哀れな中共擁護
中共の国内民主派への強硬な締め付け、周辺国家への軍事力をちらつかせた恫喝、領土領海などの世界の規範に背いての自己主張。ウイグル、香港、チベットを持ち出すまでもなく、この国の異常さは普通の人の目にはそう映る。
しかし、同じ日本人でも、中共にコネを持つ人にとっては、どうにかして日本の対中政策を米国追随から引き離すミッションを与えられているようで、最後は対中戦争勃発の恐れを持ち出しておだやかに恫喝する。日本人の多くが先の大戦のトラウマから抜け出せていないことに加えて、中国や米国と違い、国土が狭く、大都市に人口の集中するわが国では、ミサイルへの備えが難しいことを衝いてくるわけだ。
「フランスのマクロン大統領はじめドイツなども米中対立に巻き込まれたくないと思っており、G7は反中クラブではないと言っている。韓国やインドも民主国家でありながら、中共を排して米国に付くとは言っていない」。
「中共と米国は、ウイグル、香港、台湾などを廻り大激論を交わしているが、そうした中、日本がさらに中国(中共)を苦しめるやり方をしていいのか。日本に求められるのは、中国(中共)に対する姿勢を曖昧にしながら、「気が付いたら得をしていた」という状況をいかに作り出すかである」。しかし全く具体案は示さない。示せないのだ。曖昧にしながら結果として損ばかりしているのだから。
財界人や元外務省役人なども、中共との経済的結びつきによって、企業が利益を上げることが国益であり、中共を批判して経済的利益を失うことは避けなくてはならない。米国には梯子を外される懸念がある。との考えが主流で、香港やウイグルは中共の内政問題だ。マクロンもメルケルも同様な考えで、自国の国益の前に「背に腹は代えられぬ」主義のようだが、まことに情けない話だ。
わが国のGDPの推移を見る限り、失われた20年、ほとんど増加していない。実は英国やフランスも同様であり、米国やドイツはそれなりに経済発展している。2010年に日本を抜き、GDP世界2位となった中国は、2018年までにさらに2.3倍にGDPを増加させているが、わが国はGDP名目では減少しているのである。
最近世間では、IOCのバッハ会長を「ぼったくり男爵」と呼んでいるようだが、まさにアベノミクスの8年間も含めて、中共に結果として貢いだだけとなっていることを知って言っているのだろうか。中共にぼったくられ続けているのだ。
「ウイグルに人権上の懸念があるのは分かりますが、確実な情報を得る実力はわれわれにはありません。中国国内で暮らす人々は、自国が豊かになったことで幸せを感じ、人権問題をそれほど意識しているわけではありません」。
人権侵害の証拠の確実性に疑問を呈しているのは、わが国の公明党もそうだけれど、証拠がないということは、中共が都合の悪い情報をオープンにしていないためで、コロナの発生源調査もWHOが1年後にようやく現地に入ったほど。感染初期早々に、武漢市を封鎖したのは感染拡大阻止もあろうが、真実の漏洩を恐れたものだと、その時に思ったものだ。
中共という異次元の独裁国家を擁護しなくてはならない日本人ほど、哀れな人は居ない。