JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550   特小・DCR 山岳移動 

5/8λ J型アンテナを使ってみる

2016年08月28日 | J型アンテナ


 昨日作った5/8λJ型アンテナを試してみようと、いつもの大年寺山(仙台市太白区)に出かけてみました。あいにくの曇天、雨が降らないだけましです。自宅から歩いて20分ほどの散歩コース。

<装備>
ID-51+5/8λJ型アンテナ(145MHz)





  三脚に設置し、あらためてSWRを測ってみたところ、バンド内1.2に収まっていました。ベランダの測定では共振点が少し下にありましたが、簡易SWR計ではほぼフラット。やはりベランダとは微妙に違います。ちなみに給電部付近の同軸ケーブルにパッチンコアを取り付けたところ、かえってSWRが悪化してしまいました。直接給電の場合、バランの代わり、というかおまじないとして使うことがありますが、何にでも付けるのは良し悪しようです。




 約1時間。聞こえている局に応答したり、こちらからCQを出したり、できるだけパワー設定をスーパーロー(100mW)に設定し、運用してみました。

 泉ヶ岳、塩釜、若林区、太白区、利府町各局と交信、それぞれ59のレポートをいただきました。100mWでも市内周辺であれば難なく飛んでくれるようです。色麻町モービル局のCQが聞こえ、はじめ100mWのまま応答したところ拾ってもらえず、5Wに引き上げ57のレポート。デジタルモード(DV)は市内1局のみお声がけいただきました。本日の最遠距離交信は、山形県新庄市の杢蔵山移動局。双方5Wで55-57。相手局はRH770を2mのポールに取り付けてお使いとのこと、翁峠や泉ヶ岳が壁になっているようですが、終始安定した信号で交信を続けることができました。距離約74km。パワーを下げての交信もお願いすればよかったかな、と思いましたが後のまつり、終了後に気が付きました。




Lパイプ式三脚設置


 5/8λJ型アンテナの印象としては、使い勝手の良さを実感できたものの、性能という点では今日の運用ではまだわからず、といったところです。前作はケーブルとバラン直付けのため取り回しがいま一つでした。今回はコネクター接続方式にしたことで、設置と収納が随分しやすくなりました。山の運用ではちょっとしたことで使い勝手が大きく変わることがあります。三脚とのバランスも問題なく、Lパイプ式でワンタッチ。5/8λの手ごたえを感じられるということは特になかったものの、パイプ穴にショートスタブを通して固定する方式にしたことでスタブ間隔が保たれ、信号の安定性が増したのでは?などと考えています。見た目もスリムで気に入りました。機会をみてまた使ってみます。本日も交信いただきました各局さま、ありがとうございました。


<追記>
 自宅ベランダにて固定局同士の弱い交信が聞こえてきたので、受信比較してみました。一方の局は59、相手局はCSB7900(ベランダ固定)で変調確認できず、といった信号。RH770で入感ポイントを合わせると相手局もノイズまじりながら41に信号が上がりました。話の内容はなんとか了解可。5/8λ J型アンテナに換えてみたところ、ノイズレベルが下がり52で入感。100%了解可となりました。S/Nの良いアンテナとの印象です。





コメント

5/8λ? J型アンテナ(145MHz)

2016年08月27日 | J型アンテナ


 7年前に初めてJ型アンテナを作り、山岳移動運用の半分くらいはこのアンテナを使ってきました。7年を経て、今も現役です。華奢な作りですが、風雨にもよく耐えてくれます。ただ、さすがに見た目はうらぶれた感じは否めません。今回、安定した性能かつ山での使いやすさを考え、あらためてもう一本、作ってみることにしました。




 海外のサイトを見ると、1/2λを2段とか、スタックなど様々なタイプが自作されているようです。固定局用が多く、使う銅パイプも太く、丈夫そうなものが紹介されています。そんな中で、エレメントを5/8λにすることで利得を向上させた製作例を見つけ、これを参考にしてみることにしました。自分の場合はあくまで山岳用なので、ある程度の丈夫さ、分割してザックに収納できること、設営が簡単なこと、が条件です。

 ショートスタブは前回1ループアンテナに使ったものをバラし、再々活用。長さ50cmの塩ビパイプ下部に直径6.5mmの穴を貫通させ、ここにショートスタブを入れ込みます。こうすることでパイプを挟んで安定して平行を保つことができるのではとの思いつき。スタブ、エレメントとも第1作に比べ、一回り太い銅パイプを使用し、4分割差し込み連結式としました。また給電部は直接給電とし、使い勝手と携帯性を高めるためBNCコネクターを採用することに。








 事前の実験では、エレメント124cm、スタブ給電点は下から9.5cmでマッチングが取れました。これで問題なし、と思ったのですが・・・。

 コネクターの取り付けを終え、アナライザーであらためて測ってみると、事前の実験とはまるで違い、共振点は144.000MHzあたり、SWRも2以下にさがりません。エレメントを伸縮させてもほとんど変化なし。どうして?? 給電点の位置を勘違いしてしまったとか? でも給電部はすでにハンダ付けしてしまっているので、今さら付け直すのも・・・。調整不能、途方にくれ、もうやめようかと思い始めたときに、ふとこんな考えが。ショートスタブにバイパスを設け、もう一ヶ所ショートさせみたらどうなの? さっそくコネクター取付け位置の下あたりをミノムシクリップでショートさせていったところ、下から6.5cmのところで、見事にマッチングしてくれました。共振点は若干下、144.800あたり、SWR1.0。やはり、給電位置を間違えて取り付けてしまっていたようです。エレメント長は最終的に117cmとしました。スタブを含む全長167cm。5/8λにしてはちょっと短め?




バイパスショート




4分割 収納約50cm


 2ヶ所ショートのこのアンテナ、本当に5/8λで動作しているのか疑問ではありますが、ベランダで受信したところ、近くの信号は7/8λモービルホイップ(CSB7900)より若干弱く、遠くの弱い信号は同等以上で入りました。ベランダという環境なので一概には言えないものの、悪くはない印象で何らかマッチングが取れていることは間違いないようです。今回は怪我の功名、こんなマッチングもあるのだな、と。





コメント

3/4λ J型アンテナ

2016年07月30日 | J型アンテナ


 先日ブログに書いた3/4λ山岳用GPのエレメントをショートスタブでドライブしてみたらどうなんだろう、との考えが浮かび、思いつきで試してみました。つまり、3/4λのJ型アンテナ。1/2λのエレメントを使う通常のタイプより、利得向上が期待でき、GPと違ってラジアル不要、重さも軽減できるのでは?と考えたわけです。元はモービルホイップ、それがGPに、そしてさらに姿を変え・・・。




エレメントの長さは最終調整するとして、まずはショートスタブ。

<作製>
 直径5ミリ銅パイプ1メートルを半分に切断、直径4ミリ銅パイプをコの字に曲げ、5ミリパイプに差し込みU字型にする。塩ビパイプ継手に2か所の穴を開け、銅パイプ中ほどに固定する。先端部もプラスティック板で固定。2本のパイプ間隔は2センチ。下から上まで等間隔を保つ。


下部

中間部

上端


<給電部>
 1:4 Uバランを作っておく(3D2V 67センチ)。給電線を丸端子にハンダ付けの上、目玉クリップにボルト固定。この時点では、給電位置がわからないため、とりあえず目玉クリップで可変できるようにしました。アンテナ本体の組み立ては、GPのエレメント(直径4ミリ)をスタブの片方に3センチほど差し込み、結束バンドで止めるのみ。


Uバランと給電部

スタブ完成


<調整>
 目玉クリップを上下させながら、給電位置を探ります。下端から8センチあたりかな、と見当をつけたところ、12センチでSWRがストンと下がってくれました。共振周波数が高めだったので、エレメントを追加。位相コイルはそのまま使用し、長さ130センチで145.00、SWRほぼ1.0となりました。給電位置はけっこうクリティカルで、5ミリ程ズレても大きく変わってしまいます。



<設置>
 ショートスタブの間隔を保つために入れた中間の継手に、50センチの塩ビパイプを差し込み、いつものように三脚に大型クリップで固定。




収納約50㎝


 ベランダで受信してみたところ、以前に作った1/2λのJ型アンテナよりS1程度上がるようです。GPの状態との比較はしていないものの、同等かなとの感触です。ただ、この設置の仕方だと、クリップ内でパイプが回ってしまい、安定しません。スタブ本体の耐久性を含め、もう一工夫必要。さっそく山で使おうと考えていたのですが、このままではちょっと、といったところです。




コメント

スリムジムアンテナ 帯鋼 145MHz

2011年01月09日 | J型アンテナ
 欧米ではスリムジムアンテナとJポールアンテナは区別されているようです。このブログで何度か紹介しているJ型アンテナは、正確にはJポールアンテナです。一方、国内でJ型アンテナと言えば、一般にはテレビフィーダーで作ったものをさしますが、こちらはスリムジムアンテナということになります。少し紛らわしいです。

 ホームページを眺めてみると、スリムジムのエレメント折り返し部分は特に動作に影響はなく、Jポールと同じであると書いてあるものが多いですが、中にはスリムジムとJポールは動作が異なり、別物であるとの記載も見受けられます。スリムジムは1λ、Jポールは1/2λのアンテナで、スリムジムの方が打ち上げ角が低く有利との解説もありました。果たしてどうなのでしょう。



 山岳移動用に分割できるスリムジムアンテナを作れないか、と構想を練っているときに、帯鋼の余りが5メートルほどあったのを思い出しました。スリムジムの構造は、下部1/4λのマッチング部分に1λのエレメントを取り付けて、半分に折り曲げてやればよいわけです。詳しくはslim jim antennaで検索すると欧米の製作例がたくさんヒットします。構造は簡単なのですが、これを三脚で自立させるとなると、1.5mの支柱が必要となります(145MHz)。水道用のパイプだとかなり重くなることから、前回7エレループで使った細くて軽い工作用の塩ビパイプを使ってみました。これに帯鋼を並行に添わせます。

≪材料≫
・帯鋼 約3m
・塩ビパイプ 細いタイプ50cm3本 太いタイプ3cm4本。
・直径5mmの銅パイプ少々
・同軸ケーブル2m

≪製作≫
3分割した塩ビパイプにエレメントを固定して、組み立てはパイプごと接続する方法としました。
・塩ビパイプ50cm3本の端と中間部に太い塩ビパイプを少しねじ込んで接着しておく(パイプの連結とエレメント幅の並行を保つため)。
・下部パイプの下から5cm程に直径6mm程の穴をあけておく。
・帯鋼を1m2本と50cm2本に切断する。
・50cmの帯鋼の1本は両端、もう1本は片側に3cm長の銅パイプを少し潰してはんだ付けしておく。
・以上で材料の準備はできたので、続いて給電部。穴をあけた下部塩ビパイプに帯鋼を通して、下から6cmのところに同軸ケーブルをはんだ付けする。今回は直接給電。
・上部エレメントはブラスティック板に帯鋼を熱して穴をあけ、塩ビパイプ上部に瞬間接着剤で張り付ける。ここに、帯鋼を通して、結束バンドで固定する。中間エレメントも同様に2本の帯鋼を平行にして結束バンドで固定。


帯鋼を銅パイプで連結

連結状態

給電部

トップエレメント折り曲げ部


≪調整≫
 欧米のホームページを見ると、エレメント折り返しの切れ目の部分が幅2.5cm程との解説があり(エレメントなど各部の長さを自動計算するサイトもありました)、そのように調整してみたのですが、AA-200で測ってみると共振点が142.000あたりにありました。下部エレメントのスタブ部を少しづつ切って短くし、切れ目幅が5cmの所で145.000でSWR1.2程に落ち着いてくれましたが、これ以上は調整しきれませんでした。スタブ部をカットするのではなく、切れ目は2.5cmを保ったまま、ラジエーターの長さで調整した方がうまくいったのでは?と後から思いました。Jポールもそうですが、エレメントの並行を保つとか、スタブ上部の影響とか、けっこうクリティカルなアンテナという印象です。


組立完成

3分割 大きめのデイパックに納まります


≪使用感≫
 帯鋼なので、連結するのに少し手間取ります。コツをつかまないとうまく銅パイプに入ってくれません。ベランダでJ型アンテナ(Jポール)と比較してみました。まず、受信ですが、ほとんど差はないです。かなり弱めの信号、モービルホイップ(SG2000)で了解しきれないものが、どちらもがんばれば了解できるという感じです。特別にスリムジムが勝っているという実感はありませんでした。

 続いて、送信。電界強度計での計測。1.5m離して0.8W送信。ハンディ機付属のホイップでまったく振れない針がどの程度振れるかの実験。

 Jポール  2.8
 スリムジム 2.5

 ほとんど、誤差の範囲ですが、ほんの少しJポールの方が振れは大きい結果となりました。ただ、大きく振れる位置(床からの高さ)が、二つのアンテナでは違っていました。Jポールはスタブ上部が電界強度計とほぼ同じ高さで最大、スリムジムはさらに50cm程上に上げた個所で最大となりました。ラジエーターの電圧分布が違うようです。ということは、やはり二つのアンテナの動作は別物ということになるのでしょうか。

 見通しの良い山頂で実際に使った場合は、何か違いとして感じられるのかもしれません。



コメント

調整機能付? バネ線エレメント

2011年01月06日 | J型アンテナ
 J型アンテナのエレメント。トップヘビーを解消するため、帯鋼を使ったことは以前に書いたとおりです。その後、使用中に何度か、相手局からモービルですか?と聞かれることがありました。帯鋼が風でしなりすぎて、Sが変動するようなのです。見た目で確認しても、風が強まると帯鋼部分が90度近くしなった状態になることも珍しくありません。受信の方はさほど影響なく、こちらは気にならないのですが・・・。

 ホームに帰ってから、直立した状態と、揺れてしなった状態でどのようにSが変わるのか、電界強度計で実験してみました。いつもの通り、トリフィールドメーターからの距離1.5m、出力0.8W。直立状態でメーターの針は2.8。次にアンテナを揺すって、帯鋼エレメントを激しくしならせてみたところ、針は2.0から4.0の間を行ったり来たりしています。予想通りですが、相手局からすれば、モービル局と間違えられても仕方ありませんね。了解度にも影響が出そうな感じです。

 そんなわけで、トップヘビーにならず、かつ「しなり」の少ない材料はないものか、とホームセンターで物色して回ったところ、「ステンレスばね線」なるものが目に留まりました。30cmの長さに切ってあり、プラスティックケースに入れて販売されておりました。太さは0.3mmから2.5mmまで7~8種類あります。細いのは10本入りで、太いのは5本入り、価格はどれも560円。細いとしなるし、太いと重くなるということで、直径1.2mm10本入りを購入。



 これを2本使って、J型アンテナのトップエレメントにしてみました。エレメントの長さは50センチほどに加工する必要があります。ステンレスなので、切るという作業はほぼ不可能。致し方なく、30cmのバネ線2本を結束バンドで縛り付け、必要な長さを確保することとしました。中間エレメントとの接続のため、長さ2cmの銅パイプを一方に半田付しておきます。


バネ線を重ねて、結束バンド4個で固定
この部分をスライドさせて共振点を調整

中間エレメントへの差し込み部分

バネ線エレメントと帯鋼エレメント


 完成してみると、意外にこの方法は使えるということに気がつきました。結束バンド数本できつ目に固定すると、バネ線同士を微妙にスライドさせることができるのです。どの程度きつ目にするかは、結束バンドの締め具合次第。あまりに簡便で安易な方法と言えなくもありませんが、これで希望の周波数にジャストフィットさせることが可能では?

 山岳移動に限ったことではありませんが、移動地ごとに地形も違えば、樹木もあったり無かったりで、電界環境は異なります。アンテナの微調整はその都度現地でおこなうに越したことはありません。その際、いちいち工具を使うのも面倒ですね。この方法なら、エレメント長を3cm程度まで素手で調整できます。




《使用感》
 さっそくニューイヤーパーティの1月3日、実践投入してみました。この日は、穏やかで無風状態。これなら帯鋼エレメントでも問題ないのですが、あえて、ステンレスばね線エレメントで20局クリアをめざしました。運用地は亘理郡山元町の鷹討山。山頂にアンテナ設置後、アナライザーAA-200で測ってみると共振点144.200あたり、低めに出ました。やはりホーム室内とは違いますね。調整部分でエレメントを短くし、若干、共振点を上に持ってきました。145.000近辺でSWR1.1。



 さすがにバンド内にぎやかです。なんとか空き周波数を見つけてCQを出してみました。宮城県内ほぼ全域と福島、岩手、山形各局より応答いただき、20局を早々にクリア。2時間半ほど運用を続けて45局に年始の挨拶をいただきました。1回の山移動としてはこれまで最高の局数。何人かの方とは自作アンテナ談義を楽しみ、後味の良いスタートを切ることができました。調整機構付のバネ線エレメント、悪くありません。

 今回は、太さ1.2mmを2本使いましたが、下を太く、上にいくにしたがって細くして数本組み合わせるなど、ロッドアンテナ的応用もできるのでは? ただ、これは手元に設営して数時間の運用だから可能な方法で、固定やモービル用には耐えられません。また何かに使ってみます。


コメント

帯鋼エレメント

2010年11月15日 | J型アンテナ
 性能、設営のしやすさなど山岳移動用として、当局にとって最も使用頻度の高いJ型アンテナ。多少トップヘビーの構造だったこともあり、強風に煽られると、かなりの力が加わるようで、エレメント部分の「曲がり」が気になってきました。製作から2年。思えば幾多の試練に耐え、苦楽を共にしてきました。ある時は雨まじりの突風、三脚ごと倒れてしまったことも一度や二度ではありません。曲がったエレメントを見るにつけ、「苦労かけたね」と浪花節的感傷がこみ上げてきます・・冗談。


 そんなわけで、エレメント部分をリニューアルすることにしました。差し込み式になっているので、マッチング部はそのまま使います。これまで通り銅パイプのみで作れば、性能が再現できるわけですが、トップヘビーは改善されません。そこで、ハムフェアで入手した「帯鋼」というのを使ってみることにしました。ゼンマイのバネの材料。たいへんしなやかで、緩く曲げても元に戻ります。直角に曲げてしまうとポキッと折れやすくなってしまいます。当初、エレメント部分のすべてを帯鋼にしようと考えていたのですが、実際1mの長さに切ってみると、しなりすぎて直立しません。直立可能なのはせいぜい50cm。ということで、下部は直径3mmの銅パイプ、上部のみ帯鋼としました。

 今回は工作という程のこともありません。
・マッチング部に差し込むための3mm銅パイプ46cmを用意(下部エレメント)。
・下から4センチと上から1センチのところに同軸芯線を巻いてハンダ付けしておく(ストッパー)
・直径4mm銅パイプ10cmを用意。
・銅パイプの先端を少しつぶして52センチ長さの帯鋼を差し込みハンダ付けする(上部エレメント)
・これを下部エレメントに被せてつなぐ。


ストッパー

4mm銅パイプ先端に帯鋼を差込みハンダ付け

2分割エレメント

上下接続状態


 4mmの銅パイプは下部エレメントと上部エレメントの単なる「継ぎ手」なので、10センチでなく、もっと短くても良いのですが、手袋をしたままでも扱いやすいこと、雪上に落とした場合に見つけやすいなど、山で使うことを考えてこの長さにしました。




《調整》
 J型アンテナの基本構造は、1/2λのホイップです。したがって長さは約1m。このエレメント(ラジエーター)の下端から給電してやります。そのためのマッチング回路がU型の部分。合わせると約1.5mのJ型となります(カテゴリー過去記事参照ください)。さて、上記のままの寸法で共振点は144.00MHz付近、SWRは1.2。予想通り共振点が下にありましたので、上部エレメントを少しづつ切り詰めて中心を145MHz付近に持っていきました。組み立てた状態でのエレメント部は101cmです(差し込み部分を除く)。SWRは144.5MHzから145.5MHzまで1.1~1.2と良好。ちなみにこれまでの銅パイプエレメントに替えてみたところ、ほぼ、同じ波形となりました。






《使用感》
 銅パイプのみに比べて軽くなり、トップヘビーはある程度解消されました。風でよくしなり、風がなければ直立状態を保ちます。


帯鋼エレメント部分をうまく写せませんでした・・・


 ホーム近くの愛宕神社(太白区)にて散歩を兼ねて実験してみました。この日は休日なのに静かで、あまり聞こえてきません。弱めの信号をとらえて、これまでの銅パイプエレメントと帯鋼エレメントを取り替えながら聞き比べをしました。その結果は、特に違いは感じられず、同じ性能と感じました。また、形状がその名の通り帯状になっているため、平面部を向けた場合と断面部を向けた場合で違いがあるかも比べてみました。こちらも特に差はみられませんでした。八木アンテナなどにこの材料を使う場合、平面部を合わせるのか断面部を合わせるのか悩むところですが、特に考える必要はなさそうです。

