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私の本棚から第6回

2013年12月17日 | Weblog
子々孫々に語りつぎたい日本の歴史

 この本の内容の一部は、本稿ではすでに幾度か引用させて貰っているので、今更の感もなくはないが、前稿の憲法改正論を補足する形で、この本の内容に触れたい。

 著者のお一人である渡部昇一氏(1930- )は、知らぬ人ない保守の論客の第一人者だけれど、憲法に関してはさらに踏み込んだ論を展開している。我が国の憲法には改正論議があるけれど、その前に現行憲法は無効であり、破棄されるべきものだということを述べている。石原慎太郎氏なども言っていることではあるが、この本の後か先かは知らない。

 『憲法というのは「主権の発動」であるわけだが、占領下では主権がない。・・・すべての法律は、憲法から始まってつまらない法律に至るまで、進駐軍の命令、許認可でないものはない。・・・また内容的にも、日本国憲法が主権の発動でないという証拠があります。・・・よく憲法問題と言うと九条を問題にしますけれど、それよりもっと重大なのは憲法前文なんです。前文の中には、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われわれの安全と生存を保持しようと決意した」と書かれている。安全を委ねるのは、ある程度わかる。・・・日本には1億2千万の国民がいます。その国民の生存を他の国に委ねるなんていう憲法は、主権の発動であるわけがないんです。したがって、憲法を含めて占領下約7年間に作られた法律は法律的にすべて無効である。本来ならば、それを独立回復とともに宣言すべきだったのですが、やり損ねた。でもこれからでも遅くないから、それを明確に宣言すべきであると主張しているんです。』

 この本は、平成17年八月に上梓されている。先の「日本を愛する」から9年後、現在からは8年前となる。この間、憲法に関する国民投票法が平成22年5月18日に施行され、また今年の参院選挙でも自民党が圧勝したことで、憲法改正が近づいたかにも思えたが、経済復興を優先し、かつ中韓との摩擦を懸念する米国の意向もあってか、前進していない。米国の本音は、ここに来ても我が国の真の独立を望んでいないように見える。

 さらに我が国の真の独立を阻む勢力として、政治家の多くが中韓反日勢力から資金提供を受けているという経緯を、渡部昇一氏は次のように指摘している。『戦後、北朝鮮人も韓国人も税金をろくに納めないで日本の一等地を手に入れていますよ。焼け跡を占有してね。東京でも、疎開している人が帰ってきたら自分の土地に朝鮮人が住んでいるところが実に多かった。しかし、それを取り戻す手がなかったんです。そこから始まってヤミをやるでしょう。・・・そういう状況で儲けた金が桁違いなんです。税金を納めない人と、きちんと納めなくてはならない人とでは、富の大きさは天地の差ですよ。・・・結果として彼らは富を持った。それが三木内閣以来、政治を動かす裏の資金になった。・・・政治資金規制法によって、いわゆる筋のいい金が政界に流れなくなってしまった。筋のいい金というのは大企業の金のことですよ。それにもかかわらず、政治家は金が必要なんです。だから、ちょっと金を出すと動く質の悪い政治家が出てくる。それを知って、金を流したのがコリアンなんです。』

 先の民主党政権の折、外国人から献金を受けていたことが露見した政治家に、首相を務めた人物はじめ民主党有力議員が多かったけれど、これは本来大問題なのだけれど、マスコミや国会の追及は大甘であった。本人達も他人事であったようにその後も政治活動を続けているようだ。このことは、すでにこの国の政治家やマスコミにその手の勢力が深く浸透していることを示しているのではないか。(続く)



本稿は中條高徳、渡部昇一共著、致知出版社平成17年8月刊、「子々孫々に語り継ぎたい日本の歴史」を参考に構成し、『 』内は直接の引用です。
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