日本裁判官ネットワークブログ
日本裁判官ネットワークのブログです。
ホームページhttp://www.j-j-n.com/も御覧下さい。
 



 今週はちょっと,趣向を変えて・・・。
 NHKのBSハイビジョンで放送されている「日めくり万葉集」をご存じでしょうか。NHKのHP(http://www.nhk.or.jp/manyoushuu/)で紹介していますから,是非ご覧下さい。(瑞祥)

 縁があって,瑞祥が今まで2回出演しています。今回は,3月18日(火)でしたが,明日23日朝6時半から再放送(一週間のまとめ)があります。
 今回の歌は,大伯皇女(伊勢神宮斎宮)が,訪ねてきた弟大津皇子を大和に帰すときに,見送った際の歌です。後に,大津皇子は,謀反の疑いで処刑されますから,伊勢で2人は何を話し合ったのか,いろいろ想像させられますね。

「我が背子を 大和へ遣ると さ夜ふけて 暁露に 我が立ち濡れし」(巻2・105)
 弟を思う姉の心情がとても表れています。今回この歌を選んだのは,日常,裁判で兄弟間の紛争を多く経験し,「兄弟こうありたいものだ」と切に思うからです。以下,番組中のコメントの一部です。
 「僕も今裁判官、出向時代も含めて二十年目なんですけど、一番激しくてですね、一番感情がこもってて、かつ一番長引く紛争、何なのかと思うと、これ兄弟の争いなんですね。兄弟がやっぱり親の介護を巡って争い、親が亡くなった後財産を巡って争いと」「そういう意味で、やっぱり兄弟を歌って、本当に心配して歌った歌っていうのが、何か仕事柄ですね、とてもいいなと。」
 「大伯皇女と大津皇子がこれを歌っている頃は、まだ若いんですよね。」「いろいろ年取ってから起きる紛争を経験する前にね、ある意味で、大津皇子が亡くなっちゃったんで、兄弟喧嘩をせずじまいで終わっちゃたのかもしれませんね。」

 あとは番組をご覧下さい。他の選者の方の歌もとてもいいですよ。私も,多分もう一回出演すると思います。
 

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )