JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

QSLカード印刷

2011年01月24日 | 運用スタイルなど

 パソコンとプリンターが新しくなって、一つ困ったことは、Macのファイルメーカーで作ったログファイルが使えなくなってしまったことです。このファイルメーカーも現在はバージョン11とか。当局が作ったのはバージョン2.1という初期のもので、まったく互換性がありません。いったんCSVなどにエクスポートして、新バージョンでインポートすることもできなくはないと思いますが、どの道、フォーマットは作り直しになります。そのための手間やファイルメーカー11本体の費用のことを考えると、その気にはなれません。

 もともと紙ログを基本台帳としているので、パソコン管理が必要なのはQSLカード発行のためだけです。カードそのものも、アワードを追いかけているわけでもなく、求められれば発行する程度。それでも開局当初は、専門の印刷所に依頼したり、それが無くなってからも、デジカメで撮影した移動地の写真をその都度印刷したりで、自分なりに手間はかけてきたつもりです。でも今回、パソコン環境を一新したことを機に、見直すことにしました。
 
 カード作成は、特別なデータベースソフトは使わず、ワードを使うことにしました。ハガキサイズのデータ面を作り、1交信につき1ファイル、ファイル名はコールサインとします。それをカード発行日ごとのフォルダーに入れておくだけ。後で交信記録などを確認したい時は、フォルダー内をコールサインで検索すれば済みます。データベースソフトで言えば、一つ一つのファイルがレコード、フォルダー全体がデータベースという考え方です。入力の手間はかかりますが、同じ移動地の場合はコピーすれば変更点は数項目だけなので、さほどでもありません。印刷は、未発行フォルダーにたまったファイルを「すべて選択」して印刷ボタンを押すだけで、次々プリントされます。一つ一つが単なる文書ファイルなので、後々困ることもないかと思います。

 ついでにカード発行にかかるコスト削減も断行することとしました。以前使っていたのはキャノンの950iというプリンターで、これは6色独立インクになっていて、写真の画質は最高でしたが、けっこう費用がかさみました。しかもクリーニングなどと称して機械が勝手にインクを使ってしまうのです。インクヘッドが詰まって修理に出し、想定外の出費をしたこともあります。今回は、これに懲りて、HP社のENVY100という機種にしました。3色一体インクと黒色インクの2本のみで、インク詰まりのないヘッド内蔵カートリッジ。写真画質はお世辞にも良くありませんが、Webページやハガキ印刷には十分です。


プリンターも進化したようで、コピー、スキャンはもちろん
単独でネット接続もできてしまいます


刷り上がったシンプルなQSLカード


 加えて、これまではデータ面の裏に、山で撮影した写真などを印刷していたのですが、これをデータと同じ面に小さめに配置することにしました。裏は白紙のまま。これで、インクコストの削減と表裏2回印刷する手間がなくなりました。

 趣味の世界なので、いくら凝っても良いわけですし、「趣味にコストはかけるべし」という考えもあるかと思います。また同じ趣味でも、どの部分に投資するかは様々ですね。

 先日、二文字コールのOM局、「もう、遠の昔にカードは卒業しました」と・・・。さらりとそう言えてしまうところが羨ましくもありました。当局が同じことを言ったらジョークにもなりませんが、カードについては、少しでも簡素化したいというのが正直なところです。


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無線LAN導入

2011年01月18日 | 運用スタイルなど
 数日前、我が家にも遅ればせながら無線LAN環境が導入されました。これで、寒くて暗い北側の部屋でのパソコン操作から解放され、家中どこでもインターネットやプリンターが使えるようになりました。スマートフォンやらクラウドやら、そんな昨今、なにを今さらと思われるかもしれません。世の中が有線から無線へ、アナログからデジタルへと変わっていく中、我が家のパソコンは10年もの間なにも変わらず、ただ黙々とできうる仕事を続けてきたのでした。

 これまで使っていたのはMacのG4cube(OS9)という十数年前のパソコンで、電話配線の関係から北側の部屋でしか使えなかったのです。一昔前の集合住宅なので、建物までは光ファイバーですが、各戸へは電話回線で引くというVDSL方式です。この組み合わせなので、光というにはあまりにもお粗末な速度しか出ません。パソコンだけでもなんとかしようと考えてはいたのですが、やるとなればそれなりの費用と手間と時間がかかります。ここ数年はアマチュア無線への投資がかさんだこともあって、手つかずにおりました。ところが、先日来、突然このブログの更新がMacOS9の古いブラウザでは受け付けられなくなり、一大奮起して環境を一新させたという次第です。

