東北の山中にある山小屋は、ほぼ100%無人の避難小屋で、中には荒廃して使えないケースもあるのですが、ここ10数年、かなり建替えが進んできました。この笊森山荘もいつのまにか新築なって、生まれ変わっておりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/8e/a21c10bd7ecf26b60fca3b6be4623b93.jpg)
山小屋で移動運用してみようと思ったのは、
1)多くが見晴らしの良い稜線上に存在する
2)天候急変の場合は小屋に逃げ込める
3)トイレがある
4)実際に遭難など非常事態が発生した場合、山小屋が救助の拠点にもなることから、小屋からどの程度の交信が可能か、あらかじめ確認しておくのも無意味ではない
5)山小屋そのものの状態を見ておきたい
などの理由からです。可能なら一泊して、夜中、山上からQSOなどというのも夢見ていますが、これからの季節、小屋の外は寒くて交信どころではないでしょうから、よほど条件が揃えばの話しです。
さて、笊森は栗駒山の東に位置する標高1355mのなだらかな小ピークで、QTHは岩手県一関市。山頂近くに栗駒山中で唯一の山小屋である笊森山荘があります。栗駒山よりも270mほど低く、電波伝搬ということでは期待はできないのですが、あえて山小屋移動運用を決行してみました。
9月最後の日曜日、心配した台風は遠く北海道沖まで北上して、東北地方は秋晴れ。午前7時、登山口の須川温泉に到着。人気の山だけあって、既に駐車場は6割方埋まっていて、何組かの登山者が登っていくのが見えました。今日は、山荘まで行って、笊森山頂近辺で無線をして、昼頃下山の予定なので、先を急ぐこともありません。名残が原、産沼を経て、山頂への分岐を左折、磐井川源頭付近、トラバース気味の細々とした道を進むと、間もなく視界が開け、笊森山荘の赤い屋根が見えてきました。山荘着8時20分。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/90/5b5f95ff816adaf9897f8730165947a6.jpg)
名残が原
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/c2/1cfa119ad6005428d1000d17b29e1cb2.jpg)
産沼
十数年前、一度だけこの山荘を訪れたことがあります。泊まったわけではなく、東栗駒山から見える、笊森の平坦な草地に建つ赤い屋根が気になって、わざわざ行ってみたのです。小屋には2~3人の単独行の方が休んでいました。まだ歩いたことのなかった裏掛コースのことなどを話した記憶があります。ここは喧噪の栗駒山頂とは別世界。静かに山を楽しみたい人が、一人、二人と静かに訪れる、そんな特別な場所との印象を強くしました。
再訪した山荘は、高床式2階建てに建替えられ、水洗式のトイレも備わっていました。内部も明るく、塵一つなし。丁寧に使われていることが一目瞭然なのです。この小屋がこんなにすばらしく生まれ変わったことが、何か誇らしく、うれしくなりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/a0/70004ca04d34462b37a4faa6b236fcc1.jpg)
山荘と笊森(奥)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/79/fa6abd68041f30d6bcefc6bb3b26fe27.jpg)
山荘内部
さて、小屋を確認したところで、さっそく無線運用にとりかかりました。運用場所は山荘のすぐ上の展望地。この辺りは、一面の草原で、焼石連峰や北上山地の眺望も申し分ありません。リグはいつものハンディ機DJ-S17(145MHz 5W)と J型アンテナ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/59/d0a407bfe7babe895071b081cf397927.jpg)
無線運用場所から
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/49/6e9e6b07d7cacb69774f648a7770b77d.jpg)
設置してすぐ、メインで秋田市の局のCQが聞こえてきました。ホームでは秋田の局が聞こえることはまれで、ここが栗駒山中であることを実感。さっそく応答したところ59-59で交信できました。交信後、あらためてVFOを回してみると、ローカル局の交信が聞こえるのみで、静かです。やはりロケ的には期待できないかな?と思いつつ、CQを出してみました。どちらかというと北東と北西に開けており、秋田、岩手は通りが良いようです。岩手は、盛岡市、花巻市、紫波町、遠野市、宮古市(早池峰山)など各局。秋田は、秋田市、由利本荘市、雄勝町(寒風山)、横手市など各局と交信。南方向に関しては、東栗駒山が壁になっているようで、まだらな飛び方をするようです。石巻市、大崎市、登米市、亘理郡など宮城県東部沿いの各局と交信できましたが、仙台からは呼ばれずじまいでした。山形の局もなし。南西方向はよくありません。信号の伸びも今ひとつ。1局が終わると次が続かず、メインに戻って、ぽつりぽつりと応答いただくという感じの運用を3時間ほど続けて、QRTとなりました。
無線運用に関しては、栗駒山頂や秣岳の方がFBかと思います。でも、今回は、笊森山荘からの電波伝搬をある程度確認できたこと、なにより誰もいない山中の草原に一人腰をおろしてQSOを続けられたことだけで充足感がありました。次の山小屋移動運用はどこに? 自分的なテーマがまた一つ加わったような気がしています。
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山小屋で移動運用してみようと思ったのは、
1)多くが見晴らしの良い稜線上に存在する
2)天候急変の場合は小屋に逃げ込める
3)トイレがある
4)実際に遭難など非常事態が発生した場合、山小屋が救助の拠点にもなることから、小屋からどの程度の交信が可能か、あらかじめ確認しておくのも無意味ではない
5)山小屋そのものの状態を見ておきたい
などの理由からです。可能なら一泊して、夜中、山上からQSOなどというのも夢見ていますが、これからの季節、小屋の外は寒くて交信どころではないでしょうから、よほど条件が揃えばの話しです。
さて、笊森は栗駒山の東に位置する標高1355mのなだらかな小ピークで、QTHは岩手県一関市。山頂近くに栗駒山中で唯一の山小屋である笊森山荘があります。栗駒山よりも270mほど低く、電波伝搬ということでは期待はできないのですが、あえて山小屋移動運用を決行してみました。
9月最後の日曜日、心配した台風は遠く北海道沖まで北上して、東北地方は秋晴れ。午前7時、登山口の須川温泉に到着。人気の山だけあって、既に駐車場は6割方埋まっていて、何組かの登山者が登っていくのが見えました。今日は、山荘まで行って、笊森山頂近辺で無線をして、昼頃下山の予定なので、先を急ぐこともありません。名残が原、産沼を経て、山頂への分岐を左折、磐井川源頭付近、トラバース気味の細々とした道を進むと、間もなく視界が開け、笊森山荘の赤い屋根が見えてきました。山荘着8時20分。
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名残が原
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産沼
十数年前、一度だけこの山荘を訪れたことがあります。泊まったわけではなく、東栗駒山から見える、笊森の平坦な草地に建つ赤い屋根が気になって、わざわざ行ってみたのです。小屋には2~3人の単独行の方が休んでいました。まだ歩いたことのなかった裏掛コースのことなどを話した記憶があります。ここは喧噪の栗駒山頂とは別世界。静かに山を楽しみたい人が、一人、二人と静かに訪れる、そんな特別な場所との印象を強くしました。
再訪した山荘は、高床式2階建てに建替えられ、水洗式のトイレも備わっていました。内部も明るく、塵一つなし。丁寧に使われていることが一目瞭然なのです。この小屋がこんなにすばらしく生まれ変わったことが、何か誇らしく、うれしくなりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/a0/70004ca04d34462b37a4faa6b236fcc1.jpg)
山荘と笊森(奥)
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山荘内部
さて、小屋を確認したところで、さっそく無線運用にとりかかりました。運用場所は山荘のすぐ上の展望地。この辺りは、一面の草原で、焼石連峰や北上山地の眺望も申し分ありません。リグはいつものハンディ機DJ-S17(145MHz 5W)と J型アンテナ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/59/d0a407bfe7babe895071b081cf397927.jpg)
無線運用場所から
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設置してすぐ、メインで秋田市の局のCQが聞こえてきました。ホームでは秋田の局が聞こえることはまれで、ここが栗駒山中であることを実感。さっそく応答したところ59-59で交信できました。交信後、あらためてVFOを回してみると、ローカル局の交信が聞こえるのみで、静かです。やはりロケ的には期待できないかな?と思いつつ、CQを出してみました。どちらかというと北東と北西に開けており、秋田、岩手は通りが良いようです。岩手は、盛岡市、花巻市、紫波町、遠野市、宮古市(早池峰山)など各局。秋田は、秋田市、由利本荘市、雄勝町(寒風山)、横手市など各局と交信。南方向に関しては、東栗駒山が壁になっているようで、まだらな飛び方をするようです。石巻市、大崎市、登米市、亘理郡など宮城県東部沿いの各局と交信できましたが、仙台からは呼ばれずじまいでした。山形の局もなし。南西方向はよくありません。信号の伸びも今ひとつ。1局が終わると次が続かず、メインに戻って、ぽつりぽつりと応答いただくという感じの運用を3時間ほど続けて、QRTとなりました。
無線運用に関しては、栗駒山頂や秣岳の方がFBかと思います。でも、今回は、笊森山荘からの電波伝搬をある程度確認できたこと、なにより誰もいない山中の草原に一人腰をおろしてQSOを続けられたことだけで充足感がありました。次の山小屋移動運用はどこに? 自分的なテーマがまた一つ加わったような気がしています。