JO7TCX アマチュア無線局

せんだいSD550  山岳移動運用 

変則スペース巻きコイル 1ICラジオ

2021年10月31日 | ラジオ工作

 

 

 aitendoのラジオキットK-EZ7642SSを使い、自作コイルを組み合わせて乾電池1本で動作する1ICラジオを作ってみました。バリコンを中心にした小さな基板に回路が組まれており、自由度の高いラジオ作りに重宝します。以前も同様のキットでいくつか作りました。今回は変則スペース巻きコイル。

 

<コイル>

 分離の悪さがストレートラジオの欠点なので、それを補うのはコイルしだいということになります。直径6cm、長さ6.5cmの塩ビパイプにスパイダーコイルで好印象だった分割巻き?で巻いてみることにしました。通常の分割巻きと異なり、自在ブッシュの溝に沿って複数回巻いていく方式です。自在ブッシュの溝は16個。なので16分割となりますが、変則スペース巻きと言った方が正しいような気がします。溝に何回巻くかでインダクタンス調整ができるためコイル幅を短くできるメリットがあり、自分的には最近この巻き方にはまっています。

 

 

 1溝に何回巻くか? ですが、線全体の長さは15~20m巻けばよいので、逆算して5回づつ巻いてみることにました。線材は0.35mmポリウレタン線。5回巻いたら次の溝へ、溝を間違えないように慎重に巻き進めます。スパイダーコイルの時よりは巻きやすく、なんとか集中力を持続させて巻き上げることができました。インダクタンスを計ったところ327μH。少しほどいて297μHに調整、総巻き数74回となりました。

 

 

< K-EZ7642SS >

 続いてラジオ基板の製作。作り始めてすぐ、このキットはいろいろと問題があることに気づきました。バリコンのダイヤルが大きく、基板四隅の穴の2カ所をふさいでしまう、ホームページに掲載されている基板の写真と微妙に異なる、プリントで5KΩとあるところは実際には1KΩの間違い(部品は1KΩが付属)、等々。aitendo品質といってしまえばそれまでですが、特にダイヤルと穴の位置は問題なのでダイヤルを変更することにし、そのためバリコンは表裏反対に取り付けることにしました。コイルと電源をつなぎ動作確認したところ、NHK仙台第一がちょうどよい音量で入感してくれました。とりあえずひと安心。

 

 

<台座取り付け>

 9.5cm×8.5cm の木台に裏面配線としました。いつものバラック風。バリコン部分は木台をくり抜き埋め込み式とし、基板、コイル、電池ボックス、トランス接点をそれぞれ配線したらあとはネジ留めするのみ。これで完成、と思ったのですが・・・。

 

 組み上がってさっそくトランスを接続、オーディオイヤフォンで聞いてみると、NHK仙台第一、NHK仙台第二、東北放送とも十分な音量で入感。ただ、バリコンのどこを回してもNHK仙台第一のかぶりがみられ、分離が良くありません。音声のざらつきも感じられます。ふと、以前にも同じようなことがあったことを思い出し、コイルを縦位置にしたらどうなんだろうと試してみたところ、感度が少し低下するものの先ほどとは打って変わって信号のピークが先鋭になり、格段に聞きやすくなりました。音質も改善。

 

 ということでコイルを横位置から縦位置に付け直し製作完了としました。十分な感度を見込める場合は、コイル縦置きで分離を優先する、それも悪くないな、とあらためて実感しました。

 

 

 

 簡単なキットを組み合わせて作るのみなので半日あれば十分と思ったのですが、いろんな問題が発生して、けっこうてこずりました。丸一日を費やし完成。コイル巻きや部品の配置、配線を考えたり、あるいは予期せぬ難題が起こったり、それらに夢中になっている時はほかのことは何も考えずに済みます。自分時間に没頭。これがラジオ工作の良さかな、と思ったりもします。

 

 

 

 

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AMラジオキット K-EZ7642BXA

2021年10月24日 | ラジオ工作

 

 

 寒くなってくるとなぜか半田ごてを握ってラジオでも作ろうかという気持ちになります。以前に購入しまだ作っていないものもあるのにaitendoからいくつか新たなキットを買い込みました。1~2時間で作れる簡単なものばかりです。乾電池1本で動作するAMストレートラジオが好みで、手持ちの部品でも作れないこともないですがキットはキットなりの良さがあり、つい買ってしまいます。 K-EZ7642BXAは定番のTA7642ラジオICにS9014を追加し、トランスなしでオーディオイヤフォンを鳴らそうというものです。今年2月にTA7642とBC548Bを使った同様のものを作りましたが、回路はさらにシンプルになり「高音質で豊かな音」とか、果たして?

 

 

 付属のコイルをaitendoではラジカルフェライトコアコイルと表記していますが、普通のインダクターです。容量を計ってみたところ682μH。我が家の環境では容量オーバーなのは明らか。なので、直接はんだ付けせず、コイル交換できるようにプッシュ式端子を取り付けることにしました。変更したのはこの部分のみです。部品を確認しながら基板のプリントどおりにはんだ付けしていくのみ、30分ほどで組みあがりました。

 

 

 スイッチ付きイヤフォンジャックになっており、イヤフォンを差し込むと電源オン。まずは付属インダクターを取り付けて試したところ、NHK仙台第一(891KHz)が大音量で入感。こんな小さなコイルでも意外に感度は悪くないです。でも予想したとおりバリコンを回し切ったあたりで聞こえ、その上にあるNHK仙台第二(1089KHz)や東北放送(1260KHz) は入らず、でした。3局を聞くには200μHくらいがちょうどよいのです。ということで、小型のバーアンテナや以前に作ったスパイダーコイルを順次接続したところ、今度は3局とも高感度に受信してくれました。コイルの向きや偏波面を変えると分離もまずまず、ほぼ混信はなくなります。小さなボリュームが付いており音量調整可。肝心の音質はイヤフォンにもよると思いますが、キンキンせず、聞き疲れしない音では鳴ってくれます。まあ、これを「高音質」といえるのかどうかは? ではありますが・・・。

 

ダイヤルを回すには基板に下駄を履かせる必要あり

 

 

 完成して電源を入れ、イヤフォンから放送が飛び込んできた瞬間というのは、たとえキットでもちょっとした達成感があり、同じようなものでも何度も作りたくなってしまいます。今回はコイル差し替え式にしたので、コイル調整、実験用にちょうど良いかなと考えています。

 

<音質追記>

 前作のK-7642Bと聞き比べてみました。今回のK-EZ7642BXAの方が聞きやすいです。K-7642Bは高音に角が立つ不快なところがありますが、このキットはそういうところがなく、まとまりがあってふくよかな感じがあります。「豊かな音」かも・・・。ボリュームを最小にし、古いイヤフォン(ゼンハイザーMX470)で聞いたところ、超簡素なラジオからこんな音が出るんだと、聞き入ってしまいました。なお、このキットは在庫限りで後継版のK-EZ7642BXA2に切り替わるようです。

 

 

 

 

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ラジオキットK-7642B(aitendo)

2021年02月22日 | ラジオ工作



 TA7642とBC548Bを使った1IC+1Trのストレートラジオキットです。3本足ラジオICは何種類かあると思いますが、TA7642以外あまり見かけなくなりました。自分は単純なストレートラジオが好みで、これまでも何度か作りました。このキットは前回のゲルマラジオキットと基板の大きさが同じで、電池ボックスも基板上に配置したオールインワンタイプです。単4電池1本動作、トランスなしでオーディオイヤフォンを鳴らします。






 付属のバーアンテナはゲルマラジオキットに比べ小型です(長さ5cm)。インダクタンスを測ったところ590μH前後ありました。ちょっと大き過ぎですが、バリコンとの相性もあるのでこのまま使うことにしました。マルチメーターで確認しながらCR類を間違えないように半田付け。前回同様バリコンの固定ネジが長く、回すと壊れそうなので手持ちの短いネジに取り換えました。また、電池ボックスが小さく単4電池が入りません。マイナス側のバネをカットして何とか収まりました。aitendo品質は相変わらずです。だいぶ慣れてはきました。1時間ほどで完成。




バリコンネジ交換

電池入らず左のバネ切断


 エネループ(1.2V)を装着し、電源オン。NHK仙台第一が圧倒的な音量で入感。NHK第二、東北放送もパワフルに受信できました。音量調整がほしいくらいです。室内のどこでも受信できてしまいました。小さなバーアンテナなのに感度良すぎでは? その反動で分離は難があります。バーアンテナの方角をうまく調整し、NHK第一が最も弱くなるようにすると他の2局が聞きやすくなります。コイルの指向性や偏波面(縦・横・斜め)でカバーすれば何とかなるかな、とったところです。ストレートラジオにたがわず音質は悪くないです。少し低音を増すため一カ所のみ回路変更し1KΩを追加しました。




 イヤフォンでこんなに大音量で聞こえるのであれば、スピーカーも鳴ってくれるのでは?とつないでみたものの、耳を近づけて聞き取れる程度でしか鳴ってくれませんでした。スピーカーを鳴らすにはさすがに非力なようです(アンプオンで普通程度に聞こえます)。




 このキットは1.2~1.5V動作の超省エネラジオなのに、予想以上に高感度で驚いてしまいました。小さなバーアンテナで回路も特別なものではないと思うのですが、どうしてこれほど高感度なのか不思議なくらいです。





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DSPラジオキット AKIT-9612

2018年09月24日 | ラジオ工作



 DSPラジオIC「C9612」とアンプIC「TDA2822」を使ったAM、FMキットです。2Vで動作します。aitendoとしては難易度中クラスといったところでしょうか。自分的には部品点数が多い上に、特にC9612の取り付けが難しそうでハードルは高いです。

 いつものごとく、基板、部品類がビニール袋にざっくりと入っているのみです。基板がK-6952MBに比べ二回りほど大きいのは良いとして、印字が不鮮明なところがあります。いつもは基板の印字で部品をサクサク取り付けていくのですが、それができません。ホームページから部品取付け配置図をダウンロードし、確認しながら作業を進めました。




 まずは難関、C9612のハンダ付け。はじめに、ランド部にペーストハンダをつまようじを使って慎重に盛る。ハンダの盛り過ぎが失敗のもとのようなので、ほんの少量。次に接点を合わせ、セロテープで固定。その状態でフラックスを塗っておきました。あとは一本ずつ慎重にコテを当て、融着。なにしろ1.27mm間隔なので手が震えてしまいます。片方がおわったら、再度テープを貼りなおして、もう片方。なんとかブリッジも発生せず、取り付けることができました。思っていたよりは要領よくできたように思います。でも、このくらいが限界ですね。0.65mmピッチのICなどというのもあるそうですが、自分が手を出すべき領域ではなさそうです。




 抵抗も種類が多く、カラーコードが不鮮明なものもあるので油断なりません。マルチメーターで一つ一つ確認し、ハンダ付け。マルチメーターが手元になかったらもっと時間を要したかもしれません。スイッチ類は上下の表示がないので、勘で取り付けました。結果、パワースイッチがオンオフ表示逆になってしまいましたが、動作に影響ないので良しとします。バーアンテナは中間タップなしのわかりすいものが付属しています。ただ固定具が付属せず、プラスティック板に乗せて固定してみました。全体的には、ラジオICの取り付けさえクリアすれば、部品は多いものの、考えていたほど難しいところはありませんでした。


マルチメーター 重宝で手放せません





 半日を要し、完成。エネループ2本(2.4V)をつなぎ、さっそく電源オン。赤色LEDが点灯してくれました。とりあえず一安心。この瞬間はいつも緊張します。この機種もDSP独特のボリュームチューニングです。イヤフォンに集中しながら、慎重に回していきます。まずはAM。NHK第一、第二、東北放送が強力に入感するも、なぜかイヤフォンが片耳しか聞こえません。チェックしてみると、イヤフォン端子の基板配線がおかしいような?接点をつなぎ直し無事両耳からの音声となりました。また、てっきりチューニングランプと思っていた緑色LEDが点灯しないのです。よく見るとこれはステレオランプの勘違いでした。続いてFM。3バンドに分かれおり、スライドスイッチで切り替えます。といっても周波数がダブっているのであまり意味はありません。 FM2(76~108MHz)で十分かと。こちらも地元3局がメリット5で入感(アンテナなし)、ステレオランプも点灯してくれました。





 AM、FMとも、聞いてみてすぐに感じたのは音の良さです。高音がささらず、落ち着いた音声、それでいてパワフルでもあります。FMのステレオ放送はもちろんすばらしいですが、AM放送もこんなに音質良かったかなと思ってしまいました。アンプIC、なかなかのものです。C9612にはAFC、AGCはもちろん、デジタルノイズキャンセル機能も搭載とか。しかも低電圧動作かつ省エネ。技術の進歩にはほんと驚いてしまいます。秋の夜長、K-6952MBとの聞き比べでもしてみたいと思います。


(追記)
 選局していて違和感があるなと思ったら、周波数の上下が逆になっていました。右に回すと周波数が低くなり、左に回すと高くなっていきます。基板の選局ボリューム取付けの仕様が逆になっています(AM、FMとも)。
 受信感度について、AMはK-6952MBと比べ良くありません。夜間、K-6952MBではバンド内びっしりと聞こえる放送がひしめいているのに対し、AKIT-9612は昼とほとんど変わらず、メリット5で聞こえるのはNHK仙台第一、第二、東北放送の3局のみ。文化放送や日本放送は聞こえません。AMの受信感度に関しては期待はずれです。一方、FMはK-6952MBで受信できない放送が聞こえます。感度良好。音声と音楽のバランスも良く、ゆがみもありません。C9612の特性なのか、 FM重視のようです。





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平面コイル ONE ICラジオ

2018年09月17日 | ラジオ工作


 aitendoのONE ICラジオキット、型番K-SRDO7642。前回製作のK-SRDO7642-444との違いはバリコンのみです。今回のは266pF。回路も基板の配列もまったく同じ。3端子ICの定番TA7642を1個使い、1.5Vで動作するこれ以上ないくらいシンプルな回路。キット自体は15分ほどで完成。こんな回路でも、小さなトランスをつなげばオーディオイヤフォンを鳴らすには十分で、落ち着いた、聴き疲れしない音を出してくれます。欠点は分離の悪さ、特に我が家の環境では、NHK第一、第二、東北放送が比較的近い周波数のため、NHK第一がかぶってしまいます。送信所の位置が異なるのが救いで、コイルの指向性によりいくらか回避できます。前作では変形バーアンテナを使いました。今回はaitendoで扱っている平面状のコイルを複数つないで使ってみることにしました。




 正式には非接触電力伝送コイルと言い、これから普及が見込まれるワイヤレス給電のためのコイルのようです。平面にポリウレタン線が50回巻いてあります。自分でも作れないことはないかもしれませんが、形状を保つのは難しそうです。袋に50μHと表示されおり、実際計ってみると65μHほどありました。作り終えたラジオ基板に試しに2~3個を直列にしてつないでみたところ、2個でも3個でもNHK仙台第一放送がまずまずの音量で聞こえてきました。横に平たく並べるよりも、隙間を開けて重ねるように並べた方が感度良く入ります。ちょうど3エレループアンテナのような形状。その場合、コイル同士の間隔を大きくとるとインダクタンスは下がり、狭くすると上がります。間隔2cmで203μH。この状態で使うことにしました。






 あとは前回同様、木台に基板、トランス、イヤフォン端子、コイルを取り付け、配線して完成です。銅パイプにコイル3個を固定し、裏面配線。直列とし、コイルの向きを同じ方向に取りつけます。これを間違えると何も聞こえません。トランスは手持ちのものを使いました(型番不明10K:8Ω)。これでオーディオイヤフォンを鳴らします。


完成



 電池を入れて聞いてみると、予想通りNHK第一が盛大に入感し、他の放送にかぶってきます。コイルの向きを調整すると、かぶりがスーっとなくなるところがあり、東北放送も混信なく聞くことができました。3エレ効果でもないでしょうが、指向性はバーアンテナより強いような印象があります。



 ちなみにコイル中央部分に長さ5cmのフェライトバーを入れてみたら、音量が倍くらいにアップしました。また、変形バーアンテナのK-SRDO7642-444を真横に並べると、磁界誘導が起こり、一方はミニループアンテナとして機能します。双方でチューニングを取ることでさらに感度アップ。混信軽減も。ゲルマラジオ関連の海外サイトではこのような作例をよく見かけます。なかなかの効果を実感しました。






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DSPラジオキットK-6952MB

2018年09月02日 | ラジオ工作


 DSPラジオは基本、自動選局なので多くはボタンスイッチで選局します。このキットはあえて手動にこだわり、ボリュームを使った選局方式を採用しています。ボリューム選局とはどんな感じなのか、興味が湧いて作ってみました。aitendoのK-6952MBという型番。

 完成済みのAM、FM用モジュールM6952に部品数点を基板に半田付けするのみです。電池ケース、バーアンテナを含むすべてが一枚の基板に乗るオールインワンタイプ。部品点数が少ないので数十分で組み立てられるかと思ったのですが、はんだ付けの箇所が意外に多く、かつ間隔も狭く、2時間ほど要しました。悩んだところは、2種類のスイッチの向きが不明で、電源スイッチはオフ状態、バンド切替えスイッチはAMがデフォルトで、あてずっぽうで取り付けましたが、結果オーライでした。DSPなのでバリコンがあるわけでもなく、コイルのインダクタンスがどの程度必要なのか見当つきません。付属バーアンテナは左端と中間(黒線)を接続しました。


部品一式

マルチファンクションテスター 抵抗の選別に便利

基板完成

 
 組みあがって、電源オン。キットといえども、この瞬間はいつも緊張します。LEDとモジュールの一ヵ所が点灯しました。イヤフォンを差し込むと、AMなのにFMのようなザーッというバックノイズが聞こえてきます。ゆっくりチューニングボリュームを回したつもりですが、音声らしきものは何も聞こえてきません。さらに慎重に回すと一瞬、音声が聞こえ、少し戻すとチューニングLEDが点灯し今度は明瞭かつクリアな放送が耳に飛び込んできました。きわめてクリチカルで先鋭な選局。このようなチューニングは初体験です。音質はクリア系で少し聴き疲れするかもしれません。感度良好、東北放送が室内のどこでも59から52程で受信できました。ただ、バックに発振のような妙なノイズが絡んできます。強い放送では気にならないものの、弱いと気になります。とりあえず、バーアンテナを電池から少し離したところ、一応収束しました。以前、si4735モジュールを使ったキットではもっと盛大な発振音を経験したことがあり、部品の配置、間隔が狭すぎなのでは?と思ったりもします(特にバーアンテナ周辺)。






 FMについてはステレオ受信となり、発振やノイズもみられず、AM以上にクリアな音質でなかなかの性能と思いました。アンテナなしで仙台の地元3局が59で受信できました。



 スピーカー端子がついているので、試しにゲルマラジオ用のスピーカーボードにつないでみましたが、スピーカー単体を鳴らすほどのパワーはありません(ゲルマラジオと変わらず?)。アンプの電源を入れると、普通に聞ける程度の音量で鳴ってくれました。この端子はおまけ程度。イヤフォン出力が基本のようです。


以前製作したDSPラジオ(左)大きさほぼ同じ。性能は今回のK-6952MBが好印象。




 このキット、思ったより作り甲斐があり楽しめました。DSPのボリュームチューニングは面白いです。多くの放送が聞こえる夜間ならどんな感じになるのか、今晩にでも試してみます。


(追記)
 昨夜と今夜、夜間帯はどうなのか、RF-U700Aと比較しながら室内窓際で受信してみました(AM)。RF-U700Aは大型バーアンテナによりさすがによく聞こえますが、K-6952MBも負けていません。多少感度の落ちる放送局と逆にメリハリがあって了解度の上がる放送局がありました。わずか4cmのバーアンテナであることを考えると聞こえ過ぎでは?と思うほどの驚くべき性能です。隣接する周波数でもかぶりはまったくありません。アナログのように少しずつ山を登るような聞こえ方ではなく、突如ピークに達したような聞こえ方です。ただフェージングにより伝搬が悪化すると、RF-U700Aで聞こえている放送がすっと聞こえなくなります。同調し直しても何も聞こえず、しばらくして、再度チューニングするとまた明瞭に聞こえてくる、そんなことが何度かありました。単に受信感度の違いなのか、デジタル処理ゆえんの現象なのか不明ですが、興味深い聞こえ方のように思いました。
 備忘録として宮城県内局以外で受信できた国内放送を記載しておきます(海外局も聞こえましたが略)。

531KHz 盛岡NHK第一
558 KHz ラジオ関西(神戸)
594 KHz 東京NHK第一
693 KHz 東京NHK第二
747 KHz 札幌NHK第二
774 KHz 秋田NHK第二
828 KHz 大阪NHK第二
846 KHz 郡山NHK第一
954 KHz 東京TBSラジオ
1008 KHz 大阪ABCラジオ
1053 KHz 名古屋CBCラジオ
1134 KHz 文化放送
1179 KHz 大阪MBSラジオ
1224 KHz 金沢NHK第一
1242 KHz ニッポン放送
1287 KHz 札幌HBCラジオ
1314 KHz ラジオ大阪
1332 KHz 東海ラジオ
1422 KHz 横浜ラジオ日本
1440 KHz 札幌STBラジオ









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変形バーアンテナONE ICラジオ

2018年08月27日 | ラジオ工作



 秋近し。以前、秋葉原のaitendoでいろんなキットを買い込んだのを思い出し、久しぶりにラジオづくりをしてみました。定番のラジオIC、TA7642を1個使ったONE ICラジオ。2種類あり、今回組み立てたのはバリコン容量が160pFの方。プリント基板と部品のみの構成で、バーアンテナやイヤフォンジャックなどは付属しません。オーディオイヤフォンで聴くにはトランスも必要となります。ラジオ作りの一番の楽しみはコイルづくりなので、自分にとっては好都合です。

 部品総数7個。ゲルマラジオのダイオードをICに換えただけのきわめて単純な回路。乾電池1本で動作します。自分はこういうシンプルな省エネラジオが好みでこれまでも何度か作りました。意外にそういう方が多いのか、aitendoのキットの中でも、ゲルマラジオやONE ICラジオは人気のようです。




 ラジオ基板自体は20分ほどで完成。とりあえず、手持ちのコイルにつないで、セラミックイヤフォンで聞いてみると、まずまずの感度、音量でNHK仙台第一放送が聞こえてきました。ただ、分離は最低で、バリコンのどこを回しても仙台第一が聞こえてしまい、他の放送にかぶってきます。

 さて、続いてコイルづくり。分離の悪さを少しでもカバーするため、フェライトコアを使った変形バーアンテナを作ることにしました。大きめのコイルとフェライトコアのダブル効果で指向性を高められるのでは?との思惑。 

 直径6cmの筒にポリウレタン線10mを密巻きにし(巻き数50回)、ほどけないよう数カ所をホットボンドで固定。そっと筒から抜き、今度は内側を接着剤で固定し、乾いたら外側のホットボンドを取り除く。そんな手順でコイル完成。この方法はボビンを使わずに済み、コイルを自立させることができます。インダクタンスは63μHしかありません。これに長さ10cmのコアを入れたところ、110μH前後となりました。891KHzのNHK仙台第一から1260KHzの東北放送までを受信できればよいので、これで良しとします。我が家の環境では、コイルの巻き数を増やすとかえって分離に悪影響を及ぼし、良い結果になりません。




 コイルが完成したら、あとはいつもの通り、木台に配置し、配線するのみ。これがもっとも時間を要します。あらかじめ全体をスケッチしておいても、組み立て作業を進める内に別の考えが浮かんで、修正を繰り返す、などということが多々あります。部品の配置や配線方法をいろいろと考え、形あるものに仕上げていく。そうしたアナログな工作過程。まあ、自分にとっては他のことを何も考えずに済み、至福の時間ではあります。


完成


 オーディオイヤフォンで聴いてみると、室内でNHK仙台第一、第二、東北放送の3局が十分な音量で聞こえてきました。いつもそうですが、作り終えたラジオから音声が聞こえてきた瞬間というのは何とも言えないものがあります。入手経路の記憶も定かでないトランスもたまたま良かったようで、音質も悪くありません。狙い通り?バーアンテナの向きを変えるとかぶりもほとんど気にならなくなります。ONE ICラジオ、気に入りました。それにしても、こんな簡単な回路でよく鳴ってくれるものです。豆粒より小さなICの中身ってどうなっているのだろう、などと今更ながら考えてしまいました。









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KIT-16SP その後

2014年12月31日 | ラジオ工作


 同調ツマミのどこを回しても強い放送局が聞こえてしまう。シンプルなストレート式ラジオの宿命ではありますが、今回の2段重ね巻きコイルは様子がおかしい。キット付属の小型バーアンテナに付け替えてみたところ、それなりに分離してくれます。もちろん、小さいコイルなので感度もそれなりですが。インダクタンスを測ったところ260μH前後。




 分離改善をめざし、あらためてコイルを巻き直すことにしました。巻枠は同じ直径6cm。長さ10cm。1段目は巻枠いっぱいの58回巻き、いったん折り返し、同じ方向に2段目を10回巻き。これで試してみたところ、前回とあまり変わらず。ここから少しずつ2段目をほぐしていき、5回巻きあたりで劇的に分離が改善しました。最終的には1段目58回、2段目4回巻きでベストな状態に。基板への接続は、1段目の巻終わりにタップを取り、巻はじめとタップからとしました。インダクタンス203μH。




 さて、コイルを接続していじってみたところ、いつもは横置きにするコイルを縦置きにすると、格段に分離が向上することに気付きました。我が家の環境では、バリコンを回すとNHK仙台第一→第二→東北放送と順次聞こえてきます。第二と東北放送は周波数が近く、コイルを横置きにした状態では同調合わせは微妙です。ところが縦置きにすると、ある程度の間隔を置いて、きっちり分離されます。もちろん、NHK第一がかぶってくることもありません。ただし、多少感度の低下がみられます。感度自体は良好なキットなので、分離を優先することにし、縦置き決定。









 これまで、コイルは横置きとばかり考えていましたが、今後は縦置きも試してみることにします。そういえば、海外の鉱石ラジオの古い写真などを見ると、大きなコイルを縦置きしたスタイルを見かけます。これは分離向上を目的としたものだったのかな、などと勝手に想像しています。






 
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KIT-16SP

2014年12月29日 | ラジオ工作


 休み中に作ってみようと、いろんなキットや部品を買いこんで、いざ休みとなると結局何も作らず、ということがよくあります。本も同様。気力のあるうちに、ということで、ラジオ少年通販のKIT-16SPというのを作ってみました。以前に一度作ったことのあるKIT-16DXのスピーカータイプで、電源は単三2本使います。

 回路はシリーズ共通。3端子IC(TA7642)にダーリントントランジスタ1個の構成。ダーリントンにより2石相当で増幅されます。回路図は下記の通り。きわめてシンプル。


キット一式



 部品を確認してみると、KIT-16DXとはトランジスタが別の型番に変わっていました。SC1472は廃番で、これの相当品はSC982と思っていましたが、付属していたのは初めてお目にかかるBC517という型番。調べてみると確かにダーリントンではあるようです。トランジスタも日進月歩、現れては消え、ですね。

 さて、このキットは木台にプラスティックの前面パネルという風貌で、基板のわりには大きな木台が付属しています。説明書通りに作れば、かなりスペースに余裕があることから、今回、付属バーアンテナを使わず、大きめのソレノイドコイルを搭載することにしました。

 コイルは、以前から試してみたかった2段重ね巻きを採用。直径6cmの塩ビパイプにリッツ線を巻きつけ、巻終わりからいったん元の位置に戻して、同じ方向に巻き重ねていく。1段目は50回巻き、2段目は24回巻き、合計74回巻き。インダクタンス170μH。有り合わせの使い古したリッツ線なので、見栄えはよくありません。







 キット自体は、「回路の見える基板」といって、通常と逆に表側をハンダ付けしていきます。回路図そのままの基板で、わかりやすく、上からハンダ付けするので、裏面にハンダの凸凹がなく、木台への納まりもいいです。


完成  同調ツマミは変更しています




 コイル作りを含め2時間ほどで完成。電源スイッチを入れると、NHK第一、第二が大きな音量でスピーカーから聞こえてきました。窓から離れて室内奥に行くと、だいぶ音量は小さくなります。1IC+1トランジスタとしては御の字かな、といったところです。ただ、分離は良くありません。この原因は二段重ね巻きコイルにあるような気がします。付属バーアンテナ、その他、いろいろ試してみます。



 単三2本使うタイプのキットは、ラジオICとオーディオICを使った2IC構成が多く、その方が感度も音質も良かったりするのですが、このキットも捨てたものではありません。スピーカーは45Ωの高感度なものが付属、トランスを使うことなく、トランジスタ増幅のみで元気よく鳴らしてくれます。




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DSPラジオキット

2014年12月13日 | ラジオ工作


 出張の帰り、秋葉原の三月兎で購入したDSPラジオキット。暇ができたので作ってみました。ラジオモジュールsi4735を心臓部とするAM、FM2バンドのダイレクトコンバージョン式。高音質を謳っていますがはたしていかに?

 モジュール自体は組み立て済みになっており、キットと言ってもスイッチ、電池ケース、イヤフォン端子、若干のコンデンサ、バーアンテナ、ピンヘッダなどを基板にハンダ付けするのみです。あとはこのキットの最大の特徴である液晶表示器を取り付けて完成。


キット一式

si4735モジュール(組立済みで付属)

バーアンテナ アイコー電子PA63R 360μH



 デジタルダイレクトコンバージョンと言われても、回路の説明があるわけでもなく、回路図もありません。なのでハンダ付けの練習にはなりますが、ラジオの勉強にはなりません。1時間ほどで完成。

 電源スイッチを入れると、液晶パネルが点灯し、各種情報を表示してくれました。受信バンド、周波数、電波強度、音量の4種類。左に4つのボタンスイッチがあり、上からバンド切り換え、チューニング、音量プラス、音量マイナス。チューニングボタンを押すと自動選局されます。


チューニング中


 AMはNHK仙台第一、同第二、東北放送が聞こえました。超ミニサイズのバーアンテナなので致し方ありませんが、感度はさほど良くありません。耳障りな発信もあります。期待外れ? これなら先日作った3端子ICラジオの方がましなレベル。一方、FMはイヤフォンアンテナでローカル放送局3局が安定して受信できました。高感度かつステレオで高音質。家中どこでも問題なく受信できます。オリンパスのICレコーダ(V-803)付属のFMラジオと比べたところ、こちらの方が少し高感度な印象でした。



 数値による電波強度の表示機能が付いており、AMは20~80程度、FMは20~68辺りを表示します。AMとFMで少し表示範囲が違うのかもしれません。強く表示される場所にFMゲルマラジオを置いてみたところ、明瞭に聞こえてきました。電波の見える化で、ポイント探しに使えそうです。







 ということで、せっかくなので、マルツで購入したアクリルケースに収めてみました。
横11cm×縦8cm×高さ3.2cm。イヤフォン端子の穴を開けて、ジャストフィット。移動運用のお供にでも、と考えています。



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マイキット150復刻版

2014年11月01日 | ラジオ工作


 ラジオ工作に入る前に、ミノムシクリップで回路を事前に組んでみる、ということをよくやります。その際、ちょっとした部品の交換で、大きく音が変わったりということもよく経験します。そんなことから、試験的に組める簡単な装置があればいいな、と思い、ふと浮かんだのが電子ブロックです。子どものころ、これでずいぶん遊びました。今も売ってるのかな?とネットで検索したら、「学研マイキット150復刻版」というのを見つけました。10年くらい前のもので中古品?かつプレミアがついていましたが、一目でほしくなり、買ってしまいました。


懐かしさの漂う外箱と木製ケース


 元々は1960年代後半に販売され、ラジオ少年たちのあこがれだったようです。送られてきた「復刻版」は当時と同じアタッシュケース風の木箱に入ってなかなか趣があります。ケースを開けると、CR類やメーターなどが整然と並べられ、なんだか子どもの頃に戻ったようにワクワクしてきました。




トランジスタ3種 差し込み式なので変更可能

ダイオード4種 右上が1N60?


 上段にスピーカー、メーター、LED、豆電球、抵抗、電界コンデサ、セラミックコンデンサ各種。下段にトランジスタ3種、ダイオード4種、トランス2種の他、ICラジオユニットと同アンプユニットが組み込まれています。復刻版なので、以前とまったく同じではなく、新しい部品やユニットが採用されているのだそうです。さらに太陽電池、バーアンテナ、バリコン、ボリューム、電圧計などなど。この他、回路を組むためのリード線各種、セラミックイヤフォン、セラミックマイク、テスター棒などが付属し、このセットで150を超える実験ができるとのこと。立派な回路図集(組み立て説明書)も付いていました。


チューナーユニット 3端子IC LMF501

アンプユニット TA7368P


 ラジオについてはゲルマラジオから始まり、12種類の回路が掲載されています。手始めにゲルマラジオ、そしてICラジオを組んでみました。電子ブロックと違い、部品に取り付けられたスプリングにリード線を挟んで配線します。いつものミノムシクリップ方式とほとんど同じなので、自分としては違和感なく組むことができました。配線がごちゃごちゃしますが、電子ブロックより回路の変更などはずっと楽にできます。たとえば、回路図にはなかったICラジオのボリューム追加なども実に簡単です。組み上がった3端子IC+アンプユニットのストレート方式スピーカーラジオ。なかなか高感度かつ音も悪くありませんでした。10年近く経過していることや、一つ一つの部品自体は、品質的には?なところもありますが、使えるレベルではあるようです。





 考えてみると、こういう電子実験キットというのは、以前は、電子ブロックの他にもいくつかあったように思います。自分も3種類くらい持っていました。組み立てもブロック式、ばね式以外にもあったような・・・。今はブレッドボードがありますが、味気ないですね。



 付属の説明書にはラジオ以外にも、面白そうな回路が盛りだくさん。マルコーニの火花無線電信機、光線銃、光通信受信機などというのもあります。これでアナログな世界にどっぷり浸れそうです。





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スパイダーコイル3端子ICラジオ

2014年10月04日 | ラジオ工作


 スパイダーコイル。懐かしい響きです。その昔、「ラジオの製作」とか「初歩のラジオ」に、このコイルを使ったキットが載っていたような記憶があります。科学教材社の広告。この会社、今も現役ですね。時々、レアな部品などの調達でお世話になっております。昔のままのキットも販売しており、一つ購入して作ってみようかとも思ったのですが、なにもキットを買わなくとも・・・ということで、手持ちの材料で科学教材社風ラジオを再現してみることにしました。


0.1mm×40本リッツ線 容量142μH



 スパイダーコイル自体は、以前に作ってそのままにしてあったものです。10cmの巻枠にリッツ線を巻いており、Qは高いと思います。とはいえ、さすがに無電源でこれ単体では何も聞こえません。バーアンテナならまだしも・・・。ということで、今回は3端子ICを使って1.2Vエネループ1本で鳴らしてみることにします。ネットの製作例などを見ると、3端子ICを使った回路が山ほど出ていますので、参考にさせていただきました。

 <材料>
・3端子IC SUMC TA7642 2918Y
・コンデンサ 0.01μF 0.1μF 10μF(電解コンデンサ)
・抵抗  100kΩ 3kΩ
・トランス ST-81 1kΩ:8Ω
・ポリバリコン 260pF
・スパイダーコイル 142μH
・ステレオイヤフォンジャック



 製作例をみると、ほとんどがセラミックイヤフォンを使っているようです。ICたった1個に1.2Vではセラミックイヤフォンが限界なのでしょうか? そんなこともないのでは・・・。今回もトランスを使ってオーディオ用イヤフォンにこだわってみます。一応、手書きの回路図を載せておきます。きわめてシンプルなストレートラジオ。オーディオイヤフォンを鳴らすためトランスの前に10μFを入れてみました。極性なし、+-どちらでも可。抵抗器については種々実験されての貴重なデータを拝見しましたが、手持ちの関係で上記の組み合わせとなりました。




3端子IC TA7642


 蛇の目基板に部品をハンダ付け。と言っても部品点数はわずか6個。ゲルマラジオとほとんど変わりません。ダイオードの代わりにICを使っただけ。これでちゃんと鳴ってくれるの? 基板、コイル、バリコン、トランス、電池ボックスなどをいつもの通りかまぼこ板に配置、配線し、完成。写真で見た科学教材社のキットと比べ、小ぶりな感じに仕上がりました。


完成

L金具にてコイル固定


 さっそくエネループを装着。スイッチはありません。電池を入れればオン。NHK仙台第一が元気よく聞こえきました。けっこうな音量。バリコンを回すと仙台第二が第一と混信気味に聞こえ、さらに回すと東北放送も聞こえてきました。さすがIC、ゲルマラジオとは比べものになりません。ゲルマラジオでは東北放送を聞きわけることはできませんが、これは外部アンテナなし、しかも室内で難なく受信できます。コイルの向きを変えたり、偏波面を変えたりすると、混信も気にならなくなります。こんな簡素なラジオでよく聞こえるものです。




 この3端子IC、高周波増幅が3段入って、AGC内蔵なんだとか。音もいいですね。たぶん、かなりの省エネでもあると思います。懐かしいスパイダーコイルには似つかわしくない性能・・・正直、驚いてしまいました。





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ミズホ通信研究所AMラジオキット

2014年08月24日 | ラジオ工作


 本日快晴で移動運用日和ではありますが、少々疲れたのでホームにてラジオ作り。MOSFET検波ラジオの材料セットのついでに注文したミズホ通信研究所のAMストレートラジオキットを組み立ててみました。



 その昔、『ラジオの製作』という雑誌にこんな形の通信機キットの広告が載っていたのを思い出して、懐かしくなりました。子どもだった当時は、とても手が出ませんでしたが、よほど欲しかったとみえて、トラウマになっているのか、このスタイルには妙に惹きつけられてしまいます。

 3端子ラジオICと増幅ICによる2IC構成のAMストレートラジオ。回路自体は良くみかけるもので、以前にaitendoさんの同様のキットを組み立てたことがあります。



キット一式(上) 袋の中(下)


 部品一式、電池ボックス、線材、ネジ類、板材、厚紙の前面パネル、それにカラーの組み立て説明プリントが付属します。このプリントは、組み立ての手順、配線図、実体配線図、鳴らなかった場合の対処法などたいへん親切なものです。ラジオ作りの面白さを知ってほしいという思いが伝わってくるようです。バーアンテナは長さ10cmでこの手のキットにしては大きなものが入っていました。

 せっかく古風なスタイルなので、今回も台座と前面パネルをブラックフェイスに仕上げてみました(スプレーしただけ)。まずは基板。ラグ板風に配列されており、印字もしっかりしているので、特に迷うところはありません。ただ、基板自体は小さいため部品間隔が狭くハンダ付けしにくい箇所がありました。続いて、前面パネル裏にポリバリコン、ボリューム、スピーカー、スイッチ、LEDの取付けと配線。バリコン、ボリュームに熱収縮チューブを付けるところなどはこだわりを感じます。最後に、バーアンテナと電池ボックスを接続して完成。ゆっくり時間をかけて3時間といったところです。欠品がないか部品を点検したり、回路がどうなっているのかを考えてみたり、台座への配置に工夫を凝らしたり、いろいろと思いを巡らせながら作るのがキットの楽しみではあります。


基板

ラジオ!C UTC7642

アンプIC TDA2822

完成


 エネループを2本装着し、スイッチオン。LEDが点灯し、高校野球中継が元気に飛び込んできました。NHK仙台第一。仙台第二も。そして慎重にダイヤルを回して東北放送も。当然ながら外部アンテナなし。ストレート式なので分離は良くありません。出力20kWのNHK仙台第一がバリコンのどこを回してもかすかにかぶってきます。仙台第二と東北放送を聞く場合は、バーアンテナのコイル部を可動させたり方角を調整すると、かぶりはなくなります。以前に作ったaitendoの2ICストレートラジオと比較してみたところ、感度、分離ともほぼ同等でした。音質に関してはそこそこです。こもった音で、昔のラジオ風? 耳障りでないのが救いかと・・・。


アンテナ、アース端子を追加してみました(付属外)


 作りごたえがあり楽しめるキットでした。安価(2160円)かつ性能的には実用にも耐えられるし、手を加えやすく、工夫する楽しみもあると思います。ミズホ通信研究所さんにはぜひシリーズ化して後続キットを世に送り出していただきたいものです。



aitendo2IC基板で作ったオリジナルラジオ(左)



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6TR-STD再評価

2012年10月14日 | ラジオ工作


 音が悪すぎ、と思い込んで基板を外した6TR-STDラジオキット。主な原因は、電圧不足でした。エネループの電圧が1.2Vを下回って、2本で2.3V程。これでもLEDは点灯するし、音も出るには出ますが、ガサついて耳障りな音になります。あらためて充電したばかりの電池で試してみたところ、普通並み以下程度に鳴ってくれました。

 音をもう少し改善できれば、高感度な、使えるラジオになるのでは?



 まずはスピーカー。付属スピーカーは高音ばかりで聞いていて疲れます。最低レベル。少しマシ程度ですが、余っていた別のキットのスピーカーを使うことにしました。秋月の300円8cmスピーカーの方が音はいいです。


あらためて木台に組み上げ 

スピーカーはマグネットで金具に吸着させているだけ



 さらに、バーアンテナの位置を変えて、基板から1cmほど離してみました。そしてトラッキング調整。IFTは出荷時に455KHzに合わせてあるのでいじらないように、と説明書にあったのですが、どうも少しずれているような・・・。東北放送に合わせて、慎重にコアを回してみると、音に厚みが増すのがわかります。やはりずれているようです。NHK仙台第一、第二でも同じことを繰り返して、調整終了。いつまでもこれをやっていると、耳が慣れてわからなくなってくるのです。


調整はほどほどに


 回路も少しいじってみました。高音を抑えるため、スピーカー出力の直前に100μFの電解コンデンサーを追加。こころ持ち、落ち着きのある、ラジオらしい音になってきました。


 さて、イヤフォン端子はAM専用ラジオにもかかわらず、ステレオ用のものが付属しています。当然、両耳からモノラル放送が聞こえてきます。あらためてステレオイヤフォンで聴いてみると、なかなかの音で鳴ってくれました。スピーカーで聴くよりはるかに高音質。




 このキットは、いろいろと調整するところがあって楽しめます。6石スーパーヘテロダイン方式のため、分離は抜群。付属のポリバリコンは粗悪ですが、信号のピークがはっきりつかめます(かなりクリティカル)。検波にはダイオードでなくトランジスタを使用、中間周波数増幅1段のため発振しにくいのも特徴となっているようです。


 感度も選択度も良いこの基板に、エアバリコン、大型バーアンテナ、高音質スピーカ―をつないでケースにでも納めれば、本格的なラジオが完成するのかもしれません。


<追記>

 昨夜10時頃、このラジオで聞こえる局をチェックしてみました。ローカル3局以外で明瞭に受信できたのは下記の通り。

594 KHz 東京NHK第一
666 KHz 大阪NHK第一
693 KHz 東京NHK第二
720 KHz ロシアの声
954 KHz 東京TBSラジオ
1008 KHz 大阪ABCラジオ
1134 KHz 文化放送
1179 KHz 大阪MBSラジオ

 長さ8cmのバーアンテナがそれなりに効果を発揮しているようで、思っていた以上に高感度。周波数帯の上の方が今一つな印象でしたので、また調整してみます。


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DSPラジオモジュール

2012年10月08日 | ラジオ工作


 およそ2cm四方の小さなポリバリコンにDSP基板を取り付けたラジオモジュール。これで、中波、短波、FMをカバーするマルチバンドラジオなのだとか。感度とか音とか性能のことは度外視して、まずは、この小さなモジュールを使って、最小構成のラジオを組んでみることにしました。


DSP-443

ポリバリコンの裏にはめ込まれています


 基板自体は完成品なので、配線するのみです。Aitendoのホームページにある簡単な配線図を参考にします。というか、ただのモジュールなので、それがないと何が何だかわかりません。それどころか、そもそもどういう受信回路なのか、十数個ある端子がそれぞれ何の意味を持つのか、謎ば深まるばかり。


配線図


 モジュール自体が小さく、はんだ付けは慎重を要します。電源は今回も二重層キャパシタ―2個直列とし、太陽光発電で約2Vを供給します。他に、スピーカー、バーアンテナ、スイッチ2個を配線。スイッチは電源オンオフとAMFMの切り替え。つなぎ終わった状態で、とりあえず電源を入れてみると、AMなのに短波のような聞きなれないノイズが・・・。バンド内の様子がこれまでのキットラジオとは明らかに異なります。バリコンを慎重に回すと、NHK仙台第一らしき放送が突然耳を引き裂くような大音量で聞こえてきました。そして、NHK仙台第二、東北放送も。思いのほか高感度。選局はクリティカルで、少しずつ聞こえてきて音の山に合わせるというよりも、急に聞こえてきてそこがジャストフィットという感じです。混信なく、分離も悪くありません。



 今回も、いつものバラック風に組んでみました。前回と同じ秋月電子の300円スピーカー、7cmのバーアンテナ、二重層キャパシタ―2個、バリコン、スイッチ2個をそれぞれ木台に配置。







 
 組み終わり、あらためてスイッチを入れると盛大に音割れ。こんなに大音量とは想定外で、特にボリューム(50KB)の用意もしていませんでした。家の奥の方なら感度が下がって、音量も低くなるかと思ったのですが、ほとんど変わりません。音質自体は悪くなさそうなので、ボリュームを追加して音量を絞れば、けっこう使えるラジオにはなりそうです。難点はポリバリコン自体の品質が今一つな点です。せっかくの極小モジュールではありますが、エアバリコンにつないでみたくなりました。

 また、アンテナを付けていないためと思いますが、FMはまったく入感しませんでした。サーッというFM特有のノイズだけは確認できました。短波も4.75-21.85MHzに対応しているようですが、今のところはAMのみで良しとしておきます。




 それにしても、このモジュール、本来の目的は何なのでしょう。ケイタイ端末に組み込むとか?腕時計型ラジオとか。そんな在りきたりなものしか思い浮かびませんが、電子技術の世界は本当にすごいことになっていて、驚いてしまいます。



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