JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

1/8λ FMクワッドループ

2014年09月29日 | ゲルマラジオ


 FM無電源ラジオ3号機に搭載の中波用エアバリコン。容量調整のため、連結線が必須であること、その長さによって同調が変わることを前回書きました。長さ35cmリード線の両端クリップを使い、4連バリコンの内、28pF +200pF をつなぐとうまく同調が取れ、NHKFM、DateFMともよく聞こえます。短いと同調はとれず、何も聞こえません。いろいろといじっているうちに、リード線を伸ばしたり丸めたりすると受信感度が微妙に変化することがわかりました。ということは、容量調整のみではなく、アンテナとして機能しているということでは? バリコンに直接つないでいるわけで、考えてみれば当然ではあります。

 これを利用し、容量調整兼用アンテナを作って感度アップをはかれないか? 試しに作ったのは連結線と同じ全長35cm。リード線の代わりに直径3mm銅パイプにミノムシクリップを付けただけの小さなクワッドループ。グランドに接続しているわけではなく、バリコン間に挟んであるだけなので、ループアンテナといえるのかどうかはよくわかりません。








 さっそく装着して聞いてみると、NHK FMは聞こえるもののDateFMが聞こえません。同調が上にずれたようです。長さが同じでも細いリード線と銅パイプでは伝導やインダクタンスの違いを考慮する必要がありそう。でもDateFMが聞こえないということは混信もないわけです。しかも受信音量アップを実感。たいへん聞きやすくなりました。NHK FM専用アンテナと言えなくもありません。DateFMはどうするの?ということで、同調周波数を下げるため、もう少し長めの2本目を作ってみました。長さ46cm。1/8λ。こちらはDateFMもカバーし、両局ともよく聞こえます。なんといっても分離が良好で、混信が気にならなくなりました。予想以上の効果。


偏波面実験  垂直も水平もさほど変化なし



 室内でもこの状態で受信できます。外部アンテナ不要。ただし入感ポイントはシビアで、動かすと急に聞こえてきたり、聞こえなくなったり。このあたりが中波ゲルマラジオと大きく異なるところです。位置決めすれば安定して受信できます。適度な信号強度を確保したことで、FM特有のシャリシャリ感もかなり緩和されてきました。スロープ検波の簡素な回路では、外部アンテナを接続して感度を上げると、混信の問題とともに、音割れや歪みが生じやすくなります。バランスを考慮すると、あまり感度を上げ過ぎず、かつ一定の電界強度を維持するのがコツのようです。

 はじめは蚊の鳴くような音声で、しかも混信しまくりだった1号機。分離が改善された2号機。感度、分離とも向上した3号機。そして、このアンテナ?を付けることで、なんとか音質的にも聞くに耐えるものになってきました。

 送信所から約1kmという環境ならではの話ではありますが、秋の夜長、しばしこれで楽しむことにします。



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特小BH47FR再び

2014年09月28日 | 特小・DCR運用


 絶好の登山日和ではありますが、昨夜も遅かったので本日休養。ホームでワッチしていると、DCRからミヤギIT03局の信号が。いつもの上品山。それならと、急いで大年寺山へ。前回、ロケの良さを確認したミヤギテレビ電波塔直下の北側公園に移動。今日は上品山、牡鹿半島方面は霞んで見えません。

 
 さっそくIT03局とDCRにて交信後、特小実験。今回、DJ-P24Lの他、久しぶりにケンウッドのBH47FRを持参。BH47FRは何度か比較実験し、P24LやR20Dには及ばないとの結果を得ています。でもそれは100kmを超える交信の場合であって、近距離の場合はかえってBH47FR の了解度が高いとの印象もあります。上品山との距離51.5km。はたしていかに?



 BH47FRで呼んでみるとすぐにIT03局より応答あり。呼んですぐ応答あるかどうか、これ重要ですね。特小交信でもっとも緊張する瞬間です。メリット5のレポート。こちらかもメリット5。P24Lと両方で受信したところ、BH47FRではスケルチが開くものの、P24Lでは開かず(どちらもスケルチ1に設定)。メーカーによってスケルチの深さは微妙に違うのでそのせいかと思って、P24Lのスケルチを解除してワッチしたところ、やはり信号が弱い。入感ポイントもBH47FRに比べクリチカル。もしかして10mWではなく1mWで送信されているのでは?と思い、失礼ながら確認いただいたところ、間違いなく10mWとのこと。一方、BH47FRの方は、多少動かしても途切れることなく終始スケルチが開き、了解度も良い印象でした。

 受信に関してはP24Lの方が良いだろうと思い込んでいただけに、意外な結果でした。究極のDXではP24LとR20Dなどアルインコ機で間違いないところですが、近距離~中距離、またはかなりの遠距離でも場合によってはBH47FRが意外な健闘をみせてくれるのかもしれません。

 BH47FRを自局レピーターにして、レピーター経由での交信実験もしてみました。信号を受信していることは確認できるのですが、残念ながら送信に切り替わらず、音声が乗ってくることはありませんでした。メリットなし。DCRで確認したところ、上品山にはこちらの変調が31で聞こえていたそうです。ある程度強い信号でないと、レピーターとしては機能しないようで、課題を残しました。


 今日はこの後、同じ上品山移動のアマチュア局と2mで交信。特小も運用されているとのことで、さっそくQSY。当然ながらメリット5。FBfastQSO。そしてホームに帰ったら、またまた上品山からDCRでCQが。おかざきKG295局。メリット5。今日は上品山デー。


 おつきあいいただきましたミヤギIT03局、交信いただきました各局様、ありがとうございました。

ミヤギIT03局 石巻市上品山 DCR5/5 特小5/5 レピーター経由メリットなし
ミヤギRK128局 石巻市上品山 特小5/5 
ミヤギTM109局 仙台市宮城野区 DCR5/5(ホームにて)
おかざきKG295局 石巻市上品山 DCR5/5(ホームにて)




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無電源ラジオ 原点回帰

2014年09月23日 | ゲルマラジオ


 なんとか分離もうまくいったFM無電源ラジオ3号機。回路図を書いてみて、ふと、前にも同じような回路にお目にかかったことがあるような・・・。

 ゲルマラジオにのめりこむきっかけとなったマルツの「鉱石ラジオキットHG770」。震災の後、無電源というところに惹かれて作ってみました。小学生の時に「科学と学習」の付録で作って以来、数十年ぶりに聞いたゲルマラジオからのかすかな音声。このキットで少年の感動がフラッシュバックしてしまいました。そもそもゲルマラジオに電解コンデンサーなんてどうして使うのだろう?などと思いながら作った記憶があります。この回路・・・そう、このキットだったのです。

 ジャンク箱を探してみると、その時の基板やセラミックイヤフォン、説明書一式が出てきました。あらためて回路図をみると、出力回路と直列に電解コンデンサー10μF、そして並列に33pF。抵抗器2MΩの他は、FM3号機とほとんど同じで驚いてしまいました。ゲルマラジオにしては部品点数の多い面白い回路で、FM3号機の分離の良さなどを考えると、捨てたものでもないかな、という気がしてきました。






元基板(型番HG770)


 ということで、この基板をそのまま使って、セラミックイヤフォンではなく、オーディオ用イヤフォンを使えるように改良してみることにしました。

<変更点>
・トランス KT32(ST32相当品)追加 1.2kΩ:8Ω
・バーアンテナ 直径1cm×長さ7.5cmに変更
・バリコン トリマーから一般的なポリバリコンに変更
・イヤフォンジャック ステレオタイプに変更
・アンテナ端子 追加




 ゆったり目の基板なので、多少大きなバーアンテナを上部に、もともとあったバーアンテナの位置にトランス、トリマーとイヤフォンジャックを取り外し、同じ場所にポリバリコン、ステレオジャックをそれぞれ配置、配線し完了。


改良後




 たった7.5cmのバーアンテナなので、この状態では何も聞こえるはずもありません。わかってはいても、窓辺で慎重にバリコンを回してみました。やはり何も聞こえず。それではと、ミニループアンテナを近づけると・・・。聞こえてきました。NHK仙台第一がちょうどよい音量。さらに回すと、かすかに仙台第二放送。やはりこの回路、分離は良好です。ミニループから20cm範囲であれば十分な音量で受信できます。それ以上離すと不可。またラジオのアンテナ端子にループの一方を接続しても良く聞こえます。最大音量はどちらも同等。音もST32相当品にしては悪くない印象。聞いていて疲れない音ではあります。




ループに近づけただけで外部アンテナ代わりに(上)直接接続でもOK(下)



 いくつかの無電源ラジオを作り、試行錯誤の繰り返し。そして、はじめに作ったゲルマラジオに引き寄せられるように原点回帰。もともと単純明快な無電源ラジオ、回路など知れたものと考えていましたが、海外の製作例など見るといろんな作り方があるものです。実際、ちょっとしたことで聞こえ方に大きく影響することが多く、そこがまた無電源ラジオの奥深さでもあり、面白さかと思います。



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秣岳 岩のピーク

2014年09月21日 | 特小・DCR運用


 本日快晴。まだ少し早いかな、と思いましたが紅葉を期待して秣岳に登ってみました。
 栗駒山から西に続く天馬尾根、そのピークが秣岳。標高1424m。この時期、とんでもなく賑わう栗駒山と違って、こちらは静かな山歩きが楽しめる、というのは数年前までの話で、最近は登山者が多くなりました。

 
 秋田県東成瀬村の登山口から入山。約1時間強で山頂着。正面にどっしりとした栗駒山。北に焼石岳。西は低木越しに高松岳、新庄神室の山々。絶景ですね。でも山頂が目的ではありません。天馬尾根はその全体が草原となっており、尾根歩きこそこの山の醍醐味なのです。山頂はその入り口にすぎません。いったん下り、いくつかのピークを越え、小さな湿原が現れ、そして草紅葉の草原が続く・・・そんな山です。その中でも、とりわけ眺望がすばらしい通称「岩のピーク」にて、今回も無線運用。昨年6月のDCR初運用もこのピークでした。辺りは紅葉まっさかり。このロケーション、この天気、紅葉のタイミング、言うことなし。

 ということで、写真アップします。無線運用は、遠方の局とか、たくさんの交信ができたわけではありませんが、ここで運用できただけで満足です。


秣岳山頂

山頂直下 右に須川湖

正面が岩のピーク

左奥に栗駒山

しろがね草原からの虎毛山

岩のピーク

運用地よりの秣岳

天馬尾根

運用地周辺

運用中、オコジョのお出迎え 



 DCR、特小、アマチュア145MHz、本日も交信いただきました各局様、FBQSOありがとうございました。DCR、特小での交信のみ記載しておきます。(DCRは基本1W、145MHzはVX-3にて1.5W、40cmホイップ)

ヤマガタSA88局 蔵王刈田岳駐車場DCR5/5 特小交信ならず(秣岳山頂)
         蔵王熊野岳DCR5/5 特小10mW4/4(信号は強いものの了解度低下)
フクシマFC349局 福島県伊達市 霊山 DCR5/5(秣岳山頂)
ミヤギIT03局  石巻市上品山 DCR5/5 特小10mW5/5 1mW不可(秣岳山頂)
        特小 1mW5/5(岩のピークにて交信成立)
ヤマガタYN121局 山形市固定 DCR5/5
おかざきKG295局 蔵王白石スキー場 DCR5/4
        (双方5W、入感ポイント探して交信成立)
ミヤギSS500局 登米市水道山 DCR5/5
ヤマガタAB51局 鳥海山鳥海湖付近 DCR5/5
ミヤギAZ17局  大崎市加護坊山 DCR5/5 特小10mW5/5
イワテGS320局 花巻市東和町 DCR5/5
ミヤギOS147局 大崎市古川 河川堤防 DCR5/5



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FM無電源ラジオ 3号機

2014年09月20日 | ゲルマラジオ

 AMZ同調コイルを使った2号機は、感度良く、分離もまずまずです。しかし、完璧というわけにはいきません。どうしてもNHKFMとDateFMがかすかに混じってしまいます。感度(音量)は多少低くてもなんとかなるにしても、混信は気になってしまいます。分離をさらに良くするにはどうしたらよいか?これまでの経験では、はやりコイルの良し悪しに尽きます。AMZ同調コイルは悪くはないのですが、あまりにも小さく、Qが低すぎですね。それに市販のコイルではなく、自作にもこだわりたい、ということで、今回、3号機を製作してみました。回路も多少見直し、トランスも変えてみました。

