JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

PDモバイルバッテリーの容量

2021年07月31日 | 移動運用装備

 

 

 USB Type-C・PDバッテリーの登場で山岳移動時の電源問題はほとんどなくなり、大小2つのPDを必要に応じて使い分けています。容量は10000mAhと20000mAh。小さい方は大きさ重さ運用可能時間とも半分ほどで、これはこれで使い勝手は悪くありません。

 

 さて、モバイルバッテリーの容量はどんどん大きくなって20000mAh程度は普通並みといったところです。容量ばかり大きくて12V~15Vで3Aを出せないものも多いです。無線機で使うには容量にかかわらず45Wh以上必要ですが、意外に少ないのです。それにしてもこの容量って実際のところどれほどのものなんでしょうか。

 

 

 ハンディ機やIC-705に付属するバッテリーは2000mAh前後。とすると10000mAhのPDは5倍もの容量?と思ってしまいますが、重量から考えてもそんなはずはありません。

 

 IC-705の付属バッテリーBP-272 7.4V  1880mAh

 PDモバイルバッテリー(小)   3.7V 10000mAh

 

 リチウム単体セルはおおよそ3.7Vなので、BP-272はセル2個直列で7.4V。一方のPDバッテリーはセル複数を並列にし5V~20Vに昇圧していると考えられ、並列なので3.7V(もしくは3.6V)で容量表記されています。これを7.4V換算にすると、3.7×10000/7.4=5000mAhとなりBP-272の約2.5倍の容量となります。付属バッテリーと比較してどの程度の容量なのか、わかりやすくなるという話です。BP-272の重さ100g、PDは200g、エネルギー密度はなかなかのものです。

 

 ハンディ機に外部給電する場合は12V、IC-705の場合も12Vまたは15V給電となるので、実際の運用では

 

12V 3.7×10000/12=3083mAh

15V  3.7×10000/15=2466mAh

 

 20000mAhのPDであればこの倍。あくまで目安にすぎませんが、これまでの運用からみてもこんなところかと思います。

 20000mAhのPDバッテリーの場合、IC-705に15V給電しFM10W出力(3A弱)で4時間ほど持ちそうな感触です。蔵王熊野岳で4時間近く運用しましたが、SSB中心だったため半分の消費で済みました。猿鼻山では10000mAhのPDを使いFM10Wで2時間運用し(FTM10S)、6割の消費で余裕でした。大小どちらもシャットダウンするまで使ったことはありません。通常の登山の際は10000mAh、無線運用を目的に登る場合は20000mAhを持っていけば十分、そんなおおまかな理解で使っています。

 

 

 

 

 

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モクソンアンテナ(145MHz)を使ってみる

2021年07月25日 | モクソンアンテナ

 

 

 記録を見るとこのアンテナを作ったのは2009年10月ですから、かれこれ12年近く前ということになります。形は2/3λヘンテナのように見えますが、ループではなく変形2エレです。2本のエレメントを内側に折り曲げた形状でありFB比に優れるとされています。コンパクトなことから4~5回山で使いました。「FBニュース」にこのアンテナのことが掲載されており、興味が涌いて物置から取り出してみました。

 

 自作したものはデフォルトのモクソンアンテナよりも縦エレメントを短く、横エレメント(折り曲げ部分)を長くしています。あらためて室内でSWRを測ってみるとメインより下に共振点があり、上は1.5~1.6あたり。作った頃はメインを中心にきれいなグラフを描いていたと思うのですが、多少ズレてしまっているようです。

 

 

   使用には問題はないということで、本日、野外での測定を兼ねて大年寺山で使ってみました。IC-705のSWRプロット機能で測ってみると1.3あたりでフラット。「FBニュース」の記事によるとこのアンテナはこのままで430MHzにも共振するような記述があり、測定したところ2.2~2.3ほど。メイン付近がわずかに下がっておりSWRは高いものの共振自体はしているのかもしれません。そのうち再調整することにして、とりあえずこのまま使いました。 

 

 

 今日は熱対策のためIC-705に12V給電、7W運用としました。2mSSBをワッチすると岩手各局が聞こえてきました。花巻市、遠野市移動と盛岡市固定。山梨県の局と交信の最中で、こちらには相手局はまったく入りません。盛岡固定局もなかなか了解できないようで何度かやりとりしている様子が見て取れました。徐々にコンディションが上がって交信成立となったのですが、その際、こちらにも山梨局の信号がほんの数秒浮いてくるのがわかり、変調を捉えることができました。大年寺山は標高100mあるかないかの公園で、これには驚きました。今日はコンディションの変化が大きかったのかもしれません。山梨局との交信終了を待って各局と交信。盛岡固定局とは泉ヶ岳方向にアンテナを向けたところ信号が上がり51-52。たぶんビッグなアンテナを向けていただいたと思いますが弱い信号を取っていただき無事交信成立。

 

 

 その後、JP7IEL局と本日もロングにお付き合いいただきました。IEL局は移動運用中で45cmほどのハンディホイップ(距離約40km)。途中、隣接周波数のFM局からの抑圧でケロケロになる場面があったもののDVで良好に交信を続けることができました。

 

 10数年ぶりのモクソンアンテナ、ちょっとした手ごたえが感じられました。もう少しマッチングを追い込んでみます。今日は気温30度近く、そこそこ風があったことと12V給電によりTEMPメーターがレッドゾーンまで上がることはありませんでした。最大パワーは低下しますが、リグのためにも真夏は15Vでなく12Vがよろしいようです。

 

 

 

 

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猿鼻山(標高1216m)7/24

2021年07月24日 | 奥山 移動運用

 

 

 今シーズン初の奥山登山、南面白山と猿鼻山に登ってきました。往復5時間ほどの行程ではありますが、気温が上がりバテバテになってしまいました。

 面白山高原駅前

旧ゲレンデ前(登山口)

南面白山(コスモスベルグより)

 

 仙山線始発に乗車。朝方、宮城県側がどんよりしていたこともあってか面白山高原駅下車は5人のみ。トンネルを抜けると山形県側は青空が広がっていました。皆さん、北面白山に向かったようで、南面白山は自分のみでした。旧スキー場を登りきるとブナの美林。

 

 一気に急登となり、尾根に着いたかと思うともうそこが山頂。山頂までまったく眺望がないものの見事なブナ林には圧倒されます。駅から2時間ほどで南面白山山頂着。大東岳、北面白山は雲の中。めざす猿鼻山も薄いガスが流れていましたが、休憩している間に小東岳への稜線も見えてきました。

 

南面白山山頂

猿鼻山と小東岳(右奥)

 

 いつもこの山頂でやめておこうか、猿鼻山に足を延ばそうか迷いつつ、隣の山へと続く細い縦走路を眺めていると、つい登りたくなってしまいます。標高差100mほどをいったん下降、鞍部からほぼ同じ高さを登り返す。今シーズンの刈り払いはまだのようで、登山道は藪状態でした。約40分で猿鼻山山頂着。空気が澄んでいれば熊野岳に続く蔵王の山々、朝日、飯豊連峰とパノラマですが今日はいづれも雲の中。相変わらず山頂標識もありません。縦走路の通過点で、この山を目的に登る人はたぶん皆無と思います。でも自分的には山深さ、眺望、静かさを併せ持つ、名山に数えたい山の一つです。

 

猿鼻山山頂

大東岳 

 

 誰もいない広々とした笹原でさっそく無線運用。

 

 <本日の装備>

リグ FTM10S(145MHz 10W設定)

アンテナ 1λループ(ガンママッチ)

電源 小型バッテリーMB-F100PD(12V給電)

 

 PDバッテリーから12V給電、10Wでどの程度持つか試してみました。また久しぶりに1λループアンテナを使ってみました。約2時間の運用、終了時の残量は39%。FTM10Sの場合10Wでも3時間以上持ちそうな感触でした。12V給電なのでさほど熱くなりません。夏場はこの軽量PDバッテリーとFTM10Sの出番が増えそうです。交信の方は山形、宮城、福島、岩手、新潟各局に呼んでいただきました。1λループはほぼ方角を変えずに使いました。さほど飛んでいる感じはなく、途中でRH770に換えてみたものの、どちらも信号の伸びは特段感じられませんでした。

 

 

 下山は同じルートを戻りました。いったん下って南面白山に登り返し。ちょうど日差しが当たってきついです。これでバテてしまいました。南面白山からは下るのみですが、息も絶え絶えで、早く駅前の山荘でビールを飲みたい一心でした。途中、この暑さの中、北面白山から縦走してきたというランニング登山の方々が軽々と追い越していきました。

 

 

 

 

 

 

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スクエアロー? GRA-YG-1443

2021年07月19日 | 移動用市販アンテナ

 

 

 アマゾンや楽天で扱っているGRA-YG-1443という台湾製のスクエアロー風アンテナに興味が涌いて購入してみました。このタイプはその昔、6mバンドでよく使われたそうですが、今はあまり見かけません。1/2λのエレメントを四角に折り曲げた形状なのでとてもコンパクトで水平偏波の6mでは好都合だったようです。RA-YG-1443は145MHzと430MHzのデュアルで、大小2つのループ状エレメントが付いており、大きい方は一辺27cm。ザックに収納可能で山でも使えるのでは?と考えた次第です。

 

仕様

周波数:140-150MHz/400-470MHz

ゲイン: 4dB/5dB

重さ: 0.36kg

コネクタ:MJ

 

 箱でなくビニール袋に入って送られてきました。本体、取り付け金具、簡単な取説が付属。145MHz用エレメントは直径6~7mmの硬いアルミ棒(パイプでない)が使われており、思っていたより丈夫なつくりと思いました。

 

<取り付け>

 水平偏波で使う前提で金具が付属しています。自分は三脚に設置して垂直偏波で使うのでいつもの塩ビパイプ連結式で簡易的に取り付けてみました。軽くコンパクトなので三脚のバランスが崩れることはなさそうです。

430MHz用エレメント

 

<調整>

 通常のスクエアローは折り曲げた1/4λエレメント2本に真ん中から給電する(ダイポールと同じ)わけですが、このアンテナは1本ものアルミ棒(1/2λ)に給電します。見た目はスクエアローのようでも別のアンテナなのかもしれません。マッチング回路としてガンママッチ様のものが採用されています(145MHz)。取説では調整バーの位置は動かさず、エレメントを可動させて調整するように書いてあります。でも、なかなか調整がうまくいかず、調整棒(アルミパイプ)にかぶせてあるプラスティックカバーを取り外してみたところ、中に絶縁された導線が仕込まれていました。芯線側はコンデンサー結合とみられます。初めてお目にかかる給電法で興味深く思いました。エレメント側を固定しておき、調整バーをかなり下に持ってきたところ、一気にSWRが下がり、あとは1mm単位で微調整し145.000付近に共振点を合わせることができました。クリティカルです。ただ、調整バーが下に来すぎているため構造的に疑問な感じがあり、本当にこれで良いのかどうか。考えてみると出荷状態で使えるようにしてあるのが普通なわけで、いじり過ぎてしまったような気がしないでもありません。

 

ガンママッチ部

 

 

 続いて430MHz。さきほどのガンママッチが430にも影響するのかどうかや芯線側がどのように接続されているのか不明です。エレメントの長さなどは調整できるようにはなっています。430用アナライザーがないのでIC-705のプロット機能で測定したところ、SWR1.5以下になっているので良しとしました。一辺6cm×4とかなり小さいです。1/4λでも1/2λでもなく、どういう動作なのか???この小ささでは性能的には期待薄ではあります。

 

 

 

 ベランダで受信してみました。回すと信号の強弱があり、ブロードな指向性が感じられます。145MHzではRH770と比較し同等な感じを受けました。430ではS1~2ほど低下します。もっと良くないかと予想したのですが、そうでもないです。

 

 ただ、ベランダでは430のSWRが2.0以上に悪化していました。145にしても430にしても調整しきれていないような気がしています。調整できる箇所(六角ねじ)がいくつもあり、それらを動かすことでどのように変化するのか? いまひとつ挙動のわからないアンテナです。これから いろいろ試してみます。

 

<追記>

 大年寺山にて試してみました。145MHz。マッチングの取れた状態です。HB9CVにて54-54、GRA-YG-1443ではこちらの受信は31~41に低下、相手局からはスケルチが断続的に開く程度で変調は全然了解できない、とのことでした(距離約40km 5W-6W)。また430MHzについては屋外で調整を試みましたが、なんらかマッチングしそうな手ごたえすら得られず、でした。このアンテナはスクエアローとは構造的にも給電方法も異なります。とくに給電は独特で、145MHzできちんと共振しているのが不思議なくらいです。どちらかというと受信用?いづれ現状ではあまり聞こえず飛ばないアンテナで、物置きに眠ってもらうしかなさそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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IC-705の12V給電 再実験

