JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

鷹討山 亘理郡山元町

2009年11月17日 | 里山 移動運用
 冬場の山移動で何度か訪れている山元町の深山。そのすぐ南にあるピークが鷹討山(たかぶつさん)です。標高は深山よりも30mほど高く、307m。山元町の最高峰?と思っていたら、そうではなく、疣石山(いぼいしやま 314.6m)という、聞き慣れない山があるそうです。

 鷹討山へは深山から歩いて10分もかかりません。今年5月にラディックスのデイパック3エレ八木を持って、ここで運用したことがあります。その時は、山頂といっても周りは雑木に囲まれ、見晴らしはまったくない状態で、尾根上のただの通過点といった雰囲気でした。標識もないので、運用中、何人かの登山者にここが山頂ですか?と尋ねられこともあります。最近、山頂付近が刈り払われて、少し眺望が良くなったという情報があり、確かめてみたいという気持ちもあって、登ってみました。

 この日、前日までの荒天がおさまり、太平洋側は穏やかな陽気となりました。常磐線山下駅を下車。徒歩で、登山口の山寺生活センターをめざします。ここから40分の登山で深山山頂。山頂にはすでに先客がおりました。地元の方で、年に数十回も登るのだそうです。今日は深山が目的でないので先を急ぎ、鷹討山には9時前に到着しました。


深山登山口付近


 山頂は、前回と違って、下草が刈られ、雑木も少し伐採されたようで、いくぶん小広くなっていました。深山ほどではありませんが、太平洋側(東)の眺望が良くなり、水平線が眼前に広がります。西は雑木がそのままで、見晴らしはありません。山頂標識がないのも同じです。海を見ながら、一休みできる雰囲気にはなったのかな、という感じです。




鷹討山山頂と眺望



 無線の方ですが、今回は、ツインデルタループ、通称バタフライアンテナを持参しました(145MHz)。1λのデルタループが左右スタックとなっており、エレメントの総全長は4メートル、当局の自作アンテナの中では最大級です。実はL型パイプ式が実用になるのかどうか、検証してみたいと思ったのです。三脚に取り付けてみて、このアンテナが安定するようであれば、他も大丈夫なはず・・・。

 設営は、まず三脚の雲台にL型パイプを固定、そこにアンテナのマストを差し込み、あとは、ロッドエレメントを伸ばして、クリップで垂直エレメントを装着するだけです。製作当初は、垂直エレメントにビニール線を使ったのですが、デルタループの形状を維持して性能を安定させるため、現在は2分割式の銅パイプに変更しています。L型パイプでの取り付けは、特にグラつく様子はありません。


ツインデルタループ

L型パイプ式で固定


 組み上がったところで、さっそくAA-200でSWR測定をしてみると、バンド内1.2以下。もともと広帯域なので、設置面積(回せば体積も)を許容できるのであれば、たいへん扱いやすいアンテナです。




 DJ-S17につなぎ、ワッチしてみると、モービル局や固定局同士の交信が聞こえます。アンテナの方角を合わせる参考にしようと思ったのですが、QTHが今ひとつわかりません。当てずっぽうで、おおよそ南北に合わせて、CQを出してみました。はじめに、蔵王町モービル局から59振切れのレポート。続いて仙台市若林区のOM局、GPと5Wに切り替えていただき、当局も0.8Wに落として実験したところ47-53。QRPでも仙台とは交信可能なようです。0.8Wのまま、福島県伊達市移動局、岩沼市モービル局と交信。いったん途切れたので、アンテナの向きを東西に変えて、CQを出したところ、南相馬市(旧原町市)固定、同じく南相馬市モービル、続いて相馬市固定の各局に応答いただきました。けっこう指向性が出ているようです。いずれも59。またバック方向、山形県天童市モービル局からも55のレポートをいただきました。

 太平洋側の見晴らしが良くなったことや登山者が深山に比べ少ない、西風をわずかながら防げる、など、これからの時期の運用場所としてはそう悪くもないかな、と少し評価を上げておきます。短時間ではありましたが、各局にお相手いただき、大海原を眺めながらのQSOという贅沢な時間を過ごすことができました。

 ここから南に尾根を500m程進んだところに伐採によるとみられる展望地があります。また、最高峰の疣石山も気になります。近いうちに探索してみたいと思います。


 最後に、L型パイプ。ときおり風が強まることもあったのですが、終止、安定してバタフライアンテナを支えてくれました。手で回してもまったく問題なし。自作アンテナの三脚取付けは、当面、これで良しとします。



ツインデルタループ収納









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