<材料>
コイル 2mm銅線30cm程
バリコン 4連エアバリコン 200pF、90 pF、28 pF×2
ダイオード 1SS106
コンデンサー 33pF、100μF(電解コンデンサ)
トランス  アウトプットトランス7kΩ:8Ω(ラジオ少年)
その他   ステレオイヤフォンジャックなど





 まずはコイル。1号機作製時の経験をもとに、いくつか作ってみました。線材は太さ2mmのエナメル線。太いので巻きごたえがあります。直径4cm、2.5cm、1.2cm、0.8cm各種。本命はアクリルパイプに巻いた1.2cm。8巻。ところが試験的に回路を組んで聞いてみたところ、周波数の低いDateFMがかすかにしか入感せず、コイルを伸ばしたり縮めたりしたものの変わりません。試行錯誤の末、12巻し、均等に伸ばして隙間をあけたものを使うことにしました。インダクタンス調整は「多めに巻いて伸ばす」というのがコツのようです。

 回路は通常のゲルマラジオとほぼ同じですが、いつもは使わない100μFを追加してみました。手書き回路図を載せておきます。



 あらかじめミノムシクリップで組んでみたところ、トランスの前に直列に入れている100μFはたいへん重要な働きをしているようで、これを入れると分離が大幅に改善されます。また並列の33pFを入れることで、感度が向上します。音量アップがはっきりと感じられました。ダイオードは今回もルネサスのショットキーダイオード1SS106を使いました。他を試してみたところ、1SS108(ルネサス)もほぼ同等ですが、型番が同じでも、他メーカーのものはまったく聞こえませんでした。1N60は聞こえるものの音量がかなり劣ります。それ以外のゲルマダイオード、ショットキーダイオードを試しましたが、検波できたのは上記の3種類のみです。

 ということで、いつものとおり、かまぼこ板に配置。トランスが大きいため、重さは2号機の4倍です。


FM無電源ラジオ3号機完成





2号機(左)と3号機


 さっそくロッドアンテナにつなぎ、聞いてみました。バリコン容量を調節するため4連の2か所をミノムシクリップで連結します。これをしないと何も聞こえません。そして結果は・・・事前実験で、ある程度感触はつかんでいたとはいえ、予想を上回る分離の良さで聞こえてきました。1局、1局の選局の山が明確で、1号機、2号機とは明らかに異なります。感度自体は2号機とさほど変わりません。音質について、2号機と聞き比べたところ、音に厚みが増し、FM特有のシャリシャリした感じがなくなりました。送信所から約1kmという強電界ならではの話ではありますが、無電源かつ簡単な室内ロッドアンテナでこれだけFM放送が聞こえれば満足で、とりあえず課題はクリアといったところです。


バリコン連結 連結線の長さによっても変化します

アンテナはRF-U700Aのロッドアンテナ(95cm)に接続


 1~3号機を作ってみて気付いたことを書いておきます。

1)コイルは適当に巻いても、けっこう同調してくれます。でも、目的の放送局に合わせた分離の良いコイルはカットアンドトライで骨が折れます。
2)20pF程度のポリバリコンやAM用2連ポリバリコン直列など試してみましが、良好に分離することは不可能でした。エアバリコンの方が分離は良好でした。
3)ネットの製作記事で紹介されているいろいろなFMの検波回路を試してみました。まったく聞こえなかったり、音量が小さかったりで、結局、ダイオード1個使用の今回の回路が今のところの到達点です。
4)ダイオードはルネサスの1SS106がベストでした。廃番となっているので、入手は今の内かもしれません。
5)オーディオ用イヤフォンを使う場合は、サンスイのST32が音量大きく良いようです。あとはお好み次第。
6)ちょっとした接続(回路)の違いで大きく音量が変化することがあります。またミノムシクリップなどで予備実験しても、実際組み上げると全然音がでなかったり、その逆だったり。無電源ラジオはそういうことが珍しくありません。見えないインダクタンスがあちらこちらに潜んでいるということでしょう。奥が深いです。





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FM無電源ラジオ フィールド実験

2014年09月15日 | ゲルマラジオ


 大年寺山の送信所から我が家までは約1km。では、送信所直下では、無電源ラジオはどんな感じで聞こえるのか?今日はフィールド実験。

 以前に書いた通り、大年寺山には150m位離れて次の二つの送信所があります。
 NHK仙台FM     82.5MHz  出力5kw
 FM仙台(DateFM)  77.1 MHz  出力5kw


野草園入口より 手前がNHKFM、奥がDateFM送信所


 我が家から歩いて20分程。向山から急な坂を上ると野草園入口。目の前にNHKの巨大なテレビ塔、その奥に仙台放送テレビ塔が飛び込んできます。ちょうどバス停のベンチがあったので、さっそく1号機、2号機を取り出して聞いてみました。アンテナなしで強力に入感を予想していたのですが・・・まったく受信できず。聞きなれないノイズ(抑圧?)で1号機、2号機ともバリコンのどこを回しても何も聞こえずでした。送信所直下、しかも2局が近接、ということが原因なのか、腑に落ちないまま、もう少し離れた公園に移動することにしました。


東側公園(東屋)にて


 東屋のある東側公園。ここはいつもの移動運用場所。NHK送信所からは300m、FM仙台送信所からは450mほど離れており、どちらの電波塔も良く見えます。受信してみると、FM特有のサーッというノイズを確認、バリコンを回すとFM仙台が急に大音量で聞こえてきました。1号機、2号機とも外部アンテナなしの単体で十分過ぎるほどの音量で受信可能。特に音割れもなく音質もまずまず。これだけ送信所に近いのだから受信位置に関係なく聞こえるだろうと考えていましたが、さにあらず、入感ポイントはかなりシビアです。ラジオ本体を回すと明確な指向性も感じられます。きちんとポイントおよび方角を合わせると急に聞こえ、少しずれるとまったく聞こえず。そのポイントは2号機の方がよりシビア、との印象。先ほどの送信所直下では甘く見て、ポイント探しをしなかったのが、受信不可の要因だったかもしれません。


北側公園にて


 ここまでは良かったのですが、なぜか聞こえるのはFM仙台のみ。NHK仙台FMがまったく聞こえないのです。2号機のバリコン容量を変えていろいろ試したものの、最後まで聞こえずじまい。その後、北側の公園に移動し、再度試みましたが、結果は同じでした。我が家に帰って、改めて聞いてみると、ちゃんとNHK仙台FM、聞こえるではありませんか。??? よくわからずですが、強電界ならではの何かがあるのでしょう。でもこれだけ近い場所ではさすが音声も安定することがわかりました。また中波とちがって、やはりVHF、こんな強電界ですら受信位置によって天地ほどの差があります。逆に言えば、電波の通り道を探す面白さがあり、これはこれでハマりそうです。改良を加え、今度は少しずつ離れた場所での受信実験をしてみたいと思います。





<移動運用記>
 せっかくの大年寺山移動なので、1か月ぶりにDCR、特小運用してみました。各局様、FBQSOありがとうございました。

ミヤギIT03局 石巻市上品山 DCR5/5 特小5/5
ミヤギAZ17局 大崎市加護坊山 DCR5/5 特小5/5
フクシマFK1097局 福島市吾妻一切経山 DCR5/5
ミヤギOS147局 大崎市古川江合川 DCR5/5


北側公園からの北方向展望






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FM用マグネチックループ

2014年09月14日 | ゲルマラジオ


 無電源ラジオは電波のエネルギーのみで作動するので、なんといってもアンテナ次第です。特にFMの場合、信号強度が弱いと音が割れたり、歪みを生じやすく、なるべく強い安定した信号が必要となります。通常の中波ゲルマラジオと同じ単純回路を採用していることもあって1号機、2号機とも音質は最低レベル。せめて、アンテナだけでもと、ネットで製作記事の出ていた磁界型ループアンテナを作ってみることにしました。

 参考ページ
 http://www.cepstrum.co.jp/hobby/magnetic_loop/2magnetic_loop.html

 5D2V同軸ケーブル60cmを1ターン。これで直径18cm程になります。なぜ1/4λの90cmでなく60cmかいうと、5D2Vの強度で安定して円形を保持できるのはこのくらいが限界では?というだけの理由です。同調点はFM放送帯より高めになると思われますが、送信するわけではなく、受信専用なので良しとします。直径1m以上にすると、中波にも十分使えるそうです。作り方は二通りあり、上部の網線に切れ目を入れる対称型と、切れ目を入れない不平衡型。両端の芯線、網線の接続の仕方も異なります。興味のある方は、上記のページを参考ください。


対称型マグネチックループ

切れ目幅 5mm


 今回は、対称型、不平衡型の両方を作ってみました。無電源ラジオとの接続はミノムシクリップ。まずは対称型。手持ちでさっそく聞いてみると、意外にクリティカルで、入感ポイントを合わせるとまずまずの音量で聞こえてきました。ポイントが合わないと全然です。8の字指向性もあり、回すと強くなります。入感ポイントでは垂直でも水平でも変化なし。続いて不平衡型も試したところ、信号強度、了解度とも対称型と同程度でした。利得は感じられません。大きさ並みのアンテナということです。



 ふと、この二つをつないでスタックにしてはどうか?と考え、さっそく実験。結果は、シングルより確実に音量が増加、受信面積が2倍になった分、捉えられるエネルギーが増加したことを実感。ロッドアンテナ2本のダイポールと同等以上、と言ったところです。この大きさなので健闘していると言えます。聞こえ方はシングルと同じで、ポイントを合わせると急に音量が大きくなります。指向性も同様。


マグネチックツインループ

接続部


 磁界型ループをツインにしたことで、はたしてどのような動作になるのか、通常のツインループと違いはあるのかは?です。参考までアンテナアナライザーで共振点を調べてみると、95MHz付近にありました。80MHz~110MHzあたりは実用になると思われます。利得の得られるアンテナではありませんが、手持ちもできるので野外での移動受信には便利かもしれません。



 音質改善効果はあったか?といえば、まだまだ。せっかくのFM放送なのに、現状では中波ゲルマラジオの音質以下。次は回路自体を見直してみるつもりです。



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FM無電源ラジオ 2号機

2014年09月13日 | ゲルマラジオ



 中波ゲルマラジオと違って、FMの場合はアンテナがシビアな印象を受けます。適当にビニール線をつないでおけば聞こえる、というものでもありません。試したところでは、1/4λのロッドアンテナを2本、ダイポール風につなぐのがベストでした。その場合も、一方は垂直に、もう一方は水平とか、偏波面も単純ではないようです。また10cm動かしただけでも信号の強弱がはっきりとわかり、うまく電波を捉えるとフワッと浮いてきます。この感覚は、特小交信に似ていて、なかなか味があります。また、垂直、水平、方角、角度などを変えることで、混信の軽減にも多少、効果あります。

 とはいえ、前作の最大の問題はNHK仙台FMとFM仙台がかぶって聞こえてしまうことです。しかも、バリコンがほとんど用をなさず、回しても信号の山がはっきりしないのです。放送は聞こえているので、同調はしているのだろうとは思いますが、のべつ混信では面白くありません。バリコンを回す楽しみもないわけで・・・。


 ということで今回、分離(選択度)の改善をテーマに、2号機を作製してみることにしました。見直したのは、コイルとバリコン。前作のコイルはいい加減な試作でしたので、今回はきちんと80MHzに同調のとれている市販コイルを用いることにしました。またバリコンは中波用の4連エアバリコンの一部のみを使ってみました。

<材料>
コイル AMZ同調コイル(7mm角) 80MHz(せんごく電商)
バリコン 4連エアバリコン 200pF、90 pF、28 pF×2
ダイオード 1SS106
コンデンサー 2200pF
トランス  サンスイST32
その他   ステレオイヤフォンジャックなど



 AMZコイルは秋葉原のせんごく電商本店で調達。FCZコイルが絶版になって、その代用品という位置づけのようで、アマチュア無線各バンド用のコイルが多数取り揃えてありました。80MHzに同調するようにできており、アンテナコイルも内蔵されているので、アンテナをつないで同調が変わってしまう問題も解決できるのでは?一方、バリコンは中波用の4連ですが、28pF×1のみを使うことにしました。


2200pFを並列に入れた以外、回路は同じ


 コイル、ダイオード、コンデンサを小さな蛇の目基板にハンダ付けし各部を配線。いつものとおり、かまぼこ板のバラック風。アンテナ、アース各端子にミノムシクリップでロッドアンテナにつなぎ、さっそく受信。1号機のようにバリコンを回す前から放送が聞こえてくることはありません。最大限の集中でもって慎重に回すと、思いのほか大きな音声が聞こえてきました。何かのCM。ということはFM仙台。さらに回すといったんほとんど聞こえなくなり、今度は先ほどを上回る音量でNHK仙台FMが聞こえてきました。



 完璧とは言えませんが、分離の改善は一応クリア。バリコンを回す→放送が聞こえる→いったん聞こえなくなる→別の放送が聞こえてくる、この当たり前のことが可能となっただけですが、バリコンを回すこと自体とても楽しくなりました。

 エアバリコンの他の3連を組み合わせて結合すると、感度と分離が微妙に変わります。試した中では、28pF+90pFの組み合わせがベストでした。またAMZコイルのアンテナ端子にアンテナを接続するよりも、バリコンに直接接続した方が、感度はなぜか数段上がります。無電源ラジオはこういうことによく出くわします。ちょっとした接続(回路)の違いで天地の差。FMの場合は、とりわけその印象が強くなりました。教科書通りにいかないから電波は面白いです。



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FM無電源ラジオ試作

2014年09月06日 | ゲルマラジオ


 Web上ではFM放送を受信するゲルマラジオがいくつも紹介されており、いつか挑戦してみたいと思っていました。我が家から受信できそうなのは、NHK仙台FMとFM仙台(DateFM)の2局。どちらも送信所は大年寺山(テレビ塔)で、距離にして1km弱。ただし、テレビ塔は見えないので、完全見通しではありません。

 
 NHK仙台FM     82.5MHz  出力5kw
 FM仙台(DateFM)  77.1 MHz  出力5kw

 無電源で受信できる可能性は十分あるのでは?ということで、試しに作ってみました。まずはコイル。2μH前後あればよさそうなので、太さの違う線材で5種類ほど作製。中波と違って簡素なコイルです。インダクタンスはどれも1.5μH程。この他の材料は下記の通り。

 バリコン 20pF(aitendo)
 ダイオード 最終的に1SS106 ショットキーダイオード
 トランス  KT-32(サンスイST-32相当品)


大小の自作FMコイル

小容量バリコン


 せっかくのFM放送なので、今回も、トランスを使ってステレオイヤフォンを鳴らすつもり。基本的な回路は通常のゲルマラジオと同じです。違うのはコイルとバリコン。さっそくミノムシクリップで配線。据え置きラジオのロッドアンテナにミノムシクリップで接続し、慎重にバリコンを回してみました。最大限の集中力をもって聞いてみましたが、何も聞こえず。配線を見直したり、コイルを換えたりして何度か聞いてみるも結果は同じ。いつものゲルマラジオとは様子が違うようです。悩んだ末、ダイオードをショットキーに変えてみたところ、まずまずの音量で鳴ってくれました。でも、これって本当にFM放送なの?一抹の不安が・・・。RF-U700Aで確認したところ、まぎれもなくFM仙台でした。使ったのは1SS106なので、ゲルマラジオではありません。ショットキー無電源FMラジオ。


1SS106

 予想していたとおり、NHK仙台FMとFM仙台が混じって聞こえます。なにしろ二つの送信所はほぼ同じ位置にあり、出力も同じ。バリコンのどこを回しても混信は消えません。アンテナとコイルの間に直列にバリコンを入れてみたところ、多少改善されました。またロッドアンテナの傾きを変えると、そこそこ緩和されます。FM放送というのは音楽が中心なので、クラシックとポップスが混じって聞こえたりして、良く言えば新鮮な感じもしますが、できれば勘弁してほしいです。大小のコイル、これらもすべて試してみました。ほとんど聞こえ方に変わりはありませんでしたが、大きく巻いた方が若干感度は良いようです。きちんと同調しているのかどうかはよくわかりません。かなり大ざっぱです。我が家のような強電界においては、こんな簡素な無電源ラジオでも聞こえてしまうようです。



