JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

ミニループアンテナ 続編

2012年10月27日 | コイル作り


 外部アンテナなしのゲルマラジオでマグネチックイヤフォンを鳴らすには、我が家の環境においては極太バーアンテナなどそれなりの工夫が必要なことは、これまで紹介したとおりです。



 たとえば、だいぶ前に実験用に作ったこのゲルマ。直径38mmの塩ビ管に0.3mmのウレタン線を巻いた、ごく一般的なソレノイドコイルを使っています。HA750BLなどの外部アンテナを接続すると、ローカル放送局は十分な音量で聞こえます。でもアンテナを外してしまうと、どんなに注意深く聞いても、なにも聞こえてくることはなく、音声の片りんすら感じ取ることはできません。



 ところがこのゲルマラジオにミニループアンテナを近づけると・・・。なんと外部アンテナを接続したとき以上に、明瞭に放送が聞こえてくるのです。



 続いてこちらも以前に、興味本位で作ったスパイダーコイル。直径10cm程の巻き枠にリッツ線を巻いたものです。インダクタンスは140μHしかありません。これをゲルマラジオに接続しただけでは、何も聞こえません。同様にミニループを近づけると・・・。驚くほどよく聞こえます。



 いづれも近づけるだけで、接続しているわけではありません。

 間違っているかもしれませんが、原理を考えてみると、
 ・ミニループアンテナの一次コイルが電波を受け電気エネルギーが発生する
 ・発生した電気はコイル内のコンデンサにいったん蓄積され、すぐに電磁波として放出される。
  その際、バリコンで特定の周波数に同調し送信される
 ・送信された電磁波をゲルマラジオが受信する

 つまり、ミニループアンテナは無電源の中継局あるいはワイヤレス増幅器、ということになるのでしょうか?中継局がすぐそばに設置されたために、ゲルマラジオはいやおうなく鳴り始める・・・。実際、そんな印象を持ちました。

 ではどの程度の送信能力?があるのか。ラジオ側の受信能力(コイル)にもよりますが、30cm程離しても、増幅の効果が認められました。ゲルマラジオ側のコイルに対し、直角に置くのが良いようです。





 これがあれば、たとえ極小コイルのゲルマラジオでも鳴らしてしまうのでは?と思ったりもします。あまり感度の良くない1IC+1TRラジオもミニループを傍におくだけで、家中どこでも受信できるようになりました。


 小さく巻けば単なるコイル、大きく巻くと、どこかの時点で豹変する、そんな印象です。それがどの程度の大きさなのか、もっとミニサイズでもよいのか、大きさだけなのか?素人実験の楽しみは増えるばかりです。


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中波用ミニループアンテナ

2012年10月21日 | コイル作り


 ソレノイドコイルのボビン(巻き筒)を大きくすればするほどゲルマラジオの感度は上がります。通常は直径8cm程度でしょうか。さらに大きなものはループアンテナということになります。どの大きさまでソレノイドコイルでどこからがループアンテナなのか?特に定義があるわけではないと思いますが、自分的には外部アンテナを付けなくとも受信できる状態であれば、それはループアンテナ、と言ってよいのでは、と考えます。

 ネット上には大きなループアンテナの製作例をたくさん見ることができます。でも、小回りが利き、かつ単体でゲルマラジオが鳴る程度のものはあまり見当たりません。そこで次のような課題で作ってみることにしました。

1、ゲルマラジオが外部アンテナなしで受信できること。
2、なるべく小さなサイズとすること。
3、フェライトコアは使わず、コイル単体のみとすること。

 <材料>
・巻枠 100円ショップのアクリルケース
    縦22cm、横15cm、深さ4.5cm
・線材 リッツ線 0.1mm×100本 長さ18m(一次コイル用)
     リッツ線 0.1mm×40本  長さ2m(二次コイル用)
・2連ポリバリコン1個
・かまぼこ板、端子、その他

