JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

慶月院の墓―つつじの森―鴻ノ巣峠

2021年11月29日 | 里山 移動運用

 

 

 移動運用地として知られる四方山の北に連なる尾根は、黒森山や閑居山を経て割山峠に至ります。今回は慶月院の墓入り口から入山し、閑居山、つつじの森、鴻ノ巣峠をめぐりました。

 

 JR常磐線亘理駅下車。タクシーで慶月院の墓入り口へ。慶月院は仙台藩の重臣・原田甲斐の母親です。江戸時代前期に仙台藩で起こった伊達騒動を題材にした山本周五郎の小説(『樅ノ木は残った』)にもなりました。騒動の首謀者とされた原田甲斐の母として累がおよび、正式に弔いもできないため内密に葬り、墓ではなく山中の自然石を墓印にしたと伝えられているそうです。

慶月院の墓

 

 墓地から気持ちの良い雑木林の細道を登ると令法の丘。昨年訪れた際、見晴らしはなかったのですが、樹木が一部伐採され亘理の町と太平洋が望める展望地となっていました。さらに10分ほど登ると主尾根の分岐。南に進めば黒森山、四方山。今回は北へ。ほどなく杉林に囲まれた閑居山、さらに進むとつつじの森。ここは石切り場の真上となっており、森というより崖っぷちで、ちょっとした小ピークになっています。蔵王は雪雲に覆われ見えませんでした。IC-705のGPSで確認したところ標高200m。ルート上で無線運用適地2カ所に見当をつけてきたのですが、ここはその1カ所目。

つつじの森

 

 今回もデュアル3エレ八木。2mSSBでCQを出し、県内および山形県長井市より応答いただきました。JP7IEL局(距離約63km 5W)と145MHzで51、430MHzはノイズに埋もれ交信不可。IEL局側には430MHzでも51ほどで入感していたようです。いったん撤収し次の運用場所へ。

 

 崖に沿って300mほど進むと鴻ノ巣峠となります。昔は峠だったのかもしれませんが、今は西側が採石場となって見る影もありません。この峠のすぐ上に広さ8畳ほどの高台があります。第二の運用ポイント。昨年通過した際に、大年寺山や仙台中心部のビル群がかすかに見えていたのを思い出し、ここなら悪くないのでは?と当たりを付けていたのです。

遠くに仙台のビル群

高台より西側眺望

 

 D-star仙台青葉レピーターにて再度JP7IEL局をお呼びしシンプレックスへ。つつじの森より標高的には20mほど低いものの145MHz、430MHzとも信号が上がり55で良好に交信することができました。オープンスリーブのエレメントを取り付けているだけのデュアル3エレ八木。この間、430MHzに関してはD-starレピーターへのアクセスのみに使っていたのですが、シンプレックスにおいても手ごたえが感じられました。430も3エレとして機能しているのかどうかは?です。一応指向性もあり、デュアルで重さ130gほど。里山運用はこれでいいかな、と。

 

下山口

 

 下山は鴻ノ巣峠から林道側に下りました。このルートは初めて歩きましたが、雑木林の明るい尾根道が続き悪くないです。下山口の林道を500mほど進み割山峠の車道に出ることができました。左手に昨年立ち寄った愛宕山。今回はパスし、亘理駅までひたすら歩きました。

 

 

 

 

 

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IC-705 冷却ファン

2021年11月27日 | 移動運用装備

 

 

 鷹討山の運用では久しぶりに145MHzDVモードでロングQSOを続けました。10W運用だったこともあり、後半では送信のたびにTEMPメーターがレッドゾーンを行ったり来たりという感じで少し心配になりました。付属バッテリーを外してヒートシンクを取り付けているとはいえ、FMおよびDVモード10W出力で長時間運用の場合、レッドゾーンは覚悟しなければなりません。

 ということで冷却ファンを試してみることにしました。純正乾電池ケースにファンを組み込む方法とかスリット部分に取り付ける、あるいは百均のクールファン活用などネットでいろんな情報が出ており参考にさせていただきました。アマゾンで検索するとスマホ用冷却ファンなどというのもあり、この手のものがいくらでも表示されます。世の中には熱くなる商品が増殖しているということでしょうか。

 

  IC-705のバッテリー収納スペースはプラスティック部分が9cm×6cm、その下のアルミシャーシ部分は多少狭くなり、さらにいくつかの凹凸や接点があります。冷却ファンのみであればシャーシに密着させる必要もないわけです。

 

 考慮したのは、1)バッテリースペースへの装着・固定、2)電源ケーブルの取り回し、3)冷却効果、の3点。自分が購入(アマゾン)したのは縦6cm×横6cm×幅1cmのごく一般的なUSBファンで、取り付け可能な最大の大きさかと思います。

 

シャーシの穴は樹脂板でカバー

PDバッテリーから容易に給電

収納時

 

 さっそくバッテリースペースに装着してみると少しきつめの固定具合が絶妙で、705のためにあるのでは?と思ってしまうほどジャストフィットしてくれました。厚みが1cmなので出っ張りもなし。ケーブルはスペースの空いた部分に格納することにしました。吸出しでも吹き付けでも効果はあまり変わらず、これまで使ってきたヒートシンクに比べると冷え方はだいぶ良さそうです。耐久性に疑問なところはありますが、しばらくこれを装着して使ってみます。

 

<11/28追記 ノイズ発生>

 本日移動で上記のファンを付けて運用したところ、145MHzにおいてノイズが乗ることに気づきました。55くらいの信号であればあまり問題になりませんが、51~52程の弱い信号の場合、ノイズに埋もれて変調が聞き取れなくなってしまいます。同じ信号でDVモードに切り替えたところファンなしでメリット5、ファンを入れるとまったく復調せず、変調の気配すらなくなってしまいました。帰宅後、スコープでもノイズレベルの上昇が確認できました。試しにファン側にパッチンコアを付けたところノイズは感じられなくなり、弱い変調も取れるようになりました。コア1~2個で効果あります。ファンの種類や個体差もあるかと思います。他のバンドへの影響はわかりません。

 

 

 また、運用中ファンのUSB端子をPDから抜き差しすると、リグの電源が落ちるという現象もありました。そのままですぐ復帰はします。PD側の仕様なのかもしれません。この状態でもう少し様子を見てみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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鷹討山 11/21

2021年11月22日 | 里山 移動運用

 

 

 前回、山頂を踏まなかった鷹討山。この山は隣の深山のように眺望が得られるわけではなく通過点的な地味な山頂です。眺望は東に広がる太平洋のみ。西の蔵王や奥羽山系は樹木で見えません。なので伝搬的に適しているとは言えないのですが、あまり登ってくる人はおらず休憩する人もいないので何度かここで無線運用しています。標高310m。

 

 

 常磐線山下駅下車。たかぶつコースの登山口から沢ルートで登ることにしました。2度下山で使ったことはありますが、登りは初めてです。沢が涸れる突き当りまで直線状に進めばよいはずと思い、少し藪っぽい細道を進むとなぜか沢から離れ、巻きながら標高を上げていることに気づきました。渡渉点をうっかり見過ごし枝道に入り込んでしまったようです。どうも様子がおかしいと思ったものの、枝道探索が目的でもあるのでそのまま進むと東街道コースの尾根道に合流。

沢沿いのルート

 東街道コース尾根道

 

 しばらく登り、まもなく主尾根ということころで今度は右の斜面に藪っぽい枝道があることに気づき入ってみました。笹薮を切り開いたトラバース。どこに続くのかと思いながら進むと視界が開け見慣れた展望地が現れました。ここは沢からのルートとの合流点。道迷い転じて二つの枝道を確かめることとなりました。展望地から主尾根に出れば、ほどなく鷹討山山頂。

 

展望地

山頂近くより

 

 デュアル3エレを設置。2mSSBにて仙台市内や岩手、福島各局にぽつりぽつりという感じで応答いただいたものの後が続きません。その後JP7IEL局とDVモードにてQSO。距離約70km、以前J型アンテナやアローラインでかなり厳しかった記憶があります。今回は3エレの効果か不安なくロングに交信を続けることができました。2時間ほど運用し、さすがに寒くなって撤収。

 

 下山はさきほど見過ごした渡渉点を確かめたいと思い、再度沢ルートへ。展望地のすぐ先に分岐があり左が別尾根の藪道、右が沢ルート。沢に出会うまでに2カ所の枝道があり、その1カ所に入ってみたところ、登山道を整備されているご夫婦に出会いました。2カ所とも先は行き止まりとのこと。いくつか疑問に思っていたルートの貴重な情報を聞かせていただきましたが、皆さん高齢でだんだん人手がなくなり、苦労して作った道も一部は元の藪に戻りつつあるとのことでした。新たに切り開らかれたルートを好んで歩く人は多くはないようです。

 

 

 さて、問題の渡渉点はあっけなく判明。分岐点に赤布もあり、登りの際になぜ気づかなかったのか不思議なくらいです。沢沿いに直進さえすればよいという微細な思い込みがいけなかったのかもしれません。といっても小さな山なのでそう大事に至ることはなし。時には藪漕ぎや道迷いに身をゆだねるのも里山歩きの醍醐味では、と思わなくもないです。

 

 

 

 

 

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高瀬峠―疣石山―馬船峠 11/7

2021年11月08日 | 里山 移動運用

 

 

 今シーズンもJR常磐線を使い亘理の山々を歩いてみるつもりです。深山周辺はよく整備されて登山者も多いですが、その北や南はほとんど人に会うこともなく、登山道も少し手が加わったかと思うと翌年は荒れてしまっていたり、訪れるたびに状況が変わります。昨日は高瀬峠から入山、4月に辿ったルートを半年ぶりに歩いてみました。

 

 JR山下駅下車。高瀬峠をめざし林道を進むと左右に石切り場があり、その先1kmほどで峠となります。林道として整備されているのは石切り場まで。4月に訪れた時以上に荒れ方がひどく、特に峠の手前あたりは低木と雑草に覆われ道形はありませんでした。踏み跡すら消えてしまったようです。かつては車も往来した峠道で、「路肩注意」の看板だけが侘しく残っているのですが、見る影もありません。

 

高瀬林道

この先に峠

 

 高瀬峠から急な斜面を登り北に進むと螺吹山。前回見過ごした山頂標識を確認しようと注意深く進みましたが今回も見当たりませんでした。もともとそこが山頂かどうかもわからない状態だったのですが、朽ちてしまったのかもしれません。笹薮の中の細道を進むと伐採地の斜面が見えてきました。伐採がさらに進んだ様子はなく、作業道もそのまま。そのへりに登山道が続き、登り切ったところが疣石山山頂。伐採によるものとはいえ、雑木や杉林の尾根が続く亘理山地にあって見晴らしの得られる数少ない山頂と言えます。西側は谷の急斜面となって高度感もあります。吾妻、安達太良の稜線もうっすらと見えていました。この山は他に大沢山、物見山の山名を持つようで、明治時代の古い三角点も現存します。昔から地元の人々に親しまれた山なのかもしれません。

 

疣石山山頂(314.6m)

 

 さて、山頂にてしばしの無線運用。反射を使えるのでは?と吾妻山に3エレを向け2mSSBにてCQを出し、県内および福島、山形各局に応答いただきました。D-starレピーターのアクセスを試したところ、福島430と福島伊達430レピーターよりダウンリンクあり。福島伊達レピーター山掛けで福島市内局と交信。2mFMでは福島県郡山市の大将旗山移動局の信号が強力に入感。何度か山同士で交信いたいだいている局です。しばしQSOを楽しみ運用終了としました。

 

デュアルバンド軽量3エレ

 

 疣石山山頂からさらに北に向かい馬船峠へ。このまま集落に下ってもよいのですが林道の状態は推して知るべし。いったん鷹討山に登り返すことしに、山頂は踏まず手前の尾根から沢ルートで下山しました。

 

馬船峠 右手に登山道

 

 

 高瀬峠から疣石山頂までは倒木が多く荒れ気味、山頂から馬船峠までとその先の登山道はおおむね良好でした。沢ルートも細々ながら踏み跡が続き、赤布もあります。この数年、山元町側はいろんな新しいルートが拓かれて、それらがどう交差しているのか、あるいは別の登山口につながるのか不明です。今期は一つ一つ辿ってみようかと考えています。

 

 

 

 

 

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