コイル直径5cm3回巻

黄色のミノムシクリップはアンテナ線



 そんな実験の後、いつものようにバラック風に組み上げてみました。ところが完成して聞いてみると、ミノムシクリップでの実験ではけっこうな音量で鳴っていたのに、虫の鳴くような音量でしか聞こえなくなってしまったのです。たぶん、ミノムシクリップのリード線がアンテナ代わりになっていたのでは?と推察しています。またFM仙台よりもNHK仙台FMの方が強く入るようになりました。回路は同じ、板に配置しただけなのに、けっこう変わるものです。室内ではかすかにしか聞こえなくなってしまいましたが、ベランダの一か所では、アンテナなしで鳴ってくれます。



 大年寺山の送信所(テレビ塔)は仙台市内や周辺どこからでも良く見えます。つまり見通し。VHFなので無電源の簡素なラジオでも広範囲で受信可能では?と考えられます。泉ヶ岳や蔵王からも見通しのはず。改良を重ねて、そのうち山頂で受信実験してみようかと思います。





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イヤフォン探し

2014年09月01日 | ゲルマラジオ


 ゲルマラジオのイヤフォンと言えば、セラミックイヤフォンが定番ではありますが、自分は使いません。代わりにトランスを介してオーディオ用ステレオイヤフォンを使っています。セラミックイヤフォンは耳が痛くなって長く聞いていられるような代物ではないのです。ゲルマラジオキットには必ず1個付属していますが、無電源のラジオから放送が聞こえてくる感動を体験できればよい、という発想なのか、イヤフォンのみならずキットそのものがチャチで子ども向けの印象は拭えませんね。大人向けのキットもあるものの、付属するイヤフォンはなぜかセラミックです。

 何度か書いているとおり、モノラルといえども片耳で聞くのと両耳で聞くのとでは別世界なのです。しかもオーディオ用ステレオイヤフォンの進化は日進月歩で、装着感、音質などセラミックイヤフォンとは比べ物になりません。ただ、そのままつないでも何も聞こえないので、トランスによる適切なマッチングが必要なことと、イヤフォンの選択によっては、セラミックイヤフォンに比べ音量が小さくなってしまう問題があります。では、ゲルマラジオに適したオーディオ用イヤフォンとは? 



 売り場には、いくらなんでも多過ぎるのでは?と思うくらい多種多様なイヤフォンが並んでいます。価格も数百円から10万円を超すものも。数年前にゲルマラジオ作りを始めてからというもの、買っては試しの繰り返しで、気がついてみたら10種類近く保有することとなりました。

 基準としては次の通りです。

 ・形態      カナル型
 ・音圧の高いもの 108db~120db以上
 ・インピーダンス 8Ω~16Ω

 ゲルマラジオには耳奥で鳴るカナル型が有利です。そして音圧が高いほど大きな音で鳴ってくれるはずです。しかし120db以上となると高価なものが多く、すべてを試すわけにもいきません。そんな中で、ダントツに大きな音で鳴ってくれる、一つのイヤフォンに出会うことができました。それを超えるものはないかと、さらに出費を重ねたものの、今のところ、見当たりません。メーカーにとっては想定外の使われ方で、心外かもしれませんが、これぞゲルマラジオ用ステレオイヤフォン。音圧110dbながら、121dbのイヤフォンを凌ぐ音量で鳴ってくれます。音質も明瞭度、声の厚みなど自分としては悪くないと思います(あくまでゲルマラジオでの話。トランスにもよります)。

 メーカー TDK
 型番   TH-EC41(ライブチューニングモデル)生産終了。
       現行リニューアルモデルTH-PLEC300
 音圧   110db
 インピーダンス 16Ω 


TH-EC41

 
 これで満足かというとそうではありません。ゲルマラジオで音にこだわってどうするの? とも思いますが、こだわるときりがなく、イヤフォン探しは終わりがないのです。



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