JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

二口山塊 南面白山にて

2009年09月28日 | 奥山 移動運用
 宮城、山形県境に「二口山塊」と呼ばれる山域があります。蔵王連峰と船形連峰の間に位置し、両連峰よりも標高が低く谷筋が多いことから、古くは仙台と山形を結ぶ何本もの峠道が拓かれました。今も一部にその名残が見られます。大小多くのピークが複雑な地形をつくっており、どちらかというと地味でキツイ山屋好みのエリアです。

 9月も終わりに近づいたこの日、仙山線の始発に乗って、二口山塊の一角、南面白山(1225m 山形市)をめざしました。天気は宮城側が曇り、山形側は晴れ。登山口となる「面白山高原駅」では二人が下車。一人は北面白山に向かっていきました。

 南面白山には、スキー場のゲレンデを登ります。ちょうどコスモスが見頃となっていました。ゲレンデを登り切って、いよいよ登山道に入ると、これまでと打って変わって見事なブナの美林が広がっていました。やがて、石のゴロゴロした急な道を一気に上り詰めると標識のある山頂に到着。駅から約2時間の登山。


コスモスベルグからの南面白山


 山頂は狭く高度感があり、北以外の眺望は抜群です。正面(東側)には少し雲がかかっていますが、ここより百メートル以上高い大東岳が圧倒的な存在感で鎮座しています。実は、この大東岳が天然の反射器となって、どのような伝播をみせてくれるのか、たいへん楽しみなのです。


正面が大東岳


 狭い山頂なので、今回はJ型アンテナにしました。リグはいつも通りDJ-S17、4W。帰りの電車時間があるので、運用は長くて2時間です。まずワッチしてみると、ノイズが少ないです。特に多くの局が聞こえているという感じでもありません。静かです。応答があるのかどうか不安なまま、145.160でCQを出してみました。

 すぐに南相馬市鹿島区のモービル局より応答いただきました。59で強力に入っているとのこと。こちらかも59。さらに同じ南相馬市から59のレポート。東は大東岳が壁となってよろしくないと予想していたのですが、想定外のコールに少し驚きました。約100km。続いて、宮城県栗原市栗駒町からは53-52。約70km。七ヶ浜からハンディ機0.3WQRPで45-41。大河原町からも同じくハンディ機で55-41。仙台市は泉区、宮城野区、青葉区、若林区各局からはいづれも59のレポートをいただき、0.8Wにパワーを落としても良好に交信することができました。でもなぜか東方面が続きます。山の間を縫いながらうまく反射して飛んでくれているようです。複雑な地形がかえって功を奏している?

 そうしている内に、今度は、0エリア、新潟県柏崎市の移動局から応答があり、59のレポート。ハンディ機5wで米山という993m程の地点から運用とのこと。約220km。続いて新潟市東区からは56。約140km。大東岳が反射器となっているかどうか定かではありませんが、やはり日本海側にも悪くはないようです。どちらも遠距離とは思えない安定したQSOでした。また、南は福島県耶麻郡北塩原村移動局と59-59で、すぐ近くのような強力な信号が届いていました。約100km。

 あっという間の2時間で、17局と交信いただきました。標高的には、ここよりも高い山々が迫っているにも関わらず、思わぬ応答があり、興味深い伝播を楽しむことができました。「山高きが故に尊とからず」と言ったところでしょうか。


100円ショップで手に入れたミニパイプ椅子とウレタンマット
これに座ればどこでも特等席。楽にQRVできお勧めです。
デイパックにすっぽり入ります。


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再び東吾妻山・高山へ

2009年09月25日 | 奥山 移動運用
 9月の連休もあと二日、なんとか天気が持ってくれそうなこの日、たとえ山頂がガスでも致し方ないと思いながら、早朝暗いうちに仙台を発ちました。走行中、次第に明るくなると、周りの山々が見えてきました。稜線に雲はなく、晴れているようです。

 東吾妻山は8月に続いて2度目となります。今回は、浄土平からではなく、鳥子平からのコースを登ってみることにしました。高山の時と同じ狭い駐車スペースに車を止め、午前6時に登山開始。程なく、景場平の湿原が現れました。日本庭園を思わせるまさに山中の別天地。水を湛えた池塘と草紅葉が広がっていました。ここから40分ほど登ると、もう一つの高層湿原が現れ、さらに15分程で見慣れた山頂に到着しました。


景場平





景場平から東吾妻山

 午前7時を回ったところです。もう先客がおりました。関西から来られたとのことで、これから一切経山に向うとのことでした。天気は高曇り。風が冷たいものの、薄日もさし、穏やかと言ってよい天候です。正面には磐梯山、猪苗代湖、裏磐梯の湖沼群が見えています。山頂の一角で一人、無線の準備を開始しました。


東吾妻山頂と磐梯山

 今回もアンテナは、2/3λヘンテナです。蔵王地蔵山で手応えはつかめたのですが、前後に指向性のあるアンテナというのは、今ひとつ感覚がついていけないところがあります。八木とは違いますね。

 ワッチしてみると、こんな早い時間だというのに、どの周波数もかすかに信号が入って、空きがうまく見つかりません。空いていると思ってチェックを入れてみると、「使ってます」。どうも高速道路のモービル局同士が渋滞の中で交信しているようです。なんとか空きを見つけて、CQを出してみました。

 ちょうど朝食時間でもあり、どうかな?と思ったのですが、さっそく南相馬市から応答がありました。GPとのこと。55-55。続いて仙台市宮城野区、東根市から共に59。仙台市太白区、泉区、利府町からも59、栗原市、登米市からは55のレポート。酒田市からは16エレスタックを向けていただいて54。大船渡市移動局からは51でした。ヘンテナの向きは南北です。北にはまずます飛んでくれているようです。ほとんど間を置かず交信できました。また、各局から先日の地蔵山移動の時の信号も入っていた、パイルで交信できなかったなどのレポートもいただきました。

 南は、いわき市モービル局から46。白河市から54と53。白河を超えられないようで1エリアからのコールはありませんでした。今度はヘンテナを東西方向に変えてCQ。福島、山形各局から応答いただいたのですが、残念ながら0エリア局はありませんでした。ヘンテナの微妙な方向を合わせきれないのかもしれませんが、この山は、標高が1975mと高い割に、南や西にはあまりよろしくない印象を受けます。

 26局に交信いただき、時刻は午前10時を回っていました。まだ時間はたっぷりあり、いったん下山して、先日の高山に再度登ってみることにしました。


高山山頂の反射板 手前はヘンテナ


 磐梯吾妻スカイラインの登山口から登り返すこと、約40分。先日とは打って変わって穏やかな高山山頂に到着。前回は濃いガスでほとんど見えなかった2枚の巨大反射板も全容を現しています。鉄板を向かい合わせに二つ並んでいます。山頂からは、安達太良山連峰が間近に見えていました。

 前回運用した場所とほぼ同じところにヘンテナを設置してみました。ちょうど反射板が真後ろにそびえていますので、何らかの影響はありそうな気がします。CQを出してみると、なぜか、今度は南が良いのです。やはり、磐梯吾妻スカイラインを挟んで伝播の境界線があるようです。

 茨城県土浦市移動局と55-55。栃木県大田原市固定と59-59。福島県内矢吹町、本宮市とも共に59。北は蔵王屏風岳移動局(ハンディ機)から呼ばれましたが、ヘンテナの向きを合わせても41。相手局のパワーはわかりませんでしたが、屏風岳にしては弱い信号でした。

 さて、そろそろ撤収しようとしていたところ、メインに神奈川県伊勢原市移動局のCQが聞こえてきました。すぐに呼んでみると、パイルになったようで「各局お待ち下さい。ポータブル7局どうぞ」との嬉しいコールバック。ヘンテナの向きを慎重に調整して53-55で交信成立しました。伊勢原市大山中腹の600m地点から11エレスタックをこちらに向けていただいたとのこと。交信中、相手局エリアではローカル局との混信が出ていたようで、その間を縫ってのスリリングなQSOでした。約270キロメートル。無事ファイナルを送った後、次の局と交信が始まるのかと思いましたが、そのまま聞こえなくなってしまいました。この山から神奈川局は初めてで、印象に残る交信となりました。

 2mFMでの遠距離QSOの場合、相手局エリアのローカルの信号が、こちらには聞こえないという難題がありますね。たとえばエリア指定でCQを出したとしても、その地域のローカル局がその周波数を使っているということも考えられます。相手エリアの局がFBな設備で微弱な信号を捉えようとしても、できない話です。お互いのQTHで同時にたまたまその周波数が空いている(共にローカル局が使っていない)という希な条件をクリアして初めて交信が成立するわけですね。当たり前と言えばそれまでですが、今回はそんなVU帯特有の難しさを考えさせられました。



