JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

変形バーアンテナONE ICラジオ

2018年08月27日 | ラジオ工作



 秋近し。以前、秋葉原のaitendoでいろんなキットを買い込んだのを思い出し、久しぶりにラジオづくりをしてみました。定番のラジオIC、TA7642を1個使ったONE ICラジオ。2種類あり、今回組み立てたのはバリコン容量が160pFの方。プリント基板と部品のみの構成で、バーアンテナやイヤフォンジャックなどは付属しません。オーディオイヤフォンで聴くにはトランスも必要となります。ラジオ作りの一番の楽しみはコイルづくりなので、自分にとっては好都合です。

 部品総数7個。ゲルマラジオのダイオードをICに換えただけのきわめて単純な回路。乾電池1本で動作します。自分はこういうシンプルな省エネラジオが好みでこれまでも何度か作りました。意外にそういう方が多いのか、aitendoのキットの中でも、ゲルマラジオやONE ICラジオは人気のようです。




 ラジオ基板自体は20分ほどで完成。とりあえず、手持ちのコイルにつないで、セラミックイヤフォンで聞いてみると、まずまずの感度、音量でNHK仙台第一放送が聞こえてきました。ただ、分離は最低で、バリコンのどこを回しても仙台第一が聞こえてしまい、他の放送にかぶってきます。

 さて、続いてコイルづくり。分離の悪さを少しでもカバーするため、フェライトコアを使った変形バーアンテナを作ることにしました。大きめのコイルとフェライトコアのダブル効果で指向性を高められるのでは?との思惑。 

 直径6cmの筒にポリウレタン線10mを密巻きにし(巻き数50回)、ほどけないよう数カ所をホットボンドで固定。そっと筒から抜き、今度は内側を接着剤で固定し、乾いたら外側のホットボンドを取り除く。そんな手順でコイル完成。この方法はボビンを使わずに済み、コイルを自立させることができます。インダクタンスは63μHしかありません。これに長さ10cmのコアを入れたところ、110μH前後となりました。891KHzのNHK仙台第一から1260KHzの東北放送までを受信できればよいので、これで良しとします。我が家の環境では、コイルの巻き数を増やすとかえって分離に悪影響を及ぼし、良い結果になりません。




 コイルが完成したら、あとはいつもの通り、木台に配置し、配線するのみ。これがもっとも時間を要します。あらかじめ全体をスケッチしておいても、組み立て作業を進める内に別の考えが浮かんで、修正を繰り返す、などということが多々あります。部品の配置や配線方法をいろいろと考え、形あるものに仕上げていく。そうしたアナログな工作過程。まあ、自分にとっては他のことを何も考えずに済み、至福の時間ではあります。


完成


 オーディオイヤフォンで聴いてみると、室内でNHK仙台第一、第二、東北放送の3局が十分な音量で聞こえてきました。いつもそうですが、作り終えたラジオから音声が聞こえてきた瞬間というのは何とも言えないものがあります。入手経路の記憶も定かでないトランスもたまたま良かったようで、音質も悪くありません。狙い通り?バーアンテナの向きを変えるとかぶりもほとんど気にならなくなります。ONE ICラジオ、気に入りました。それにしても、こんな簡単な回路でよく鳴ってくれるものです。豆粒より小さなICの中身ってどうなっているのだろう、などと今更ながら考えてしまいました。









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3エレ八木の4エレ化

2018年08月25日 | 八木アンテナ



 ロッドアンテナをエレメントに使い簡単に設営できるように作った2m用3エレ八木。導波器を追加し4エレ化してみました。全長113cm。重さ380g。収納時40cm。大きさ的には第一電波工業の5エレ八木と同等。重さは軽めといったところです。4エレループの場合はけっこう目立ちます。そして設営に少し手間がかかります。山頂でなるべく目立たず、景観を損ねず、手間なく設営することを考えると、この辺りがちょうど良い、もしくは限界なのでは?と思います。










 第一導波器と第二導波器の間隔は37.5cm、エレメント上下43.0cmでマッチングが取れました(SSB帯)。製作は塩ビパイプにロッドエレメントをボルトで固定。3エレ部分に変更を加えず、3エレとしてもそのまま使え、第二導波器をつなげば、4エレに早変わりです。





 4エレにした場合は重量のバランスが変わってしまうのでブームの固定位置(クリップ)を変更する必要があります。それに伴い同軸ケーブル引き回しも変わってきます。とりあえず、いったん横に回してマストに添わせるようにしたところ、特に問題ないようです。マッチングだけでなく三脚とのバランスも考慮する必要があり、ケーブル問題はけっこう厄介です。バラン追加が効果的かもしれませんが、山のみで使うことや軽量化を考え、直接給電としています。