<製作>
 アクリルケースに沿って、はじめに一次コイルを巻いていきます。今月号のCQ紙でも紹介されてあった100円ショップのグル―ガンが大活躍してくれました。巻き始めと終わりを固定するのにたいへん重宝します。LCメーターで所々インダクタンスを測りながら巻いていきました。バーアンテナと違って、なかなかインダクタンスが上がりません。20m巻きのリッツ線のほとんどを使いきって23回巻き、188μH。ピックアップ用の二次コイルは、一次コイルと同じ向きに4回巻き。これで枠幅ぎりぎりとなりました。以上、コイル部分完成。


グルーガンでサクサクと固定

一次コイル188μH


 続いて、これを木台の上にセットします。今回は同調型アンテナなので、一次コイルを2連ポリバリコンに接続。二次コイルはターミナル端子へ。一次コイルと二次コイルは電気的には接続していませんが、一次コイルでとらえた電磁波を電磁誘導により二次コイルでピックアップし、ラジオに受け渡す仕組み。一応、一次コイルへも直接接続できるようにターミナル端子を取り付けました。工作は以上です。


完成

バリコンを挟んで左が一次コイル端子、右が二次コイル端子


 はじめに一次コイルのターミナルにゲルマラジオを接続してみました。ミニループのバリコンを中間あたりに設定して、ゲルマラジオ側のバリコンを慎重に回します。聞こえるのか、聞こえないのか、どの程度の音量で聞こえるのか? コイル作りは、この瞬間が一番の楽しみです。と、NHK仙台第一が期待以上の大きさでマグネチックイヤフォンを鳴らしてくれました。仙台第二も十分な音量。分離も悪くありません。指向性が強く、きちんと方角を合わせると、フェライトバー16本を束ねた極太バーアンテナを上回る感度となりました。


ゲルマラジオに接続




 続いて、二次コイル側に接続。ループのバリコンを回すと、こちらも先ほどと同様の音量で聞こえてきました。少し低音が増したような印象。きちんと電磁結合されていることが確認できました。

 この二次コイル端子に結合ループ線をつないで、こんどは2ICラジオのバーアンテナに絡めてみました。つまり、一次コイルで目的の周波数の電磁波をとらえる→その磁場と結合して二次コイルに電気信号が発生する→その信号をループ線でICラジオに受け渡す、というルート。双方のバリコン調整が必要で、うまく合わせた個所では明らかな感度アップが実感できました。二つのバリコンを使うためか、分離の方も改善がみられます。


2ICラジオにループ線を絡める



 ついでに、RF-U700Aのジャイロアンテナにもループ線をからめてみました。こちらの方はもともと感度が良いので、信号の強弱は確認できませんでした。夜間にでもまた実験してみたいと思います。




 外部アンテナなし、フェライトバーを使わず、コイル単体でゲルマラジオを鳴らす、という課題は一応、クリアできました。Qを高めるため太めのリッツ線を使用したのも好結果になったように思います。バーアンテナと比べると大きくはなりますが、B5版ほどのミニサイズでこの性能・・・。ループアンテナの実力、侮りがたし。


<追記>

 夜間の受信実験の結果。RF-U700Aの傍にミニループを置くだけで感度が上がります。ループ線をジャイロアンテナに絡めなくともOK。RF-U700Aでなんとか聞き取れる程度の弱めの信号を受信し、脇に置いたミニループのバリコンを回すと急に信号が強くなる箇所があります。ミニループに発生したエネルギーが電磁的にラジオ側に受け渡されているわけです。そして角度を合わせる。これで了解度5に改善。
 RF-U700Aは9KHzステップの電子チューニング。なので微妙な周波数調整はできないのですが、ミニループのバリコンでアナログ的な微調整ができるようになります。これも一つの発見でした。








