されます。差込口の番号と極性、各値が図解で表示されるのはわかりやすく、一般的なテスターにない面白いところかと思います。テスター棒をセットし小さな部品にそれを当てて計測という、これまでの方式に比べると、差し込んでボタンを押すだけ、というのは思った以上に使いやすいです。


1番表示上下はダミー


極性と特性を表示

vfも同時に表示

抵抗値


 コイルのインダクタンスを測ってみたところ、小数点2桁で表示されました。0.18mH。別のLCメーターでは0.179mH。通常のテスターのようにレンジや単位の切り替えができないのは不便です。試しに使ってみただけなので、もしかすると何か隠れた機能があるのかもしれません。






 部品だけが袋にバラで入っているaitendoのキットとか、トランジスターも形態は同じでも型番で極性が違っていたり、ラジオ作りには何かと便利に使えそうではあります。




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アンテナアナライザー AA-200

2009年10月21日 | アナライザー・測定器
 いつかは欲しいと思っていたアンテナアナライザーですが、コストと使用頻度を考えると、優先順位がどうしても後回しになっていました。この間、何本かアンテナを自作して、その度に、あったらよかったのに・・・と思っておりました。導入しようと思っては躊躇するを繰り返していたのですが、この度、遅ればせながら購入と相成りました。



 機種は、リグエキスパートのAA-200です。在庫わずかの生産終了品ということで、幸運にも安価に入手することができました。今は、新製品のAA-230が発売されているようです。AA-520というアマチュアバンドの430をカバーする機種もありますが、当局の場合は、200MHzまでで十分。なお、販売元のリグエキスパートジャパンには注文から発送まで迅速な対応をいただきました。
 
 主な仕様のみをピックアップしてみます。

測定機能: アンテナの共振周波数の調整
     雨、台風などの前後での特性比較
     同軸スタブの製作とそのパラメータ測定
     ケーブルの欠陥位置の特定
       キャパシタンスとインダクタンスの測定
 周波数範囲: 0.1 ~ 200 MHz
 表示モード: SWR 単一周波数
      SWR グラフ表示、他
 コネクター形状: MJ
電源: 4.8V, 1800 mA?h ニッケル水素バッテリー(充電式)
最大 2 時間の連続計測
満充電所要時間: 10 ~ 12 時間
PCとのUSB 接続可
 大きさ: 23x10x5.5 cm
 使用温度範囲: 0 ~ 40 °C
 質量: 650g



 製品の箱を開けると、本体の他、充電アダプター、キャリングケース、持ち運び用の紐、ソフトウェアCD、USBケーブル、説明書(日本語です)と、必要なものすべてワンセットになっています。乾電池でなく充電式なのは便利です。最大2時間の連続計測となっていますが、半日ほど使い続けても大丈夫でした。それ以上でもたぶん大丈夫です。コネクターは一般的なMJタイプとなっていますので、当局のようにBNCを多用する場合は別途変換コネクターを取付けます。


コネクターはMJ


左から電源コネクタ、メインスイッチ、USBコネクタ

 様々な機能までは試していませんが、さっそく、EHアンテナ(7MHz)、コメットのブロードバンドホイップHA750BL(7~50MHz)、2/3ヘンテナ(145MHz)などで使ってみました。基本機能のみであれば、一度使ってみれば、あとは説明書なしで直感的に操作することができました。

 EHアンテナでは、SWR計とほぼ同じ値が表示されました。スキャン幅を広く取ったり、狭くしたりして表示させてみました。測定周波数の実測値、グラフ表示が可能です。


メインメニュー








 HA750BLでは、マルチ測定機能を使いました。このアンテナは7~50MHzを一本でカバーするのですが、この機能を使うと、各バンドの測定が1回で済んでしまいます。すごい機能です。こちらもバーグラフと実測値を選べるようになっています。





 AA-200の最大の特徴と言われているのが、SWRのグラフ表示なのですが、その際、測定のスキャン幅を自由に設定できるところがすばらしいです。これまでは、新しいアンテナを設置して、SWRを計ってみたらとんでもない値になっていて、しかもバンド内のどこにも共振点がない、という場合は、お手上げ状態でした。エレメントを長くすれば良いのか、カットすれば良いのか見当さえつきません。AA-200では、まず測定幅を広くとって、たとえアマチュアバンド外であっても、どの辺りに共振しているのか、すぐにメドをつけることができます。

 アンテナアナライザーというのは、測定周波数の弱い電波を送信して、アンテナの反応をみる機械ということになると思うのですが、AA-200は、任意の幅の周波数を連続的に送信してグラフ化してしまうということで、たいへん優れた機能だと思いました。また、そのアンテナがどの程度の帯域なのかも一目瞭然です。

 アンテナの共振点がどの辺りにあって、どの程度の許容帯域があり、どう調整を図ればよいのかを知りたいわけですから、実際使ってみて、理にかなった方式と感じました。
 

 次に、自作の2/3λヘンテナを測定してみました。移動用アンテナを室内で調整していると、部屋のどの位置で測定するかによってかなり異なった結果が出ることがあります。SWR計ですと、「上がった、下がった」だけなのですが、AA-200で測定してみると、グラフ自体が大きく変化します。たとえば、145MHzにおいて、ある位置ではバンド内すべて1.2以下でフラット、少し位置を変えると145.000では1.2でも145.200付近では1.5近くに上がっている、というようなことがわかります。145.000のみをSWR計で測定していたら、安心してしまうところです。当然ながらオペレーターの位置によっても変化します。


バンド内フラット


アンテナ位置を変えるとグラフが変化

 
 たぶん実際の移動地においても、同様のことが起こっていると考えられます。移動運用にこのアナライザーを持参して、オペレーターの位置を含め最良のポイントを見つけて、アンテナの性能をフルに引き出すというようなことにも使ってみようと思います。ただ、写真で想像していたより、大きくて重いです。機能を削って、小型軽量化した製品を期待したいところです。できればVX-3程度だとベストなのですが・・・。

 購入してさほど日がたっていませんので、追々、使いこなしていきたいと思います。たとえば、EHアンテナの日々変化する共振点をパソコンに取り込んで、気温、湿度との関係などをテータ化してみるとか、一度自作して手に負えなかったマグネティックループアンテナに再挑戦など、いろいろ考えを巡らせています。
 いづれにしても、この「微弱ゼネカバ発振噐」のおかげで、無線機から何度もキャリアを出す必要もなくなり、こころゆくまで、アンテナ調整にいそしむことができるようになりました。





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トリフィールドメーター

2009年09月21日 | アナライザー・測定器
 自作したアンテナがどの程度の性能なのか、受信に関しては、耳で聞き比べれば、おおかた判断がつきます。送信に関しては、相手局にお願いして、アンテナを取り替えながら比較レポートをもらう、という方法でした。相手がいないとできないし、2mの場合はアンテナ位置が少し変わっても、信号強度がかなり異なってしまうこともあります。もっと定量的に測定する方法として、先日、「トリフィールドメーターEX」というものを購入してみました。いわゆる電界強度計です。秋月電子からも簡易キットが販売されていますが、ネットでいろいろ見ている内に、衝動買いしてしまいました。




 この計器の本来の測定対象は、送電線や高圧線、家電などからの電磁波(磁界と電界)のようですが、「ラジオ・マイクロ波モード」があり、送信電波の強度も測定できるようになっています。測定周波数は、50MHzから3GHzですので、アマチュアのVU帯以上が測定可能です。



 さっそくこの計器を使って、室内でアンテナ比較実験をしてみました。リグはDJ-S17、出力0.8W、給電部の床からの高さは1.2m、メーターとアンテナ給電部の距離は1.5mとしました。なぜ1.5mかといいますと、ハンディ機付属のホイップアンテナで計ったところ、まったく針が振れなくなる距離が1.5mだったからです。つまり、付属ホイップでまったく振れない針が、他のアンテナでどの程度振れるのか?を比較することにしました。強度の単位はmw/cm2(平方センチあたりのワット数)で、上中下の3段の内、下段の目盛りで読み取ります。ところが、これだと、振幅も小さく読み取りにくいのです。単位はどうあれ、針の振れ方を比較できれば良いわけで、上段の大きい目盛りで読み取ることにしました。



 その結果は、次の通りです。何度か計った平均値で出しました。(数値は上段目盛りを目測で読み取ったものです)

・ 付属ホイップ 0

・ 第一電波RH-205ロッドアンテナ 1/4λ(畳んだ状態)0

・ 第一電波RH-205ロッドアンテナ 5/8λ(伸ばした状態)0.4

・ コメットCSB7900 1.8

・ コメットSBB7 2.8

・ J型アンテナ  2.8

・ モクソン風アンテナ フロント 3.8
            サイド  0.8
            バック  0.4

・ ツインデルタループ フロント 4.0
            サイド  1.2
            バック  4.2

・2エレ        フロント 5.0
            サイド  0.1
            バック  0.1

・2/3λヘンテナ    フロント 5.2
            サイド  2.7
            バック  6.0

 室内での測定ですから、壁の反射もあると思います。また、測定者の位置によってもかなり変化しました。たぶん人の位置によってSWRが変化して、パワーにも影響が出るのだと思います。計器まで1.5mという距離なので、そのアンテナのどの部分に電圧の腹があるのかによっても異なってきます。なので、単純には上の数値がそのまま性能とは言えませんが、一応、測定者の位置も含めて同じ条件で測りました。

 RH-205(5/8λ)がほとんど針が振れなかったことやCSB7900がSBB7よりも振れが小さかったことは意外でした。SBB7とJ型アンテナは同等の結果。モクソン風アンテナはこの結果を見る限り、やはり「モクソンもどき」でしかなく、モクソンアンテナとして機能しているとは言い難いです。2/3λヘンテナはツインデルタループよりも健闘してくれました。2エレ並か少し良いかなというところでした。また、この計器によって、どの方向に指向性があるのか、その強弱が、簡単にわかるようになりました。ヘンテナの指向性も給電部の前後にあることがよくわかりました。

 一つの目安にすぎませんが、送信電波の強さを定量的に目に見える形にできるようになり、自分としては興味深い実験でした。




コメント (2)
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