JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

変則スペース巻きコイル 1ICラジオ

2021年10月31日 | ラジオ工作

 

 

 aitendoのラジオキットK-EZ7642SSを使い、自作コイルを組み合わせて乾電池1本で動作する1ICラジオを作ってみました。バリコンを中心にした小さな基板に回路が組まれており、自由度の高いラジオ作りに重宝します。以前も同様のキットでいくつか作りました。今回は変則スペース巻きコイル。

 

<コイル>

 分離の悪さがストレートラジオの欠点なので、それを補うのはコイルしだいということになります。直径6cm、長さ6.5cmの塩ビパイプにスパイダーコイルで好印象だった分割巻き?で巻いてみることにしました。通常の分割巻きと異なり、自在ブッシュの溝に沿って複数回巻いていく方式です。自在ブッシュの溝は16個。なので16分割となりますが、変則スペース巻きと言った方が正しいような気がします。溝に何回巻くかでインダクタンス調整ができるためコイル幅を短くできるメリットがあり、自分的には最近この巻き方にはまっています。

 

 

 1溝に何回巻くか? ですが、線全体の長さは15~20m巻けばよいので、逆算して5回づつ巻いてみることにました。線材は0.35mmポリウレタン線。5回巻いたら次の溝へ、溝を間違えないように慎重に巻き進めます。スパイダーコイルの時よりは巻きやすく、なんとか集中力を持続させて巻き上げることができました。インダクタンスを計ったところ327μH。少しほどいて297μHに調整、総巻き数74回となりました。

 

 

< K-EZ7642SS >

 続いてラジオ基板の製作。作り始めてすぐ、このキットはいろいろと問題があることに気づきました。バリコンのダイヤルが大きく、基板四隅の穴の2カ所をふさいでしまう、ホームページに掲載されている基板の写真と微妙に異なる、プリントで5KΩとあるところは実際には1KΩの間違い(部品は1KΩが付属)、等々。aitendo品質といってしまえばそれまでですが、特にダイヤルと穴の位置は問題なのでダイヤルを変更することにし、そのためバリコンは表裏反対に取り付けることにしました。コイルと電源をつなぎ動作確認したところ、NHK仙台第一がちょうどよい音量で入感してくれました。とりあえずひと安心。

 

 

<台座取り付け>

 9.5cm×8.5cm の木台に裏面配線としました。いつものバラック風。バリコン部分は木台をくり抜き埋め込み式とし、基板、コイル、電池ボックス、トランス接点をそれぞれ配線したらあとはネジ留めするのみ。これで完成、と思ったのですが・・・。

 

 組み上がってさっそくトランスを接続、オーディオイヤフォンで聞いてみると、NHK仙台第一、NHK仙台第二、東北放送とも十分な音量で入感。ただ、バリコンのどこを回してもNHK仙台第一のかぶりがみられ、分離が良くありません。音声のざらつきも感じられます。ふと、以前にも同じようなことがあったことを思い出し、コイルを縦位置にしたらどうなんだろうと試してみたところ、感度が少し低下するものの先ほどとは打って変わって信号のピークが先鋭になり、格段に聞きやすくなりました。音質も改善。

 

 ということでコイルを横位置から縦位置に付け直し製作完了としました。十分な感度を見込める場合は、コイル縦置きで分離を優先する、それも悪くないな、とあらためて実感しました。

 

 

 

 簡単なキットを組み合わせて作るのみなので半日あれば十分と思ったのですが、いろんな問題が発生して、けっこうてこずりました。丸一日を費やし完成。コイル巻きや部品の配置、配線を考えたり、あるいは予期せぬ難題が起こったり、それらに夢中になっている時はほかのことは何も考えずに済みます。自分時間に没頭。これがラジオ工作の良さかな、と思ったりもします。

 

 

 

 

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AMラジオキット K-EZ7642BXA

2021年10月24日 | ラジオ工作

 

 

 寒くなってくるとなぜか半田ごてを握ってラジオでも作ろうかという気持ちになります。以前に購入しまだ作っていないものもあるのにaitendoからいくつか新たなキットを買い込みました。1~2時間で作れる簡単なものばかりです。乾電池1本で動作するAMストレートラジオが好みで、手持ちの部品でも作れないこともないですがキットはキットなりの良さがあり、つい買ってしまいます。 K-EZ7642BXAは定番のTA7642ラジオICにS9014を追加し、トランスなしでオーディオイヤフォンを鳴らそうというものです。今年2月にTA7642とBC548Bを使った同様のものを作りましたが、回路はさらにシンプルになり「高音質で豊かな音」とか、果たして?

 

 

 付属のコイルをaitendoではラジカルフェライトコアコイルと表記していますが、普通のインダクターです。容量を計ってみたところ682μH。我が家の環境では容量オーバーなのは明らか。なので、直接はんだ付けせず、コイル交換できるようにプッシュ式端子を取り付けることにしました。変更したのはこの部分のみです。部品を確認しながら基板のプリントどおりにはんだ付けしていくのみ、30分ほどで組みあがりました。

 

 

 スイッチ付きイヤフォンジャックになっており、イヤフォンを差し込むと電源オン。まずは付属インダクターを取り付けて試したところ、NHK仙台第一(891KHz)が大音量で入感。こんな小さなコイルでも意外に感度は悪くないです。でも予想したとおりバリコンを回し切ったあたりで聞こえ、その上にあるNHK仙台第二(1089KHz)や東北放送(1260KHz) は入らず、でした。3局を聞くには200μHくらいがちょうどよいのです。ということで、小型のバーアンテナや以前に作ったスパイダーコイルを順次接続したところ、今度は3局とも高感度に受信してくれました。コイルの向きや偏波面を変えると分離もまずまず、ほぼ混信はなくなります。小さなボリュームが付いており音量調整可。肝心の音質はイヤフォンにもよると思いますが、キンキンせず、聞き疲れしない音では鳴ってくれます。まあ、これを「高音質」といえるのかどうかは? ではありますが・・・。

 

ダイヤルを回すには基板に下駄を履かせる必要あり

 

 

 完成して電源を入れ、イヤフォンから放送が飛び込んできた瞬間というのは、たとえキットでもちょっとした達成感があり、同じようなものでも何度も作りたくなってしまいます。今回はコイル差し替え式にしたので、コイル調整、実験用にちょうど良いかなと考えています。

 

<音質追記>

 前作のK-7642Bと聞き比べてみました。今回のK-EZ7642BXAの方が聞きやすいです。K-7642Bは高音に角が立つ不快なところがありますが、このキットはそういうところがなく、まとまりがあってふくよかな感じがあります。「豊かな音」かも・・・。ボリュームを最小にし、古いイヤフォン(ゼンハイザーMX470)で聞いたところ、超簡素なラジオからこんな音が出るんだと、聞き入ってしまいました。なお、このキットは在庫限りで後継版のK-EZ7642BXA2に切り替わるようです。

 

 

 

 

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MMANA-GALを使ってみる

2021年10月13日 | 運用スタイルなど

 

 10年ぶりにデスクトップパソコンを更新しました。これまで使っていたのは第二世代の Core i7。通常の作業に問題はないのですが、Zoomのカメラ解像度が上がらないなど動画処理に限界を感じるようになりました。今回はAMDのRyzen搭載機 にしました。省電力なRyzen7 5700G。熱くならず静か、ほとんどファン音が聞こえません。それでいてすべての動作がスピードアップ。SSDなので起動や終了の速さもこれまでとは比べものにならず、電源スイッチを押せば数秒で使用可能な状態になります。まさに隔世の感。この2週間ほど、各種インストールやデータ移行、無線LAN環境など少しずつ整備していますが、パソコンの更新というのは手間のかかる大仕事ではあります。

 

 さて、せっかく新たな環境が整ったことだし、パソコンのもたつきがあって躊躇していたアンテナシュミレーションソフトMMANA-GALを使ってみることにしました。

 この間自作したアンテナはネットに公開されているシュミレーションを参考にしていますが、調整過程で寸法が変わり、実際には別物になってしまっています。変更後のアンテナがどのような姿でシュミレートされるのか、そんなところに興味があり試してみました。

 

 MMANA-GALベーシック英語版をダウンロード。ネット情報をもとに、setupメニュー→「言語」→「Japanese」を選択し日本語表示に変更。文字化け対策としてMMANA-GAL_BasicのLanguageフォルダーからjapanese.mmnファイルを開き最初の一行にある「932」を「1」に書き換え、設定完了。

 

 放射器がロッドエレメント、導波器と反射器がアルミパイプの自作3エレ八木(145MHz)をシュミレートしてみました。アンテナ定義に周波数、給電点、実際の上下エレメント寸法を入力。「計算」画面に移り自由空間を選択、地上高3m、エレメント材質はアルミパイプを指定し「開始」ボタンを押したところ、一瞬で結果が示されました。

 

 

 おおかた妥当なところとかと思います。「周波数特性」ボタンを押し放射パターンを表示。製作時に参考にしたシュミレーションに比べFB比は甘くなっているようです。実際使用した印象でもそんな感触があります。次にSWRグラフ。驚いたことにアナライザーでの測定結果と酷似したグラフが表示されました。たまたま一致しただけかもしれませんが、MMANA-GALなかなかのものと思いました。

 

 このソフトで複雑なことをしようと考えているわけではありません。上記のように調整後のアンテナがどのような特性に変化しているのかを参考にしたり、3~5エレ八木でブームをどこまで短くできるのか、それでいてなるべく特性の良いものができないか、そんなことを考えています。

 

 それにしてもCPUの進化には恐れ入ります。自分の使用範囲を考えるとこれ以上の性能はもう必要ないのかもしれません。

 

 

 

 

 

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