 交信は、市内のOMと1局のみ、問題なしとのレポートをいただきました。「しなり」が大きい分、了解度にそのまま影響が出るというわけでもないようです。もっとも山の強風は別世界、実際に使ってみないと何とも言えないところですが・・・。


 この帯鋼、こういう材質なので、ホイップや八木には不向きかと思いましたが、そうでもないです。特徴をまとめてみると、
1)とにかく軽い
2)ハンダ付け出来て加工しやすい
3)50cm程度なら直立も可能
4)バネなので丸めて仕舞っておける


先端をヤスリで丸く加工

 注意点は、切断にコツがいる(ニッパーで抑えてペンチで曲げるとポキッと折れます)ことと、切断面が鋭利なことでしょうか。

 たしかにグローバルアンテナ研究会推奨のループアンテナには最適ですね。また何かに使ってみます。




コメント

J型アンテナ性能比較

2009年07月01日 | J型アンテナ
 このアンテナを使った運用の時は、遠方の局と交信できていることや相手局からのレポートが良好なことから、何となくFBなアンテナだな、とは思っていたのですが、あらためて実力のほどがわかってきました。山移動でも一度、市販のモービルホイップと取り替えながらレポートをいただいたことがあります。その時は、コメットのCSB7900を使用して42のレポートがJ型アンテナでは55に改善、カサカサしたノイズが少し発生するが、信号強度は明らかに強く、了解度もよくなったとのことでした。受けに関しても同様でした。CSB7900は安定した性能を発揮してくれるお気に入りのホイップなので、それよりも性能が高い?というのが信じられない気分でした。

 定量的な測定ができればよいのですが、今回、我が家のベランダで、いくつかのアンテナと取り替えながらの原始的方法で再度、簡単な比較をしてみました。

 比較した市販アンテナは下記の5本です(すべて144MHz)。
 1)ラディックス3エレ八木      利得9.0dbi
 2)ナテック手持ち2エレ八木     利得6.0dbi
 3)コメット24KG     利得6.0dbi  5/8λ2段 2.06m
 4)コメットSB7     利得4.5dbi  6/8λ   1.38m
 5)第一電波RH205ロッドアンテナ   利得不明    5/8λ   1.34m
 《比較対象》 J型アンテナ       利得不明   1/2λ   1.5m(スタブ部分含む)

 リグはいつものハンディ機DJ-S17で、固定局からの弱めの安定した信号を何度も切り替えながら受信しました。比較は受信のみです。垂直系の4本の位置はまったく同じ、八木系の2本はもっとも強く入感する方向に合わせました。

 その結果は
 3エレ八木>J型アンテナ>2エレ八木>SB7>24KG>RH205

 となりました。あくまでハンディ機のシグナル表示と耳だけのアバウトな比較です。

 印象としては、3エレが頭2つ出てトップ、2エレからRH205まではどんぐりの背比べの勝負、J型アンテナはそれらよりも頭一つ上、といったところです。意外だったのは、2メートルもある24KGが振るわなかったことです。SB7の方がわずかに良いように思われました。ベランダという特殊な環境であることもご理解ください。全方位に障害物のない環境ならまた違う結果になったかもしれません。

 このアバウトな実験でも、J型アンテナの実力はなかなかのものと思いました。市販のモービルホイップのいずれと比較しても、信号強度が上がります。モービルホイップではまったく了解できない信号が、J型アンテナでは了解できるケースもありました。ほんとに良く聞こえるアンテナです。

 構造は、全長1.5メートルあります。下部1/4λのスタブ(マッチング)部分50センチと上部1/2λのエレメント100センチで出来ていますので、アンテナとしては1/2波長とみることができるかと思います。とすれば利得は2.14dbiに過ぎない・・・・? Jの形の短い方の先端あたりを手で触れると、激しくノイズが出て、受信できなくなります。スタブ部分が性能に大きく作用しているようです。原理はよくわかりませんが、こんな簡単な構造なのに、かなりのゲインであることは確かだと思います。

