JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

泉ケ岳旗頭展望台―女神山 特小実験

2011年11月20日 | 里山 移動運用


 週間天気予報で週末は雨、移動運用は絶望的と諦めていたのですが、低気圧は土曜の夜には通過して日曜は晴れそう、ということで、急きょお願いし、特小実験となりました。

 当局の移動地は、泉ケ岳の旗頭展望台(仙台市泉区)。山頂では何度となく無線運用しておりますが、旗頭展望台は今回が初めて。スキー場の最上部からさらに50m程登った小ピークで標高は799.1m。すぐ下がスキー場なので、南は遮るものなし。高度感もなかなかです。蔵王連峰や宮城県南部の山々が一望でき、東に松島はじめ太平洋まで見渡せるFBなロケーション。 


旗頭展望台


スキー場最上部より


 お相手の局は、前回と同じく福島県伊達郡川俣町の女神山。標高599m.。カシミールで両地点の見通しを確認したところ「見えます」判定。距離は78.103kmとなりました。これまでの特小トランシーバーでの最長交信記録は、前回の62.8km。今回はいかに・・・。




 バス停から30分ほどの登山で、9時45分、旗頭展望台に到着。打ち合わせ通り、430MHzで連絡を取りあったところ、59で強力に入感。女神山局は0.3Wとのことでしたが、なんら問題なし。こちらも0.5Wにパワーダウンして変わらずのレポート。FBな伝搬を確認し、特小実験に移りました。


 レジャーチャンネルにて何度か呼んでみたところ、数回目で応答が返ってきました。信号が不安定なようで、強く入感する場所を探してみるとのことで、何度かまた呼び続けたところで、再び入感。弱めながら、十分了解可能。でも、動くと交信できなくなりそうなので、同じ状態を保って、こちらから55のレポートを送りました。女神山局からは59のレポート。あらかじめ、交信できそうとの予想があったので、さほど感動はないのですが、思っていたより弱めで、信号の強弱が大きいのが意外でした。

 また、これまで経験のない耳障りなバックノイズがあり、それが微妙に変化して了解度を低下させます。安定して交信できているな、と思っても、突然、途切れてしまうことも何度かありました。その度に、呼び続けて信号を探す、やっと見つけて、交信再開、その繰り返しでした。大気の状態も不安定。女神山からはこちらの山が見えているそうで、「はっきり見えている時は信号も強くなり、かすんでくると弱くなる」とのレポートもいただきました。前回うまくいった水平偏波も試してみましたが、今日はなぜか良くありません。垂直偏波で59だったのが55に低下。必ずしも水平偏波が良いわけではなさそうです。

 ともあれ、ときどき信号を見失いながらも、1時間20分ほど交信を続け、無事ファイナルとなりました。

 見通しとはいえ、わずか10mW。先ほどの430MHzでの交信とはまったく別世界でした。超ローパワー+付属ホイップでの交信は簡単ではありませんね。女神山局は、ショートアンテナタイプの特小でも受信を試みたそうですが、当局の信号をとらえることはできなかったとのことです。





 地形や大気の状態など、ハイパワーの交信では気づかないことも、ローパワーではまともに影響受けますね。逆に、気象などのわずかな変化を感じながら交信できるということでもあり、これもローパワーの魅力ではないかと思ったりもします。


 特小トランシーバー10mW、78km成功。距離を伸ばすほどにスリリングな交信となってきました。



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16Ωイヤフォン

2011年11月19日 | ゲルマラジオ


 同調回路、検波回路、受話回路、この単純明快なゲルマラジオゆえに、一つ一つの部品の良し悪しが受信性能を大きく左右する、このことは何度か書きました。

 部品は、コイル、バリコン、ダイオード、トランス、イヤフォン、および配線のための線材。これだけです。核心となるのがコイルであることは言うまでもありません。16本のフェライトバーにリッツ線を巻いた極太コイルを中心に、部品にこだわって作ってみたのが前作のプレミアムゲルマラジオでした。気持ち良いほど分離に優れ、いつまでも聴いていたくなります。音が小さいのは仕方がないとしても、分離の良くないラジオというのは聴く気になりませんね。
 

