JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

5/8λダイポールアンテナ・スタブマッチ(430MHz)

2020年11月23日 | GPアンテナ、他
 里山で430MHzを使うようになり、定番のRH-770よりも利得が得られ軽量なものを作れないかとネットを見ていたら、430用垂直ダイポールアンテナの記事が目に留まりました(JR4PDP局さんの「ハム三昧」)。通常、ダイポールアンテナは1/4λエレメント2本に中央から給電するわけですが、5/8λエレメントにオープンスタブで給電する方式で高利得が得られるとのことです。この記事を参考にさせていただき、さっそく作ってみました。




 寸法は記事の通りに作りましたが最終的にオープンスタブではなくショートスタブ給電とし、少し変更となりました(下図)。



 <材料>
・52cmロッドアンテナ2本
・直径4mm銅パイプ、給電部用直径5mmおよび1.2mm銅パイプ少々
・BNCコネクター
・プラスティック板
・塩ビパイプ20cm
・結束バンド

<製作>
 給電位置を変更できるようスライド式にしました。4mm銅パイプに長さ3cmの5mm銅パイプを挿入しBNCコネクターをハンダ付け。あとは2本の銅パイプが2cm間隔を保つようにプラスティック板と結束バンドで固定するのみです。使用の際にポールに固定できるように塩ビパイプを取り付けて完成。工作は以上です。



給電部スライド式

オープンスタブ状態





<調整>
 ロッドエレメントを上下とも43.5cmに伸ばし、給電部をスライドさせてマッチングポイントを探ります。オープンスタブではほぼ中央、エレメント部から11cmあたりでSWR最少となりました。ただ、1.5以下に下がりませんでした。エレメント寸法を変更したりもしましたが改善されず、でした。そこでスタブの端を短絡させてショートスタブとし、再度給電ポイントを探ったところ、エレメント部から8.5cmでSWR1.2に改善。もっと下がるのではとあれこれ試した結果、エレメント角度90度のVダイポールにするとほぼベタ落ちとなりました。


<使用>
 実際のところ、どの状態がベストなのかよくわからないので短絡部は固定せず、昨日の里山運用の際に下記を試してみました。
1) オープンスタブでエレメント垂直
2) オープンスタブでエレメントV型
3) ショートスタブでエレメント垂直
4) ショートスタブでエレメントV型




スタブの端を短絡(ショートスタブ)


 オープンスタブとショートスタブで給電点が変わってしまうので、その都度スライドさせベストに合わせました。その結果、ショートスタブで垂直状態がもっとも信号が強く安定するとの手ごたえがありました。オープンスタブ垂直状態との差はわずかです。V型にするとSWR的には良好なのですが、なぜか信号は悪化します。ということで、スタブ短絡部をハンダ付けすることにし、調整終了としました。肝心のRH-770(5/8λ2段)との比較ですが、明瞭な違いとまではいかず若干良いかな、といったところです。重さ120g。仕舞い込み寸法38cm。現地での組み立て不要。これからのシーズン、寒い中での運用には重宝するかと。この状態で、しばらく使ってみます。


収納状態











コメント (2)
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7/8λモビホ改造GP

2016年08月11日 | GPアンテナ、他


 第一電波のSG2000というモービルホイップもあまり日の目を見なかったアンテナです。145MHzシングルバンド。長さ159センチ、重さ400g。7/8λでカタログ利得は5.2dbiあります。3分割して60センチに納まるので、山に何度か持っていきました。自分の場合、現地であらためてSWRを測ってみるのですが、このアンテナは意外に下がらず、共振点もけっこう上にあって、何となく使う気にならなくなってしまいました。里山での使用が多かったこともあり、さほど遠方と交信できたという記憶はありません。

 前回に続き、これをGP化し山岳仕様のアンテナに改造してみることにしました。

1)SWR1.1程度まで追い込みつつ、共振点を145.00近辺に合わせる。
2)ラジアル追加で打ち上げ角を下げる
3)前回同様、銅パイプエレメントに交換し、軽量化をはかる
4)工具不要で、組立て、撤収できるようにする

 3/4λGPの際とほぼ同じですが、違うのはSG2000のノンラジアル構造が「壊れていない」という点です。ノンラジアルアンテナにラジアルを付ける、はたしていかに。



 ラジアルは3/4λGPのものをそのまま使うこととします。長さ48.5センチ(端子部分含まず)。これを1本取り付けてみたところ、造作なくSWRベタ落ちとなりました。あくまでベランダでの測定なので、位置によっても結構変わるのですが、標準では1.1〜1.3あたりを広帯域に推移するのに対し、ラジアル付きでは、先鋭なグラフに変貌します。自分の場合、広帯域は不要、ラジアルは付けるに越したことはないようです。



標準仕様

ラジアル追加、エレメント変更後


 ただ、第一電波のSGシリーズのほとんどがアレスター方式を採用しているのに対し、このアンテナはエレメントを芯線につなぐ通常のタイプです。したがって、ラジアルがそのままアースとして作用します。アレスター方式の場合は、エレメントがアース側に直結しているので、作用が異なるかと思われます。


トップエレメント部


 さて、共振点は相変わらず上にあるため、トップエレメントを8.5センチ追加。こんなに延長したら共振点が大きく変わってしまうのでは?と思われるかもしれませんが、そうでもないのです。これでも若干上。145.200~360あたりを使うことが多いので、良しとします。結果、給電部を含む全長は167.5センチ。長いので4分割としました。仕舞込み寸法50センチ、ザック収納可。重さはラジアルなしで330g、ラジアル含めると380g、あまり変わりませんが、心持ち軽量化になったかな、といったところです。



 
 ベランダにて、ラジアルなしの状態とラジアルを付けた状態で受信比較をしたところ、ラジアルを付けた方がS1上がり、信号も安定するようです。次回の山運用で使ってみます。



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3/4λ 山岳用GP

2016年07月26日 | GPアンテナ、他


 先日、蔵王・地蔵山で使ってみた山岳移動用GP。自宅ベランダで受信してみたところ、RH770よりSが1〜2上がり、J型アンテナとの比較でも良好な感触が得られました。J型アンテナはわずかに動いただけでSが上下しますが、このアンテナは強く受信できる空間が広いとの印象があります。




 このGP、元は第一電波のNR-2Cというモービルホイップです。145MHzモノバンド、200gと軽量で、そのまま山で使おうと以前に購入しました。ところが、上部エレメントが70cm以上あり、分解してもザックに納まらずそのまま物置に。自分の場合、こんなことの繰り返しで、モービルホイップがどんどん溜まっていきます。

 ふと、長いエレメントを銅パイプ数本に換えて接続すれば、簡単に連結、分解して山に持っていけるのでは?との考えが浮かび、物置から引っ張りだしてみました。ところが、念のためアナライザーで測ったところ、マッチングがまったく取れてないことが判明。SWR3〜4から下がらず、場所を変えて測っても同じ結果に。このホイップ、確かノンラジアルだったはず。もしかして不良品?? 試しに、50cmのラジアルを1本取り付けたところ、劇的に改善。ラジアルの長さを調整し、SWR1.03まで落ちてくれました。三脚取り付けの場合、ノンラジアルタイプであってもSWRはさほど下がらないこともあり、1.5以下であれば良しとしています。その意味では、不良品?転じてGPに、そして良好に調整できたとポジティブに受けとめることに・・・。




 さて、エレメントの方。長めのモービルホイップを山岳移動で使う場合、ザックに入るように、中間コイル部のイモネジを緩めて分解と組立てを繰り返すことになります。そのため、付属の六角レンチが必須で、これを持ち忘れると、山頂で手も足も出ません。またイモネジをうかつに回すとポロリと落ちてしまう。雪面の場合、探すのはほとんど不可能となります。冬場や悪天候の際に、かじかんだ手で小さなイモネジ回しての組み立て、撤収というのもつらい。ということで、道具不要かつ容易に組み立て、分解ができる銅パイプ連結式に換えてみました。各エレメントを差し込むだけ。4分割とし、仕舞い込み寸法は約50cm。これならザックにポロッと入ります。耐久性に不安が残らなくもありませんが、手元での運用なので何とかなるかと。とりあえず何度か使ってみます。


パイプ差し込み連結式

位相コイル部 イモネジ固定

先端部

収納50cm


 なお、中間の位相コイルを外し、銅パイプのみ154cmでもマッチングが取れます。ただ、受信してみたところ、メーカー設計の通り、位相コイルを入れた方が安定するようです。長さ141cm。3/4λ1段、ラジアル1本仕様。風に耐えられる程よい長さと強度、三脚との相性、収納、組立てやすさ、重量、それらと性能との折り合い。あくまで2m山岳運用の話しではありますが、市販のホイップでも工夫のしどころはまだまだあるかもしれません。




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