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春が来れば 第10回

2024年03月28日 | ブログ
大相撲春場所

 別名、大阪場所または3月場所。俗名「荒れる春場所」。「荒れる」とは、元々強い筈の上位者、横綱や大関が平幕などに敗れることが多い場所を指す。過去の統計上のデータは知らない。

 なぜ「荒れるのか」についての解説は聞かない。単純に考えて3月場所は大阪で行われるので、相撲部屋は都内またはその近郊にある関係上、お相撲さんにとっては長期出張のようなもので、所帯を持つお相撲さんにとっても羽を伸ばしやすく、それが成績に響くこともあろうかとは思う。

 そんな大阪場所で、今年は大記録が生まれた。新入幕の力士が、初日から11連勝という大鵬以来の記録を達成。14日目の取り組みで右足を負傷しながら、千秋楽にも強豪を倒し、13勝2敗で優勝した。新入幕での優勝は何と110年ぶりの快挙という。しかもこの場所、結果として3敗者は居らず、結果は余裕の優勝となった。また初土俵を序の口から取り、10場所での幕内優勝は、これまでの記録を10場所以上短縮したことになる。

 私は、子供の頃からの相撲ファンではあったが、近年モンゴル人が増え、そのための不祥事も多く、伝統ある相撲界が揺れていると感じている。弟子の暴力事件の隠蔽があり、白鵬さんの宮城野部屋はあっさりと取り潰しとなった。これに文句を言う著名人もいるが、兎角著名人などは、データ、実績好きで、自身の損得で評価するからそうなるだけの話。白鵬は現役時代に、協会を軽んじる数々の言動があった。貴ノ岩殴打事件は、横綱日馬富士が直接手を下したと処罰された(引退)が、本来白鵬も同罪で、その際に首を切っておけば良いものを、それが出来ず、横綱の引退後の断髪式に、協会幹部は誰も出ないという意趣返しがあった。

 政界などもそうだが、鼻つまみの政策や言動でも、権力者には擁護する著名人が必ず居るもので、著名人の発言はネットなどでも紹介されるから、発信力がある。間違った解釈が、そのまま通用してしまうから怖いことだ。著名人には著名であることに相応しい幅広い見識が望まれる。

 翻って、この春場所ヒーローとなった尊富士は、昭和の匂いがする。本州の北の果て青森県の出身ということもある。鏡里、初代若乃花、栃ノ海、2代若乃花、隆の里、旭富士と横綱を6名も輩出した県の出身でもある。正攻法で、モンゴル人力士とは大いに異なる。卑怯さが感じられない。元々相撲は、他のスポーツにはない、立ち居振る舞いの優美ささえ競うものだ。本来そのような文武両道を会得した美しい力士だけが、横綱に成れるものでなくてはならない。記録より品格が求められる。

 尊富士は、「記録よりも記憶に残る力士に」と表現されたそうだが、大の里などと共に、新たな令和の相撲界を盛り上げていただきたい。





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