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中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

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世界の中の日本 第7回

2019年02月19日 | ブログ
先端技術力

 文学賞、平和賞という科学技術だけを顕彰するものではないが、ノーベル賞は夙に有名なので、先端技術力の参考ぐらいにはなると思い、世界の国別の受賞者数を数えてみた。昨年2018年までの受賞者(組織を含む)で、文学・平和及び経済学賞を含んだ数字ではある。(byWikipedia)

 1番は米国の366はダントツである。2位は英国の122。3位ドイツで82。4位はフランスの59。5位地元スェーデンの32。何とこれら欧米先進国に続き極東の国日本が24と健闘しており、第6位である。

 意外と少ないのがロシア(旧、ソ連邦を含む)で20に留まる。7位23のスイスの後塵を拝して8位。以下10以上の受賞者(組織を含む)を輩出している国を列挙すると、17のオランダ、15のカナダ、14のイタリア、13のデンマークとオーストリア、12のハンガリーとイスラエル、11のノルウェー、10のベルギーとオーストラリアで、世界で10以上の受賞者(組織を含む)を出している国は18しかない。東アジアでは日本だけだ。

 ただ、最近のわが国の受賞者のコメントの多くが、ノーベル賞は評価された研究が発表された時期との時差が大きく、現在のわが国の基礎的な研究分野での活動状況を見ると、今後ノーベル賞受賞者は減ってゆくのではないかという懸念である。

 中国やシンガポールなど国家ぐるみで学者を厚遇して研究を支援する。日本の学者は昔からより良い研究環境を求めて米国に抜ける人が多かったようだが、現代はシンガポールであれ、中国へでさえ、お金が出るならと知力を提供する。

 政治家の知的レベルの劣化によって、予算配分に適性を欠くようになっているのであろう。世界第3位の経済大国にしては、お粗末な現実がある。ただ、お金が潤沢にあれば腐る部分もあり、私など企業の研究室での経験からは、人もお金も不足するくらいの方が、一生懸命考えて知恵で補おうとするからいい面もある。要は学問であれ、仕事であれ本当に好きに成れるかどうかで成果は分かれるように思う。対極として、頭が良くても拝金主義で、権力に寄り添う御用学者に成り下る連中が問題である。

 日経ビジネス2019.02.04号に「世界を動かす日本人50」と題する特集記事があり、次の日本人ノーベル賞候補者をはじめ50名の学者や起業家を挙げている。まだ日本人も捨てたものではないのだ。

 ノーベル賞候補では、自己免疫機能の暴走による難病に挑む大阪大学の坂口志文教授。自然界の自己組織化に倣い、全く新しい構造や機能を持つ分子を作り出す東京大学の藤田誠教授。超伝導素材として最も不向きだと言われていた鉄を使った超伝導や肥料原料として欠かせないアンモニア合成の新技術を発明したという東京工業大学の細野秀雄教授の三人である。

 私が一番注目したのは、「変える」のジャンルからSF系起業家インテグリカルチャーの羽生雄毅社長だ。それは動物を殺さず、細胞から肉を作れる培養技術。課題はコストであったが、羽生社長はすでに従来比1万分の1以下のコストを実現しているという。

 牛舎などを訪ねると哀しげな表情をした牛に出会うことがある。赤ちゃんの時から育てた牛や豚を場に送る牧場主も割り切っているとはいえ辛かろう。そこから人類を開放出来たら素晴らしい。




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