 パソコンも安くなり、最新のノートPCが数万円で手に入りました。パソコン界のことは浦島太郎状態ですが、今回購入したのはデルというメーカーのノートパソコンで、はじめから無線LANを内蔵しているタイプです。インテルCorei5-460M、ハードディスク500G、メモリー4G、DVDマルチ、各種カードリーダー・・・まさにてんこ盛り。しかもOfficeインストール済みでこの価格、10年前に比べたら夢のような話です。ロジテックの無線LANルーター(一応最新のセキュリティ付)、無線LAN対応複合プリンタ(HP社のENVY100)も購入し、一気に環境が整いました。

 店の人からは有線LANよりも速度が下がると言われたのですが、パソコンの能力があまりにもケタ違いで、まったくそんな感じはありません。WebページもQSLカードも難なくプリントアウト。邪魔なコードがなく、快速かつ快適、しばし感動してしまいました。


ルーターもずいぶん小型になりました

複合プリンターENVY100 AV機器のようで違和感ありません


 ところで、この無線LAN。出力は10mWで周波数は2.4GHzとか。ルーターという無線設備から常時、電波が放出され、パソコンやプリンターとやり取りしているわけです。10mWと言えば特小トランシーバーと同じ出力、2.4GHzは電子レンジ。これでどの程度の距離まで通信が可能なのでしょうか。さっそくノートPCを持ち歩いて、実験してみました。ちなみにルーターのアンテナは内蔵タイプで、外に出ているわけではありません。

 家の中はベランダを含めて、どこにいても接続が切れることはありませんでした。電波の強弱を示すアンテナマークが画面に出るのですが、最大でレベル5、ベランダだとレベル3程度に下がります。Webの閲覧には何の支障もありません。一般的な家の中で使うには十分なパワーです。ただし、電子レンジと干渉するようで、レンジ使用中は途切れ途切れとなります。このあたり、対策が未確立のまま普及してしまった感は否めませんね。

 次に、玄関を出て、通路を行ったり来たりしてみました。6戸並んでいる同じフロアなら、端から端まで問題なく通信可能です。下の階でも、部分的に可能ですが、ところどころ不能となりました。階下とはコンクリートなので、そこまでの貫通力はなさそうです。でも、反射によっては意外な所で「良好」に通信できてしまったりするのでは?

 よく他人の家の無線LANを勝手に利用するなどという話を聞きますが、この実験からみても十分可能でしょうね。けっこう広範囲に情報をばらまき、かつ、自分のパソコンの中が他人から丸見え、という危険は覚悟しておく必要がありそうです。これがもし超高層マンションの上階で、見晴らしの良い窓際にルーターを置いたとしたら・・・? 10mWとはいえ、どこにどう飛んでいくのか、誰にもわかりません。そこが電波の面白さでもあるわけですが、インフラとして考えた場合はリスク以外の何ものでもありませんね。暗号化技術だけでなく、環境に応じてパワーを絞り込むとか、指向性アンテナで拡散を防ぐとか、バリアを設けるとか、一定の範囲以上に飛び散らない制御システムのようなものが必要なのでは、と思ったりもします。

 いつもは、遠くまで飛ばすことばかり考えておりますが、無用に飛ばさない技術とか電波の振る舞いを上手くコントロールする技術の方がずっと世の中のお役に立つのかもしれません。

 さて我が家の無線LAN、今の段階では、個人情報のやり取りは御法度、使う時以外はパソコンもルーターも電源を切っておくのが無難なようです。便利で快適なものには、リスク(落とし穴)という付録がついて回るようで・・・。


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スリムジムアンテナ 帯鋼 145MHz

2011年01月09日 | J型アンテナ
 欧米ではスリムジムアンテナとJポールアンテナは区別されているようです。このブログで何度か紹介しているJ型アンテナは、正確にはJポールアンテナです。一方、国内でJ型アンテナと言えば、一般にはテレビフィーダーで作ったものをさしますが、こちらはスリムジムアンテナということになります。少し紛らわしいです。

 ホームページを眺めてみると、スリムジムのエレメント折り返し部分は特に動作に影響はなく、Jポールと同じであると書いてあるものが多いですが、中にはスリムジムとJポールは動作が異なり、別物であるとの記載も見受けられます。スリムジムは1λ、Jポールは1/2λのアンテナで、スリムジムの方が打ち上げ角が低く有利との解説もありました。果たしてどうなのでしょう。



 山岳移動用に分割できるスリムジムアンテナを作れないか、と構想を練っているときに、帯鋼の余りが5メートルほどあったのを思い出しました。スリムジムの構造は、下部1/4λのマッチング部分に1λのエレメントを取り付けて、半分に折り曲げてやればよいわけです。詳しくはslim jim antennaで検索すると欧米の製作例がたくさんヒットします。構造は簡単なのですが、これを三脚で自立させるとなると、1.5mの支柱が必要となります(145MHz)。水道用のパイプだとかなり重くなることから、前回7エレループで使った細くて軽い工作用の塩ビパイプを使ってみました。これに帯鋼を並行に添わせます。

≪材料≫
・帯鋼 約3m
・塩ビパイプ 細いタイプ50cm3本 太いタイプ3cm4本。
・直径5mmの銅パイプ少々
・同軸ケーブル2m

≪製作≫
3分割した塩ビパイプにエレメントを固定して、組み立てはパイプごと接続する方法としました。
・塩ビパイプ50cm3本の端と中間部に太い塩ビパイプを少しねじ込んで接着しておく(パイプの連結とエレメント幅の並行を保つため)。
・下部パイプの下から5cm程に直径6mm程の穴をあけておく。
・帯鋼を1m2本と50cm2本に切断する。
・50cmの帯鋼の1本は両端、もう1本は片側に3cm長の銅パイプを少し潰してはんだ付けしておく。
・以上で材料の準備はできたので、続いて給電部。穴をあけた下部塩ビパイプに帯鋼を通して、下から6cmのところに同軸ケーブルをはんだ付けする。今回は直接給電。
・上部エレメントはブラスティック板に帯鋼を熱して穴をあけ、塩ビパイプ上部に瞬間接着剤で張り付ける。ここに、帯鋼を通して、結束バンドで固定する。中間エレメントも同様に2本の帯鋼を平行にして結束バンドで固定。


帯鋼を銅パイプで連結

連結状態

給電部

トップエレメント折り曲げ部


≪調整≫
 欧米のホームページを見ると、エレメント折り返しの切れ目の部分が幅2.5cm程との解説があり(エレメントなど各部の長さを自動計算するサイトもありました)、そのように調整してみたのですが、AA-200で測ってみると共振点が142.000あたりにありました。下部エレメントのスタブ部を少しづつ切って短くし、切れ目幅が5cmの所で145.000でSWR1.2程に落ち着いてくれましたが、これ以上は調整しきれませんでした。スタブ部をカットするのではなく、切れ目は2.5cmを保ったまま、ラジエーターの長さで調整した方がうまくいったのでは?と後から思いました。Jポールもそうですが、エレメントの並行を保つとか、スタブ上部の影響とか、けっこうクリティカルなアンテナという印象です。


組立完成

3分割 大きめのデイパックに納まります


≪使用感≫
 帯鋼なので、連結するのに少し手間取ります。コツをつかまないとうまく銅パイプに入ってくれません。ベランダでJ型アンテナ(Jポール)と比較してみました。まず、受信ですが、ほとんど差はないです。かなり弱めの信号、モービルホイップ(SG2000)で了解しきれないものが、どちらもがんばれば了解できるという感じです。特別にスリムジムが勝っているという実感はありませんでした。

 続いて、送信。電界強度計での計測。1.5m離して0.8W送信。ハンディ機付属のホイップでまったく振れない針がどの程度振れるかの実験。

 Jポール  2.8
 スリムジム 2.5

 ほとんど、誤差の範囲ですが、ほんの少しJポールの方が振れは大きい結果となりました。ただ、大きく振れる位置(床からの高さ)が、二つのアンテナでは違っていました。Jポールはスタブ上部が電界強度計とほぼ同じ高さで最大、スリムジムはさらに50cm程上に上げた個所で最大となりました。ラジエーターの電圧分布が違うようです。ということは、やはり二つのアンテナの動作は別物ということになるのでしょうか。

 見通しの良い山頂で実際に使った場合は、何か違いとして感じられるのかもしれません。



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調整機能付? バネ線エレメント

2011年01月06日 | J型アンテナ
 J型アンテナのエレメント。トップヘビーを解消するため、帯鋼を使ったことは以前に書いたとおりです。その後、使用中に何度か、相手局からモービルですか?と聞かれることがありました。帯鋼が風でしなりすぎて、Sが変動するようなのです。見た目で確認しても、風が強まると帯鋼部分が90度近くしなった状態になることも珍しくありません。受信の方はさほど影響なく、こちらは気にならないのですが・・・。

