JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

カメラ三脚へのアンテナ取付け法 L型パイプ式

2009年11月09日 | 移動運用装備
 当局の自作アンテナには、加工のしやすさや風の抵抗を受けにくい理由から、ブーム兼マストに塩ビパイプ(直径1.8センチ)を多用しています。近くのホームセンターで、あらかじめ50センチの長さに切られたものが売られており、いつも重宝しています。先日、売場を見て回っていたら、あることをひらめいて、このパイプに合う「継ぎ手」というものを買い求めました(1個28円 税込)。直線で2本をつなぐI型継ぎ手と直角につなぐL型継ぎ手、3本連結のT型継ぎ手があります。もともと水道用ですから、水漏れなどしないように、密着して接続できるようになっています。



 まずI 型継ぎ手ですが、これはマストの連結用として使えそうです。いつもは、カメラ三脚に目玉クリップでアンテナを留めるだけなので、地上高は三脚の高さしかありません。1.2m程です。この継ぎ手を使って、1~2本パイプを増設すれば、50センチ~1メートルほど高くできます。その分、不安定さも増すので、実際のところ、どの程度まで増設できるかはケースバイケース。また、1メートル程度高くしたところで効果の程は「?」ですが、そのうち、実験してみたいと思います。(T型も何かに活用できそうです)

 もう一つのL型継ぎ手。こちらが本題です。この継ぎ手をカメラ三脚に固定できれば、マストを差し込んで、そのままアンテナを取付けられるのでは? しかも、これまでのどの方法よりも簡単、軽量な方法となるのでは? ひらめいたのは、エツミの「セットスクリュー(メスメス)」を使う方法です。(セットスクリューの詳細は過去記事「モービルホイップのカメラ三脚取り付け方法」参照)

 製作は簡単です。
 まず、L型継ぎ手パイプを縦にして、端から1センチのところに、直径6ミリの穴をあけ、裏側まで貫通させます。そこに、W 1/4ボルト(長さは30ミリがベスト)を差込み、そのまま、セットスクリューにねじ込むだけです。そしてセットスクリューの反対側のネジ穴でカメラ三脚の雲台ネジに取り付けます。着脱自由で、アンテナを使う時だけ取付け、普段は本来のカメラ用三脚として使えます。ホームセンターでW 1/4ボルトの長さ30ミリが見あたらず、38ミリを使ったため、写真のようにナットを2個挟み調整しました。セットスクリューは安定感がよく、雲台ネジでしっかり固定できます。(※三脚は上下左右仰角が自在なので、この方法は、I型継ぎ手でも可能です。その場合、ボルトを中心にしてアンテナの重みで傾く可能性があります。L型の場合、その心配はありません。逆に八木など三脚に対し水平設置するアンテナの場合はI型がFBかと思います)




セットスクリューに装着

 実際、J型アンテナや2/3λヘンテナを取り付けてみましたが、特に垂直設置の場合はなかなかFBです。パイプの差込寸法は3センチで、揺すると少し遊びがありますが、強度的には問題なし。ワンタッチです。八木系のように三脚に対し水平マストで設置するアンテナの場合は、前方が重めになりますので、強度不足の心配があります。2エレ程度の軽いものなら、50センチ塩ビパイプを1本追加し、上部にもう一つL型継ぎ手を加えて水平接続が可能です。これだと、三脚の足がじゃまになることもありません。




J型アンテナ取付け例  差し込むだけです

垂直設置の場合はしっかり固定できます

パイプを組み合わせて2エレ用に

 移動運用でよく見かける釣り竿ポールも、L型パイプをうまく加工すれば、この方法で取付け可能なのでは・・・・?。

 いづれにしても、自作アンテナに限定されますので、モービルホイップでは使えません。先日紹介した、クリップ着脱式とL型パイプ式をアンテナに応じて使い分けします。クリップ式は、一つで様々なアンテナに対応できる点がFBです。

 当局の移動設備は、山頂で使うことを前提に考えています。山頂と言っても様々で、広い・狭い、草地・岩場などの地形に、多くの場合、強風や雨、寒さなどが加わります。さらに登山の疲労もプラス。なので、形状はコンパクトで軽量、設営・撤収は短時間、ワンタッチで確実なのが第一条件です。強度は、手元での数時間の運用ですから、風に耐えられる程度であれば良しとします。アンテナ作りも同じ考えです。



 もっと良い方法もあるかと思いますが、アイディアにたどり着くには時間というものを要するようで・・・。アマチュア無線は「工夫を楽しむ遊び」と言われます。自分がたどっている試行錯誤を考えるにつけ、つくづくそう思います。


《追伸》
 先日、I型パイプ継ぎ手をマスト延長用に使ってみました。J型アンテナに50センチの塩ビパイプ1本を継ぎ足しただけですが、耐久性は問題ありませんでした。2本(1メートル)位までは何とかなりそうな感触です。高くしたことによる信号強度の違いまでは実験できませんでした。


たった50センチですがけっこう高くなったように感じます
コメント (2)