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蔵王連峰 地蔵山移動

2009年09月23日 | 奥山 移動運用
 標高1736m、山形市。ここは3度目の運用となります。前回は3月下旬、氷点下の山頂で凍えながらのQRVでした。今回、紅葉には少し早い9月下旬、連休を利用してちょうど半年ぶりに登ってみました。



 仙台駅前から高速バスで山形に、さらにバスを乗り継いで蔵王温泉。そこからはゴンドラで一気に標高1600m付近へ。山頂への登山は、わずか15分足らずです。なので、観光客も普通にズックで登ってきますが、山頂や尾根筋が広いので、運用場所に困ることはありません。当局にとっては、日帰りでバスで行けて、ほとんど登らずすぐに無線運用でき、それでいて標高が稼げる、FBな山です。山登りがしたいという心境の時は、熊野岳や名号峰まで足を延ばします。

 さて、この日は、宮城、山形両県とも晴れ時々曇りの予報。バス車窓からの蔵王は雲がかかっていました。案の定、ゴンドラ終点は、ガスの中。ここのところ、天候に恵まれず、今回も不安がよぎりましたが、山頂に着き、無線の準備を始めた頃には、ガスがみるみる薄くなり、青空が広がってきました。

 アンテナは2/3λのヘンテナ(145MHz リグはDJ-S17)。前回の吾妻高山ではろくに回すこともできませんでしたので、今回はこのアンテナとじっくりつき合ってみるつもりです。設営は、ロッド式なので、2~3分で完了。ワッチするとちょうど新潟県新発田市のCQが聞こえてきました。さっそく応答51-59。こちらの信号は弱めとのこと。当局4W、パワーの違いでしょうか。とりあえず電波は出ているということで、145.08でCQを出してみました。ヘンテナの向きは南北方面。



 はじめに、茨城、福島県境の八溝山移動局よりコールいただきました。山頂付近の駐車場とのこと。少し回したらSが上がって59-59。続いて石巻、色麻町各局とも互いに59。方角を微妙に調整すると面白いようにSが上がります。岩手方面は、盛岡市固定局から9エレ4段2列のFBなアンテナを向けていただいて55-55。宮古市移動局(峠の神)とは52-52。福島方面は、玉川村移動局から1λヘンテナの回転スタック?とのこと、57-59。福島市、郡山市、船引町など福島県各局とも良好に交信できました。

 この日は、山岳移動も多く、月山(東田川郡庄内町)局と59-59、悪天候の中、コールいただきました。栗駒山(一関市)局とは55-51、相手局はFT817で2.5W運用とのこと。ヘンテナを微妙に向けてもSはほとんど振れませんでしたが、とぎれることなく安定した交信ができました。八海山(南魚沼郡六日町)局とは59-59で、約200km離れているとは思えない終始クリアな信号でした。相手局はハンディ機5W+ホイップ。鬼面山(耶麻郡猪苗代町)局は0.5W、5/8λホイップとのこと、こちらもヘンテナを微妙に向けて59-53。0.8Wにパワーを落とてみましたが、59変わらず。

 宮城、山形各局とも指向性を確認しつつ、FBな交信をいただきました。寒河江市移動局からは0.02Wの超QRPながら59-57。思いのほか強い信号が届いていました。
 
 結局、2時間半ほど山頂に留まり、27局と交信。こちらが予測した方向と違う意外なところからの応答もあり、指向の特性が今ひとつつかめない部分もありましたが、手で回してSがぐんぐん上がっていく様は、興味深いものがありました。以前に紹介したラディックスの3エレ(デイパック仕様)だと設営に多少手間がかかるのと、三脚とのバランスが良くないのですが、このアンテナならそこそこ指向性もあり、気楽に山で使えそうです。



(余談)
 このヘンテナ、ホイップ系のアンテナと違って、2次元平面アンテナなので、どうしても目立ってしまうようです。運用の間に、何人かの方が声をかけてきました。「何をされているんですか?」「アマチュア無線ですが・・・」「へえー・・・どことつながるんですか?」「隣の県あたりまでは」「ふうん・・??」文字通り変なアンテナを立てて変なことをしている変な人という感じだったようです。



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トリフィールドメーター

2009年09月21日 | アナライザー・測定器
 自作したアンテナがどの程度の性能なのか、受信に関しては、耳で聞き比べれば、おおかた判断がつきます。送信に関しては、相手局にお願いして、アンテナを取り替えながら比較レポートをもらう、という方法でした。相手がいないとできないし、2mの場合はアンテナ位置が少し変わっても、信号強度がかなり異なってしまうこともあります。もっと定量的に測定する方法として、先日、「トリフィールドメーターEX」というものを購入してみました。いわゆる電界強度計です。秋月電子からも簡易キットが販売されていますが、ネットでいろいろ見ている内に、衝動買いしてしまいました。