 いずれにしても『改訂版手作りアンテナ入門』という本のおかげで、たいへんFBなアンテナに出会うことができました。欧米ではslim jimとかJ pole antennaという名称で使われているようです。エレメント部分を5/8λ2段にしたり、固定局用に太い銅パイプで作製したものなど、ホームページで様々なバリエーションが紹介されています。形も微妙に違っていて、スタブ部分の下にさらに1/4λのパイプが伸びているスタイルが多いようです。給電方法も同軸芯線をスタブ側にするのかエレメント側にするのか、などでも違いがあるようです。

 これらを参考に、もっと丈夫なもの、たとえばエレメントをステンレスにするとか、携帯性を重視してロッドアンテナにしてしまうとか、いろいろと2本目を思案中です。

 以前に掲載した「J型アンテナ自立式」の中で、アンテナの全体像や各部が今ひとつわかりにくいと思いますので、あらためて、写真を撮り直してみました。略図もご参考ください。




J型アンテナの全体像 150センチ  
塩ビパイプ(マスト)に結束バンドで固定してます。


スタブ部分  
1メートルの4mm銅パイプをU字に曲げて作ります。


スタブ部分2


スタブ下部  給電部  下から約6センチのところでハンダ付で給電。


スタブ上部 手前の銅パイプに3mm銅パイプのエレメントを差し込みます。
銅パイプを平行に保つためにプラスティック板で固定。
この部分が動いたりするとSWRが極端に悪化します。
このアンテナでもっともクリチカルな部分。


4:1バラン


分解した状態 約50センチ 上の2本がエレメント



コメント

J型アンテナ 自立式 (144MHz用)

2009年01月26日 | J型アンテナ
 以前から一度作りたいと思っていた2m用のJ型アンテナを自作してみました。『改訂版手作りアンテナ入門』を参考にさせていただきました。今回、作るにあたっては、山で使うことを前提に、1)軽いこと、2)三脚に取り付けて自立すること、3)設営と撤収が簡単で、持ち運びが50センチ程度に納まること、を条件としました。

 テレビフィーダーを使ったJ型アンテナの欠点は自立しないことで、山でちょうど良い木の枝にでもぶら下げるか、釣り竿等を持っていく必要があります。『手作りアンテナ入門』でもSWRが下がりにくい、天候に左右されるなどのデメリットが指摘されて、園芸用パイプを使った方法が紹介されていました。

 当局は、収納のことを考えて、2種類の太さの銅パイプを使い、エレメント差込式にしてみました。その他のところは、ほとんど本と同じです。

《材料》
1)銅パイプ4ミリ径を1メートルと少々
2)銅パイプ3ミリ径を1メートル
3)塩ビパイプ50センチ
4)3D2V同軸ケーブル728ミリを1本(バラン用)
  同じく3D2V同軸ケーブル2メートルとMPコネクター

《製作》
このアンテナは、1/4λのスタブに1/2λのエレメントで構成されています。

1)4ミリ径銅パイプ1メートルを長辺49センチ、短辺2センチのU字型に曲げま
  す。ペンチを2個使うと簡単に曲がります。これがスタブ部分です。
2)3ミリ径銅パイプを50センチづつ切り、2本にします。
3)3ミリ径銅パイプ1本の先端に10センチほどの4ミリ径銅パイプを1センチ
  ほど差し込み半田付けしておきます。これをエレメントの継ぎ手とします。
4)以上で、アンテナ本体の材料は完成です。U字型の4ミリパイプに3)の3ミ
  リパイプを差し込み、さらに上部の継ぎ手部分にもう一本の3ミリパイプを差
  し込みます。差し込み寸法は概ね1センチですが、最終的には給電部を完成さ
  せてから微調整し、それ以上差し込めないように半田でストッパーを作ってお
  きます。U字部分(スタブ)が49センチ、エレメントが1メートルで全長1.5メ
  ートル前後となるように差し込みを調整します。
5)給電は、728ミリの同軸ケーブルで4:1バランを作りました。
  給電部はスタブの下から6センチの部分に直接半田付けしました。
6)あとは、塩ビパイプにU字型のスタブを結束バンドで縛り、U字型の上部
  もエレメント間隔が並行を保つように結束バンドを使って固定しておきます。
  わかりにくいと思いますが、写真を参考ください。











