JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

主義山-権現堂山-地蔵森

2020年10月26日 | 里山 移動運用



 奥羽山系が薄っすらと白くなってきました。これからは里山モードに替わります。昨日は太平洋沿いの亘理山地を歩いてきました。七峰と称される亘理山地の内、小斎峠から入山し金華山、音羽山、主義山、権現堂山、地蔵森の5山を経て福田峠へ。この山域は3年前に登り、道迷い(道失い)を起こしています。その後、反対側から登って正しいルートを確認したのですが、どこから迷ったのか、なぜ迷ったのか、いまだわかりません。


右から音羽山、主義山、権現堂山、地蔵森(JR坂元駅ホームより)


 JR常磐線坂元駅から小斎峠へ。左手に小さな標識と共に登山口があります。8時20分登山開始。5分ほどで尾根となり金華山。いったん下り尾根沿いに何度かアップダウンを繰り返し、音羽山を踏み、花嫁峠を経て主義山へ。細々とした道が続きます。まだ草木の葉が落ちておらず、全体的に藪がうるさいです。比較的歩きやすいと思っていると今度は密藪で道を失いそうになる。昨年台風19号の影響か、倒木が多く、それも1本2本でなく面的に道をふさいでいるため、その部分で道がなくなっており、密藪の中から道を探す、といった具合です。
















 主義山着9時10分。標高313m。ID51のGPSでは309mと出ました。誤差4m。眺望なく周りは杉ですが、明るい感じの山頂です。ここで2局と交信。


 いったん下り、トラバースぎみに登り返すと権現堂山。標高325m。ここが山元町の最高峰と思われます。雑木に囲まれた小さな山頂です。GPSは334mを表示。誤差9m。休憩を兼ねここでも無線運用。145MHzで2局と交信。その後、D-STAR仙台青葉430にアクセスし57程度でダウンリンクあり。JP7IEL局とレピーター交信後、シンプレックスに移り51-51。JP7IEL局側ははじめ厳しい様子でしたが、入感ポイントを探って位置決めをしたところ145、430共ほぼ同等で、弱いながらも安定して交信できました(双方5W)。距離約75km。






 権現堂山を後にし、福島県境となる地蔵森へ。この途中、3年前に道迷いを起こしました。権現堂山直下から道が荒れており、赤布もほとんどありません。藪の中に道を探しながらしばらく下り、たしか左手の杉林に直角に曲がるルートを示す小さな標識があったはず。ところがそのあたりと思われる場所が倒木で景色が変わっており、標識もなくなっていました(赤布もなし)。記憶を頼りに適当に当たりをつけて進み、地蔵森のとりつきに出ることができました。記憶があったのでなんとかなりましたが、初めてであれば尾根を直進しそのまま道を失う可能性大です。地蔵森着11時40分。




地蔵森へのとりつき点 この標識のみ立派で健在


林道で2カ所、登山道分断


地蔵森山頂


山頂付近より


 地蔵森山頂直下まで以前からあった林道がさらに山頂を回り込むように延伸されていました。なので登山道が分断されています。山頂も手入れされている様子はなく荒れ放題。小さな祠があり、その前にポールを立て、再度JP7IEL局と交信。今度は430で55-55と良好な信号。権現堂山とは大違い。145でも試したところなぜか51-51に低下。430の思いもよらぬ貫通力に驚いてしまいました。


RH-770


 地蔵森山頂から福田峠までは尾根を下る登山道が続いているはずです。これまで2度、登りにも下りにも使っているので安心していたのですが、山頂付近の密藪でどうしても見つかりません。強引に進んでも藪漕ぎするだけなので、回り道となる林道を下ることにしました。


福田峠側登山口(左) 右の林道を下山


いっぱい清水


 福田峠着1時20分。峠にある登山口を確認すると、倒木で塞がれた状態でした。正規のルートを辿ったとしても難儀しただろうと思います。峠から舗装路を下ったところに「いっぱい清水」があります。半日の藪歩きから解放され、ほっと一息つきました。





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南面白山から猿鼻山・小東峠、山寺へ 10/18

2020年10月19日 | 奥山 移動運用
 快晴無風。絶好の秋山日和。面白山高原駅から登り始め、二つのピークを経て山寺駅へ、少し長丁場のルートを歩いてみました。

 
 仙山線始発に乗り面白山高原駅に着くと、いつもは閑散としている駅前が山形側から車で来られたらしい登山者で賑わっていました。多くは北面白山に向うようです。南面白山へは自分を含め数名。皆さん健脚とみえ、あっという間に追い抜かれてしまいました。旧スキー場を過ぎると平坦なブナの美林地帯。ここから一気に高度を稼ぎ、今度はブナ二次林が現れます。細めのブナが密生し、紅葉もまずまずといったところでした。二口山塊の何に魅かれるのか言えば、この見事なブナの林なのかもしれません。




 駅から90分ほどで南面白山。先行者はすでに先に進んだのか、だれもいない山頂。遠く朝日連峰が雲海に浮かんでいました。目の前には大東岳、そしてこれから向かう猿鼻山、さらに北蔵王の山々。






猿鼻山


小東岳


 いったん高度150mを下り鞍部へ。眺めの良い斜面からは先日登った小東岳が形よく見えていました。刈払いのされない笹薮を登り返し、猿鼻山到着。山頂手前は6月に登った時以上に笹が伸びてうるさく、朝露もあってだいぶ濡れてしまいました。標高1216m。地図に山名表記もなく山頂標識もない、そんな山ですが、見晴らしの良いなだらかな頂を持つ自分的には名山の一つに数えたいくらいの山です。駅から2時間20分。ここで休憩を兼ね無線運用としました。


猿鼻山の登り返しから南面白山を振り返る


猿鼻山山頂にて






 登山ストックに延長ポールを差し込み、クリップベースで最軽量アンテナRH660Sを設置。ID-51のGPSでは標高1218mを表示していました。誤差2m。145MHzをワッチするとけっこう賑わっていました。空きを見つけてCQを出し約40分運用。山形、宮城、福島各局に交信いただきました。山岳では福島県いわき市の屹兎屋山(きっとやさん)移動局。パワー2Wとのことでしたが安定した信号でした。距離126km。屹兎屋山は阿武隈山地南端に位置し、仙台からは遠いです。近くに二ツ箭山もあり、どこかに一泊していつか登ってみたい山です。


 山頂を後に高度100mほどをいったん下り、小東岳分岐への登り返し。痩せ尾根となり、まもなく小東岳分岐に到着。前回登った山王岳が目の前に見えてきました。振り返ると越えてきた猿鼻山が大きく、意外な存在感を醸していました。小東岳はすぐそこですが、今回はパスし、小東峠へ。


大東岳(痩せ尾根より)


糸岳(奥) 山王岳(手前)


小東分岐と小東岳





 ここからは長いトラバースの続く勝手知る道です。今日も熊に遭遇するのでは?と不安を抱えながら、ストックで笹をたたき、音を立てながら進みました。前回、熊と遭遇した箇所にも立ち寄ってみたところ、樹木には爪痕らしきものが残っていました。所部への分岐点から仙丈ヶ岩・奥山寺キャンプ場跡側へ下山。馬形集落を経て午後2時前、山寺駅着。

 地味な二口山塊にあって展望のよい尾根歩きが楽しめる行程でした。機会をみてまた歩いてみます。


<登山ストック>
 登山ストックを携行しました。ノルディックスタイルで2本持つ方をよく見かけますが、自分は1本(T型グリップ 189g)のみです。本来の杖としての使い方以外に、笹薮をかき分けたり、朝露を払ったり、熊に聞こえるように音を立てたり、はたまたアンテナポールになったりと重宝な装備とあらためて認識しました。








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登山用ストックの延長ポール

2020年10月17日 | 移動運用装備

 山王岳から山寺への下山中、熊に遭遇したことを前回書きました。さほど恐怖感はなかったのですが、そのときの光景が脳裏を離れず、何度も思い返してしまいます。潜在的にはかなり緊張し、トラウマ状態になったのかもしれません。二口山塊は、里に近いにもかかわらず山が深い、という特徴があります。この時期、里にも熊が出没し、仙台中心部に近い我が家の周辺でも出没例があります。正確なところはわかりませんが、有名どころの山と違い、登山者も少ないので熊の生息数は多いような気がします。大東岳や北面白山、山形神室あたりはそこそこ人が多いものの、それ以外は本当に静かで、休日でも誰にも会わないことが珍しくありません。今後も熊と遭遇することはあるだろうし、自分はソロで歩いているので、もし大ケガとなれば、誰にも助けを求められず、発見すらされないことも考えられます。

 というわけで熊対策のため、熊スプレーと電子ホイッスル、登山用ストックを携行することにしました。急に興味を持ち『人を襲うクマ』(羽根田治著)と『熊が人を襲うとき』(米田一彦著)という本も読んでみました。熊の生態や対処方、遭遇事例が具体的に多数書いてあって、登山者必読と思いました。遭遇してしまった時は不用意に動かないのがいちばん肝要で、「木化け」といって樹木の間に入り、自ら樹木になりきって気配を消す、そういう方法もあるようです。その間にスプレーを素早く手に持ち、いよいよという時は躊躇なく使う。






 もっとも、いろんな対処法とか装備以前に、山は野生の領域であって、その中では人も数多い動物の一種に過ぎず対等であること、場合によっては他の動物から野生的試練にさらされるという自覚がもっと必要だったな、と反省しているところです。


 さて、登山用ストック。長さわずか1mではあるものの、せっかく携行するのであれば、これをアンテナポールにできないかと考えてみました。実際、山岳移動局で簡易的にそのような使い方をしている局はあるようです。ただ、地上高1mでは手持ちよりも低くなってしまう、ということで、安直すぎるかもしれませんが、ストックの先端に取り付けて長さを稼ぐ延長ポールを作ってみました。










 ストック先端にすっぽりかつ緩みなく入る内径13mmの塩ビパイプ10cmに少し細い2種類のパイプをつぎ足して90cmとしました。ストックに装着した状態で長さ185cm。細いパイプなので、これ以上長くするとアンテナを取り付けた時にしなりが出てよくありません。2分割で収納時45cm。重さ70g。ストックのグリップ(T型)側をザックのサイドポケットに入れ、上部ストラップで固定(ザック背面が固く自立する必要あり)。ポール先端にRH770やRH660Sなど軽いアンテナをクリップベースで取り付けるのみ。強風でなければなんとかなりそうです。クリップベースを適当な樹木に取り付けてもよいのですが、この方法なら場所を選ばずに済みます。次回の山行で試しに使ってみます。






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山王岳(1132m)10/3

2020年10月04日 | 奥山 移動運用
 先日登った小東岳の南隣。北蔵王縦走路の小ピークの一つであるものの、おおかたの地図には山名も載っていない地味な存在です。小東岳の時は所部登山口から登り、奥山寺キャンプ場跡に下山しました。今回は、逆ルートを辿り奥山寺登山口から入山、所部に下ることにしました。

 いつものとおり仙山線始発に乗車、山寺駅下車。馬形集落を経てしばらく歩くと、二口峠への車道と遊仙峡方向の林道分岐となります。けっこう長い林道の最奥がキャンプ場跡の駐車場で、その手前に小東峠への登山口があります。駅から約1時間。所部登山口に比べ、こちらはアプローチが長いです。駐車場では数パーティが登山の準備中でした。ほとんど誰にも会わない静かなルートと思っていたのですが、そうでもないようです。


馬形集落を進む

二口峠への車道との分岐


 登山開始。前回下山しているのでこのルートの勝手はわかっています。ただ、下りと登りではずいぶん違うな、との印象がありました。倒木の多いトラバース。カブト沢の渡渉点周辺は道形が消えかかっていたり、崩落箇所があり赤布、赤ペンキ印を見失わないように進みました。仙城ヶ岩の下を通過すると道形が明瞭になり、所部からの登山道分岐に到着。ここから30分で小東峠。途中、甲岩への分岐点がないか、注意しながら歩きましたが今回も見つけることはできませんでした。以前は甲岩の真下を通り、銚子滝を登るルートがあったのですが、藪に消えてしまったようです。




仙城ヶ岩下

仙城ヶ岩





小東峠


 小東峠から蔵王縦走路を南に進むと痩せ尾根となり、やっと展望が開けました。このルート唯一の展望地。小東岳、猿鼻山、南面白山、大東岳を連ねる二口山塊の山々。目の前には甲岩の独特な姿も。いわば山塊の真ん中、山深い感じが漂います。さらに登ること10分で山王岳山頂。10時20分着。わかってはいたのですが、樹木で眺望はありません。ただの通過点という感じで山頂らしい雰囲気もなく、かつて山名が刻んであったであろう朽ちかけた杭が一本あるのみでした。


小東峠から南への縦走路

痩せ尾根から小東岳(左)南面白山(奥)

猿鼻山(左)大東岳(右)

甲岩 この岩の裏側に登ってきたルートが続く

山王岳山頂

山頂より糸岳方向


 樹間からわずかに糸岳や仙台神室が垣間見える一角にプローブ(ポール)を立てロッドアンテナを設置。休憩を兼ね、短時間、無線運用しました。145MHzFMにて宮城、山形の8局に交信いただきました。特に遠方はありません。途切れたところで、QRT。




 少し風が出てきました。小東峠から往路を戻り、奥山寺への分岐を経て所部方向へ下山。ところが・・・。

 分岐から少し進んだところで思わぬことに遭遇してしまいました。ボキッという大きな物音がしてふと振り向くと、左手目の前のブナの幹に黒い動物が・・・。クマの方が先にこちらに気づいたようです。距離10メートル。こちらの動きを確認しようとしているのか、動かず視線を向けてきました。これまでもクマと遭遇したことはありますが、このように見つめ合ったのは初めてです。数秒後、クマの方がもう興味はないと言わんばかりに視線をそらし、木を下りて谷側に消えていきました。かなり大きい親熊でした。もし格闘にでもなったら、とても勝ち目はなかったと思いますが、不思議と恐怖感はありませんでした。相手にもその気はなかったようです。




山寺駅ホームから(大東岳と南面白山の稜線)

 
 そんなことがあり、所部登山口までの道のりが長く感じられました。駅に向かう途中には「熊出没注意」ののぼり旗。1時40分、山寺駅到着。今回も7時間弱の行程でした。





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