2021年07月05日 | 移動運用装備

 

 

 前回の記事でIC-705に12V給電した場合、5Wが上限となったことを書きました。以前に別のPDから給電した際には7Wほど出ていたことから腑に落ちず、二つのバッテリーで再度実験してみました。

 

 

 小型モバイルバッテリーJMB-F100PDから12Vケーブルで給電。IC-705は10W設定で送信。その結果、11.7V、2.27A、パワー計は7Wを示しました。前回は何かの間違い?と思いつつ、何度かPTTを押しているとなぜか1.95Aに低下し、パワーも5W弱に下がってしまいました。前回と同じ状態。再度PTTを押すと7Wに戻ったり、5Wに下がったり・・・??。

 

 

この場合7W出力

こうなると5W弱

 

 次にもう一つのモバイルバッテリーRP-PB201につなぎ直しました。11.8V、2.33A、パワー7Wを表示。同じことを繰り返しましたが、上記のような現象はなく、安定して7Wとなりました。問題なし。

RP-PB201にて

 

 JMB-F100PDに12Vケーブルをつなぎ10W送信した場合、原因はわかりませんが不安定になるようです。単に個体の問題かもしれませんが、モバイルバッテリーというのは実際に使ってみて気付くことが多いです。たとえ仕様を満たしていても機種によりいろいろあるのはいつものことではあります。ということでJMB-F100PDとIC-705の組み合わせの場合は、15Vケーブルで給電するのが無難なようです(この場合問題なし)。

 

 ちなみにFTM-10Sに12Vケーブルでつないだ場合は、もともと2A以下で10W出せるのでこのような現象は起こりません。12V給電でも安定して10W弱のパワーとなります。

 

 

 

 

 

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IC-705とFTM-10Sの消費電流

2021年07月03日 | 移動運用装備

 

 

 小型モバイルバッテリー(JMB-F100PD)をつないでIC-705とFTM-10Sの消費電流およびパワーの出方にどのような違いがあるのか比べてみました(145MHzFMにて)。バッテリー・USB電流計・リグ・パワー計・ダミーロードの順で接続。

 

 

 

 受信時は両機種とも0.23Aで変わりませんでした。液晶表示の大きいIC-705が不利と思いましたがそうでもありません。続いて送信時。

 

15Vケーブルで接続した場合。

 

< IC-705 >  

10W設定 2.6A  5W設定1.94A   3W設定 1.06A

 

< FTM-10S >   

10W 設定1.91A (5W設定なし)  3W 設定1.06A 

 

となりました。

 

 この際の実パワーはどれも設定どおりとなりました。IC-705の5WとFTM-10Sの10W時の消費電流がほぼ同じ。つまり同じ消費電流でFTM-10Sは倍のパワーが出せるということです。

 

IC-705 10W

FTM-10S  10W

 

 次に12Vケーブルで接続してみました。

 

< IC-705 >  

10W設定 1.98A 

 

< FTM-10S >   

10W設定 1.96A 

 

 この際、IC-705の実パワーは5Wとなりました。5W設定に落としてみたところ消費電流変わらず、パワーも5W変わらず。IC-705に12V給電した場合は5Wが上限となりました。RP-PB201をつないだ時は12Vケーブルでも7W程の実パワーとなるので、モバイルバッテリーの機種によって多少の違いがあるのかもしれません。一方、FTM-10Sでは10W弱の実パワーとなりました。12V給電でもほぼ設定どおりのパワーとなります。

 

IC-705 12V給電 10W設定

FTM-10S 12V給電 10W設定

 

 給電電圧ごとの消費電流、実パワー、比べてみるとけっこう違います。

 

 

 FTM-10Sは10W送信時の消費電流2Aと仕様にも明記されています。測定した結果はその通りで、あらためて省エネかつ効率の良いリグと感心しました。生産終了との話もありますが、このリグも捨てがたく、大事に使いたいと思います。

 

 

 

 

 

 

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