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歴史に学ぶ 第7回

2018年06月19日 | ブログ
太平洋戦争

 1941年12月8日午前3時19分(ハワイ時間7日午前7時40分)、日本海軍航空隊はアメリカ領ハワイのオアフ島にあるアメリカ軍基地に対する奇襲攻撃を開始した。

 これが、英米への宣戦布告に数時間早かったことでだまし討ちとされ、長く日本は卑怯者扱いを受けることになる。ただ、米国大統領ルーズベルトが自国民の戦争参加意欲を高めるための演出(日本軍の動きを察知していながらその攻撃を黙認した)であったという陰謀説もある。

 当時のわが国は、結構軍国主義が徹底していたのであろう、中国大陸で欧米利権と衝突した日本は、アメリカに石油を止められ、鬼畜米英となり、国民も大新聞さえも開戦ムードになったのに対して、当時から結構民主主義が徹底していたのであろう米国では、国民を戦争に巻き込むのに手続きが要る。

 今でも似たようなもので、近隣国でも中国や北朝鮮またはロシアは、トップが何らかの口実を付けて煽れば、一気に戦争モードで侵略してきそうだ。それに比べ、わが国では骨の髄までの平和主義者が居り、いかなる戦争であっても参加させるのは難しい。米国だって日本ほどではないが、似たようなところがある。しかもベトナム、イラク、アフガン、シリア等々への派兵や攻撃に世界から批判を浴びた。

 現在米中は貿易戦争になりそうな気配だけれど、元々ルールが違うゲームを一緒くたで行っているようなところに無理がある。中国の自由貿易に言う「自由」と民主国家の「自由」は違うのである。ここらあたりの認識が日本の経団連にもない。トランプ大統領は中国だけを貿易不均衡のターゲットにするのではなく、EUにも日本にも同様の要求をする。敵国も同盟国も経済においては差別しない。トランプ大統領にルールの認識はないようだ。勿論中国と日本やEUの貿易問題は米国の知ったことではない。

 日米開戦の時、私の母親(大正8年:1919年生)は、アニメ映画で評判になった「この世界の片隅に」の舞台広島県の呉に居た。すでに子が一人いた。夫である私の父親が呉の海軍工廠で働いていたからである。開戦の報を聞き、母は恐ろしくて体が震えたという。一方同世代の「創価学会を斬る」(1969年)で一世を風靡した評論家藤原弘達(1921-1999)氏は、当時東京大学の学生であったが、「日本が負けるなどとは全く思っていなかった」と地方の講演会で当時の思い出話をされていた。当然開戦の報に接しても意気軒昂で武者震いくらいで震えたくらいだったかも知れない。

 何が言いたいのか。要は、いろんな局面で習い覚えた知識などは、よっぽど綿密に組み上げない限り、世の中の判断材料として危うい。知識を持って自分で賢いと思っているからさらに危うい。知恵足らずは日本の政財界人にも多いのではなかろうか。政治家で言えば、野党は平和憲法死守でリベラル票を取り込み、自身が国会議員であれば良いと思っている節がある。自民党でも多くが今の身分が維持できれば、自衛隊は戦力でなくてもいいといういい加減なのが多くなっている。自民党代議士の旧民主党員化である。そこでは国を愛する心が希薄だ。鎌倉以来の外敵から国土を守り抜く使命感などない。

 太平洋戦争は白人社会が、日本という黄禍を絶つために起こした。その論法からすれば、いずれ中国も潰される。それを知っているから中国はいち早く、大国化する前に核武装し、北朝鮮もそれに倣った。

 ただ中国は潰されないためではない。周辺諸国を従えてこれまでの世界ルールまで変えようと目論んでいる。これに対して、米国でもマティス国防長官くらいなると、中国の現実を良く見ており対策を急いでいる。

 一方、日本には戦争は経済的に割が合わないし、日米同盟があるから中国もわが国に戦争を仕掛けないという見方の人が多い。しかし、トランプ大統領は実業家だから、国家の経営から見て損と判断すれば同盟国も見捨てるかも知れない。トランプさんには、太平洋戦争後にも自国の兵隊を多く失い続けた米国に対して、日本はそんな犠牲を一切払わず、米国よりも平和で豊かにさえ見えているのではないか。

 戦後70数年。太平洋戦争の敵国同士は、同盟関係を築き繁栄を分け合った。そろそろわが国も米国の庇護から独り立ちせねばならない時期ではないか。経済力に相応しい軍事力を持ち、米国と対等の同盟関係を構築すべきである。






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