日本裁判官ネットワークブログ
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1 年1回行われている全国規模の東西対抗法曹テニス大会は,かつては参加者が300人に達するという盛況を誇ったこともあったが,徐々に参加者が減り,今では100人をかなり割り込んでいる。これも若手法曹が余りテニスをしないことと,かつて熱心にやっていた人達も年を取ってきたためと思われる。その中にあって,岡山法曹テニスクラブは一時期に比べると参加者が減少してはいるものの,全国的にみると今なおかなりの盛況を見せている。
2 私はいろいろとスポーツを得意としており,テニスも好きであるが,私としてはその腕前や戦歴において今いち不満な種目である。私は司法試験に合格して間もない昭和50年12月ごろ,婚約者であった妻と2人で硬式テニスのラケットを購入し,その後細々ながら途切れることなくテニスを継続してきたので,テニス歴は既に30年を超えている。しかし我ながら不思議ではあるのだが,期待する程にはテニスの腕は上達しておらず,あまり目立つ戦歴はないと言ってよい。
3 私が裁判官になった昭和53年4月には,初任地である和歌山の裁判所には軟式テニス部はあったが,硬式テニス部はなかった。そこで硬式テニスに熱心であったある裁判官を中心に硬式テニス部を結成することになり,私も参加した。しかし一面しかないテニスコートを軟式と硬式の両テニス部がどのように使い分けるかで問題を生じたりしたため,何人かの裁判官は両テニス部の融和のために両方の部に所属して,両方のテニスをした時期もあった。
4 私が3年間の和歌山の勤務を終えて転勤することになったときには既に硬式テニス部の送別テニス大会が定着していた。そして送別大会の日に一歳になったばかりの長女がお父さんの応援に行くと言うので,妻と3人で和歌山まで出かけた。ダブルスで1人4試合というものであった。
 試合が始まって暫くしたころ,何だか「ワーワー」と大きな声が聞こえてきた。何だろうと思って声の方向を見ると,長女が審判台の上に上がり,腕を突き出して,「お父ちゃん,頑張れ!お父ちゃん,頑張れ!」と叫んでいたのである。この応援は試合の間中,間断なく続いたように思う。そして4試合ともこの応援が繰り返され,私は4勝した。やがて試合が終わり,子供は満足して帰って行った。その後の懇親会でひとしきりその応援が話題となり,「お嬢さんの応援に負けました。」と皆さんに言われた。
5 また松山地家裁今治支部に勤務していたとき,松山地家裁全体のテニス大会があり,現在四国の某地裁所長である裁判官と組んで出場し,優勝したこともあったし,そこそこの優勝経験もないわけではないが,わがテニス歴を振り返って,しきりに反省している昨今である。。
6 岡山の法曹テニスクラブは優れたシステムができており,テニス人口が全国的に減少している中にあって,珍しい活気を維持している。岡山法曹テニスクラブはあるテニスクラブに団体加入しているので,岡山法曹テニスクラブに加入すると自由にそのテニスコートを利用できることになる。そして毎年岡山で東西対抗法曹テニス大会の西軍の順位決定戦を行っているほか,年10回程度岡山法曹テニス大会を行い,毎回25人前後が参加しており,大会ごとに懇親会を行っている。この懇親会は各自が好き勝手な挨拶をするのであり,これがとても楽しく,参加した人は全員親しくなるので,仕事の上でも目に見えない効用があるのではないかと思われる。また年間を通じてのポイント制で総合順位を争うことになっており,上位に入ると忘年大会で豪華な賞品が授与されることになっている。裁判官も数名が参加しているが,多忙のためか参加が少ないのは残念である。
7 私としては,いささかテニスの腕前に不満がある。才能に恵まれながら器用過ぎて無冠のままに終わりそうな某野球選手と比較などすると怒られそうであるが,私も多少運動神経に自信があったために,上達種目を絞らず,何にでも気の赴くままに手を出し過ぎたようである。ただこの結果として甚だ人間関係が幅広いのも,いささか誇るに値するのではないかとは思っている。
 私は,テニス,ゴルフ,ソフトボール,ボーリング,卓球,水泳,囲碁,釣りなど,いずれも格別得意というほどではないが,そこそこの腕前であり,これらの競技で総合得点を競う機会があれば,かなり上位に食い込むのではないかという自信はある。
8 この4月に,5年間仕事上別居していた妻が裁判官を辞職することになり,5年振りで同居することになった。妻は最近の2年間は関東地方の某裁判所支部の支部長であったが,テニス部長も勤めたとかで,かなりテニスの特訓を受け,テニス中毒気味のようである。もしかすると私にサシの勝負で勝つつもりでいるかも知れない。帰省後は熱心にテニスをするのだと言っている。私もこの際反省を生かしてテニスを頑張ってもう少し上達することにした。壁打ちの回数を増やすなども含めて,本気でテニスに打ち込んでみようと思っている。
9 最近錦織圭という18歳の若者が日本選手としては16年振りとかで,テニスの国際大会で優勝したという快挙があった。またある弁護士は仕事も頑張りながら年間150回以上テニスをするという目標を立てているという話もある。これらは他人事ではあるが,耳寄りな話として大いに参考にすることにしたい。年を取っても単にテニスを続けているというのではなく,80歳まではかくしゃくとして,チョコマカと活発に動き回るプレイを目指して,60歳から80歳までを名実ともに人生の黄金期とするために頑張りたいと思っている。(ムサシ)


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今日の朝刊一面トップに「正義のかたち 裁判官の告白」が掲載されています。
刑事裁判官の言葉を通じて「人を裁く」意味を考える連載だそうです。
第1回は、最高裁で無期懲役3人、死刑2人と意見が割れた先月の判決などを取り上げています。
才口裁判官の反対意見は「死刑の量刑基準を、裁判員制度を目前に明確にする必要がある」と付言したそうです。しかし、これに対しては、それは裁判員の意見で決めていくべきだという異論もありそうです。
(チェックメイト)

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