「他人の打ったそばを食べるのも修業の一貫」と今年も福島手打ちそば研究会恒例の日帰り研修旅行が実施された。
今回は栃木のそばを試食する事になり参加者は23名、中型バスで先ずは栃木市内の小江戸とちぎと称される旧日光街道の蔵の街をのんびり散策した後、目的の蕎麦屋へ向かった。
栃木市の西山、太平山公園頂上付近にあるこの“もみじ庵”は一日限定10食の10割りそばが有名だそうで、事前交渉の結果特別な計らいで実現した。
昼前に到着したが、既に客席は満席で、我々は2階座敷に案内され、ここからは下界の眺望も素晴らしく、或いはそばの味も付加されてしまうのではと思われるほどだった。
名物と云われている団子と放し飼いの有精卵で作る厚焼の大きな玉子焼(3個分もあると言った仲間もいた)も添えられていた。
粉は北海道産新そばの“10割り”中太で太さも均一で標準よりやや長く、断面もほぼ真四角は確かな腕前と判断した。
茹でたてが順次出されて店主のプロの意気込みも十分に感じながら口にしたが、腰が強く滑らかで喉越しも良く“外一”か“二八”の上物?と思えたが、打っている処を見学した訳ではなく判断は不可能だった。
汁は好みに僅差で合格。野菜の天ぷら、葉類に合わせた極限の薄切りは以外に感じられたが、厚焼き玉子で満腹になってみると、店主のさり気ない配慮かなとも感じた。何れにしても今回は期待以上の美味いそばが食べられて十分に満足したと同時に、健康保険証と誕生以来の既往症メモ書き持参で参加したが、心配した会員の皆様へ迷惑をかける事もなく無事終えて、福島盆地から脱出出来たのも一年ぶりだったし、少しだけ現状の身体に自信が持てて安堵した。