JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

手作りアローライン2 移動用

2008年12月28日 | アローライン
 里山移動の場合、山頂といっても、まわりにもっと高い山があったりして、複雑な地形に位置するケースが多いことから、アローラインを使ってみたらおもしろいのではないかと考え、移動用バージョンを作ってみました(144MHz)。

《材料》
 マルツで台座付きのMコネクターを、ホームセンターで銅パイプ直径4mmを1本、3mmを2本(各長さ1m)、丸端子(R3.5)、3mmボルトセットを一袋それぞれ購入。

《作り方》
 4mmと3mmの銅パイプを、半分に切断します。これで、4mm2本、3mm4本となり、4mmの方はエレメントにします(残りの半分は使いません)。3mmの方は、4本のラジアルとなります。
 次に、ラジアル4本の先端に丸端子を半田付けします。3mm銅パイプにR3.5の丸端子がジャストフィットしますので、半田付けも容易です。
 続いて、Mコネクターの台座の4隅の穴にラジアルをボルトで固定。台座の穴は3mmボルトより大きいサイズだと通りませんので注意が必要です。
 エレメントの取り付けは、Mコネクターの心線側突起に4mm銅パイプを差し込むだけです。一応、導電性グリスを塗っておきました。
 最後に、4本のラジアルをエレメントに対して約160度の角度になるように、折り曲げます。ちょうど丸端子の首の部分で折り曲げることになるので簡単でした。
 以上で本体は完成です。製作時間は30分。







《調整》
 無調整で、145.00のSWRは1.5を少し上回っており、中心点は下にありましたので、エレメントとラジアルを少しづつカットしていき、最終的に、それぞれ約49センチの長さにしました。バンド内ほぼ1.5以下となりました。ベタ落ちにはなりませんが、これで良しとしました。ラジアルの角度によってもSWRは変化します。

《持ち運び》
 移動の場合は、ラジアル部分のボルトを外して分解します。ナットは、サイズ的に可能であれば蝶ねじタイプがベターかと思いますが、とりあえず、通常のものを使っています。分解すれば、50センチ程の銅パイプ5本ですから、簡単に持ち運びでき、約150gと軽量です。
 組立と取りつけは、Mコネクター(J)にMPMP変換コネクターをセット、もう一方にMJーSMAPケーブルでハンディ機につなぎます。コネクター部分をいつもの三脚クリップで固定。最後にラジアル4本を取りつけます。コネクターを塩ビパイプにセットして持ち上げてやれば、よりベターで安定性も増すと思います。



《使用感》
 常置場所から試験的に使ってみました。受信は少しノイズがあり、モービルホイップ(CSB7900)と比べてSが1~2落ちますが、遠く相馬の信号も拾ってくれましたので、まずまずかと。このアンテナは、Sは振らなくても、そこそこ了解できるのが特徴のようです。送信は、市内モービル局と交信しただけですが、問題なく届いているとのことでした。
 年末年始の山移動で使ってみたいと思います。

《追記》
 ホームセンターで塩ビパイプを購入し取りつけてみました。Mコネクターがちょうど納まるサイズのものと少し細いパイプを二段重ねにして、長さは45センチ。これで、当局の小型三脚にも問題なく取り付けられるようになりました。パイプにアンテナ一式を収納できます。少しはみ出していますがご愛敬。パイプ長を55センチにして両端に蓋ができれば、完璧だったかも・・・。





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エネループ

2008年12月26日 | 移動運用装備
ハンディ機のバッテリー


 山岳移動の場合、バッテリーは頭が痛い問題ですね。これがないと始まらないのですが、できれば軽くしたい。長持ちで軽くて取扱いが簡単なバッテリーはないものか、交信でも時々、話題になります。 
 当局の場合は、別のところに書いたとおり、エネループを中心に運用しています。

《交信時間》
 附属のリチウムバッテリー容量1100mAhに対しエネループは2000mAhですから約2倍です。わりと話が長い方なので、送信時間も長めですが、連続運用で約3~4時間程持ちます(カタログに載っている交信可能時間は当局の運用方法とかけ離れており、全然当てになりません)。1回の山頂での運用時間が平均1.5時間なので、充電しなくとも2~3回分は持つということです。あえて充電しないで使ったところ、実際、そんなものでした(リチウムバッテリーの場合は1回の山行で切れることが多いです)。
 無線を目的にした山行で、半日くらい運用を続けるような場合は、交信中に突然バッテリー切れということも何度か経験しました。前ぶれなく、必ず、こちらが送信中に切れます。そして、切れていることに気付かないまま、長々話し続けるという失態もありました。予備バッテリーに交換しましたが、相手局は何が起こったのかわからず、とまどったことと思います。

《出力》
 エネループだと出力は若干、下がってしまいます。逆に言えば、出力を抑えているのでさらに持ちの良さを実感できるわけですね。機種によっては、乾電池の場合1Wとか0.5Wなどというのが今でも多いのですが、当局の使っているDJ-S17ですと、一応、乾電池でも5Wを謳っています。しかし、計ってみると、エネループで4Wといったところです。ニッケル水素電池の場合は、電圧が1.2Vと低いので、どれでもこの程度のようです。1.2V×6本直列により7.2Vで作動。ちなみにリチウムバッテリーは7.4Vで作動。アルカリ電池の場合は1.5V×6本で9V作動です。
 実際、アルカリ電池にすると、しっかり5W出ます。純正のリチウムバッテリーも5W出ますので、出力をとるならこちらですね。5Wと4W、さほど変わらないですが、少しでも長時間運用がよいと考えるか、あくまで出力にこだわるのかという選択です。私の場合は、4Wあれば十分ですし、Lowe設定(0.8W)に切り変えて運用することも多いです。

 上記の電圧の関係があり、ハンディ機を乾電池で運用する場合、乾電池6本を使うタイプ以外は、5W出力は難しいと思われます。当局の使っているDJ-S17(47)の他ではヤエスのFT-60のみですね。アイコムのIC-S25(35)は5本タイプなので、アルカリ電池1.5×5本で7.5Vでもエネループのようなニッケル水素電池だと1.2×5本で6.0Vですから、アルカリ電池以外使えない可能性があると思います。アイコムのカタログに何も記載されていないので、実際のところはわかりませんが。それから、ニッケル水素電池のサイズが若干大きめのタイプがあるそうで、乾電池ケースに納まらないものがあるようです。DJ-S17(47)は、エネループに関してはまったく問題ありません。
※ケンウッドのシングルハンディ機TH-K2 (4)も乾電池6本仕様でしたので追加しておきます(ただ、アルカリ電池で最高3.5w)。

《熱》
 純正リチウムバッテリーを使うと、交信中に本体がかなり熱くなります。エネループでは、ほんわか温かくなる程度で、熱くはなりません。大切な電力が熱にならずに効率よく使われているということではないでしょうか。

 ところで、このエネループに今年9月から新たに単一型が加わりました。これを6個直列の乾電池ホルダーにセットして、外部電源端子から給電することを考えたのですが、価格が高く、様子見しています。1本約1800円。これを6本に充電器を加えると15000円を超えてしまいます。容量は5,700mAh。約3倍の運用が可能となるはずで、交信中の電池切れの心配は大幅に軽減されるのですが・・・。
 自然放電が少なく継ぎ足し充電もできる使い手の良い電池なので、もっと普及して安くなってほしいものです。
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狩猟用?アンテナ

2008年12月09日 | 移動用市販アンテナ
 山岳移動で簡単に組み立てられるハンディ機用のアンテナを自作したことがあります。144M用で2エレ。エレメントはロッドアンテナのため、折りたたみでき、全長40センチのコンパクトサイズに収まります。しかし、作りが粗末だったため、山移動に持っていくには不安があって、使わずじまいとなっていました。

 ところが、これとほぼ同じものが市販されていることを最近知りました。当たり前ですが、自作のより、はるかに立派でしっかりした作りです。ナテックという会社が作っています。最近まで全然知りませんでしたが、業務用の各種アンテナの他、アマチュア用のモービルホイップなども手がけているそうです。

 そのアンテナは、狩猟用発信器探索アンテナと言いまして、メーカーの説明では、「ドックマーカー(犬用の小型発信器)の方向を探知するアンテナ」とあります。どちからというと業務用という感じです。狩猟のことはよくわかりませんが、犬に発信器を取付けて、居場所を探すための受信用アンテナのようです。アマチュア無線でもフォックスハンティングという競技があるそうですが、こちらは競技ではなくプロ用?ということでしょうか。

カタログデータでは、
周波数 144MHz帯
形式 2エレロッドアンテナタイプ
利得 6.0dBi
F/B比 約20dB
耐入力 10W
入力インピーダンス 50?
電圧定在波比 2.0以下
接栓 BNCP
重量 約240g
エレメント長 最大約104cm
ブーム長 約33cm
仕舞込寸法 約8×33cm ※エレメント収縮時

となっています。どう見ても、アマチュア用そのものです。

 使用目的からすると受信専用のアンテナですが、耐入力が10Wですから、ハンディ機なら、なんとかなりそうです。利得6.0dbi、エレメントがロッドアンテナで、仕舞い込み寸法33センチ、重さ240グラムと、当局が理想とする姿をそのまま形にしたようなアンテナです。

 というわけで、ネットで購入してみました。型番はNY144Xで、こちらがロッドアンテナタイプ、もう一つNY144Zという型番もあり、こちらはエレメントが形状記憶合金で2分割して仕舞えるタイプです。狩猟の実践においては、手で持って駆け回ることになるので、形状記憶合金の方が理にかなっていると思われますが、当局の場合は、三脚固定で使うのでロッドアンテナタイプを選びました。

 実物は、さすがメーカー製だけあって、なかなか味のある作りです。特に取手の部分が木質でできており、昔の工芸品といった趣があります。エレメントは折り畳めるようになっており、この状態だと、使い道不明の忍者の道具といったところです。








 さて、SWRを計ってみますと、ロッドを伸ばしきった状態でマッチングが取れるようになっており、バンド内1.5以下におさまりました。4本のロッドを短くしてもっとSWRが低くなるところがないかどうか試してみましたが、やはり伸ばしきった状態が良いようです。

 まだ1回しか使っていませんが、以下レポートしてみます。
 まず、特筆すべきは、たいへんコンパクトなことで、デイパックにそのままポロッと収納できます。現地ではロッドアンテナを伸ばすだけなので組み立ては何もありません。あとは、取手の部分を三脚のクリップにワンタッチではさんで垂直に調整、SMAPーBNCJの変換ケーブルでハンディ機につなぐだけ。SBB7より簡単でした。軽量なので当局使用の小型三脚との相性も問題ありません。

 いつもの萱ヶ崎山から、送信出力4Wで、まず、ビーム方向を北に向けてCQを出してみました。まったく応答なし・・・。あれ?やはり送信はダメかなと不安になった時に、大崎市固定局に応答いただくことができました。適当に回していたのですが、ガタンとメリット落ちましたとのレポート。再度、三脚を回して、最も強く入感する方角に合わせ、お互い59でレポート交換できました。今度は安定して届いているとのことで、送信も大丈夫そうです。続いて、大和町モービル局、さらに岩手県一関市の室根山移動局とも59で交信でき、指向性も確認できました。給電部などが熱くなるということもないようです。

 そうこうしている内に、今度は、バックの南方向から、福島県伊達市モービル局にお声がけいただきました。説明書ではF/B比約20dBとのことで、バックからは入らないと思っていたのですが、そうでもないようです。アンテナをくるりと回して、南に向けましたが、なぜか、東に向けた方が強く入りました。微妙な反射を拾っているようで、2エレの特性が出ているのかもしれません。

 できれば、SBB7と比較もしたいと思ったのですが、風が強く雪もちらついてきましたので、今回はこれにて撤収となりました。とりあえず使えることはわかりましたが、まだまだ手応えをつかむには至りません。「狩猟用アンテナ」は奥が深いようです。



《追記》

 ロッドエレメントをうまく調整すれば、430Mでも使えるのでは?と考え、試しにやってみました。
 その結果、掲載写真の上から2番目の状態、つまり、ロッドをまったく伸ばさず、並行にした状態でマッチングが取れました。はじめからそのように作ってあるのか?。SWRは、バンド内すべて1.5以下(出力4Wにて)。ただし、この状態で共振点は433.700と高めのところにありますので、エレメントを少し伸ばして中心を下げようとしましたが、うまくいきませんでした。このアンテナは、2エレ八木ではなくHB9CVなのか?
 まあ、 433.000で1.3なので、まずまずではないでしょうか。デユアルバンドで使えることがわかり、少し得した気分です。





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