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コイルの巻き方実験

2012年10月20日 | コイル作り


 鉱石ラジオ全盛時代よりコイルの巻き方にはさまざな工夫がこらされてきたことは、『ぼくらの鉱石ラジオ』に詳しく紹介されています。8の字コイル、ハニカムコイル、スパイダーコイルなどなど。その一つに逆巻コイルがあります。普通に線を巻いていって、途中から反対向きに巻くという単純な巻き方なので、何度か作ったことがあります。なぜ、先人たちがこんなコイルを作ったのか?自分としては次のように考えました。コイルの巻き数は多い方が感度は良くなる、でも、多く巻くとインダクタンスが上がって放送の周波数帯に合わなくなってしまう。そこで、途中から逆向きに巻くことで、インダクタンスを相殺し、かつ巻き数を増やして感度を上げる、ということだったのでは?

 
 途中から逆巻にすることで、インダクタンスが下がることはこれまで確認していますが、感度は上がるのかどうか?今回、同じ材料、条件で、比較してみることにしました。ついでに、密巻コイルとスペース巻コイルの違いも実験してみました。

<基準となる密巻コイル>
 長さ16cm、直径1cmのフェライトバーを4本束ねたものに、リッツ線(0.1mm×40本)を普通に密巻したバーアンテナ。巻き数は34回。インダクタンス140μH。

<逆巻コイル>
 上記と同じ材料を使い、まず29回巻き、途中で反転させてさらに39回巻く。合計58回の密巻き。インダクタンスは174μH。

途中から逆向きに巻く


<スペース巻コイル>
 同じ材料に隙間をあけて巻く。巻き数39回。インダクタンス140μH。


 逆巻コイルだけはインダクタンスをうまく合わせられず、若干大きめです。


上から密巻コイル、スペース巻コイル、逆巻コイル


 さっそくゲルマラジオにつないで聞き比べてみました(外部アンテナなし)。
 その結果は、感度の良い順に

 スペース巻コイル>基準の密巻コイル>逆巻コイル  となりました。


 予想に反して、逆巻コイルは芳しくありません。基準のコイルの半分程度の音量で、あきらかに感度は低下します。逆向きに巻き過ぎたのがいけなかったのかと考え、少しずつ、リッツ線を外してみたところ若干感度が上がったものの、結局、反転させた箇所まで外してみて、感度はそのままでした。コイルの巻き数を多くすることによる感度アップは実感できませんでした。

 一方、スペース巻の方は、密巻より1.5倍ほどの音量となり、明らかな感度アップが実感できました。NHK仙台第二も十分聞き取れます。気を良くして、もう一つスペース巻コイルを作ってみました。

<スペース巻コイル2>
 同じ材料に、はじめの20回は小さなスペースで巻き、徐々にスペースを大きくとって巻く。巻き数37回。インダクタンス141μH。




 聞き比べたところ、等間隔のスペース巻きと同様の音量で、さほどの違いはありません。

 続いて密巻コイル、スペース巻コイル2本の計3本を直列で接続。1本より2本、2本より3本と音量は大きくなりました。それぞれのコイルの向きを逆にすると聞こえなくなります。並列で接続にした場合も何も聞こえませんでした(放送帯をはみ出した?)。

3本直列


 また、前回同様、ゲルマラジオにつないだ1本のバーアンテナの両端に残りの2本を置いてみました。単に置いただけですが、3本直列につないだ時以上に音量は大きくなりました。この方が簡単で効果大です。


今回の実験のまとめ
1、 コイルはスペース巻が感度アップに有利。
2、 逆巻コイルはインダクタンス調整には使えるが、感度アップにはつながらず、存在理由は不明のまま。
3、 複数のコイルを直列または並列すると感度がアップする。
4、 コイルの巻き方や数を増やすより、フェライトバーを長く太くした方が効果は大きい。



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6TR-STD再評価

2012年10月14日 | ラジオ工作


 音が悪すぎ、と思い込んで基板を外した6TR-STDラジオキット。主な原因は、電圧不足でした。エネループの電圧が1.2Vを下回って、2本で2.3V程。これでもLEDは点灯するし、音も出るには出ますが、ガサついて耳障りな音になります。あらためて充電したばかりの電池で試してみたところ、普通並み以下程度に鳴ってくれました。

 音をもう少し改善できれば、高感度な、使えるラジオになるのでは?



 まずはスピーカー。付属スピーカーは高音ばかりで聞いていて疲れます。最低レベル。少しマシ程度ですが、余っていた別のキットのスピーカーを使うことにしました。秋月の300円8cmスピーカーの方が音はいいです。


あらためて木台に組み上げ 

スピーカーはマグネットで金具に吸着させているだけ



 さらに、バーアンテナの位置を変えて、基板から1cmほど離してみました。そしてトラッキング調整。IFTは出荷時に455KHzに合わせてあるのでいじらないように、と説明書にあったのですが、どうも少しずれているような・・・。東北放送に合わせて、慎重にコアを回してみると、音に厚みが増すのがわかります。やはりずれているようです。NHK仙台第一、第二でも同じことを繰り返して、調整終了。いつまでもこれをやっていると、耳が慣れてわからなくなってくるのです。


調整はほどほどに


 回路も少しいじってみました。高音を抑えるため、スピーカー出力の直前に100μFの電解コンデンサーを追加。こころ持ち、落ち着きのある、ラジオらしい音になってきました。


 さて、イヤフォン端子はAM専用ラジオにもかかわらず、ステレオ用のものが付属しています。当然、両耳からモノラル放送が聞こえてきます。あらためてステレオイヤフォンで聴いてみると、なかなかの音で鳴ってくれました。スピーカーで聴くよりはるかに高音質。




 このキットは、いろいろと調整するところがあって楽しめます。6石スーパーヘテロダイン方式のため、分離は抜群。付属のポリバリコンは粗悪ですが、信号のピークがはっきりつかめます(かなりクリティカル)。検波にはダイオードでなくトランジスタを使用、中間周波数増幅1段のため発振しにくいのも特徴となっているようです。


 感度も選択度も良いこの基板に、エアバリコン、大型バーアンテナ、高音質スピーカ―をつないでケースにでも納めれば、本格的なラジオが完成するのかもしれません。


<追記>

 昨夜10時頃、このラジオで聞こえる局をチェックしてみました。ローカル3局以外で明瞭に受信できたのは下記の通り。

594 KHz 東京NHK第一
666 KHz 大阪NHK第一
693 KHz 東京NHK第二
720 KHz ロシアの声
954 KHz 東京TBSラジオ
1008 KHz 大阪ABCラジオ
1134 KHz 文化放送
1179 KHz 大阪MBSラジオ

 長さ8cmのバーアンテナがそれなりに効果を発揮しているようで、思っていた以上に高感度。周波数帯の上の方が今一つな印象でしたので、また調整してみます。


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DSPラジオモジュール

2012年10月08日 | ラジオ工作


 およそ2cm四方の小さなポリバリコンにDSP基板を取り付けたラジオモジュール。これで、中波、短波、FMをカバーするマルチバンドラジオなのだとか。感度とか音とか性能のことは度外視して、まずは、この小さなモジュールを使って、最小構成のラジオを組んでみることにしました。


DSP-443

ポリバリコンの裏にはめ込まれています


 基板自体は完成品なので、配線するのみです。Aitendoのホームページにある簡単な配線図を参考にします。というか、ただのモジュールなので、それがないと何が何だかわかりません。それどころか、そもそもどういう受信回路なのか、十数個ある端子がそれぞれ何の意味を持つのか、謎ば深まるばかり。


配線図


 モジュール自体が小さく、はんだ付けは慎重を要します。電源は今回も二重層キャパシタ―2個直列とし、太陽光発電で約2Vを供給します。他に、スピーカー、バーアンテナ、スイッチ2個を配線。スイッチは電源オンオフとAMFMの切り替え。つなぎ終わった状態で、とりあえず電源を入れてみると、AMなのに短波のような聞きなれないノイズが・・・。バンド内の様子がこれまでのキットラジオとは明らかに異なります。バリコンを慎重に回すと、NHK仙台第一らしき放送が突然耳を引き裂くような大音量で聞こえてきました。そして、NHK仙台第二、東北放送も。思いのほか高感度。選局はクリティカルで、少しずつ聞こえてきて音の山に合わせるというよりも、急に聞こえてきてそこがジャストフィットという感じです。混信なく、分離も悪くありません。



 今回も、いつものバラック風に組んでみました。前回と同じ秋月電子の300円スピーカー、7cmのバーアンテナ、二重層キャパシタ―2個、バリコン、スイッチ2個をそれぞれ木台に配置。







 
 組み終わり、あらためてスイッチを入れると盛大に音割れ。こんなに大音量とは想定外で、特にボリューム(50KB)の用意もしていませんでした。家の奥の方なら感度が下がって、音量も低くなるかと思ったのですが、ほとんど変わりません。音質自体は悪くなさそうなので、ボリュームを追加して音量を絞れば、けっこう使えるラジオにはなりそうです。難点はポリバリコン自体の品質が今一つな点です。せっかくの極小モジュールではありますが、エアバリコンにつないでみたくなりました。

 また、アンテナを付けていないためと思いますが、FMはまったく入感しませんでした。サーッというFM特有のノイズだけは確認できました。短波も4.75-21.85MHzに対応しているようですが、今のところはAMのみで良しとしておきます。




 それにしても、このモジュール、本来の目的は何なのでしょう。ケイタイ端末に組み込むとか?腕時計型ラジオとか。そんな在りきたりなものしか思い浮かびませんが、電子技術の世界は本当にすごいことになっていて、驚いてしまいます。



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ラジオ少年の大型フェライトコア

2012年10月06日 | コイル作り


 久しぶりにラジオ少年通販のホームページをのぞいてみたところ、「巨大フェライトコア」なるものが登場していました。直径10cm、長さ40cm。まさに横綱級。直径10cmのトロイダルコアを12個集積し、バーアンテナ用コアにしたものだそうで、重さは約10kgとか。これを使ったゲルマラジオの製作例も紹介されています。価格は21000円。この巨大さからすれば格安と言えるかもしれません。でもこれ、もし購入したら、確実に持て余しますね。直径10cmはよいとして、長さが半分程度であれば、何とか使えるかも?

 
 同じラジオ少年で、もう一つ「極太フェライトコア」というものが販売されています。数か月前に買ってそのまま放置していたのですが、久しぶりにゲルマラジオ用バーアンテナを作ってみることにしました。

 極太フェライトコアの仕様は
 ・直径3.5cm、長さ20cm、重さ1kg


長さ6cmの一般的なバーアンテナとの比較


 たしかに極太で、手に持つとずっしりきます。端の方が少し欠けていて、品質が良いとは言えません。もろそうなコアです。これに直径0.8mmのウレタン線を25回巻きとしました。インダクタンスは168μH。我が家の環境ではこれで良いのです。

 
 さっそくゲルマラジオにつないでみると、891KHzのNHK仙台第一がまずまずの音量で聞こえました。もちろん外部アンテナなしです。NHK仙台第二は耳を澄ませば聞き取れる程度。東北放送は受信できませんでした。


無電源、外部アンテナなしでマグネチックイヤフォンを鳴らしてくれました



 以下、これまで作ったバーアンテナとの比較。


<コア16本を束ねたバーアンテナ>
・直径約4cm 長さ18cm   リッツ線(0.1mm×40本)50回巻き 中間タップあり
・さすがにこちらの方がよく聞こえます。しかしNHK仙台第一の聞こえ方はほぼ互角でした。NHK仙台第二が少し弱い程度。

<コア4本を束ねたバーアンテナ>
・1辺2cm、長さ16cm  リッツ線(0.1mm×40本)35回巻き 178μH
・今回の極太バーアンテナに比べると音量はかなり低下。でも、外部アンテナなしでNHK仙台第一は十分了解できる。第二は受信できず。





 さて、この3本を合わせたらどうなるのか?遊び心で試してみました。コア4本のバーアンテナをゲルマラジオに接続し、その両脇に二つの極太バーアンテナを置いただけ。コイルの作用はありませんので、コアとしての働きのみです。長さは3つ合わせて54cm。



 コアを置くと周波数が動いてしまいます。慎重にバリコンを回してみると・・・。NHK仙台第一がすごい音量で聞こえてきました。これまでとは格段に違うレベル。ボリューム調整がほしいくらい。NHK仙台第二も十分な音量。東北放送も何とか聞き取れます。3本の内、ラジオに接続するコイルを変えても、また、左右並べ方を変えても、音量の変化は感じられません。コイルの違いなどわずかで、圧倒的影響力を持つのはコアの方、ということでしょうか?フェライトコアの威力は絶大ですね。 


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2ICラジオ Wコイル

2012年10月01日 | ラジオ工作


 先般組み上げた6石スーパーラジオ。見た目は良い音を出してくれそうなのですが、高音が耳障りでそうでもありませんでした。使用した秋月電子のスピーカーは直径8cm、強力なマグネットを搭載しており、悪くはないはず。イヤフォンで聴いても良くないので、回路自体に何か要因があるのかもしれません。

 そんなわけで別のキットを組み立て、基板ごと交換してみることにしました。キットは、aitendoのSET-MK484(890円)。その名の通り、ラジオ用3端子IC MK484と低電力アンプチップTDA2822を使った2IC構成です。以前作ったラジオ少年の2ICラジオは6V作動、このキットは3V。電気二重層キャパシタは取り外し、エネループ2本2.5V前後で駆動させることにします。


キット一式と回路図




 キットには何の説明書も付属しません。部品一式とプリント基板のセット。ダウンロードした回路図と基板のプリントを確認しながら組み立てます。基板にはガラスエポキシの高級なものが使われており、バーアンテナはホルダーごと差し込むタイプになっています。このあたり、うまくできたキットです。プリントに一部間違いがあり、慎重に部品を取り付け、はんだ付け。MK484の端子の間隔が狭く、ショートさせないようにします。1時間弱で完成。あとは、6石スーパーの基板を取り外し、配線し直すのみ。秋月の8cmスピーカーに接続、音量つまみは木台の左手に設置しました。


基板完成


 さっそく電源を入れてみると、赤いLEDが点灯、NHK仙台第一が元気よく聞こえてきました。続いてNHK仙台第二も。ところが、東北放送1260KHzが同調から外れて聞こえません。また、NHK仙台第一が強すぎ、混信傾向がみられます。6石スーパーのようにスパッと切れのある同調ではありませんね。でも、このキット、音は抜群です。裸のスピーカーにも関わらず、嫌な高音がありません。アンプチップTDA2822、なかなかのものです。


 さて、東北放送は何としても聞けるようにしたい、ということで、コイルの巻き数を減らそうとしたのですが、うまくいきません。そこでもう一つコイルを追加してみることにしました。Wコイル効果で、分離と感度も良くなるのでは?



 長さ7cm×直径1cmのフェライトバーに0.4mmポリウレタン線を40回巻き。インダクタンスは118μH。付属バーアンテナは300μH。二つを並列に接続します。接続後のインダクタンスは140μHに低下。880KHz~1270KHzまで聞こえれば良いので、これで良しとします。干渉しないように直角に取付けました。








 結果は、東北放送も受信できようになりました。分離も多少改善。感度が上がり、音に厚みを増したような印象です。RF-U700Aのような余裕のある音ではありませんが、ICF-SW22と比べると遜色ないような・・・。スピーカーラジオとして、一応、実用になるかな?といったところです。




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