JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

AL-144Fの共振点を下げる その2

2023年10月17日 | アローライン

 

 

 山頂で測定するとアローラインAL-144Fの共振点がたいてい145.800~146.000辺りにあって、気分的によろしくありません。実用上は遠方とも交信できているので問題ないのですが、あくまで気分的なことです。いつごろから、なぜそうなってきたのか?はよくわからず、です。その都度ラジアルを広げたり畳んだりを繰り返しているので固定の爪部分が甘くなって角度が変わってきているとか、カーボン製のポールが影響しているなども考えられるので、一概には言えません。

 

 以前、共振点を下げようとエレメント先端に小さな容量冠を取り付けたことを書きました。しかし、設置場所、環境によってはほとんど変化なく、あまり意味がないので外してしまいました。共振点を下げるにはエレメントを長くするのが確実なようです。

 

 今使っているAL-144Fは2本目で、1本目はエレメントを銅パイプに交換したり、ラジアル角度をさらに鋭角にしたりといろいろと改造し、その際に取り外した純正エレメントがそのまま残っています。今回は、この余り物を使い、簡易的にエレメント伸縮できるように銅パイプ差し込み式にしてみました。

 

 AL-144Fのエレメントの太さは2mm。下部から2cmの個所で切断し、直径3mmの銅パイプで連結、上部エレメントの差し込みを上下させることで、うまくマッチングがとれないかと。

 

 エレメントはステンレスで硬いです。ケーブルカッターを使って切断しました。断面をヤスリで丸くし、3mm銅パイプに挿入したところ、きつすぎず緩すぎずジャストフィット。調整幅を2.5cmと考え、銅パイプの長さは6.5cmとしました。下部エレメントのみ半田付けで固定。

上部エレメント(右)を差しんこで調整

下は純正エレメント

 

 さっそく上部エレメントに結束バンドを取り付け、これを上下しながら長さを調整してみました。はじめに銅パイプ内部で上下エレメントが接触する状態(デフォルト)にしておき、少しずつ上下の間を開け、長くしていきます。その結果、ちょうど1.0cm長くなったところで、造作なく共振点が下がってくれました。メイン付近のSWR1.1。全体のエレメント長46.5cm(ねじ込み部含む)。もっと長くする必要があると予想し、調整幅を2.5cmとしたのですが、意外でした。

 

 

 ただ、ほんとうにこれで良いのか、実際に現地で測定してみないと何とも言えません。他の要因が判明して意味がなければ純正エレメントに戻すとか、あるいは有意な寸法が確定できれば、上部エレメントも半田付けしようかと考えています。

 

 

 

 

 

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AL-144Fの共振点を下げる

2022年11月01日 | アローライン

 

 

 このところ山岳移動で使い続けているアローラインAL-144F。先日、泉ヶ岳での運用の際にアナライザーで測ったところ、SWRはバンド内1.5以下ではあるものの共振点が上にあり、少し気になりました。後日、いつもの測定場所(屋外空き地)にて測ってみても傾向としては同様の結果でした。わかってはいたもののAL-144Fの共振点はメインより上にシフトしています。中心は145.500~146.000MHz付近。ゆるやかな帯域特性なので純正のままでよいかなとも思いましたが、少しだけ手を加えてみることにしました。

 

 アンテナの共振周波数を下げたい場合、1)エレメントを長くする、2)アンテナ先端に金属を追加してキャパシタンスを増やす(容量冠)方法があるかと思います。このアンテナは2本目で、以前、エレメントを純正より2cmほど長い銅パイプに交換しSSB用に作り直したことがあります。今回はもっと簡便に、取り外し可能な容量冠(キャバシティハット)を取り付けることにしました。

 

 容量冠といっても2mバンド内の0.5~1MHz下げるだけなので、小さなものでよいはず。まずはどの程度の金属量が必要なのか、エレメントのトップ付近に0.3mmスズメッキ線を巻いていったところ、長さ20cmほどで造作なくメイン付近に下がってくれました。量的にはさほどのことはありません。

 

 次に、スズメッキ線を外し、見栄えのことも考えて太めの銅パイプをエレメント先端部に差し込んでみることにしました。6mm径の銅パイプ、長さ5mm。内側をヤスリで削り、先端にきつくはめ込むようにしました。測定したところ、この状態では思ったほど共振点は下ってくれません。もう一つ同じ銅パイプを作り、一カ所を切断、少し径を広げ2枚重ねにしたところ、今度はジャスト、メイン付近まで下がってくれました。切断面をハンダ付けし、バリを取って完成。はめ込み式の小さな容量冠、外れて落ちたりすると探すのはたいへんです。

6mm径銅パイプ2枚重ね

エレメント先端部に装着

純正状態(容量冠なし)

容量冠を取り付けた状態

 

 容量冠というのは奥が深いのかもしれません。この方法なら好みの周波数に整合させるのが比較的容易である一方、なんらか他に作用があるのかとか、冠の材質、取り付け方法などいろいろと工夫や検討の余地があるようにも思いました。とりあえず、これを付けた状態でしばらく使ってみます。

 

 

 

 

 

 

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AL-144Fの利得

2018年08月21日 | アローライン



 2mシングルバンドのアローラインAL-144F。軽い上に設置が楽で風雨にも強いことから、このところ山での使用頻度が高くなっています。狭い山頂や荒天時などは特にありがた味を感じます。

 サガ電子のホームページを見るとこのアンテナの利得は0dBとのこと。1/2λフルサイズの変形垂直ダイポールと考えれば、0dB(2.15dBi)は妥当と言えます。製品パッケージには3dBiと表示されており?ではありますが・・・。





 実際のところはどうなのか。気になって、いつもの簡単な聞き比べをしてみました(エレメント改造後ベランダにて)。長さ1.5m前後の7/8λや6/8λのモービルホイップおよびRH-770との比較ではいづれもAL-144Fがわずかに上回る結果でした。ベランダなので反射を拾いやすいのかもしれませんが、他に比べSそのものも強まる印象があります。ノイズに埋もれぎみの信号で、アローラインでは微妙に変調が浮いてくるケースもありました。コイルで整合させたアンテナと違い、余計な回路がなく損失も少ないということでしょう。ナテック2エレ八木との比較で同程度。ロッドアンテナで作った自作模造品でも試しましたが、同じ傾向です。2エレ並みと考えれば実質利得5〜6dBi? 160度のエレメント角度に秘密があるのか、あるいはフルサイズダイポールの本来の実力(0dB=2.15dBiとは限らない?)ということなのか。面白いアンテナです。


 実際の運用実績は何度か書いた通りです。エレメント改造前の初期状態でも遠方との交信ができており、今回あらためて聞き比べてみて、なるほど、と納得した次第です。エレメント改造後は、熊野岳や栗駒山などから5Wで300km~400km超の交信ができています。以前は地形が複雑な低山の方がこのアンテナに向いているのでは?と考えていたのですが、標高の高い山頂では伸びが感じられ、気持ちよく飛んでくれます。一方、遠方の局が聞こえてもQRPで届いてくれない、ということがよく起こります。その場合は、潔く諦めるのがよろしいようです。また、打ち上げ角の影響なのか、さほど遠くない局からのレポートがいま一つのことがあり、まだらに届く印象もあります。このアンテナに限りませんが、電波の振る舞いに単純なものはない、といつも感じます。


 自分は、山岳での運用を前提に、5D2Vケーブル2.5mを給電部に直結しています。そのケーブルも筒を通して垂直に下げる構造のため、引き回しの影響を受けにくいようです。三脚+塩ビパイプに目玉クリップで固定すれば高さ約2m(1λ)となり、手間なく運用可。身の丈に合い、しっくりくるアンテナの一つです。運用中、アローラインを使っていることを話すと、「昔、屋根に上げていた」とか「けっこう飛んだ記憶がある」と懐かしがる方が多く、話が弾んだりします。公称利得0dBのこのアンテナでどんな交信ができるのか、これからも楽しみに使ってみます。



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実験用アローライン

2018年07月29日 | アローライン



 サガ電子がアローラインを開発したのは1970年代初頭なので、かれこれ40数年もの歴史を刻んできたことになります。その間、大きな改良があったという話もないので、ほぼ原型を留め、今に至っているのだと思います。周波数帯は異なりますが、放送局や行政機関でも使われ実績を重ねてきたのだとか。なので、なおさら前回も書いたAL-144Fのエレメントの件、ラジエーターの長さがなぜ46cmなのか、気になっています。このアンテナは、グランドプレーン(GP)の一種と言われたりします。自分としてはGPというより変形垂直ダイポールと考えた方が妥当な印象を受けます。1/2λなので、エレメント上下50cm前後が定説と考えていたのですが・・・。いづれにしても独特の形状は他になく、アローラインはあくまでアローラインなのだろうと思います。

 AL-144Fのパッケージの裏に、ネットワークアナライザーによるスミスチャートと簡単な説明が付いています。それによると、インピーダンスは145MHzにおいて54Ωで、ラジアル角度を60度(ラジエーターに対し120度)にすれば50Ωになるものの打上げ角が高くなり、遠距離通信に不利になるので、あえてこのミスマッチングは許容している、と。マッチングを多少犠牲にしつつ、性能上の実質を優先するという考えのようです。何か奥深いものを感じます。でも、ミスマッチを許容したことによる共振点のズレは? など疑問ではあります。


 そこで、自分なりに試行錯誤してみようかと、10年近く前に見よう見真似で何本か作ったのを思い出し、実験用アローラインとしてリペアしてみることにしました。M型コネクター台座にラジアルはボルト締め、ラジエーターは半田付けしただけのもの。すべてロッドアンテナなので、ラジエーターおよびラジアルの長さ、角度調整が自在に可能です。実戦用にはなりません。耐久性なし。








 とりあえず、純正品と同じ寸法、ラジエーター46cm、ラジアル49.5cm、角度160度とし、アナライザーで計ってみたところ、150MHzあたりに共振点があり、バンド外となってしまいました。やはりラジエーター46cmは短かすぎるようです。エレメント材質、本数、太さ、台座部分の違いが影響しているのかもしれません。調整したところ、ラジエーター52cm、ラジアル47cmで145.000に共振してくれました。ロッドの長さで430MHzも可。角度を含め、いろいろな組み合わせで試してみるつもりです。








 もう一つ、マッチングと共に、エレメントの長さやラジアル角度の変化で聞こえ方にどう違いがあるのか、了解度の変化、といったところに興味があります。ゲルマラジオなどもそうですが、たった数点の部品、その一つ一つの部品の良し悪しやわずかな回路の違いで音量は大きく変化します。ある時点でいくつかの因子が重要な働きをし、結果に大きな影響を及ぼす。アナログなアプローチを重ね、偶然にもそれに出会った時の充実感は何とも言えないものがあります。そんなわけで、この簡素なアンテナの深みにはまっています。





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アローライン エレメント交換

2018年07月25日 | アローライン



 栗駒山移動ではそこそこ手応えが感じられたアローライン(AL-144F)。エレメントを変更して使ったことは書いた通りです。このアンテナは数年前から主に里山運用で使ってきました。初めのころはバンド内フラット、中心は145.000で共振していたと思うのですが、その後なぜか共振点が上がり145.800あたりになっていました。SSBの周波数帯ではSWR2.0。同軸ケーブルや給電部に問題はなく、原因不明。先々週の熊野岳移動の際はこの状態で多くの局に交信いただいたものの、このままでは宜しくありません。ということで、ちょっとした改造をしてみた次第です。




 給電部がボルト状になっており、5mm程エレメントの伸縮ができる構造にはなっているのですが、調整してもわずかな変化に留まります。さらに共振点を下げるにはエレメントを長くするしかありません。といっても、ステンレス製なので加工は難しいです。思いつきで、手持ちの銅パイプを給電部に入るか試したところ、6mmパイプがキツ目に挿入可能。それならと、エレメント自体を作り替えてしまうことにしました。

 直径6mm、4mm、3mmの各銅パイプ。主要部は3mm銅パイプなので、それなりの強度は保てます。6mm銅パイプを給電部に差し込み、本体の土台部分にハンダ付け。防水を考慮し、パイプ接合部は隙間なくハンダで一体化しておきました。






 はじめの長さ51cm。この状態の共振点143.500付近。アナライザーで測定しながら少しずつ切っていき、144.150〜250に調整。

 改造エレメント48.5cm(純正エレメント46.0cm 調整ナット含む)







 とりあえず、この寸法となりました。こうしてみると、純正エレメント46.0cmはそもそも短いのでは? 歴史のあるアンテナなので、理由はあると思いますが・・・。ちなみに3本のラジアルは49.5cm。

 ロッドアンテナのような伸縮構造にすることも考えたものの、もともとシンプルなアンテナなのでいじり過ぎず、今回はこれで良しとしました。

 エレメントの材質、長さを変えたことでどのように違うのか、再び共振点の変化はあるのか? などはこれからです。栗駒山の運用では、水滴付着によるSWRの悪化がなく、天候に左右されず安定して使えるとの感触がありました。性能的にも面白いアンテナで興味が湧きます。サブ的にしばらく使ってみます。




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アローラインのこと

2014年05月24日 | アローライン



 仙台から北に40km程のところ、宮城県のほぼ中央にO市があります。自宅のロケが最悪なため、2mでO市固定局と交信できるのは、FBな施設をお持ちのごく限られた局のみです。山岳移動の時に、たまにお声をかけていただくFさんの波も自宅まで届いたことはありませんでした。

 ある日のこと、いつも通り2mをワッチしていると、なんとFさんの声が聞こえるではありませんか。信号強度1、Sメーター振らず。細々として弱いのに、なぜか安定感があり、QSBもありません。了解度5。2mFMをワッチしていると、まれにこうした信号に出会うことがあります。適切なパワーかつ良く調整されたアンテナでなければ、このような絶妙な届き方はしないと思います。Fさんによると、そのアンテナはアローラインとのことでした。タワーに上げたGPが強風で破損したため、急遽、物置に仕舞っておいたアローラインを設置したのだとか。GPで届かない信号がアローラインなら届く、ちょっとした驚きでした。

 その後、見よう見まねで何本か自作し、山岳移動でも数回使ったのですが、はじめの印象が良かったわりには、特段の性能は感じられず、どちらかというと凡庸なアンテナというのが実感でした。作りも貧弱だったこともあり、2〜3回使ったのみで、仕舞い込んでしまいました。比較のためサガ電子のAL-144Fも購入していたのですが、急に興味をなくし、そのままになっていたのです。


通称ヤブレガサ


 それから数年。145MHzでのデジタル交信もハンディ機で可能となり、少し興味が湧いてきました。言われているように、1)打ち上げ角が低い(地上波の到達距離が長い)、2)QSBに強い、ということならデジタルQRPにうってつけでは? ということで、山頂で使った場合どうなのか?あらためて確かめてみようと考えています。

 145MHzDVシンプレックスでの運用局が少ないのが難ですが、聞こえておりましたら宜しくお願いします。



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アローラインAL-144F

2014年04月26日 | アローライン


 アローラインは作りが簡素で、動作原理も明快なため自作に適したアンテナで、自分も何本か作ったことは過去記事に書いた通りです。本家本元(サガ電子)のアローラインと比較してみたいと思い、数年前に購入したAL-144F。自作アンテナ自体の出番も少なくなり、袋を開けることもなく物置に入れたままになっていましたが、先日DCRで交信中、このアンテナのことが話題になって、急に興味が涌いてきました。

 形式:1/2λ
 利得:3dBi
 全長: 1m
 重量:約150g
 

 有名なアンテナなのでお使いの局も多いと思います。自分も以前モービル用アローライン(VU)を使ったことがありますが、良くも悪くもなく凡庸な印象だった記憶があります。シングルバンドのAL-144Fはどうなんでしょう。



給電部


 このアンテナは、同軸ケーブルを給電部に直接ハンダ付けします。5D2V専用となっており、他のケーブルを使うには工夫が必要なようです。山岳移動で使うことを想定し、2.5mをつないでみました。


無調整で問題なし



エレメント長さ調整も可


 三脚に取り付けて、さっそくSWRを測定したところ、バンド内全域1.2以下に納まってくれました。給電部のネジにナットが取り付けてあり、エレメントの長さを5~6mm程度は調整できます。この辺りうまくできています。でも無調整で問題ないですね。たいへん素直というか、素性の良いアンテナです。


収納状態

三脚取り付け 目玉クリップ方式とベストマッチング


 アンテナ本体とポールを折り曲げると、収納は約50cm。袋に入れてしまえば、デイパックにすっぽり収まります。なにより軽く、ケーブル部分の方が重いくらいです。作りはチャチと言えなくもありませんが、ステンレスなので風雨には耐えられそうです。ここ1年ほど、DCRと特小(フリーライセンス無線)を主体にしてきましたので、145MHzはしばらくぶりです。連休の山岳移動に使ってみます。


<追記>
 
 三脚の延長ポールにアローラインを取り付けられるよう、ちょっとした工夫をしてみました。エツミのセットスクリューにL型パイプを取り付けたものに、目玉クリップをボルトで固定したパイプを差し込むようにしました。2分割式。これで三脚1.2m+80cm延長ポール+本体ポール50cmで給電部は地上高2.5mとなります。













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手作りアローライン3 

2009年01月05日 | アローライン
移動用バージョン  ロッド式


 アローライン2を実際に移動地で使ってみたところ、組立にやや難がありました。寒風の山頂で、小さいボルトとナットを操って組み立てるのは、少々無理があったようです。
 今回は改良版として、ラジアル4本に折り曲げ式のロッドアンテナを使ってみました。
 ロッドアンテナは全長57センチのものを4本、マルツで調達。角座Mコネクターの四隅の穴に3mmボルトとナットで固定します。エレメント(ラジエータ)は前回同様、4mm銅パイプをコネクター心線突起に差し込むだけ。工作は以上です。重さ150グラムに仕上がり、全体的に頑丈な作りになりました。





《調整》
 ロッドアンテナは1カ所折り曲げ式になっていますので、エレメントに対する角度と長さの調整を自由自在にできます。はじめ、160度の角度で折り曲げ、ロッドの長さ50センチでSWRを図ったところ、高めに出ましたので、いろいろと調整したところ、1)ラジアル角度130度、2)ラジアル長さ51センチ、3)エレメント長さ48.5センチの状態で、145.000MHZ近辺で1.1、バンド内1.3以下と良好な状態になりました。

《組立、設置》
 ロッドを最短にして、上向きにすると、アンテナ全体が50センチ程度になりますので、袋に入れて簡単に持ち運びできます。現地での組立は、MP-MPコネクタを取り付け、さらにMJ-SMAP変換ケーブルをつなぎ、塩ビパイプにセット。最後にロッド式のラジアルを伸ばして、角度を調整するだけです。特に組み立てというほどのものはないので、設置も撤収もずっと楽になりました。ロッドの長さと角度は、コツを掴めば、いちいち計らなくとも大丈夫です。





《使用感》
 三方塚山で使ってみましたが、組立撤収が簡単なので、使うのが楽しくなりました。こちらはいつもの4wハンディ機ですが、岩手県一関市、福島県大玉村移動局や県内各局と交信することができました。レポートもまずまず。何と言っても、ロッドアンテナにしたことで、カットアンドトライなしに、ほぼ完全に調整ができるところが利点ではないかと思います。作るのも調整するのも使うのも楽なアンテナでした。
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手作りアローライン2 移動用

2008年12月28日 | アローライン
 里山移動の場合、山頂といっても、まわりにもっと高い山があったりして、複雑な地形に位置するケースが多いことから、アローラインを使ってみたらおもしろいのではないかと考え、移動用バージョンを作ってみました(144MHz)。

《材料》
 マルツで台座付きのMコネクターを、ホームセンターで銅パイプ直径4mmを1本、3mmを2本(各長さ1m)、丸端子(R3.5)、3mmボルトセットを一袋それぞれ購入。