 この計器の本来の測定対象は、送電線や高圧線、家電などからの電磁波(磁界と電界)のようですが、「ラジオ・マイクロ波モード」があり、送信電波の強度も測定できるようになっています。測定周波数は、50MHzから3GHzですので、アマチュアのVU帯以上が測定可能です。



 さっそくこの計器を使って、室内でアンテナ比較実験をしてみました。リグはDJ-S17、出力0.8W、給電部の床からの高さは1.2m、メーターとアンテナ給電部の距離は1.5mとしました。なぜ1.5mかといいますと、ハンディ機付属のホイップアンテナで計ったところ、まったく針が振れなくなる距離が1.5mだったからです。つまり、付属ホイップでまったく振れない針が、他のアンテナでどの程度振れるのか?を比較することにしました。強度の単位はmw/cm2(平方センチあたりのワット数)で、上中下の3段の内、下段の目盛りで読み取ります。ところが、これだと、振幅も小さく読み取りにくいのです。単位はどうあれ、針の振れ方を比較できれば良いわけで、上段の大きい目盛りで読み取ることにしました。



 その結果は、次の通りです。何度か計った平均値で出しました。(数値は上段目盛りを目測で読み取ったものです)

・ 付属ホイップ 0

・ 第一電波RH-205ロッドアンテナ 1/4λ(畳んだ状態)0

・ 第一電波RH-205ロッドアンテナ 5/8λ(伸ばした状態)0.4

・ コメットCSB7900 1.8

・ コメットSBB7 2.8

・ J型アンテナ  2.8

・ モクソン風アンテナ フロント 3.8
            サイド  0.8
            バック  0.4

・ ツインデルタループ フロント 4.0
            サイド  1.2
            バック  4.2

・2エレ        フロント 5.0
            サイド  0.1
            バック  0.1

・2/3λヘンテナ    フロント 5.2
            サイド  2.7
            バック  6.0

 室内での測定ですから、壁の反射もあると思います。また、測定者の位置によってもかなり変化しました。たぶん人の位置によってSWRが変化して、パワーにも影響が出るのだと思います。計器まで1.5mという距離なので、そのアンテナのどの部分に電圧の腹があるのかによっても異なってきます。なので、単純には上の数値がそのまま性能とは言えませんが、一応、測定者の位置も含めて同じ条件で測りました。

 RH-205(5/8λ)がほとんど針が振れなかったことやCSB7900がSBB7よりも振れが小さかったことは意外でした。SBB7とJ型アンテナは同等の結果。モクソン風アンテナはこの結果を見る限り、やはり「モクソンもどき」でしかなく、モクソンアンテナとして機能しているとは言い難いです。2/3λヘンテナはツインデルタループよりも健闘してくれました。2エレ並か少し良いかなというところでした。また、この計器によって、どの方向に指向性があるのか、その強弱が、簡単にわかるようになりました。ヘンテナの指向性も給電部の前後にあることがよくわかりました。

 一つの目安にすぎませんが、送信電波の強さを定量的に目に見える形にできるようになり、自分としては興味深い実験でした。




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ヘンテナ持って「高山」へ

2009年09月17日 | 奥山 移動運用
 その名も「高山」、吾妻連峰の南端に位置する独立峰で、標高1805m(福島市)。南に連なる安達太良連峰よりも100mほど高く、1エリア方向には遮るものがないというロケーションです。磐梯吾妻スカイラインの浄土平をそのまま進み、鳥子平の標識のあるところが登山口となります。駐車スペースは3台分しかありません。ここから北に東吾妻山コースもあります。高山へは南の登山道に入ります。まもなく木道と小さな湿原が現れ、そのまま樹林帯を30分程登るとなんなく山頂に到着です。

 実は、この山の山頂には巨大な反射板が2枚設置してあります。これによって山頂の雰囲気を著しく損ねているのですが、独立峰だけあって、眺望はすばらしいものがあります。高度感という点では東吾妻山を凌ぎます。申し分のないロケーションなのですが、反射板がどういう作用をするのか、逆にこれを利用する方法もあるのではないか、などと思ったりもします。里山の山頂付近にも時々こういう反射板を見かけるのですが、何をどう反射しているのか?地元テレビ局が使っているという話も聞くのですが・・・。


山頂の反射板 巨大すぎて写りません


 さて、9月中旬のこの日、日本海側は雨、太平洋側は晴れの天気で、会津地方もまずまずの予報となっていました。暗いうちに仙台を出発、スカイラインのゲートは午前6時前でしたので、無料で通過することができました。浄土平に着いてみると、少しガスがかかり、猛烈な風が吹き荒れていました。立って歩くのも難儀する有様で、40分ほど車内で待機しました。前回の箕輪山同様、厳しい運用になりそうです。

 山頂には午前8時過ぎに到着。激しい風が反射板に当たって、不気味な音を発しています。反射板を利用しての実験どころか、アンテナが三脚ごと吹き飛ばされそうです。他にもう一組10人ほどのパーティがいたのですが、早々に引き上げていきました。山頂での運用は困難と判断し、少し下ったところで準備を始めることにしました。

 今回のアンテナは、作ったばかりの2/3λヘンテナです。設営は2,3分で完了。念のためSWRを計ってみると145.00MHz付近で1.1、バンド内ほぼフラットで、ベランダで計った時と同じでした。1エリアの信号がちらほらと聞こえています。仙台の信号も入っていました。岩手の移動局の信号も聞こえます。1エリア局が強く入る方角に回して、145.180でCQを出してみました。


2/3λヘンテナ  激しい風雨に耐えてくれました

 はじめに東京都練馬区局からコールバック。驚くほどパワフルな信号で、とっさに東京とは思えませんでした。距離にして238キロとのこと。続いて埼玉市岩槻区、新座市、伊奈町、北川辺町と埼玉県各局と交信。いずれも安定した信号です。どうして埼玉県のみ続くのか不思議な感じがしました。栃木県下野市局からは0.6Wとのこと。こちらも0.8Wにパワーを落として59-59。さらに練馬区から3局交信いただきました。こんなに続けて1エリアから声がかかったのは初めての経験でした。ホームに帰ってから地図で調べてみると、ほぼ一直線状に交信局が位置していました。せっかくのヘンテナなので、いろいろ方向を変えて試してみようなどと考えていたのですが、天候がこんな状態でそれどころではなく、方向は変えずじまいだったのです。このヘンテナ、意外とビーム範囲が狭く、その分、ゲインが高いように感じます。多くが固定局でFBな八木をお使いのようでしたが、GPやモービル移動局とも問題なく交信できました。これまでのアンテナとは何か違う感触です。

 結局、1時間半ほどで13局と交信。途中からは横殴りの雨となり、ハンディ機もアンテナもずぶ濡れ、メモも取れない状態で、さすがに撤収となりました。終止、余裕のない運用で、考えていた実験も何もできませんでしたが、初めてのヘンテナに少しだけ手応えを感じることができました。


湿原からの高山


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2/3λヘンテナ ロッド式

2009年09月13日 | ヘンテナ
 以前から作りたいと思っていた2m用ヘンテナですが、ループ系なのでザックへの収納に難があり、躊躇していました。縦横いずれかをワイヤーエレメントにしたものがネットで紹介されていますが、その場合、ブームをどうするかや強度の問題があり、なかなか良いアイディアが浮かばなかったのです。今回、ロッドアンテナを使うことで、なんとかザックにも収まり、設営、撤収も簡単なものを作ってみました。また、カメラ三脚に取り付けた時に、バランスがとれるように、左右対称となる2/3λを採用しました。利得も少し期待できるようです。



 
《材料》
・全長80センチのロッドアンテナ4本
・3ミリ銅パイプ30センチを2本と15センチを2本
・蓑虫クリップ4個
・端子2個
・塩ビパイプ50センチ1本



《製作》
・塩ビパイプに3ミリ径の穴を34センチ間隔で2カ所開けて、後ろまで貫通させ
 ておきます。今回もマスト直結式です。
・30センチの銅パイプ両端に蓑虫クリップを半田付けします。これが縦エレメン
 トになります(ヘンテナの短辺1/6λ)。蓑虫クリップの長さを含めて約34セ
 ンチになります。
・15センチ銅パイプの片側に端子を半田付けします。もう一方の側に同軸ケーブ
 ルの芯線と網線をそれぞれ半田付けしておきます。これが中央の給電エレメント
 となります。
・あとは、ボルトで2本のロッドアンテナと給電エレメントの端子を塩ビパイプに
 取り付けます(上下)。
・最後に左右に30センチの銅パイプを蓑虫クリップでロッドアンテナに取り付け
 て、製作と組立は完成です。








《調整》
 ロッドエレメントの長さで調整します。左右それぞれ1/3λ、全体で2/3λとなります。一般的なヘンテナは長辺が1/2λですから、利得も少し向上するそうです。
 まず4本の長さを65センチにセットしたところ、SWRは2弱で高めに出ました。4本を少しづつ短くして、62.5センチのところで、SWRは1.1ベタ落ちとなりました。バンド内ほぼフラットで、帯域も広いようです。シュペルトップバランを後で追加しようと思いますが、とりあえずはこのままでも問題なさそうです。おまじないとしてパッチンコアを付けておきました。
 ロッドアンテナ先端の細い部分を使わずに済むため、そこそこ強度はあるかと思います。収納は50センチ、重さはケーブル含めて約400グラム。少し重めです。








《使用感》
 いつもの通りベランダで試しに使ってみました。コンパクトな上、左右対称なので重量のバランスが良く、カメラ三脚で回しやすいです。受信してみるとはっきりと指向性があります。ただ、それがアンテナのどの向きなのか、今ひとつわかりせん。ハンディ機4Wで岩手県遠野市の移動局と41-41で交信できました。悪くない感触です。





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強風の箕輪山移動 

2009年09月01日 | 奥山 移動運用
 安達太良連峰の最高峰で標高は1718メートル(福島県耶麻郡猪苗代町)。山頂は高山的な雰囲気があり、眺望も360度で申し分ありません。全体に安達太良連峰は、風の通り道となっているらしく、稜線上に余り樹木がなく、どのピークも眺望はすばらしです。箕輪山へのコースはいくつかありますが、今回はもっともポピュラーな横向温泉から登ってみました。

 8月下旬のこの日は、まだ低気圧の影響が残り、午前中は雲が多く午後から晴れの予報となっていました。仙台を午前4時30分に出発、途中、高速道路から吾妻連峰はよく見えているのですが、安達太良の方には雲がかかっていました。嫌な予感がありましたが、予定通り横向温泉に向かいました。午前6時、登山口の駐車スペースには既に1台止まって、出発の準備をしているご夫婦がおりました。所沢の方で昨夜は吾妻小屋に泊まったとのことでした。どうりで早いはずです。

 約2時間弱の登山で、7時50分山頂着。濃いガスと強風の中、標識を見つけて、やっとここが山頂だとわかるような状態でした。所沢のご夫婦は、標識前で写真を撮って、「寒いので戻ります」と、早々に下っていきました。予感的中、これは無線どころでないのでは?と思いつつも、一人岩陰で風をしのいで、準備を始めました。装備はいつものDJ-S17(145MHz 4W)と J型アンテナです。カメラ三脚は強風で倒れないように、石で固定しておきました。エレメントは激しく揺れています。こんな厳しい状態での運用は初めてのことでした。





 ワッチしてみると、東京都中央区の記念局が1エリア局と交信しているのが聞こえました。終わるのを待って、試しに呼んでみたところ、すぐに応答があり、55-55のレポート。記念局なので設備はわかりませんでしたが、東京まで届いてはいるようです。さらに、栃木市移動のCQが聞こえてきました。何度か交信したことのある局です。お互い59。パワフルな声を聞いて、当局も少し元気が出来てきました。このアンテナ、目の前でこんなに揺れているのに、信号は意外と安定しています。受信の方も揺れの影響は特に感じません。

 続いて、メインコールの後、145.160でCQを出してみました。1エリアは、東京都内、千葉、茨城、栃木各局に交信いただきました。新宿区局は、GPとのことで、43のレポートをいただきました。こちらからは59。練馬区局とはお互い59で、たいへん強力でした。千葉県印旛郡局とは51-51。安達太良山頂移動の時も感じたのですが、ここは1エリアと相性が良いようです。逆に北方面はあまり良くありませんでした。一関市局は、屋根に取り付けたモービルホイップとのことでしたが、53のレポート。仙台市若林区局からは59ですが、300度の方向、反射で届いているとのことでした。北にそびえる2000メートル級の吾妻連峰が壁になっているようです。この日は、約2時間半で27局と交信。その間、一瞬、ガスが切れることはありましたが、強風が治まることはありませんでした。

 下山後、横向温泉にて入浴。さっぱりとして外に出てみると、先ほどまで山頂を覆っていたガスはすっかり消えて、箕輪山の全容が姿を現していました。





横向コース途中にあるブナの大木
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