《組立て》
 いつものカメラ三脚の目玉クリップに塩ビパイプを挟んで、上部エレメントを2本差し込むだけです。三脚さえあれば、木のない山頂でも、自立して使えます。

《収納》
 組立と逆で、上部エレメントをはずし、同軸ケーブルを丸めてしまえば、ほぼ50センチで、デイパックに納まります。重さもケーブル含めて150グラム程です。




《調整》
 給電部は、本を参考に、下から6センチとして仮半田付けしましたが、この状態でSWR1.5前後で、ほぼ問題ないレベルに納まっていましたので、そのまま本付けしました。ただ、中心周波数が上に寄っていましたので、J型の先端部分(短い方)に3ミリパイプを1センチほど継ぎ足してみたところ、145.00でSWRは1.1、バンド内1.3以内と良好な状態となりました。給電部は動かさず、エレメントを切ったり足したりして調整した方が簡単かと思います。また、今回は、2種類の銅パイプの差し込み式としましたので、差し込み寸法を調整することで、簡単に希望周波数に合わせることができます。

《注意点》
 Jの部分(スタブ)のエレメント間隔が並行になっていないと、SWRが大きく悪化します。もっと良い固定の仕方があると思いますが、とりあえず、結束バンドで固定してみました。動くことがあるので、設営の時は、要チェックです。テレビフィーダーを使う方法は、常に並行を保てるわけで、この点では優れていると思います。



《使用感》
 こんな簡単なアンテナですが、送受信とも良好に動作しています。レポートは後日追加したいと思います。なんの無駄もない、シンプル、それでいて面白い性能を内在しており、自分としては気に入っています。欧米ではslim jimとかJ pole antennaという名称で様々なバリエーションがあるようです。

《追記》「移動運用の山あれこれ」に水沼山で使用した際の感想を追加しました。



《追記2》
 注意点に書いたとおり、U字に折り曲げた部分(スタブ)の並行を保つのが、このアンテナのポイントです。この部分を動かしたり、間隔を広げたりするだけで、SWRが変化します。ザックに入れて持ち運ぶ時に他の荷物に当たって曲がってしまうこともあるため、固定部品を取付けてみました。100円ショップで買ったプラスティック樹脂でできた仕切り板(引き出しに仕切りを付けるために使う物のようです)を適当に切り、両端に穴をあけて、結束バンドでエレメントを固定しました。手荒な扱いをしなければ、これで並行が保てるようになりました。SWRは1.1~1.2に納まっています。

 先日、深山(山元町)移動で再度、このアンテナを試してみました。山頂で設置後、念のためSWR計で計ってみたところバンド内1.2程だったので、使用上は問題ないレベルで安定していました。
 この日は、電源を入れてすぐ山形市内の局のCQが聞こえたので、すぐに応答したのですが、どうも、こちらの信号が入らないようで、何度か呼んだのですがダメでした。ところがそれをワッチしていた寒河江市の局が、山形局に了解をとって、当局を呼んでくれました。ハンディ機とは思えない、良く入っているとのことでした。ロケーション的に微妙にずれているのか、山形局の信号はこちらにはその後も終止届いていました。
 その後、東根市、米沢市、福島市、伊達郡、石巻市などと良好に交信できました。東根局からはがたんと信号落ちたとのレポートをいただいたので、アンテナ位置を50センチ程動かしてみたら元に戻りました。米沢局からは、ワッチしていたらハンディ機ということなので、驚いて呼んでみたとのことでした。4Wなので信号自体はさほど強くはないと思うのですが、「56でけっこう強く入感」とのことでした。別の局からは「弱いながらもよく聞こえる」というレポートもいただきました。この日は他のアンテナと切り替えて比較したわけではないのですが、これくらい交信できれば上出来と思いました。「手荒に扱えるだけの丈夫さ」がないのと、仕舞い込み寸法が若干長めなのが欠点ですが、軽い、組み立てが簡単、低費用で作れる、性能もあなどれない、などFBなアンテナと再認識しました。

コメント