 ホームに帰ってから、直立した状態と、揺れてしなった状態でどのようにSが変わるのか、電界強度計で実験してみました。いつもの通り、トリフィールドメーターからの距離1.5m、出力0.8W。直立状態でメーターの針は2.8。次にアンテナを揺すって、帯鋼エレメントを激しくしならせてみたところ、針は2.0から4.0の間を行ったり来たりしています。予想通りですが、相手局からすれば、モービル局と間違えられても仕方ありませんね。了解度にも影響が出そうな感じです。

 そんなわけで、トップヘビーにならず、かつ「しなり」の少ない材料はないものか、とホームセンターで物色して回ったところ、「ステンレスばね線」なるものが目に留まりました。30cmの長さに切ってあり、プラスティックケースに入れて販売されておりました。太さは0.3mmから2.5mmまで7~8種類あります。細いのは10本入りで、太いのは5本入り、価格はどれも560円。細いとしなるし、太いと重くなるということで、直径1.2mm10本入りを購入。



 これを2本使って、J型アンテナのトップエレメントにしてみました。エレメントの長さは50センチほどに加工する必要があります。ステンレスなので、切るという作業はほぼ不可能。致し方なく、30cmのバネ線2本を結束バンドで縛り付け、必要な長さを確保することとしました。中間エレメントとの接続のため、長さ2cmの銅パイプを一方に半田付しておきます。


バネ線を重ねて、結束バンド4個で固定
この部分をスライドさせて共振点を調整

中間エレメントへの差し込み部分

バネ線エレメントと帯鋼エレメント


 完成してみると、意外にこの方法は使えるということに気がつきました。結束バンド数本できつ目に固定すると、バネ線同士を微妙にスライドさせることができるのです。どの程度きつ目にするかは、結束バンドの締め具合次第。あまりに簡便で安易な方法と言えなくもありませんが、これで希望の周波数にジャストフィットさせることが可能では?

 山岳移動に限ったことではありませんが、移動地ごとに地形も違えば、樹木もあったり無かったりで、電界環境は異なります。アンテナの微調整はその都度現地でおこなうに越したことはありません。その際、いちいち工具を使うのも面倒ですね。この方法なら、エレメント長を3cm程度まで素手で調整できます。




《使用感》
 さっそくニューイヤーパーティの1月3日、実践投入してみました。この日は、穏やかで無風状態。これなら帯鋼エレメントでも問題ないのですが、あえて、ステンレスばね線エレメントで20局クリアをめざしました。運用地は亘理郡山元町の鷹討山。山頂にアンテナ設置後、アナライザーAA-200で測ってみると共振点144.200あたり、低めに出ました。やはりホーム室内とは違いますね。調整部分でエレメントを短くし、若干、共振点を上に持ってきました。145.000近辺でSWR1.1。



 さすがにバンド内にぎやかです。なんとか空き周波数を見つけてCQを出してみました。宮城県内ほぼ全域と福島、岩手、山形各局より応答いただき、20局を早々にクリア。2時間半ほど運用を続けて45局に年始の挨拶をいただきました。1回の山移動としてはこれまで最高の局数。何人かの方とは自作アンテナ談義を楽しみ、後味の良いスタートを切ることができました。調整機構付のバネ線エレメント、悪くありません。

 今回は、太さ1.2mmを2本使いましたが、下を太く、上にいくにしたがって細くして数本組み合わせるなど、ロッドアンテナ的応用もできるのでは? ただ、これは手元に設営して数時間の運用だから可能な方法で、固定やモービル用には耐えられません。また何かに使ってみます。


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飯坂温泉 愛宕山

2011年01月04日 | 里山 移動運用
 福島盆地の中でも、飯坂温泉は三方を山に囲まれ、多少なりとも降雪をみるのが常ですが、今年は珍しく好天に恵まれました。ここ数年、年末年始を飯坂で過ごすことが恒例となっており、今回もハンディ機持参でのんびりしてきました。

 一年ぶりの飯坂は、駅前の摺上川沿いに新たな共同浴場「波来湯(はこゆ)」が完成し、元日がオープンとのことでした。その場所には廃業の旅館が朽ち果て、荒れた雰囲気があっただけに、見違えるようになっていました。かつて東北最大と言われた温泉地ではありますが、いつの間にか、あちらこちらに旅館の廃屋が目立つようになっておりました。それがまた、温泉街に独特の雰囲気を醸し出しているのですが、最近は、そこが公園になったり、足湯が作られたりと、飯坂も変わりつつあるようです。


新築なった木造の波来湯

 さて、いつもの馴染みの宿。ここは、摺上川に面して、1階がフロント、地下1~2階が客室、地下3階がお風呂という構造で、古い木造の階段を軋ませながら温泉まで降りていきます。風情があると言う人もおります。宿泊の部屋はいつも地下1階。道路より低いわけで、おおよそ無線運用には不向きと言う他ありません。飯坂には現在も数十の旅館やホテルがひしめいているので、もっとロケーションの良い所はあるにはありますが、なにしろ驚くほどリーズナブルで、この魅力には勝てません。

 一風呂浴びて、さっそく無線の準備。装備は、アルインコのハンディ機DJ-S57、アンテナはHB9CV。窓際に三脚を立てての運用です。昨年、このアンテナで同じ部屋から宮城県利府町固定局と51-51程で交信したことがあります。川を挟んだ向かい側には、7階建てホテル(廃業)があって、そこに反射してうまく飛んでくれるようです。

 しばらくワッチしてアンテナ方角を確認し、CQを出してみました。福島市、伊達市、白石市など7局にお声がけいただき、夕飯までの1時間程、とぎれなく交信を楽しむことができました。福島市や伊達市からは59、白石市からは53のレポート。地下1階の部屋というと、何やら薄暗い密室のようなところを想像されるようですが、当然ながら窓もあり、窓の外は川という空間もあります。そんな状況をお伝えすると納得いただけるようです。


摺上川と温泉街


 年が明けて、元日。温泉街の高台である愛宕山で運用してみました。昨年は大雪のため断念し、ここでの初QRVを実は楽しみにしていたのです。標高141.3m。車で上ることは出来ず、下から急な階段と散策コースが続いています。山頂に着くと、所狭しと立ち並ぶ温泉街の全容はもちろん、吾妻連峰、安達太良山連峰、霊山、阿武隈の山々などを見渡すことができました。元日ということもあって、三々五々、地元の方や温泉客が登ってきますが、どちらかというと閑散としており、無線運用が迷惑になるということはなさそうです。

 さっそくHB9CVを設置、昨日の白石局の他、塩竃市や利府町モービルなど宮城県の信号が聞こえていました。東南に開けており、1エリアの信号が入るのでは?と期待してアンテナを向けたのですが、それらしい信号は聞こえてきませんでした。





 CQを出してみたところ、福島市各局に続き、山形県南陽市の固定局より応答がありました。59-59。南陽市との間には標高1000m程の山並みがあるのですが、たいへん安定した信号。アンテナは吾妻連峰に向けた状態です。吾妻反射? 試しに0.5Wに落としてみたところ、多少ノイズがあるものの59変わらずとのレポートをいただきました。相手局はGPだそうです。続いていつもお世話になっている山形県村山市固定局と51-55。同じくGPとのこと。さらに宮城県利府町移動局。こちらもいつも移動でお世話になっているローカルでハンディ機2.5W。51-51。見晴らしのよい公園からオンエアとのことでした。利府町固定局とも59-59。仙台に比べても利府町周辺は全体が高台になって、FBなロケーションということがよくわかります。2時間ほど、10局と交信したところでQRT。さすがに寒風がこたえてきました。

 交信数は少なかったものの、ここは山形、宮城ともQSO可能。宿から散歩がてら十数分で登れるFBなロケーション。宿に泊まって、すぐ近くに移動運用適地もある、こんな恵まれた温泉地はそうそう無いのでは・・?





 帰りの散策路、愛宕山の中腹に、プロレタリア作家、宮本百合子の文学碑がありました。生誕90周年を記念して、有志によって建立されたのだそうです。案内板によると、百合子は大正5年と翌年の2度飯坂温泉に来遊し、愛宕山周辺を何度も散策したのだとか。そして飯坂の人々の生活を見聞きし、小説「禰宜様宮田(ねぎさまみやた)」誕生のきっかけになったとのこと、19歳の時の作品だそうです。

 しばらく、この小説家の名前すら忘れておりました。学生の頃、3人部屋の寮で一緒だった先輩に勧められ、『貧しき人々の群』や『12年の手紙』を読みふけったことがふと思い出されました。「禰宜様宮田」は読んだ記憶はありませんが、若い百合子が大正時代の飯坂を闊歩した姿にしばし思いをめぐらせました。





飯坂温泉散策にて




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