《作り方》
 4mmと3mmの銅パイプを、半分に切断します。これで、4mm2本、3mm4本となり、4mmの方はエレメントにします(残りの半分は使いません)。3mmの方は、4本のラジアルとなります。
 次に、ラジアル4本の先端に丸端子を半田付けします。3mm銅パイプにR3.5の丸端子がジャストフィットしますので、半田付けも容易です。
 続いて、Mコネクターの台座の4隅の穴にラジアルをボルトで固定。台座の穴は3mmボルトより大きいサイズだと通りませんので注意が必要です。
 エレメントの取り付けは、Mコネクターの心線側突起に4mm銅パイプを差し込むだけです。一応、導電性グリスを塗っておきました。
 最後に、4本のラジアルをエレメントに対して約160度の角度になるように、折り曲げます。ちょうど丸端子の首の部分で折り曲げることになるので簡単でした。
 以上で本体は完成です。製作時間は30分。







《調整》
 無調整で、145.00のSWRは1.5を少し上回っており、中心点は下にありましたので、エレメントとラジアルを少しづつカットしていき、最終的に、それぞれ約49センチの長さにしました。バンド内ほぼ1.5以下となりました。ベタ落ちにはなりませんが、これで良しとしました。ラジアルの角度によってもSWRは変化します。

《持ち運び》
 移動の場合は、ラジアル部分のボルトを外して分解します。ナットは、サイズ的に可能であれば蝶ねじタイプがベターかと思いますが、とりあえず、通常のものを使っています。分解すれば、50センチ程の銅パイプ5本ですから、簡単に持ち運びでき、約150gと軽量です。
 組立と取りつけは、Mコネクター(J)にMPMP変換コネクターをセット、もう一方にMJーSMAPケーブルでハンディ機につなぎます。コネクター部分をいつもの三脚クリップで固定。最後にラジアル4本を取りつけます。コネクターを塩ビパイプにセットして持ち上げてやれば、よりベターで安定性も増すと思います。



《使用感》
 常置場所から試験的に使ってみました。受信は少しノイズがあり、モービルホイップ(CSB7900)と比べてSが1~2落ちますが、遠く相馬の信号も拾ってくれましたので、まずまずかと。このアンテナは、Sは振らなくても、そこそこ了解できるのが特徴のようです。送信は、市内モービル局と交信しただけですが、問題なく届いているとのことでした。
 年末年始の山移動で使ってみたいと思います。

《追記》
 ホームセンターで塩ビパイプを購入し取りつけてみました。Mコネクターがちょうど納まるサイズのものと少し細いパイプを二段重ねにして、長さは45センチ。これで、当局の小型三脚にも問題なく取り付けられるようになりました。パイプにアンテナ一式を収納できます。少しはみ出していますがご愛敬。パイプ長を55センチにして両端に蓋ができれば、完璧だったかも・・・。





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手作りアローライン

2008年10月26日 | アローライン


 はじめて自作に挑戦した145M用のアローラインアンテナです。今も時々ですが、現役で使っています。ホームセンターと近くのマルツパーツ館で材料をそろえました。買い物を含めて半日で完成させました。
 たまたま台座付きのMJコネクターが在庫切れだったため、台座なしのコネクターにちょうど合う銅リングをホームセンターで見つけて、これにラジアルとして3mm銅パイプ3本を半田付けしました。ラジアルは160度の角度で折り曲げて、曲げ部分にも半田で補強してあります。エレメントは、コネクターのピンに4mm銅パイプをねじ込んであるだけです。エレメント、ラジアルとも長さは49センチで、これで1/2波長のアンテナとして動作するようです。両端がMPMPコネクターの1メートル同軸管に取りつけてベランダで使ってみました。SWRはバンド内1.5以下です。


 簡素なアンテナですが、よく飛んでくれます。受信もよくいわれるように「粘り」があるように思います。出力10W(これ以上のパワーは入れたことがありません)で福島県の南相馬市と交信できました(SSB)。モービルホイップで了解できない変調がなんとか了解できることもあり、おもしろいアンテナです。ただし、作りが粗末ですので、常時ベランダに設置とはいきません。
 丈夫な作りのものをもう一本、試案中です。
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