 トランスはマグネチックイヤフォンを鳴らすためなので、クリスタルイヤフォンなら不要です。自分だけかもしれませんが、クリスタルイヤフォンだと耳穴にうまく納まらず、手で押さえないと落ちてしまうのです。それに耳穴が痛くなって、長くは聴いていられません。ということで、トランスを使って、両耳タイプのマグネチックイヤフォンを鳴らすことにこだわっております。


 先日、100円ショップで売り場を眺めていたら、インピーダンス16Ωのイヤフォンが1種類だけあるのに気づきました。商品の裏面に

 <スピーカー規格>
 出力音圧 107+-5db
 インピーダンス16Ω  とありました。




 陳列してある他の6種類を確認したところ、今使っているイヤフォンも含め、すべて32Ωとなっていました。トランスが20kΩ:8Ωということを考えると、少しでもインピーダンスの近い16Ωの方が効率よく鳴ってくれるのでは?


 さっそく購入して試してみた結果は・・・・すごいです! なんと倍近い音量で聞こえてきました。低音が効いて音質も悪くありません。急に感度が良くなったような感じで、実際、これまで聞こえなかった東北放送が、かすかに聞き取れるようになりました。イヤフォンを変えただけですが、思わぬサプライズ。それにしてもこの音、大きさと言い、音質と言い、これが外部アンテナなしの無電源ラジオとは思えない程です。





 鉱石ラジオ全盛のころは、マグネチック式の両耳ヘッドフォンで聴くスタイルだったようです。インピーダンスが10k~40kΩと高く、そのままラジオに接続して聞けたわけです。山の大先輩の話では、昔はクリスタルイヤフォンではなく、確かに、マグネチック式だった、分解したこともある、舶来品で音も良かった、とのことでした。『ぼくらの鉱石ラジオ』には、当時のハイインピーダンスヘッドフォンが写真で紹介されています。たいへん高価なもので、ラジオ本体より高かったのだそうです。今はもう、わずかに残った年代物中古品を探すしかありません。いったいどんな音を奏でてくれたのでしょうか?ほんと、ゲルマラジオって興味が尽きません。





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萱ケ崎山―女神山 特小実験

2011年11月14日 | 里山 移動運用


 特定小電力トランシーバー(特小)での最長交信記録は、月山と笹谷峠「はまぐり山」の約52km。なにしろ10mWと付属ホイップなので、これでも自分としては驚きですが、今回、さらに記録更新をめざし、仙台市太白区の萱ケ崎山と福島県伊達郡川俣町の女神山との間で、交信実験をおこないました。

 萱ケ崎山は、標高379m。合併前の仙台市の最高地点です。見晴らしは必ずしも良くありません。山頂に鉄塔があり、そのあたりから南に開けて、蔵王連峰が望めます。一方の女神山は、標高599m。登ったことはないのですが、山頂の見晴らしは良好とのこと。どちらも典型的な里山で、その間には、青麻山などもっと高い山が散見されます。



 カシミール3Dで、山頂間が見通しかどうか確認したところ、「見えます」判定。距離は62.8kmと出ました。ただ、1)見通し線の下100mほどのところに、いくつかのピークが連なっており、分散で信号が弱まる可能性がある、2)萱ケ崎山の山頂にある鉄塔と高圧線の影響を受けるかもしれない、などの懸念材料もありました。


萱ヶ崎山山頂より 正面に青麻山 そのはるか先に女神山?

鉄塔の足下で運用


 さて、ちょうど9時に萱ヶ崎山の山頂に到着。曇りがちの天気ですが、空気は澄んでおり、青麻山など南の山々が遠くまで見えています。女神山がどれかは確認できません。145MHzハンディ機で連絡を取り合ったところ、強力に入感。さすが見通し。問題なさそうなことを確認して、さっそく特小実験を開始しました。リグはDJ-R20D。ロングアンテナタイプ(と言ってもわずか17.5cm)。

 当局「こちらJO7TCX、聞こえてますか?」
 相手局「・・・・」
 当局「入感ありませんか?」
 相手局「今・・少し聞こえました。こちらの・・信号どうですか?」
 当局「52ほどで入感です。了解できてます。おわかりですか?」
 相手局「・・・・・」

 こちらの信号が弱いのか、とぎれとぎれとなって、交信が成立しません。5m程動き回ってみたものの芳しくなく、そのうち、何度呼びかけても応答がなくなってしまいました。半ば、あきらめかけたその時、「JO7TCX入感ありますか?」との明瞭な信号。応答したところ、こちらの信号もなんとか届いてくれたようで、ようやく交信成立となりました。相手局は12~13m程移動して良好なポイントを探し当てることができたそうです。感謝。



 こちらからRS55、相手局からは59のレポート。立った状態より座った状態の方が良好で、動かない限りは安定して交信できました。


 続いて、双方のトランシーバーを横向きに寝かせて水平偏波にしてみたところ、57までSが上がり、相手局からも59オーバーのレポートをいただきました。垂直より明らかに信号は安定します。約1時間、この状態で交信を続け、無事ファイナルを送りました。今回の特小実験、62.8km、記録更新。


水平偏波で実験


 教訓としては
 1)すぐに交信できなくとも、信号の入るポイントを粘り強く探してみる。
   ポイントさえ決まれば安定して交信可。
 2)水平偏波の方が良好。

 といったところでしょうか。いづれにしてもローパワーの世界は、スリリングで奥が深いです。


 子供のころ遊んだ玩具トランシーバーの出力は、確か50mWだったと思います。特小は10mWで玩具以下。そんなことから、特小なんてオモチャ並みと見くびっていたのですが、とんだ考え違いでした。送信電波の質、そしてなにより受信性能が格段に進歩しているのだと思います。付属ホイップもシビアに調整されているようで、なかなかの実力を秘めた省エネハンディ機と言えなくもないですね。いったいどこまで交信できるのか?里山同士の交信もまた楽しみになってきました。




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カシミール3D

2011年11月07日 | 運用スタイルなど


 以前から気になっていた地図ソフトの「カシミール3D」。Windows7にも対応したということで、使ってみることにしました。DVD付きの『入門編改訂新版』(杉本智彦著 実業之日本社 2520円)。このソフトは、著者が個人的に作成し配布しているフリーソフトで、解説本と一緒に書店で販売されており、お使いの方も多いと思います。



 どんなことができるソフトかと言いますと、1)山頂などからの展望図を作れる、2)地図からリアルな風景図を描ける、3)その山頂からどの山が見えるのか、また見えないのか判定できる、4)地形の断面図が作れ、登山ルートの高低差がわかる、5)これらをデータ化できる、6)GPSやデジカメ情報を取り込める、等々です。他にもたくさんの機能があるらしいのですが、使い始めたばかりなのでわかりません。

 この中で、特に興味を持ったのは、その山頂から見える山が判定できる、という機能です。「見える」というのは、肉眼で実際に見えるかどうかではなく、「見通し」になっているかどうかということ。なので、無線運用、特にVUにおいて、その山頂間で交信可能かどうかをあらかじめ机上で推定することができるわけです。

 インストールして、さっそく使ってみました。

 「泉ケ岳 特小実験」で書いたとおり、吾妻連峰の一切経山と泉ケ岳との間で失敗した特小での交信。このソフトではどういう結果となるのか?

 ある山からある山が「見通し」であるかどうかを知りたいときは、可視マップの「一発判定」という機能を使います。基本ポイントに泉ケ岳、判定ポイントに一切経山を入力して、判定ボタンを押すと、二つの山頂間の断面図と共に「見えません」の判定結果。地図上に障壁となっている位置が示されます。南蔵王の南端にある不忘山が障壁となっていました。山頂間の距離や他に障壁となりそうな山はないか、などもわかります。


一切経ー泉ケ岳の断面図  障壁あり 「見えません」判定


障壁となっているのが不忘山と判明


 続いて、特小で交信成功した太白山との間はどうか。結果は、「見えます」。表示された断面図を見ると、太白山の北に小高い山がもう一つあって、少し下山すると見えなくなる可能性がありそう。距離は21.267kmと表示されました。


太白山ー泉ケ岳 「見えます」判定


 続いては、「見える山リスト」機能。泉ケ岳から見える山をリストアップします。基本ポイントに「泉ケ岳」を入力し、「見える山」ボタンを押すだけで、山名一覧が表示されます。全部で57山表示されました。北は北上山地の青松葉山(距離158km)や早池峰山(144 km)、五葉山(125 km)、西は鳥海山(95 km)、大朝日岳(71 km)、飯豊連峰の大日岳(112 km)。南は、安達太良山(95 km)、蓬田岳(128 km)、最南端は八溝山(128 km)。安達太良山が見通しというのは思わぬ発見でした。


 さらにこのソフトのすごいのは、「可視マップ」が作れることです。その山からの見通しの範囲を地図に色分けしてくれます。たとえば、泉ケ岳の山頂から自宅が見えるのか、逆に宮城県周辺のどこから泉ケ岳が見えるのか、ということがわかります。

 基本ポイントに泉ケ岳と入力し、計算範囲を半径200kmに設定、計算メニューは「高密度に計算」から「粗く計算」まで4段階で選べます。時間がかかるようなので、粗く計算で作成してみました。「見える山リスト」とほぼ符合するように、可視範囲が地図上に色分けされました。ポイントでなく面的に視覚化されるので、山頂以外にも、この辺りまでは交信できそう、というような推定が可能です。もちろん、反射もあるので、一概には言えませんが・・・。


ピンクに染まったところが泉ケ岳からの見通し範囲 
安達太良山や飯豊連峰も染まっています


 去る10月10日、山形県の月山から下山の途中、「牛首」というところで休憩を兼ねて、ハンディ機でワッチしたところ、新潟県妙高市からのCQが聞こえてきました。思わず応答すると、火打山山頂からハンディ機で運用とのこと。標高2462m。以前も1、2度交信した局で、ロッドアンテナRH770をお使いでした。当局もこの時、同じアンテナを使っていました。距離約250km。レポートは双方とも59。相手局は2.5W、こちらは5W。あまりにも強力な信号で、にわかに信じられない思いでした。今回、カシミール3Dを使って調べてみると、二つの山頂間は完全な見通しとわかりました。たぶん牛首あたりも見通しということでしょう。月山からは白馬岳も見通しとわかりました。


月山ー火打山 障壁なし


 登山ルートを考えて、自分だけの地図を作ったり、そこに様々なデータを付け加えたり、さらに鳥瞰図を作ってみたり、山好きにはたまらないソフトと思いますが、無線好きにもすばらしいの一言です。日本全国どの山頂とどの山頂が交信可能なのか?一日、そんなことをして遊んでしまいました。

コメント (6)
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プレミアムゲルマラジオ

2011年11月06日 | ゲルマラジオ


 16本のフェライトバーを束ねた極太バーアンテナを使って、プレミアムなゲルマラジオを作ってみました。もちろん性能は超高感度?


<部品一式>
・コイル 極太バーアンテナ
・バリコン
 エアーバリコン4連式を3つ連結で使用。容量は318pF。
 ラジオ少年通販で特価品を購入。
・トランス
 20kΩ:8Ω 1W。こちらもラジオ少年通販で購入。
・ダイオード 1N60(購入先不明  たぶんマルツ仙台)
・イヤホン
 ステレオ両耳タイプのマグネチックイヤホン(100円ショップ)


エアーバリコン こんな箱に入っていました


 以上5点のシンプルな構成で、最も基本的な回路としました。コンデンサーや抵抗も省きました。以前も書いた通り、我が家の環境においては、倍電圧はじめ回路をいじって部品点数を多くしても有益な結果は得られないようです。その代り、それぞれの部品にこだわりました。印象ですが、ポリバリコンよりエアーバリコンの方が分離は良好です。今回採用したものは、中古品のためか、ダイヤルを回した時の感触も重みがあって悪くありません。トランスは、トランジスター用のST-32ではなく、真空管用の20kΩアウトプットトランス。これで両耳マグネチックイヤホンを鳴らします。検波器はゲルマニウムにこだわって1N60。




ダイオード交換可


<製作>
 各部配線をあらかじめハンダ付けして、かまぼこ板に配置し、ネジで固定。注意点は、エアーバリコン連結の際に、薄い銅版に接触しないようにすること、両極の接点をよく磨いておくことくらいでしょうか。ダイオードは、取り換え可能な交換式とし、コイル(バーアンテナ)との接続はミノ虫クリップによるタップ切り換え式です。あえてコイルは固定せず、板の上で回してジャイロアンテナ風に方向を合わせられるようにしてみました。