 さっそくベランダで受信してみました。3エレの状態と第二導波器追加し4エレでの聞き比べ。残念ながら、ほとんどその差は感じられませんでした。多少信号が安定するかな、程度。指向性についても違いというほどのことは感じられず、でした。今日は出ている局がほとんどなく、かつ、ベランダといえども気温35度。受信もままなりません。移動運用の機会に3エレ、4エレを比較しながら使ってみます。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

AL-144Fの利得

2018年08月21日 | アローライン



 2mシングルバンドのアローラインAL-144F。軽い上に設置が楽で風雨にも強いことから、このところ山での使用頻度が高くなっています。狭い山頂や荒天時などは特にありがた味を感じます。

 サガ電子のホームページを見るとこのアンテナの利得は0dBとのこと。1/2λフルサイズの変形垂直ダイポールと考えれば、0dB(2.15dBi)は妥当と言えます。製品パッケージには3dBiと表示されており?ではありますが・・・。





 実際のところはどうなのか。気になって、いつもの簡単な聞き比べをしてみました(エレメント改造後ベランダにて)。長さ1.5m前後の7/8λや6/8λのモービルホイップおよびRH-770との比較ではいづれもAL-144Fがわずかに上回る結果でした。ベランダなので反射を拾いやすいのかもしれませんが、他に比べSそのものも強まる印象があります。ノイズに埋もれぎみの信号で、アローラインでは微妙に変調が浮いてくるケースもありました。コイルで整合させたアンテナと違い、余計な回路がなく損失も少ないということでしょう。ナテック2エレ八木との比較で同程度。ロッドアンテナで作った自作模造品でも試しましたが、同じ傾向です。2エレ並みと考えれば実質利得5〜6dBi? 160度のエレメント角度に秘密があるのか、あるいはフルサイズダイポールの本来の実力(0dB=2.15dBiとは限らない?)ということなのか。面白いアンテナです。


 実際の運用実績は何度か書いた通りです。エレメント改造前の初期状態でも遠方との交信ができており、今回あらためて聞き比べてみて、なるほど、と納得した次第です。エレメント改造後は、熊野岳や栗駒山などから5Wで300km~400km超の交信ができています。以前は地形が複雑な低山の方がこのアンテナに向いているのでは?と考えていたのですが、標高の高い山頂では伸びが感じられ、気持ちよく飛んでくれます。一方、遠方の局が聞こえてもQRPで届いてくれない、ということがよく起こります。その場合は、潔く諦めるのがよろしいようです。また、打ち上げ角の影響なのか、さほど遠くない局からのレポートがいま一つのことがあり、まだらに届く印象もあります。このアンテナに限りませんが、電波の振る舞いに単純なものはない、といつも感じます。


 自分は、山岳での運用を前提に、5D2Vケーブル2.5mを給電部に直結しています。そのケーブルも筒を通して垂直に下げる構造のため、引き回しの影響を受けにくいようです。三脚+塩ビパイプに目玉クリップで固定すれば高さ約2m(1λ)となり、手間なく運用可。身の丈に合い、しっくりくるアンテナの一つです。運用中、アローラインを使っていることを話すと、「昔、屋根に上げていた」とか「けっこう飛んだ記憶がある」と懐かしがる方が多く、話が弾んだりします。公称利得0dBのこのアンテナでどんな交信ができるのか、これからも楽しみに使ってみます。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鳥海山周辺

2018年08月16日 | 奥山 移動運用


 14日早朝、午前4時に自宅を出て、鳥海山をめざしました。前日までの好天が続かず、天気下り坂の予報。鳥海ブルーラインの途中からガスがかかり、登山口の鉾立駐車場はさらに濃いガスに覆われていました。それでもいくつものグループ、単独登山の方々が次々登っていきます。午前7時40分、上下雨具を着て登山開始。今日はXも一緒なので無理せず、とりあえず御浜小屋をめざすことにしました。





 登山中は時々ガスが薄くなり、日が射すこともあったものの、それも一時でした。晴れていればすぐ前に見えるはずの稲倉岳も雲の中。ゆっくり登り2時間弱、御浜小屋のある稜線に着いてみると、南からの猛烈な風と湿ったガスに見舞われました。立っていると吹き飛ばされそう。予想していたとは言え、この状態で山頂に向かうのは厳しいと判断、ここで引き返すことにし、小屋近くの岩場で風を避け、1時間ほど無線運用しました。標高約1700m地点。


 <本日の装備>
リグ FTM10S(145MHz FM 3W 運用)
アンテナ アローライン
バッテリー NCR18650B 3本直列



 荒天が予想されたので装備はFTM10Sとアローライン。FMのみの運用。短時間でしたが、7、0、8エリア各局に応答いただきました。7エリアは青森、岩手、秋田、山形、宮城、福島、東北6県の全てとつながりました。0エリアは新潟各局、新潟市、魚沼市、糸魚川市。9エリアもつながるかと期待しましたが、応答はありませんでした。8エリアは函館市、北斗市。それぞれ良好に入感とのことで59のレポートをいただきました。距離約300km。この日の最遠方交信でした。横なぐりの雨がぱらつき始め、ログメモを取るのも困難になりQRT。ここでの運用は3回目。前回もそうでしたが、アンテナに水滴が付き、かつ揺れも激しく、けっしてよい状態ではありません。それでも北も南も遮るもののない尾根だけあって、QRPで良く飛んでくれます。特に8エリアと相性が良いようです。


 翌15日、鳥海山の麓、「にかほ高原」に立ち寄ってみました。日本海からの風が強いらしく、風力発電の施設が10数基並んでいます。もっとも標高の高そうな所にベンチがあり、眺望も悪くありません。誰もいなかったので思わずアローラインを上げてしまいました。発電施設からのノイズを心配しましたが、問題なし。ダメもとでCQを出してみたところ、秋田市、青森県弘前市、岩手県遠野市、宮城県登米市各局より応答いただきました。100~150km程。旅先で良さそうな場所を見つけてQRV。タイミング次第で思わぬ所との交信にめぐり合わせる。これも無線の面白さかな、と思います。


 帰路、一度訪ねてみたかった遊佐町の牛渡川と丸池に寄ってみました。あまり知られていない場所かと考えていたのですが、意外に観光客が多いのに驚きました。牛渡川は鳥海山からの伏流水がつくる幅5mほどの小川です。わずか4kmで日本海にそそぎます。透き通る清流に、梅花藻が満開の花を咲かせていました。すぐ近くの丸池も鳥海山の湧水で満たされた小さな池です。牛渡川から歩いて5分ほど。エメラルドグリーンというより濃いブルーの何とも言えない神秘的な雰囲気がありました。水の透明度が高く、底に沈んだ木々も見えていました。ほとりに丸池神社があり、池そのものがご神体とされているのだとか。畏敬の念と親しみをもって丸池様と呼ばれているそうです。


牛渡川



丸池様




コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蔵王・熊野岳8/12

2018年08月12日 | 奥山 移動運用



 今シーズン3度目の熊野岳。エコーラインの途中、ガスがかかったものの、コマクサ平を過ぎると急に視界が開け、稜線が見えてきました。刈田岳駐車場に午前6時前着。こんな早朝なのに、すでに駐車場は3割ほど埋ってました。休日の好天とあって、ご来光目的に皆さん登ってこられたようです。

 写真を撮りながらゆっくり登り、それでも6時40分山頂着。眼下は一面の雲海。雲海にも静かな海もあれば荒れた海もあります。今日はまるで荒波。その迫力に圧倒されてしまいました。






 山頂の一角、少し離れたところでアンテナを設置。

 <本日の装備>
リグ FT817 (5W 144MHzSSBおよびFMで運用)
アンテナ 4エレループ、アローライン
バッテリー NCR18650B 4本および3本直列


 午前7時前から運用を始め正午頃まで休憩を入れながら5時間ほど山頂に留まり、SSBおよびFMでCQを出したり、お声がけしたり、約40局に交信いただきました。どちらかというとワッチしている時間が長かったように思います。登山者や観光がてら登ってくる方も多く、例によって「何をされているのですか」とか「どことつながるんですか」とか「遠くのお友達と連絡とるんですか」とかいろいろ聞かれます。4エレループは目立ってしまうようです。




 今日は7エリアのほか、1、2、0、8エリア各局に交信いただきました。1は茨城、千葉、東京各局。2は岐阜県下呂市、海津市。0は新潟県上越市、柏崎市。8は美唄市、松前町。いづれもSSB。下呂市移動局ははじめ31~41で入感。5Wで呼んでも無理と判断し、コンディションが上がるのを待つことに。30分後、再度ワッチすると今度は安定して入感し、59-55でレポート交換。さらに/2愛知県春日井市移動局。こちらには41の信号で了解できましたが、コールサインがどうしても了解いただけず不成立。海津市固定局は51-51で交信、終始安定した信号。距離約470km。この他、3エリア兵庫県養父市移動局、4エリア岡山局も31程で入感するも、届きませんでした。

 北は北海道美唄市移動局と52-52。さほど標高が高いわけはない丘での運用とのこと。アンテナ設備はお聞きせずにしまいましたが、安定した信号で、交信後もずっと聞こえていました。本日の最遠方交信。距離約590km。松前町移動局とはSSBでの交信後、アローラインにてFMでも入感。安心して話していると急激にフェードアウトしてしまいました。しばらくして再度CQが聞こえ、再び応答しレポート交換。無事ファイナルを送ることができました。ピーク57、深いQSBを伴い、落ちると全く聞こえず。イチかゼロ。まるでデジタル交信をしているようでした。




 山岳では新潟八石山、秋田駒ヶ岳の移動局に交信いただきました。自分はお盆休み中、もう1回くらいはどこかの山から運用できればと考えています。

 本日も、しばらくぶりの出会いなど、さまざまな交信がありました。QSOいただきました各局さまに感謝です。ありがとうございました。
 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする