JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

1200MHz  1λヘンテナ

2024年02月09日 | ヘンテナ

 

 

 1200MHz対応のPS100を購入したことでもあり、何か自作でもと思い、試しに1λヘンテナを作ってみることにしました。5エレプリンテナの調整時に感じたのは1200MHzともなるとエレメントの長さが0.5mmの違いでも特性の変化が大きいということです。ヘンテナは過去に2m用を作ったことがあり、素直な特性で帯域も広く、作りやすいかな、と考えた次第です。通常のヘンテナを二つ並べてスタックにしたような形状で、利得は6.7dbiほどのようです。

 

 ハンディ機直結タイプの製作事例が多くみられますが、自分はどのみち三脚やポールを使うことが多いので、それを念頭にケーブル接続としました。

 

<材料>

直径3mmおよび4mm銅パイプ

同軸ケーブル1.5D-QSUPER 1.5m(コネクターSMAP)

塩ビパイプ7㎝ 結束バンド

 

<製作>

 ネットで公開されているデータを参考に製作しました。ただ、エレメントに銅パイプを使ったため、パイプ幅の中心で寸法をとりましたが、実際は1mm前後の誤差はあるかと思います。銅パイプ同士のはんだ付けは久しぶりで、だいぶてこずってしまいました。当初は2本の縦エレメントを仮止めして、調整後に固定しようと考えていたのですが、気持ちの余裕がなくなり、無調整のままはんだ付けしました。給電部の間隔は4mmとってケーブルを接続、すべてのはんだ付けを終え、最後に塩ビパイプに結束バンドで固定し、とりあえず完成としました。ケーブルを含めた重さは65gです。

 

 

 

 1λヘンテナの基本形とほとんど変わりませんが、自分の備忘録として手書き寸法図載せておきます。

 

<測定>

 三脚に設置した状態で測定した結果は、下のとおりです。

 

 共振点は1295.000付近、SWR1.025。帯域も1200.000~1400.000までほぼ1.5以下。さすがヘンテナ、これまでいろんなアンテナを作りましたが、作ったそのままの無調整でこれほど良好な結果はあまり記憶にないです。

 

 ベランダからレピーターにアクセスしてみたところ、5エレプリンテナに比べS1~2低下するようです。1λヘンテナなりの利得かと思います。サイドは切れ、8の字指向性も確認できました。性能的なことはともかく、1200MHzの電波を自作アンテナから出せただけでもちょっとした満足感がありました。

 プリンテナと両方持って山で使ってみます。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1λヘンテナ (145MHz)

2009年10月14日 | ヘンテナ
 2/3λヘンテナのまずまずの出来に気を良くして、今度は1λヘンテナを作ってみました。基本型のヘンテナの長辺が1/2λですから、これをスタックにしたものと考えられます。給電部から左右1メートル、全長2メートルの横長のアンテナです。



 実験的に使うだけなら、銅パイプをつなぎ合わせて作ることもできますが、当局としては、実際に山で実用になるものにしたいと考え、今回もロッドアンテナを使うことにしました。ただ、1メートル以上のロッドアンテナが手に入らず、マルツで入手できたのは82センチ4本です。足らない分は、ホームセンターで売っていた長さ10センチの金属プレート板を継ぎ足すことにしました。マスト直結式ですが、全長2メートルともなると、さすがに丸い塩ビパイプは使えません。ちょっとした取付け角度の誤差が、アンテナ全体の大きなゆがみとなってしまいます。今回は角材を使うことにしました。穴空け加工は楽ですが、木質なので割れには注意が必要です。

《材料》
・長さ50センチの角材
・ロッドアンテナ82センチ4本(1メートル以上のものがあればベター)
・金属プレート板 長さ10センチを8枚(4枚組118円×2でした)
・3ミリ径銅パイプ30センチ×4本
・3ミリ径銅パイプ16センチ×2本
・みの虫クリップ8個
・3ミリ径ボルト数種類と蝶ナット2個


《製作》
 基本的な作り方は2/3λヘンテナとほとんど同じです。左右にショートスタブが加わります。
1)角材に上から1センチのところと33センチ離して2カ所、3ミリの穴をあけ
  、貫通させます。
2)30センチの銅パイプ4本にみの虫クリップをハンダ付けします。
  これが縦エレメントとショートスタブになります。
3)16センチの銅パイプ2本の片方に丸端子をハンダ付けします。
  もう一方は同軸ケーブルの芯線と網線をそれぞれハンダ付けします。
  給電部です。
4)金属プレート2枚をボルトで連結しておきます。
  そして一方にロッドアンテナをボルトで取付けます。
5)給電部銅パイプ、金属プレート2枚を角材にボルトで取付け、
  後ろから蝶ナットで締め付けます(上下)。
6)ロッドアンテナを伸ばし、4本の短返エレメントをみの虫クリップで挟んで
  いきます。製作、組み立ては以上です。
  収納は、蝶ナットを緩めて、金属プレートを中央に寄せるようにすれば、
  ザックに入る程度にまとまります。


材料一式


金属プレート


エレメント、給電部取付け状態


完成


《調整》
 ロッドアンテナ4本をすべて伸ばし、縦エレメントとショートスタブを左右とも24センチ間隔で取り付けます。この状態で、SWRは3.0を示しました。もっと低く出ると予想していたので、少しショックでした。縦エレメントとスタブとの間隔は変えずに、ロッドエレメントを少しづつ短くしてみました。その結果、左は84センチ、右は94センチ(共にプレート板を含む)のところでSWR1.1に落ちてくれました。左右非対称です。2/3λヘンテナと違ってスタックなので、調整は微妙です。もし、ロッドエレメントでなかったら、かなり手間取ったと思います。バンド内ほぼフラットで広帯域の特性は同じでした。

《使用感》
 まず、トリフィールドメーターでの実験。全長2メートルと長く、残念ながら前回と全く同じ位置での測定はできませんでした。メーターと給電部の距離は前回と同じ1.5メートルで図った結果は次の通りです。2/3λヘンテナは前回の測定値です(参考)。
 ・1λヘンテナ    フロント 5.0
            サイド  1.8
            バック  5.0

・2/3λヘンテナ   フロント 5.2
           サイド  2.7
           バック  6.0

  この実験からは、さほど大きな違いはないようです。

 さて、実際の使用感ですが、仙台近郊の泉ヶ岳(1172m)で使ってみました。風の強い日でした。組立は、給電部を蝶ナットで締めて、ロッドを伸ばし、あらかじめ決めておいた位置に縦エレメントとショートスタブをクリップで挟むだけなので、2分もあれば完了です。

 実際、組み上がってみると、横幅全長が2メートルあり、さすがに大きく場所をとります。せまい山頂の場合は、まず使えそうにありません。重さも500グラム近くあるので、目玉クリップによる三脚取り付けは厳しいです。また、蝶ナットの締め付けが弱いと金属プレートが下がってきます。見るからに倒れそうで、慎重に手で回しながら使いました。

 ワッチしてみると、宮城県内の他、山形、福島、岩手のモービル局の信号が聞こえていました。CQを出してみたところ、白石市モービル、蔵王町移動局、南相馬市固定局、名取市固定局と59-59で交信できました。遠方の局というわけではありませんが、送受信とも悪くないようでFBなレポートをいただきました。ひとまず安心してさらにCQを続けようとしたその直後、三脚が風で倒れ、ヘンテナも目玉クリップから外れてバラバラになってしまいました。すぐに、組み直しましたが、いざCQを出そうとしたら、また倒れてしまいました。金属プレート部分と角材のマストが風の抵抗を受けやすいようで、2/3λヘンテナが高山の強風に耐えてくれたことと比較すると、頼りない感じです。交信中でなかったのがせめてもの救いでした。これ以上の使用はあきらめ、直付けロッドアンテナ(5/8λ)での運用に切り替えました。


給電部


収納状態 アンテナとは思えない複雑な姿になりました。

 4局との交信だけなので、性能的なことは何とも言えませんが、このアンテナは、大きさ、部材の形状、重さ、三脚への取り付けなど、まだ改善すべき点が多く、使用できるシチュエーションが限定されると感じました(登山者の少ない広い山頂と無風状態)。実用になるものにするには、もう一工夫必要で、当局の運用スタイルから考えると、現状では少し持て余し気味となりそうです。実際使ってみて、やはりコンパクトで風に強い丈夫なアンテナの有り難さがよくわかりました。


岡沼より泉ヶ岳


岡沼


 下山途中、いつもは干上がって沼とは名ばかりの「岡沼」が珍しく水を湛えておりました。何度もこの山に登っていますが、この時期に水のある姿を見たのは初めてです。先日の台風と大雨の影響でしょうか。ここまで下ると風も弱まり、「うさぎ平」周辺は明るい日差しがそそいでいました。山頂にこだわらず、この辺りでのんびり無線を楽しむのも良いかなと、思ったりもします。ここなら大きなアンテナを展開できそうですし・・・。



うさぎ平





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2/3λヘンテナ ロッド式

2009年09月13日 | ヘンテナ
 以前から作りたいと思っていた2m用ヘンテナですが、ループ系なのでザックへの収納に難があり、躊躇していました。縦横いずれかをワイヤーエレメントにしたものがネットで紹介されていますが、その場合、ブームをどうするかや強度の問題があり、なかなか良いアイディアが浮かばなかったのです。今回、ロッドアンテナを使うことで、なんとかザックにも収まり、設営、撤収も簡単なものを作ってみました。また、カメラ三脚に取り付けた時に、バランスがとれるように、左右対称となる2/3λを採用しました。利得も少し期待できるようです。



 
《材料》
・全長80センチのロッドアンテナ4本
・3ミリ銅パイプ30センチを2本と15センチを2本
・蓑虫クリップ4個
・端子2個
・塩ビパイプ50センチ1本



《製作》
・塩ビパイプに3ミリ径の穴を34センチ間隔で2カ所開けて、後ろまで貫通させ
 ておきます。今回もマスト直結式です。
・30センチの銅パイプ両端に蓑虫クリップを半田付けします。これが縦エレメン
 トになります(ヘンテナの短辺1/6λ)。蓑虫クリップの長さを含めて約34セ
 ンチになります。
・15センチ銅パイプの片側に端子を半田付けします。もう一方の側に同軸ケーブ
 ルの芯線と網線をそれぞれ半田付けしておきます。これが中央の給電エレメント
 となります。
・あとは、ボルトで2本のロッドアンテナと給電エレメントの端子を塩ビパイプに
 取り付けます(上下)。
・最後に左右に30センチの銅パイプを蓑虫クリップでロッドアンテナに取り付け
 て、製作と組立は完成です。








《調整》
 ロッドエレメントの長さで調整します。左右それぞれ1/3λ、全体で2/3λとなります。一般的なヘンテナは長辺が1/2λですから、利得も少し向上するそうです。
 まず4本の長さを65センチにセットしたところ、SWRは2弱で高めに出ました。4本を少しづつ短くして、62.5センチのところで、SWRは1.1ベタ落ちとなりました。バンド内ほぼフラットで、帯域も広いようです。シュペルトップバランを後で追加しようと思いますが、とりあえずはこのままでも問題なさそうです。おまじないとしてパッチンコアを付けておきました。
 ロッドアンテナ先端の細い部分を使わずに済むため、そこそこ強度はあるかと思います。収納は50センチ、重さはケーブル含めて約400グラム。少し重めです。








《使用感》
 いつもの通りベランダで試しに使ってみました。コンパクトな上、左右対称なので重量のバランスが良く、カメラ三脚で回しやすいです。受信してみるとはっきりと指向性があります。ただ、それがアンテナのどの向きなのか、今ひとつわかりせん。ハンディ機4Wで岩手県遠野市の移動局と41-41で交信できました。悪くない感触です。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする