JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

地震予知器?

2011年06月26日 | 地震予知器


 M9という途方もないエネルギーを発する巨大地震に見舞われたのだから、何か前兆のようなものがなかったのか、ということが時々話題になります。自分としては特に思い当たらないのです。3月9日に久しぶりに大きな地震が来ていたのですが、それすら忘れかけていた二日後、唐突に揺れが襲ってきた、そんな感じでした。

 新聞報道によれば、GPS衛星などを使って様々な前兆はとらえられていたようです。

 ・東北地方のFM放送の電波伝搬が8ヶ月前から2~3倍強くなっていた(北大)
 ・地震の40分前から震央上空300Km付近の電子量が異常に増加(北大)
 ・地震発生1~3日前から上空の電子量の増加を確認(千葉大)

 毎朝、7MHzやVUをワッチしていますが、何かいつもと違う異変や兆候には気付きませんでした。ただ聞き流しているだけで察知できるというものではないようです。

 ネットで検索すると、前兆観測を公開されている方も多いですね。
 ・地震雲の観測
 ・大気中のイオン濃度
 ・ガンマ線の増減
 ・電子機器の異常動作  などなど
 
 どれもそれらく思えてしまいますが、中には「体感」などというのもあります。地球上に70億近い人がいるわけで、その中には、特殊な能力をお持ちの方もおられるのかもしれません。一概に否定もできないし、信用もできない、地震予知というのはそういう不確かさがあって、そこがまた面白くもあり、ロマンでもあるのかなとも思います。


 江戸末期、安政の大地震。浅草の眼鏡屋で磁石に吸い付けてあった釘などがバラバラと落ちてしまったので不思議に思っているところに、数時間後、大きな揺れが襲ったのだとか。大地震の前兆として磁力が急に弱くなるということが話題となって、当時、作られたのがマグネット式地震予知器というものだそうです。磁力を相対的に弱めてしまうような磁界が、大地震の前に発生するということでしょうか? だとすると、電子機器の異常動作なども説明がつきますね。これで実際、予知できたとか、そういう研究が大規模に進んでいる、というわけではないようです。当時は、まだ磁石そのものの珍しさもあって、真実味をもって広がったのかもしれません。

 でもこの話、妙に興味をそそられてしまいました。マグネット地震予知器・・・。


 ネットで検索してみたら、佐久間象山が作ったという予知器の現物も残っているそうで、図解も見ることができました。さらに、仙台在住のOMのブログでも「超高感度マグ」という装置を開発して、実績を重ねていることが紹介されており、6月23日の地震(震度5弱)も的中させたのだとか。やはり、磁界に変化が起こるというのは本当らしい???

 佐久間象山の装置は絵図を見る限り何も特別なものはなく、要は、「磁石の磁力が急に弱くなって吸い付いていた物が落ちる」という現象を視覚および聴覚でわかるような装置であればよい、と解釈できます。難しいことは考えず、雨天休日、簡単な試作品を作ってみることにしました。



銅パイプで支柱と土台を作製 


二つをはんだ付け。高さは12cm。上部中央に鉄板(何でも良い)と磁石を装着
鈴にナイロン糸を通して、ぎりぎり落下しない位置に調整して完成


一見すると鈴が宙を浮いているよう

磁力が弱まれば、落下して音を鳴らす


 銅パイプの切れ端と磁石と鈴。すべて有り合わせの材料で作りました。製作費100円程。ホント、単純な装置です。Xはオブジェとしておもしろがってくれました。真偽のほどは半信半疑。とりあえず室内に置いてみることにします。



奥が昨年のハムフェアで購入した電界強度計(無電源で作動)
微妙に変化するのでこちらも観察してみます


《追記》
 設置して2週間、昨日(7月7日)初めて鈴が落下しました。自分はCMでいなかったのですが、Xによると、午後5時頃ふと見たら落下していたとのこと。午後2時過ぎに弱い地震があって、もしかするとその揺れで落下したのでは?との話でした。鈴は微妙なバランスで浮いているので、かなり敏感ではありますが、生活震動や空調で落下しないことは確認済みです。また、この2週間、震度1~2は何度かありましたが、その揺れによって落下したことはありません。なので、別の要因と思っていたところ、本日(7月8日午前3時46分)、福島県沖を震源とするM5.6(最大震度4)が発生しました。当地は震度3で、6月23日以来の割と大きな揺れでした。予知器を確認したところ、鈴は落ちていませんでした。やはり地震の揺れによるものではなさそうです。M5.6を予知して(磁界が変化して)数時間前に落下したとか?この規模で???
 以上、記録として追記しておきます。


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モバイル電源使用記430MHz

2011年06月14日 | 移動運用装備



 めったに出ることのない430MHzではありますが、ソーラーモバイルチャージャーの使用実験を兼ねて運用してみました。前回の145MHzとの違いも感じましたので、レポートしてみます。

 運用場所 蔵王連峰 屏風岳 標高1817m
 リグ   ヤエスFT-7800 
 出力   10W
 アンテナ スイスクワッド(シングル)
 電源   ソーラーパネル付きモバイルチャージャーSOLAR20000
      16V設定

 久しぶりに南蔵王の最高峰、屏風岳からの運用。先週と違って風もなく、絶好の登山日和。午前7時前にエコーラインの登山口に駐車し、ひたすら山頂をめざすこと90分、8時30分頃、屏風岳に到着しました。電源自体はリチウムなので700gと軽量ですが、モービル機が1kg以上あり、付属品を含めると約2kg。これに三脚、アンテナが加わり、けっこう肩にくい込みます。


尾根道は峰桜が満開、シャクナゲもちらほら咲き始めていました


 さて、山頂にてさっそく準備開始。バッテリーは前回同様16V設定。145MHzの時と違って電源ノイズはまったくありません。三脚にスイスクワッドを設置して、南にビームを向けてみました。標高1800mだけあって、ローカルの信号はよく聞こえます。430でCQを出すのはしばらくぶりで、応答があるかのかどうかも心配でしたが、宮城、福島各局に呼んでいただきました。

 いったん途切れてアンテナを北に向けたところ、岩手県滝沢村のCQが聞こえてきました。か細い信号で慎重にスイスクワッドを合わせてコールサインを確認。こちらには42で入感。呼んでみたところ、相手局からは52のレポート。コールサインを2度聞き返されたので、たぶん、同程度の信号で届いていたのだと思います。交信距離約200km。この日の最長記録でした。


430スイスクワッド

リグFT-7800

ただ今発電中・・・


 その後、再度CQ。8局目の交信が終わったところで、バッテリーの残量100%のランプが消え75%と表示されました。運用開始から70分。145MHzに比べると消耗の早さを実感します。1.5倍以上消費? 天気は晴れ、ソーラーパネルもフル発電のはずですが・・・。

 さらに問題なのは、リグの熱さが尋常でないのです。熱くて触れない状態。145MHではこんなことはありませんでした。貴重な電力が、熱に使われているということになるのでは? 冬ならカイロ代わりになるかもしれませんが、この時期、まったく無駄というほかありませんね。そうでなくとも暑いのに・・・。

 それから4局と交信し、このまま発熱させてはマズイのでは?との疑念が頭をもたげて、10時40分、430MHzでの運用を終了しました。交信局数は12局。約2時間の運用。バッテリー残量表示は75%。

 運用中に電圧が不安定になるということはなかったのですが、こんなに熱を出したのでは、リグがかわいそうです。かといって、この電源、12V設定にすると最大2Aまでの仕様となっており、この場合5Wが限界。ということで、430MHzで16V設定、10W運用は厳しいです。5Wなら快適、かつ長時間の運用が可能と思います。

 〈SOLAR20000の仕様〉
  ・6V、9V、12V     →最大2A
  ・16V、19V、22V、24V →最大4A
 
 ちなみに、同じワールド無線で、ソーラーパネルのない「モバイルチャージャーiHD20000」という商品がありますが、問い合わせたところ、こちらは最大19Vで1.5Aとのこと。無線に使えるのかは???です。

 まとめてみると
 1)430MHzでは電源ノイズはない
 2)16V設定で10W出力は可能であるがリグの発熱が著しい
 3)バッテリーの持ちは145Mhzの3分の2程度



 交信中、ちょうど山梨コンテストが実施され富士山からビームを向けてくれるらしいとの情報をいただきました。バッテリー実験終了後、アンテナを慎重に回してみたものの、残念ながらそれらしい信号をとらえることはできませんでした。この山頂も含めて蔵王全体が1エリアとの相性はよくないようです。簡素なアンテナなので無理もないといえば、それまでですが、吾妻連峰が壁になっているような印象があります。

 この日は、HFハイバンドから6mまでフルオープンだったそうです。430に関しては、特段、信号の伸びは感じられませんでした。



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モバイル電源 使用記

2011年06月06日 | 移動運用装備


 前回紹介したモバイルチャージャー。山岳移動運用の電源としてどうなのか? 実際、使ってみましたので感想を記してみます。

 運用場所 蔵王連峰地蔵山 標高1730m付近
 リグ   ヤエスモービル機 FT-7800
 出力   10W
 電源   ソーラーモバイルチャージャー20000
 アンテナ ツインデルタループ

 先月、雷に会って早々に引上げた地蔵山でリベンジ。本当は熊野岳までは登ってみるつもりでしたが、思いのほか風が強く、地蔵山の岩陰で風を避けての運用となりました。

 モバイルチャージャーは、前夜に充電器を使って満タンにしておきました。付属のキャリングケースにモービル機一式もうまく納まってくれます。この状態でザックに入れると、さほど重さは感じません。


こんな感じで収納


 さて、山頂に着いて、さっそく準備開始。電源の持ちや使い勝手を確認することが目的なので、パワーは10Wとし、途中で変更はしませんでした。天気は曇り、というかガスで視界30mしかありません。なので、ソーラパネル(最大4W)での発電はほとんど期待できない状態です。






 電源を入れてすぐのリグの電圧表示は16.1Vもありました。周波数チェックを入れて送信しているうちに、15.9V、その後15.6Vに下がり、そのまま安定、運用終了時も15.6Vを維持していました。定格13.8Vからすると、かなり高めで+15%の範囲すれすれ。

 運用開始は午前11時。終了が午後2時15分。この間、休憩を20分程取りましたが、その間も電源は入れっぱなしでした。この日の交信数22局。一局当たりの交信時間は、平均すると7~8分です。ちょうど10局と交信を終了したのが12時10分。電源の残量チェックボタンを押して確認したところ、まだ100%の表示ランプが点灯していました。その後は、交信ごとにチェックしたわけではないのではっきりしないのですが、18局目終了時で100%のランプは消えており、75%を表示していました。それから4局と交信し、運用終了時も75%でした。


4段階のバッテリー残量表示(上段、下段は電圧表示)


 類推すると、約3時間の運用で30%程、電力を消費したのではないかと思われます。とすると、10W出力でおおよそ10時間の運用が可能ということになります。5Wなら20時間?最大4Aとのことなので、20Wはやめておいた方が無難ですね。10Wでは、交信中、電圧が急に落ちるとか、不安定になるということは特にありませんでした。また。電圧が高めで、リグが熱くなるかと予想しましたが、そういうことはなく、通常と変わりません。

 ノイズに関しては、ホームと環境が変わったためか、電源ケーブルの引き回し方によって、ノイズだけでS3くらいまで振ってきました。うまくケーブルを処理するとノイズは消えます。適切な位置を見つけてコアを追加するとか、もう一工夫してみたいと思います。



ツインデルタループ 新潟、福島、山形、宮城各局に交信いただきました


 総じてこのモバイルチャージャー、山岳移動運用に使える電源であるとの手応えは得られたように思います。電池切れのことをまったく心配せず、10W運用を続けることができました。むしろ、なかなか100%表示ランプが消えず、そのスタミナに驚ろかされたというのが率直な感想です。

 まとめてみると
 1)20Ahの大容量にもかかわらず700gと軽量
 2)16V設定で最大4A。
 3)FMで10Wの出力可能。
 4)その際、10時間程度の運用が可能
 5)晴天ならソーラー発電で多少伸びる可能性あり
 6)運用周波数帯によってはノイズ対策必要


 そうするかどうかは別として、モービル機をどこにでも持ち歩いて使えるようにはなりました。災害等で停電の際も、ホームのアンテナをつないで普段通りオンエアできるのでは。

 動作の可否やノイズの有無などは、リグの種類にもよるのかもしれません。消費電流も機種ごとに違うわけですし・・・。また、たとえばHF帯のどのバンドにどの程度ノイズが発生するのか、なども興味のあるところです。すぐにやる気はありませんが、ホームで使っているFT-450とこのモバイル電源の組み合わせで、山から運用してみるなども考えられなくもありません。

 電源の問題から解放されれば、もっと面白いことができるのでは?などと空想ばかりが膨らみます。



帰宅後、さっそくソーラー充電。100%に戻るのに何日かかるのやら





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山岳移動モバイル電源

2011年06月03日 | 移動運用装備


 バッテリーで検索してWebをぐるぐる閲覧していたら、モバイルチャージャーというのを見つけ、購入してみました。ノートパソコンのバッテリーに充電したり、直接つないで電源として使えるもので、停電になったり、コンセントがない場所でも、ある程度の時間は使えるという代物です。

 商品名はソーラーモバイルチャージャー20000。中国製のBCLラジオなどを扱っているワールド無線という上海のショップです。代引きの扱いはなく、少し不安でしたが、1週間ほどで無事届きました。

《製品仕様》
電池:リチウムポリマー(ソーラー発電付き)
容量:20Ah
出力:USB5V、DC3V、6V、9V、12V、16V、19V、22V、24V(最大4A)
サイズ:ほぼA4サイズ
重さ:700g

 すごいのは、バッテリー容量が20Ahもあることです。20Ahと言えばエネループの約10倍。しかもDC出力が最大24Vで8種類も選べるということで、パソコンのみならず、無線機の外部電源にも使えそう!と考えたわけです。移動運用でよく使われる鉛シールドバッテリーであれば同じ容量で重さは6Kg以上、とても山に担ぎ上げる気になりませんが、これなら8分の1で済みます。容量を考えると超軽量。ソーラー発電はおまけとしても、普段はパソコン用として使って、山岳移動ではハンディ機の外部電源として使う。A4サイズなので小型ザックにも収納可。たとえば、山小屋で一泊などという運用でも、電池切れの心配なく、目一杯使えるのでは?そんな目論みです。



一式 これにケースが付いています


 箱の中には、本体の他、充電用のアダプター、パソコン等との接続用ケーブル、USBケーブル、各種接続端子、さらにはしっかりしたキャリングケースも付属していました。接続端子は初めてお目にかかる形状のものも含めて多種多様、十種類以上が同梱されています。


右が電源ボタン、左がバッテリーチェックボタン LED表示で動作状態を表示


USB端子から携帯にも充電可


 電源を入れて、充電状態のチェックボタンを押してみると満充電となっておりました。さっそくノートパソコン(Dellの15.6インチ)の付属バッテリーを外して、モバイルチャージャーのみをつないでみました。電圧はパソコンのアダプターが19.5Vだったので、19Vに設定。パソコンの電源ボタンを押したところ・・・。起動してくれません。???一抹の不安。もしかして断線?と思い、テスターでチェックしたところ、間違いなく19V程の電圧がかかっていす。電圧が足らないのかと思い、22Vに設定。やはり起動してくれません。もしかすると質の良くない電気を出力しているために、パソコン側が受け付けないとか?不安増幅。とんでもないものを買ってしまったのでは・・・。最後、恐る恐る24Vに設定してみたところ・・・すんなり起動してくれました。???

 とりあえず、パソコン用外部電源としては使えました。しばらく使ってみましたが、24Vのままで特に異常はないようです。


 続いて、ハンディ機。アルインコのDJ-S57。外部電源ジャックにちょうど合う端子が付属しているので、特に加工などは必要ありません。モバイルチャージャーの電圧を9Vに設定して、ハンディ機の電源を入れたところ、なんなく起動。までは良かったのですが、別の問題が・・・。145MHzで盛大にノイズが入るのです。ケーブルの引き回しでも違いますが、ノイズだけで信号強度5。これを上回る信号でないと、了解できません。電圧を8種類も変更できるということは、コンバーターを内蔵しているわけで、これがノイズ源と思われます。430MHzではこの現象はありませんでした。当局は145MHzをメインとしているので、残念ですが、使えません。


 それでは、ということで、今度はモービル機で試してみました。開局当初、固定機代わりに1年ほど使っていたヤエスのFT-7800という機種です。最大出力20Wのファンレスタイプで10W、5W、1Wと4段階の出力設定ができます。

 モービル機なので、少し加工が必要です。無線機側の電源コードに、モバイルチャージャー付属の端子をハンダ付けして、アウトプットに差し込むだけで使えるようにしてみました。


念のためパッチンコアを装着



 電圧は12Vに設定。11.7Vと表示され問題なく起動してくれました。ベランダのモービルホイップをつないで受信したところ、ハンディ機と違ってノイズはほとんど気になりません(145MHz)。電源ケーブルを持ち上げたりすると、少しノイズが入りますが、問題ないレベル。430MHzでは、まったくノイズはありません。

 続いて送信。430MHzレピーターにアクセス、5Wでは問題ありませんが、10Wで突然リグの電源が切れてしまいました。電圧不足? 16Vに設定しなおして、再度アクセスしたところ、今度は電源が切れることなく送信できました。20Wでも問題ありません。リグの電圧表示は、はじめ15.9V、その後15.6Vに下がって、そのまま維持、高めではありますが16V設定の方が安定して使えるようです。




 


 今回のことで、ハンディ機とモービル機の違いというものを考えさせられました。クルマに積んで使うことが目的なだけあって、ノイズ対策はハンディ機とは比べ物にならないですね。ハンディ機で以前から気になっていた隣接信号からのカブリなども、優れているようです。まだ、数局と交信したのみですが、相手局からは特にノイズは入らない、クリアな信号とのレポートをいただきました。

 近く、FT-7800+モバイルチャージャーのコンビで山頂から運用してみたいと思います。



コメント (9)
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