バリコン3連結

タップ切り換え式


 両耳マグネチックイヤホンの接続ですが、端子を切断し、全部で4本あるリード線を2本ずつハンダ付けします。この線(リッツ線?)は、ハンダがのりにくく難儀しました。また、100円ショップで4種類ほどステレオイヤホンが売られていて、2種類購入して聞き比べてみたところ、音の大小と音質に明確な違いが感じられました。安価なので、いろいろ比べてみると良さそうです。


完成  ジャイロアンテナ風?


 そんなこんなで完成したプレミアムゲルマラジオ。ごちゃごちゃした配線がなく、すっきりしました。窓際のテーブルに置いて、慎重にバリコンを回してみると・・・。NHK第一の音声がフワっと浮かび上がってきました。そしてNHK第二も。分離に切れがあります。聞こえて当たり前ではあるのですが、ラジオ作りは、この瞬間が何とも言えません。

 せっかくなので、ダイオードを変えて聞き比べをしてみました。1N60との比較。
 ショットキーダイオード
 ・1SS97   音量小さくなるがまずまず。 
 ・1SS106   極端に音量が小さくなり実用不可
 ・1SS108   極端に音量が小さくなり実用不可

 トランジスタ
 ・2SA100  音量はわずかに小さくなるが低音が増して聞きやすい
 ・2SB423  極端に音量が小さくなり実用不可

 以前、実験用ゲルマラジオで聞き比べた時とは、かなり違った結果となりました。今回は、1N60がベストでした。トランスとの相性があるのかもしれません。今後の課題としておきます。


 無電源で、外部アンテナも無い、このラジオ。空間に漂う電波をコイルのみでとらえて誘起電圧を起こし、音声に変える。なんだか神秘的ですらあります。両耳マグネチックイヤホンから聞こえてくるクリアなHi-Fiは、かつて子どもの頃、「科学と学習」の付録で作ったゲルマラジオのかすかな音とは、比べようもありません。







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泉ケ岳 特小実験

2011年11月05日 | 奥山 移動運用


 もう11月というのに、異常な暖かさが続いていますが、そろそろ奥山の登り納め。泉ケ岳もたぶん今年最後です。毎年、4~5回は登っているローカルな山で標高1175m。山頂そのものは見晴らしはないのですが、北泉ケ岳方向に進むと、目の前の船形連峰から蔵王の山々、運が良ければ遠くに朝日連峰も一望できます。

 この山は3か月程前、特小トランシーバーの交信実験をおこない、見事失敗に終わりました。相手局は、吾妻連峰の一切経山。距離約90km。実は、その前に、20kmの交信に成功し、一気に距離を伸ばそうと欲張ったのが良くなかったようです。南蔵王の小ピークが遮り、見通しではありませんでした。その後、月山と笹谷峠の「はまぐり山」の間、約52kmで交信成功。双方の都合がついた時だけなので、少しずつではありますが、10mWの交信実験を楽しんでいます。


アルインコ DJ-R20D

 ご存知のとおり、特小トランシーバーというのは、出力わずか10mW、アンテナは付属ホイップのみで、外部アンテナ不可。スキー場、キャンプ場などせいぜい数百メートルの連絡用という設定の無資格で使える無線機です。自分もグループ登山の時の前と後ろの連絡用として購入しました。震災の時に使った程度で、ほとんど引き出しに仕舞ったままだったのですが、その後、意外にも遠くと交信できることを体験して驚いてしまいました。実は今回も、スケジュールを組んでの交信実験。この小電力無線、いったいどこまで交信できるのか?

 山頂はあいにくガスがかかって、眺望はありません。あらかじめ決めておいた時刻を見計らい、打ち合わせ通り、145MHzメインで呼んでみたところ、さっそく応答あり。事情により予定していた山ではなく、仙台市内の太白山山頂(標高320.7m)とのこと。すぐに特小に切り替えて、呼んでみたところ、問題なく交信成功。距離約20km。こちらは57、太白山からは53のレポート。少し位置を変えるだけで、Sが変わるのがわかります。そのうち、ガスも切れて、相手局のいる太白山を確認することができました。かわいらしい三角形の特徴ある山容。完全な見通し。交信している内に、だんだんコツがつかめ、腰を下ろして長話モードとなりました。市街地なら数百mでも交信できるかどうかなのに、山の上は、ほんと良く飛びます。

 今回は20kmと控えめ?ではありましたが、前回の52Kmと比べて強力に入感という感じでもなく、あまりRSに変化はありませんでした。見通しさえ確保できれば、距離による減衰はさほどでない印象です。




 実験終了後、145MHzでCQ。県内3局とのみ交信して、バス時刻に間に合うように早々に下山。中腹の岡沼あたり、一面のススキ野になっておりました。




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超高感度バーアンテナ

2011年11月02日 | ゲルマラジオ

 28cmの細長いフェライトコアでもマグネチックイヤホンを無電源で鳴らしてしまうバーアンテナ。ならば、もっと長く、太くしたらどうなるのか?

 長さ18cmのフェライトバーを16本購入して実験してみました。1本300円。締めて4800円。まあ、趣味なので良しとします。

 はじめに、以前に作った「大型バーアンテナ」の両脇に、4本束ねたフェライトバーを接続してみました。バーは全部で12本。全長52cm、太さ2cm。接続はクリアファイルを適当に切って、巻きつけただけです。ここまで長いと、もはやコイルというよりも、アンテナそのもの。





 インダクタンスを測ってみると、7つあるタップの両端で671μH、最も少ないところで78μH。大型バーアンテナ単体に比べると、最大で150μH上がりました。

 さっそく窓際に置いて、クラシックゲルマラジオにつないでみたところ・・・外部アンテナなしの無電源ラジオとは信じられない程の大音量で聞こえてきました。クリスタルイヤホンでは音が大き過ぎ、トランスを挟んでマグネチックイヤホンで聞いて、ちょうどよい音量。分離もすこぶる良好で、まったく混信はありません。大型バーアンテナ単体で受信できなかった東北放送もなんとか聞き取れます。超高感度。これは、いつも窓際に置いて、室内アンテナとして使うには良いかもしれません。




 次に、いったんバラして、16本全部を使って極太バーアンテナを作ってみました。長さは18cm、太さ約4cm。クリアファイルで丸め、その上からリッツ線(0.1mm×40本)を合計48回巻きました。はじめ70回ほど巻いたのですが、同調点がずれてしまったようで、慎重に巻き数を減らして確定しました。タップは4か所とし、リッツ線の両端は使わず、巻きつけてテープで留めてあるだけです。





 インダクタンスは、最大で492μH、最少で57μH。中間のタップ同士では254μH。コイル部分は、フェライトバーのほぼ中央としました。

 さっそく聞いてみたところ、52cmのバーアンテナとの比較で、ほぼ同等の結果となりました。どちらも28cm1本の横長バーアンテナや16cm4本束の大型バーアンテナより3倍ほどの音量です。本数に比例して十数倍感度が良くなるわけではありません。分離はこちらもすばらしく、まったく混信なし。ソレノイドコイルに比べると分離の良さが際立ちます。強力なNHK第一もバリコンを回すと、スパッと聞こえなくなり、続いてNHK第二が、さらに東北放送がかすかに聴こえてきました。良く聞こえる方向にバーの向きを合わせて、NHK第一は59フルスケール、NHK第二は55、東北放送は32~42程度。

 試していませんが、長さと太さのバランスを考えると、バー8本を2組作って、長さ36cmの横長にすれば、ベストな結果が出たかもしれません。



 でも、この極太バーアンテナ、コンパクトで気に入りました。大きさ的にはこのくらいを限度としておきます。なんと言っても、外部アンテナとアースが無くとも、手軽にテーブルやベランダに持ち出して聴けるのがいいです。窓から2mほど離れた室内でも、NHK第一は十分な音量で聴けます。

 この大きさでこれ以上の感度を求めることはできないかもしれません。フェライトバーの威力は絶大です。あとは、線材とか、巻き方でしょうか?



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