過ぎたるは及ばざるが如し
現在の世界を眺めてみると、中共のような一党独裁国家は、言いたい放題やりたい放題。軍事力を背景に他国の領空も領海もお構いなし。チベットを武力で制圧し、チベット仏教やそこに住んでいた人々を踏みにじった。これは昔(1997年)ハリウッド映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」で観た。ウイグルでの人権侵害は、ひどいものとの噂があるが、当然に直接知っているわけではない。しかし、香港の返還(1997年)後50年は従来の政治制度を維持するとの約束を簡単に反故にし、反対する連日の市民の暴動はわが国でもニュース映像が流れた。これから推しても、ウイグルの悲惨さは想像に難くない。
一方自由主義国では、一部の国で、コロナワクチン接種について国の方針に同意しない連中が過剰な反対デモを行う姿がテレビニュースに流れる。自由のはき違えで、自分たちの自由が周りの人々を苦しめる結果となることを軽視し過ぎである。
未成年者の犯罪などに対する対応も、この国では犯罪者への過剰保護が見られる。いじめの問題で、当該中学の教師か校長か知らぬが、「加害者の生徒にも将来がある」と宣ったという。いじめられた生徒は亡くなっているのだ。
幼い子供への虐待も絶えない。力ある者の弱者への過激な暴力行為だ。軍事力を持った独裁国家の指導者と同様の行為である。それでも、子供を殺した両親への裁判の結果は驚くほど罪が軽いことが多い。子供にも落ち度があると言いたいのか。
自身の掲げた「アベノミクス」を未だに喧伝し、新しい政権の経済政策にケチを付ける元総理は無用の長物というより、これも「過ぎたるは」の範疇、すなわち過信は身を亡ぼす。本来公職選挙法、詐欺や公文書偽装幇助罪、国会での偽証罪、国家行事の私物化(公私混同)罪、検察官抱き込み罪等々で塀の中に落ちるべき人物である。
アベノミクスは、確かに民主党の3年間の韓国贔屓の円高政策で、家電業界が徹底的な被害に遭ったことを立て直す緊急策としての財政出動は評価できたが、その後の成果は何もない。安い労働力を市場に提供し、雇用が増えたと自画自賛しているが、結果として一部の大企業と中共を太らせただけで国内経済の成長はなかった。自分をタカと見られているように言うが、キツネか狸にしか見えはしない(狐や狸に失礼)。
政権後半の中共への諂いは、政権延長に尽力した媚中の頭目幹事長への返礼とも見えるが、自身の政権の延命のための財界と中共の橋渡しを促進したに過ぎない。財界にもすでに骨のある人材は希少だ。
トランプ米前大統領の対中政策は評価に値する。米中露が大量の核兵器を持つ現代、軍事衝突は人類の滅亡につながる。徹底的に中共を経済的に封じ込め、さらなる軍備拡大をできないようにする、これしかないのだ。コロナで顕在化したサプライチェーンの欠陥を修復するためにも、わが国も中共に依存する生産を自国に戻す必要がある。しかしわが国では、未だに有力企業のトップが中共と手を組んで収益の向上を目論んでいる様は、喜劇だ。(戦後、財界が徹底して嫌った共産主義、共産党独裁国家の怖さを忘却している様が笑える)