JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

1λ単ループアンテナ再調整

2020年05月17日 | ループアンテナ
 散歩がてら、これまで作ったアンテナの再調整を兼ねて近くの大年寺山公園に出かけています。

 昨日、今日と145MHz1λ単ループアンテナ(ガンママッチ)の調整をしました。気難しい印象があり、2度ほど試したのみで使わなくなってしまったアンテナです。ガンママッチとバリコンで調整します。どちらも調整点に印を付けているのですが、ベランダでSWRを測ったところ、ズレが生じていました。

 このアンテナに限らず、ケーブルを変えると共振点やSWRが大きく変わってしまうことがあります。製作時点では2.0mの3D2Vを使って調整したのですが、今は3.0mのRG58ケーブルを常用しています。長さの影響なのかケーブルの質の関係なのか、145MHzのどのアンテナとも相性が良いのです。ということで、再調整。ガンママッチの接続点は変更せず、バリコンをほんの少し回してはアナライザーで測定を繰り返し、最良ポイントを探しました。上の方にもう一つ疑似共振点?があり、最良なのかどうかはちょっと疑問ですが、一応これで良しとしました。








 公園内の場所を変えてJP7IEL局にお相手いただきました。横に倒した状態で垂直偏波となります。J型アンテナとの比較では、方角を合わせた状態でSはほぼ同じ、ブツブツした大粒のノイズが少なく聞きやすい、との印象を持ちました。単ループとはいえ1λのエレメントなのでもう少し利得が感じられても良さそうですが、そうでもないです。むしろ信号自体はJ型アンテナの方が野太い感じを受けました。利得は特段ないものの低ノイズにより変調を浮き上がらせる、そんなアンテナかと。帯鋼エレメントのため120gと軽く、あらためて使ってみて取り回しがとても楽に感じました。三脚とのバランスを考えるとアンテナは軽いに越したことはありません。あとは高さを稼ぐ工夫をすれまた違ってくるような気がしています。 







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マスクの帯電(コロナ処理)化

2020年05月13日 | テスラコイル



 ひと頃に比べマスク不足は解消に向かっているようですが、コロナウイルスとの付き合いが長く続くことを考えると、需要は高止まりするのだろうと思います。マスクは衛生用品であり、目的に耐えられるだけの性能が求められるわけです。しかし今の状況は性能より量産をということで、性能の方は大丈夫だろうかと思わなくもありません。

 最近、マスクの性能を高める手段として「帯電処理」という方法があることを知りました。自分が知らなかっただけで、数十年前からあるそうです。「帯電フィルターマスク」などとして市販もされています。フィルターに電気的・物理的な処理をすることで集塵効率を向上させ、花粉やミクロのホコリを集塵しやすくするのだそうです。

 実は先日、新聞記事で石巻市のヤグチ電子工業という会社が帯電処理した高機能マスクの製造方法や研究過程をオープンソースとして公開し、誰でも参加できるプロジェクトを立ち上げたことを知りました。「オリマスク研究所」ホームページで詳しく公開されています。帯電の方法はいろいろあるようですが、数万ボルトのコロナ放電による電界に曝すことで不織布マスクであればほんの数秒で帯電完了となるようです。

 コロナ放電と言えばテスラコイル。これを使って簡単に帯電マスクが作れるのでは?と考え、思いつきで試してみました(危険なのでお勧めはしません)。自作のテスラコイルに24Vを通電。しばらくぶりの通電で作動するか不安でしたが、2cmほどの火花を伴いシューッという音と共に勢いよく放電してくれました。たぶん1万ボルトを超える高電圧と思われます。




 一般的なサージカルマスク(不織布マスク)を1枚取り出し、火花で燃えないように10cmくらい距離を取り、両面をそれぞれ30秒ほどかざしました。オリマスク研究所のデータでは「印加電圧20kv~30kvが良い傾向にあり、また放電時間は3secでも10secでも顕著な差はみられず、概ねどのコロナ放電の条件においても捕集効率が90%を超えていると推測できる」「特に0.3um以上の微粒子に対する捕集効率が大きく変化する」とされています。はたして手作り帯電(コロナ処理)マスクはどうでしょうか。


 装着した感想です。処理したマスクと処理しないマスク、明らかに異なりました。丸1日付けてみたところ、処理マスクは息苦しく、不織布の密度が増した感じがあります。それだけ集塵性能が高まったということでしょう。高性能化に成功?  ただ、日常的にこれを長時間装着するのはつらいです。翌日、処理しない通常のマスクに替えたところ、実に快適でした(スカスカに感じる)。印加電圧を調整するとか、コイルからの距離、かざす時間を変える、両面でなく片面のみにする等々、それによる変化があるのかどうか? 深入りするつもりはありませんが、危機的状況の場面ではこういう方法もある、ということを知っておくのも悪くはないと思います。それにしてもコロナ放電というものの意外な効用・用途を知り、興味を新たにした次第です。





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可動式ホイップアンテナ その2

2020年05月05日 | 移動運用装備
 VU帯の場合、ほんの少し動いただけでSが大きく変化することから、ホイップアンテナを可動式にしてみたら面白いのでは?ということで、実験したことがあります。その時は長さ22cmのカメラ用ブラケットを三脚に取り付けて回転させたのですが、Sの振幅は思いのほか大きかったと記憶しています。ただブラケットが意外に重く安定性に欠け、1度きりでやめてしまいました。




 今回は金属製の重いブラケットではなく、100均の平板を使い再度試してみることにしました。前回使ったクリップベースコネクターもけっこう重量があり見直しました。2cm×0.5cm×長さ50cmの平板の一方に目玉クリップをボルトで取り付け、ケーブルを通すための輪をつくっておきました。目玉クリップにホイップアンテナを挟み、支点となる反対側は大型クリップで挟むだけです。前方が重くなる構造なので、アンテナも軽量でないと耐えられません。RH660 S(65g)を使いました。三脚のレバーを回すことで前回の2倍、1m四方(1/2λ)の範囲でアンテナを可動させることができます。








 本日も大年寺山公園。JP7IEL局に協力いただき、145MHzにてさっそく試してみたところ、31~53の変化がありました。慎重に回転させ、あるポイントで変調が浮き上がり、さらに回していくと徐々にSが落ち、ノイズまみれでほとんど了解できなくなりました。たかが1mの範囲とはいえ、パワースポットとデッドスポットが入り混じる伝搬の妙というものを垣間見ることができました。入感ポイントを探り当てることで、あたかもアンテナの利得が向上したかのよう。相手局の信号に応じて回転させれば効果絶大?との感触でした。ホイップ直付けで自分が動けばよいという話ではありますが、手元で可動できるところがミソかな、と。実際、手持ちもしてみましたが、疲れます。




 課題もあります。大型クリップで固定しているとは言え、回している内に重みでズレが生じてしまいます。平板の中間あたりを挟んで固定すると大丈夫ですが、可動範囲が小さくなってしまいます。思い切り回してもズレないような固定法を考え中です。






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HB9CV(145MHz)の再調整

2020年05月04日 | HB9CV

 10年ほど前に作り、山岳移動で一時期このアンテナばかり使っていました。先日、しばらくぶりに物置から取り出してみたところ使い勝手の良い印象があり、調整し直してみることにしました。調整と言っても接続部のボルトを締め直したり、防水処理したり、ロッドエレメントの最適化を図ったりする程度で、大きな変更をしたわけではありません。




 ロッドエレメントには印を付けマッチングの目安にしていたのですが、いつの間にかズレが生じてしまったようです。このアンテナは4本のエレメントすべてが導通しており、1本でも寸法を変えるとすべてに影響を与えるのでやっかいです。ある意味、寸法の組み合わせは無限にあります。上下同じ寸法、前エレメント(給電部)より後ろエレメントを若干長くのセオリーどおり改めて微調整したところ <前エレメント上下41.0cm   後エレメント上下44.0cm> でベストマッチングとなりました。






 給電部近くのケーブルにパッチンコア1個を取り付けた状態でベストとなり、コアを外すと変わってきます。同軸ケーブルも新しいものに換えようかと考えたのですが、思いのほか良好な状態となり、そのまま使うことにしました。

 このアンテナの特徴は
1) エレメント寸法が短くて済む(コンパクト)
2) ブロードな指向性
3) 利得は通常の2エレ同等か少し良い程度。

 といったところです。本日も大年寺山公園にてJP7IEL局と比較実験してみましたが、「J型アンテナより若干良い。わずかに信号が安定する」とのレポートをいただきました。利得的にはホイップ系より良いものの過大な期待は禁物、コンパクトさが身上のアンテナ、といったところかと思います。


 

 三脚とのバランスを考慮し、本体中心部を支点に持ち上げるようにしており、そのためケーブルもポール(塩ビパイプ)に沿って垂らすことになります。下部エレメントに影響が出てしまいそうな気がしないでもありません。バランスはそのままに、ケーブル引き回しはもっと良い方法がありそうな気がしています。





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J型アンテナ調整 その2

2020年05月02日 | J型アンテナ



 連休は徒歩の範囲以外は出歩かないことにしました。こんな状況なので、この間自作したアンテナの再調整に時間を費やしています。

 厳しく整合の取れたアンテナはよく飛び、弱い信号も果敢に捉えてくれる、当然の話で理想とするところではありますが、実際はどこかで妥協し、ある程度の範囲内であれば良しとする、というのが現状かと思います。自分はロッドエレメントを使うことが多く、長さで調整はできますが限度があります。部屋の中やベランダで調整がうまくいったと思っても、フィールドでは予想以上にズレているということも多いです。ということで1)給電部に調整機構を備える、2)最終的な調整はベランダでなく野外でおこなう、ことを心がけています。

 最近作ったLCマッチングのバリコンホイップやJ型アンテナ。どちらも給電部に調整機構を備え、現地の環境に応じて共振点やSWRを追い込むことができます。バリコンホイップはコイル間隔やバリコンで調整しますが、コイルの内部応力が働くためか、微妙に変化します。再現性という点では、J型アンテナに優位性があります。何カ所か場所を変えてアナライザーで計ってみてもほとんど変化がありません。手持ちもできるように作ったのですが、ケーブル引き回しの影響も少ないような印象があります。




 以前書いたとおり、J型アンテナの調整ポイントは給電部の位置合わせにあります。なので、このアンテナを作る場合、給電部を可動式とすることは必須であるとあらためて実感しました。可動式の方法はさまざまあり、海外の製作例ではケーブルクランプで銅パイプにねじ止めする方式が多くみられます。自分は銅パイプ差し込み式の簡単な構造としましたが、特に問題ありません。構造的にも丈夫なため変動幅が少なく、給電部を上下させると見事に整合し、気持ちの良いSWRグラフを描いてくれます。






 いづれにしてもこのようなことは、アナライザーあっての話しです。SWR計のみでは目的の周波数で反射波(送信機への戻り)がどの程度なのかを知るのみですが、アナライザーではそのアンテナの性質の全体像を俯瞰することができます。条件を変えて繰り返し計測することで「固有の癖」のようなものがわかってくるのだろうと思います。アンテナ作りは、うまくいったときも、うまくいかなかったときも、調整という行為に面白さがあるのでは、と思えなくもないです。

 





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