この一年
コロナに明け、コロナで暮れる2021年。読売新聞の十大ニュースのトップは大谷選手のMVPだった。岸田新首相誕生は7位。2位は東京オリンピックのわが国の獲得メダル数が多かったこと。
まあ、準スポーツ新聞の読売の読者らしいといえばそうだ。3位がワクチン接種。あれだけ感染症に悩まされ、ワクチンしかも外国製のワクチンで接種した当然の話が3番目という。代わりに「コロナで自宅療養中の死亡相次ぐ」くらいが入っても良かった。第5波を変異のデルタ株の所為にしたいのも分かるが、デルタ株が蔓延しそうな時に「安心安全」を合言葉にオリンピックを強行して犠牲者を出したことの反省は、為政者にもマスメディアに踊らされた国民大衆にも全くないことは、まさにスポーツ亡国論に該当する。
今、オミクロン株で、あれだけ水際対策を実施していても市中感染が起こり、海外に派遣されたスポーツ選手が帰国してみれば、その多くに感染が確認される事態。あれだけ海外の選手、役員、マスコミ関係者を東京に受け入れざるを得なかったオリパラ期間を経て第5波で一日3万人近い感染者が出たことは当然の帰結であった。
懲りない面々は、次は札幌冬の五輪だと。絶対反対。やりたい人がお金を出し合って勝手にやればいい。先日も東京五輪の経費の結果報告のようなことを五輪の事務局長がテレビでやっていたが、どうも信用できない。兎に角五輪関係者というだけで、信用ならない感じになってしまう。一方、なぜ必要以上にお金が掛るのかの検証的な話を民放でもやっていたけれど、馬術だ、近代五種だ、カヌーだボートだと庶民には縁遠い、あまりやっている人は少ないであろう競技に、都度備品を新調して、特定のメーカーを潤しているらしい。
何度も言うがオリンピックなど止めた方がいい。それぞれの競技で世界選手権をやればそれでいい。ぼったくられて、今の東京に何が残ったでしょうか。北京に行ってオミクロン株を土産にはしないで欲しい。
世界のコロナ感染者数に比べれば、わが国の感染者は現在非常に少ない。民族的固有の体質もあろうが、それでも日本人は、みなさん外出にはマスクをしている。電車の中など見る限り100%だった。それに比べ欧米ではニュース映像で見る限り、マスク着用の割合が十分ではない。感染数が下がっても律儀にマスクを付ける日本人を「同調圧力」などとマイナスイメージで論評する節もあるが、それは明らかに間違っている。自分を守り、他人に迷惑を掛けないために、最低限自身で出来る事を律儀に行っていることが、負のイメージになぜなるのか。日本人の美徳を、もっと欧米に喧伝し、周知されれば、世界の感染症の被害は、今後はもっと低下する筈である。
この2年、コロナ禍でテレビドラマの制作も大変だったと思うけれど、ほとんど空きを作らず、今年も良好な番組を次々と観ることができた。テレビドラマ関係者には感謝である。