中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

経営のこと、政治のこと、社会のこと、趣味のこと、人生のこと

新、時事散歩 第6回

2024年04月16日 | ブログ
オーバーツーリズム

 観光大国は良いけれど、外国からこれまでにない大勢の観光客が押し寄せた場合の対策が、政府・自治体に十分取られていたとは思えない。特に安倍政権以降、経済政策の失敗は明らかで、それを補うために、観光大国化構想が生まれ、コロナに阻まれたもののコロナが終息後は、“日本”人気が沸騰中である。コロナ前は中共の人々の爆買いに象徴されるように、お隣のにわか経済発展による貢献が大きかったが、コロナ後は、日本の円安効果もあって、来日し易くなり、日本の良さが欧米の観光客に受け入れられているようだ。

 ただ、京都に代表されるように、観光公害が地元住民を苦しめることになっている。確かに、私もこの3月末に京都に行ったが、まだソメイヨシノの開花前でありながら、大変な混雑で、わざわざ遠く外国から来られた観光客のみなさんは、本当に日本が、京都が楽しめるのか心配になってしまった。

 新幹線駅の改札の大混雑、大通りに空車のタクシーは通らず、市営バスは乗るのも降りるのも大変なほどの混雑。バスの乗車口から降りて、前の運転手に料金を払いに行くという乗客の対応が多くのバス停で見られた。

 ネットによれば、京都の名たる観光地では、ゴミ箱の周辺に入りきらないゴミが散らばっている写真が見られた。

 「失われた30年」とはよく聞いたが、わが国経済低迷の30年は、同時に政治の貧困化の30年であった。行政のトップが思い付きで発する言葉が先行する。先般も前総理が、東京皇居に江戸城天守閣の再建を提案していたが、これも外国人観光客をさらに呼び込む為という解説付き。確かに復元された江戸城を観てみたい気はするが、江戸時代初めの1657年の大火で焼失して江戸幕府も再建していない。江戸時代の初期からすでになかったお城を、大金を掛けて復元するほど、今の日本はお金持ちではなかろうと思う。東京は京都ほどの観光公害には襲われていないと思うが、観光客の流れもシュミレーションし、考えられる不具合を想定し、その対策を講じておく必要がある。しかも皇居は観光地ではない。トップ、都庁のトップも含め、行政の長たる政治家が思い付きで、「どうだ」というのは政治の貧困以外の何物でもない。

 政治の貧困化がなぜ生じているのか。放映権の問題もあってか、権力に媚びるテレビ局に代表されるマスコミの低能化・無力化に他ならない。今回の都知事の学歴詐称疑惑の文藝春秋記事に対するテレビ局のスルーぶりは見事だ。次の選挙に出ないとは言ったが、和歌山選出の国会議員氏が次の選挙までは現役で、彼におもんばって(配慮して)動けないのかどうか。キャスターのレベルが低い、伴ってコメンテーターのレベルが低い。本物のジャーナリストが少なくなっているのだ。

 オーバーツーリズムと関係ないようで、すべては繋がって回っているのだ。学歴詐称の都知事を生むような素地は、そのことを物語っている。

 選挙のたびに蒸し返されて「不愉快」なら、今回なら文芸春秋社並びに小島氏や北原氏を名誉棄損で訴えれば良いと思うが、それが出来ないことが真実を浮かび上がらせている。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする