AWXアンテナは何本か自作して、今、手元に残っているのは、ロッドアンテナ4本を塩ビパイプ(ブーム)に取り付けた山岳移動用のもの1本です。本来はツインデルタループとして作ったアンテナですが、左右のエレメントを取り外して長さを調整すれば、AWXアンテナとして使えることは以前に書いた通りです。形はV型ダイポールを上下に取付けたような構造となります。上がエレメント、下がラジアル。
今回は、あえてAWXアンテナとして使ってみました。運用地は、角田市の大森山(標高315m)山頂です。ここでの無線運用は2度目となります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/f6/9d033ab7c33bc2b1fc92bf06debcdf50.jpg)
今年一番の気温で、つい何日か前まで寒かったことが嘘のようです。たいした登りではないのですが、一汗かいてしまいました。
さっそく三脚を広げてアンテナを設置。あらかじめエレメントに印をつけておいて、ロッドの長さは49㎝。あとはX型に広げるだけなので簡単です。念のためAA-200で測定してみると、SWRは1.2と良好。リグはいつものDJ-S17(今回はほとんどが0.8Wの運用でした)。
今日は同行者がいるのであまり時間はとれません。さっそくCQを出してみました。一応指向性もあるようなので、給電部を南に向けてみました。はじめに若林区のOMよりQRPにてお声がけいただきました。0.8Wで 59のレポート。続いて、伊達市、大河原町(ハンディ)、泉区、大和町(ハンディ)などからも59のレポート。石巻からは53。栗原市移動局からは57。栗駒山のいわかがみ平からオンエアとのこと。2年前の地震で不通が続いていたと思っていましたが、最近復旧したようです。登山道まで復旧したかどうかは判らないとのことでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/3b/12b8e4dc4e4c176c4b9041a110ddf8ab.jpg)
アンテナを回して信号の強弱を確かめてみました。さほど指向性は強くありません。微弱な信号でない限り、回す必要もないようです。少し指向性のあるGPアンテナという感じです。短時間の運用で、特に遠方との交信はありませんでしたが、ほぼ県内全域には飛んでくれているようです。1時間程、運用を続け、正午すぎにQRT。誰もいない山頂を後にしました。
このアンテナは、広帯域が特徴で、寸法を変えることなく、145と430の両方に使えます。めったに430に出ることはないのですが、両方使いたいという向きには、自作も簡単で便利なアンテナと思います。
《帰宅後》
もともと広帯域なアンテナなので調整するところも特にないと、勝手に思い込んでいたのですが、ホームに戻ってから、ちょっとしたいたずらをしてみました。
まずは角度90度のX型、基本形。AA-200のSWRグラフは下のようになりました。ほぼ1.2フラットです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/80/a68bed09687a23a476432fecde785708.jpg)
次に、上下のエレメント角度を120度にして、扁平型にしてみました。SWRは1.5フラットに上がりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/36/6ece0f33be1907c428147bc235e36a81.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/76/0bcda304cc2131d54099e8a41107a313.jpg)
今度は上下エレメント角度を45度にして、縦長型にしました。同じくSWRは1.5フラットでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/f4/4c65d8561c181f0081619730e838e9df.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/84/e2cc6f50d106eb39443296fa00359a6d.jpg)
やはり基本形が安定しているのかなと思ったのですが、ここでいたずらをして、上を45度に狭め、下を130度程に広げてみました。結果は良好でSWR1.1フラットとなりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/e7/8e698987417138d560b04a479aabed89.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/40/23c0bcde5d02f064c657f854e1f2f444.jpg)
今度は逆に上を130度程に広げ、下を45度に狭めたところ、やはり結果はSWR1.1フラットとなりました。どちからを広げすぎても、狭めすぎてもSWRは上がってしまいます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/91/ffe5d7238f328db0f689566bfb51907f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/c6/212efedafb82fcbca3b4ddd2156d21bf.jpg)
どうも上下の角度の総和が170~180度になればSWRは下がるようです。広帯域の特性に大きな変化はありません。あえて変形にすることでどんなメリットがあるのか?指向性は?などわからないことばかりですが、Xの基本形に必ずしもこだわる必要はなさそうです。
まだ試していませんが、エレメント長の調整次第では6mバンドにも使えるようなので、設営や撤収が容易な3バンド移動用アンテナの決定打?となるのかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/8a/f49409deec8fc3ba0757f12f0dff0eb8.jpg)
収納状態。
下のエレメントと干渉してコンパクトにまとまりません。もう一工夫してみます。