日本裁判官ネットワークブログ
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 井垣さんの主宰する少年問題の勉強会に参加して,篤志面接委員をされている方のお話を聞くことが出来た。
 篤志面接委員というのは,刑務所や少年院に出向き,受刑者や在院者に対して,相談に乗ったり,勉強や趣味を教えたりしながら,その更生と社会復帰を手助けする民間ボランティアの方を言う(それにしても,名前がちいと古すぎるなあ)。
 少年院の院内視察をすると,どこかの部屋で,版画をやっていたり,音楽を楽しんだり,あるいは算数の授業をやっていたりする。少年らが落ち着いて楽しそうに講師と語り合っている場面をみると,何かほっとしたものを感じる。あの人たちが篤志面接委員なのだと,あらためて思い当たった。
 先日出席した少年院の卒業式でも,式の間,ずっとピアノの前でバックグランドの演奏を続けていた女性の講師がいた。少年たちの誓いの中には,音楽の授業の楽しかったこと,講師に対するお礼の言葉が沢山あった。少年らは,こうした講師との出会いや交流を通じ,教官からの指導とはまた別に,人間信頼の心を回復しているのだと思う。

 勉強会でお話が聞けた大川哲次弁護士(大阪弁護士会)は,刑務所や少年院の篤志面接委員を長年やって来られた方である。受刑者や在院者からの法律相談を担当しているという。交通費も自弁だという無償のボランティア精神には頭の下がる思いがした。
 大川弁護士は,心ある人は,彼らの更生と社会復帰のために,何でもいい自分の特技を生かして,このボランティア活動にぜひ加わってほしいと訴えておられた。 (蕪勢)


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