中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

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品質問題に思う 第8回

2018年02月22日 | ブログ
サービスと押し売りの狭間

 リホーム業、車の修理業者等にみる無料点検(無料の屋根や床下点検または依頼作業周辺点検など)による修理や部品等の交換督促、またはデパートや専門店などで遭遇する店員の付き纏い。多くの場合、サービスに名を借りた押し売りの気配が濃厚である。

 接客術とか云われ、営業トークで客を籠絡させて商品を売る、早めのパーツ交換をさせる。その時は成功したと思っても、後から客にうまく買わされた、早めに交換させられたなどの印象を持たれると逆効果で、客は二度とその店には行きたくなくなる懸念もある。ということで、積極的な督促を自粛する店もあるが、従業員を販売ノルマや売り上げの歩合制などで縛っておれば、自粛とは言えない。もっとも「親切」と「大きなお世話」の区別は一般の社会生活でも難しい。安全を担保するための早めのメンテナンスは、車やマイホームには有効ではあるが、一般の客にとってはその有効性と支払うべきコストのバランス判断が難しい場合が多い。

 高齢者が益々増えて、高齢者の単身世帯が増加すると、特殊詐欺紛いの怪しい訪問販売や通信販売が増える。銀行なども投資信託などの商品を、そのリスクを十分理解させないまま老人に購入させ、元金を取り崩す形で月々の配当を行って儲けを偽装するなどの詐欺まがいの商法がまかり通っていることもあるようだ。

 客にとって必要でもない商品を営業トークで売りつけて、売った側は良心の呵責に苛まれないのか。勿論、買った側は商品よりも一人身の老人に関心を持ってくれたことを喜んで買ったに過ぎず、魂胆の営業トークも了解済みという場合もあろう。

 病院などの人間ドック後の精密検査誘導にも疑問がある場合があった。高い検査料を取った挙句、解析度が不十分でよく分かりませんでしたが結論。

 これらの事例はサービス品質問題であり、詐欺は言うまでもなく犯罪だけれど、そのグレーンゾーンを商売にしている趣がある。いずれにしても客への十分な説明と客の十分な理解と納得が必要である。

 説明責任は、政治の世界にも常に言われる。国家は財政難(赤字国債発行残額865兆円)でありながら、自由民主党は教育の無償化を努力目標としたらしい。少子化で行き詰まる私立の高校・大学法人の将来的な救済手段でしかありはしない。安倍政権下の自民党は、国民の歓心を買うために財政の裏付けの無い総花的な政策を進めようとした前の民主党に段々と似てきた。それは真に国民のため、国家のためと言うより、自分たちが議員であり、権力を維持し続けるための刹那的な政策である。

 旅館やホテルの「おもてなし」も見直しを言われることもあるようだ。本当に客の心に響く「おもてなし」とは何なのか。それは残しつつ、過剰なサービスは切り捨てることは客にとってもいいことだ。わが国の「おもてなし」とは伝統に裏打ちされた高度で雅な礼儀作法、相手に対する心からの思いやりであり、サービス業の接客には有効なスキルだ。とって付けた儀礼的な「おもてなし」ならロボットで十分と、「変なホテル」が好評だったりする。




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