先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

【コラム】大英博物館の日本漫画

2019-06-12 | アイヌ民族関連
中央日報 2019年06月11日10時30分

野田サトルの漫画『ゴールデンカムイ』に登場するアシ●(●は小書き片仮名リ)パ
口を真っ直ぐに結んだまま遠くを見つめる少女--。今、ロンドンの都心にはこのアジアの少女が印刷された垂れ幕が風に翻っている。大英博物館(British Museum)で開かれている「Manga展」の案内垂れ幕だ。日本の外で開かれる漫画展としては歴代最大規模で、題名はそれ以上付け加えるものもなく、日本語そのまま「Manga」としている。
展示は19世紀末の「北斎漫画」という絵本を出した浮世絵作家の葛飾北斎(1760~1849)から全世界の若者を引きつけている今日の日本の漫画とアニメーション、そして「コスプレ(costume play)」のようなファンダムまで網羅している。古代の遺物が所狭しと並ぶ博物館で行われた新たな試みで、大英博物館の今夏の興行カードだ。
妖怪から少年愛まで描けないものはない日本漫画だが、博物館が展示の代表イメージとして全面に出したキャラクターは鉄腕アトムでも『ワンピース』のルフィでもない。『ゴールデンカムイ』のヒロイン、アシ●(●は小書き片仮名リ)パだ。「金色の神」という意味のタイトルで、「カムイ」はアイヌ語だ。アイヌは日本・北海道とロシア・サハリンなどの地に住む少数民族のことだ。漫画には彼らアイヌの衣食住文化がさまざまに紹介されている。差別と収奪の中、抹殺の危機に処した少数民族の登場人物キャラクターが日本サブカルチャーを代表する海外展示の「マスコット」になったのはアイロニーだ。
韓国漫画は1909年「大韓民報」創刊号1面にイ・ドヨンが描いた時事漫画を始まりとして、今年で110年を迎えた。もし韓国の漫画を展示していたらどうなっていただろうか。映画『寄生虫(英題・パラサイト/Parasite)』の出発点であるポン・ジュノ監督のストーリーボードも登場するのではないだろうか。世間のことを憂えるコバウおじさんから、子どもの頃に路地裏からぴょこっと顔をのぞかせているようなコボンイ、野球少年トッコタクとカッチ、コ・ギルドン宅のドゥリー、「子どもたちの大統領」ポロロ、1000万映画になったウェブトゥーン『神と共に』まで、思い出の中の主人公の安否も気になるところだ。
クォン・グニョン/JTBCスポーツ文化部次長待遇
https://japanese.joins.com/article/304/254304.html

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

森崎ウィン登場、STUDIO4℃『トゥレップ』予告編 『海獣の子供』原画展も

2019-06-12 | アイヌ民族関連
cinra.net2019/06/11 18:00

『トゥレップ~「海獣の子供」を探して~』 ©Beyond C.
STUDIO4℃の映画『トゥレップ~「海獣の子供」を探して~』の予告編が公開された。
現在公開中のアニメーション映画『海獣の子供』のSTUDIO4℃が手掛けた同作は、「海獣」「海」「生命」「神話」「対話」「宇宙」といったタイトルが付けられたビデオテープを残して行方不明になった男の行方を追う「ドキュメント・オデッセイ」。それぞれのタイトルに沿った専門家へのインタビュー映像、男のボイスメモ、「21世紀の日本の街の風景」などで構成される。監督は山岡信貴。なお「トゥレップ」は、ミクロネシアのマーシャル語で「航海や目的のある旅」、アイヌ語でアイヌの主食オオウバユリを指し「神様の贈り物」として大切にされてきた「命をつなぐもの」を意味するという。公開は6月15日。
予告編では、森崎ウィン演じる謎の失踪を遂げた男の「7月41日、肉体に制限がなくなれば心はもっと自由になるんだろうか。結局、生命の可能性を知るのに、生命そのものを知らなすぎる」というモノローグや、生物学者の長沼毅、獣医学者の田島木綿子、『海獣の子供』の原作者・五十嵐大介、精神科医の名越康文、水中表現家の二木あい、人類学者の中沢新一、理論物理学者の佐治晴夫の姿などが確認できる。
また山岡信貴監督のトークイベントが6月15日に東京・アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺、6月16日に神奈川・横浜シネマリン、6月22日に大阪・シネ・ヌーヴォ、6月23日に愛知・名古屋シネマテークで開催。さらに6月15日からアップリンク吉祥寺、千葉・柏のキネマ旬報シアター、横浜シネマリン、富山・中町のHOTORI×ほとり座ほかで『海獣の子供』の生原画展が行なわれる。今回の発表とあわせて『海獣の子供』の渡辺歩監督のコメントが公開。
渡辺歩監督のコメント
自由だ。
語りべたちはそれぞれの見地で。
宇宙の。自然の。生命の。
そして私たちの意味を解こうとする。
深く聞き入ると。
知らぬ間に人知の岸からはなれて。
帆も錨も持たぬ思考の船は。
生き物の気配に満ちた宇宙をただよう。
その宇宙では。
言葉は音階のぬけたリズムでしかなく。
心地よいままにただうなずく自分に気がつく。
これは自由な映画だ。
答えがあるのか。
答えがないのか。
それをめぐる全ての思考が絶対的に自由なのだ。
ここまで書いて良いことを思いついた。
この映画のフィルムの頭と尻をつなぎ。
終わらぬ上映としたらどうだろう。
観客は好きなところから見て。
好きなところで席を立てばよい。
それほどの自由さをこの映画は持っている。
どうか自由に味わってほしい。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=35&v=YUTY2O1tfAM
https://www.cinra.net/news/20190611-turep

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

離脱で浮上、国境問題リスク メイ首相辞任後の英国の運命(下)

2019-06-12 | 先住民族関連
ブロゴス 2019年06月11日 16:44 林信吾(作家・ジャーナリスト)
【まとめ】
・EUからの「合意なき離脱」の真のリスクは経済問題よりも国境問題。
・大ブリテン島で国境が復活し、北アイルランドが離脱する可能性も。
・問われているのは「国家のあり方」。日本とアジアの将来の参考に。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=46224でお読みください。】
英国が、なんら取り決めを交わさずにEUから離脱した場合、経済的な混乱以上に問題となるであろうことーーそれは国境問題である。
不思議なことを言い出す、と思われた向きもあるだろうか。英国は島国なのに、と。ここで思い出していただきたいのは、英国の正式な国名が、
「グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国」である、ということだ。このことは、すでに紹介させていただいた。
もともと大陸からやってきたアングロサクソンの国であるイングランドと、先住民族であったケルト人のスコットランド、ウェールズ、そしてアイルランドは別々の国であった。

▲図 イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド 出典:Wikimedia Commons; File:British Isles all.svg by Cnbrb File:United Kingdom countries.svg by Rob984 Derived work: Offnfopt – United Kingdom countries.svg
たとえばウェールズは1282年にイングランドによって制服されたのだが、当地の貴族たちには、隙あらば反乱を起こし独立を回復しよう、との機運が見られた。
これを知った時のイングランド王エドワード1世は、1284年に生まれたばかりの王子に、末子であったにもかかわらずエドワード2世の名と「プリンス・オブ・ウェールズ」の称号を与え、「次のイングランド王は、ウェールズで生まれ、ウェールズ語を習得するであろう、この王子である」と宣言した。今考えても、なかなか巧みな懐柔策であり、また読者ご賢察の通り、英国皇太子がプリンス・オブ・ウェールズを名乗る習慣は、この時から始まっている。
スコットランドなどは、幾度もイングランドと戦争になったものの全面屈服はせず、その後1707年に、イングランドと「同君連合」を形成することとなった。イングランドによる吸収合併も同然であったが、世界最古の王国のひとつである、かの地の人々がこれを受け容れたのは、主として経済的な理由であった。植民地獲得競争において、後れを取りたくなかったのだとも言える。
しかしながら独立の機運はその後も繰り返し盛り上がりを見せ、近代に入っても、独立を目指すスコットランド国民党は(議会内勢力としては、労働党と歩調を合わせることが多いが)多数の下院議員を当選させ、地方選挙では連戦連勝を誇っている。
2005年には、ついに独立の是非を問う住民投票が実施されたが、反対票が55パーセントを占め、ひとまず英国の一部にとどまることが決まった。しかし今次のブレグジットをめぐる政治的混乱を受け、国民党は、「もしもEU離脱が現実のものとなるのであれば、独立してスコットランド一国がEUにとどまるという政策の是非を問うべく、再度の住民投票を実施する」と宣言している。スコットランド議会において、国民党は今も最大勢力なので、保守党などが再度の住民投票を阻めるとは考えにくい。
また、目下連載中の「悲劇の島アイルランド」で今後詳しく見て行くことになるが、あの島もかつて英国に占領され、独立を回復した後も、北部のアルスター地方だけは英国の一部としてとどまることとなった。これは、かの地で支配的な地位を占めていた、スコットランド系プロテスタントの住民の意思を汲んだものであるが、そのプロテスタント諸派も、ブレグジットには否定的だ。
具体的には、プロテスタント諸派の中でもっとも保守的であるとされ、保守党政権に閣外協力していた民主統一党でさえ、メイ首相が示した離脱案(事実上EUとの妥協案)に対しては、ことごとく反対票を投じたし、最近では、「ブレグジットによってアイルランドの労働者・農民の生活が脅かされるのを座視するくらいなら、カトリック諸派と和解してアイルランド統一を模索するのも選択肢」と言い出す人もいるほどだ。
そもそも、激しい反英テロを繰り返していたIRA(アイルランド共和軍)などカトリック過激派が、1990年代に入って急に和平交渉に応じたのは、英国政府の努力もあったが、基本的には冷戦終結からヨーロッパ統合という流れがあったからこそである。
別の言い方をすれば、EUという国境なき国家連合にともに加わることで、暴力に訴えてでもアイルランドを統一するという大義名分が失われていったわけだが、英国が強引にEUから離脱するとなると、話はまったく違ってくる。
彼らカトリックの過激派からは、現在のような、北アイルランドとアイルランド共和国との間での自由な往来が許されなくなった場合は、「反英武装闘争の再開も辞さない」との声まで聞かれる。
メイ首相が合意なき離脱に踏み切れなかった最大の理由は、この国境問題を解決する妙案が見いだせなかったからであるし、英国が直面する本当のリスクとは、経済問題よりも国境問題ではないかと私が心配する理由は、お分かりいただけたことと思う。
もちろん、住民投票の結果はなかなか予測しがたいが、ひとつの可能性としては、大ブリテン島においては300年以上忘れ去られていた国境が復活し、アイルランドにおいては、北部が連合王国から離脱してしまうということも考えられる。しかもその可能性は決して低くはない。
たしかに、合意なき離脱による経済的混乱は、大きな問題だ。日本のホンダや米国のフォードなど自動車メーカーは、早々と生産拠点を英国外に移す構想を発表しているし、英国企業でも、掃除機など家電メーカーとして最近は日本でも有名になっているダイソンが、シンガポールへの本社移転の構想を発表した。ダイソンの経営陣は、英国財界には珍しく離脱を支持していたと聞くが、ようやく事の重大さに気づいたのだろうか。
地球の裏側にあり、なおかつEUと密接な関係にある日本のビジネスマンたちが、もっぱら経済的な側面からのみ、今次の騒動の行く末を案じるのは、当然のことである。しかしながら、この問題の本質とは「国家のあり方」が問われているのだということを、今一度考えてみるべきではないだろうか。
国境なき国家連合を実現させ、さらなる政治統合を志向するEUに対して、国民国家の立場を守り抜こうとする英国という図式は、日本とアジアの将来を考える上でも、大いに参考になると私は考える。
https://blogos.com/article/383667/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニュージーランド航空、9月から社員のタトゥーを解禁 多様性の尊重で

2019-06-12 | 先住民族関連
flyteam 2019/06/11
ニュージーランド航空は2019年6月10日(月)、9月からパイロットや客室乗務員などを含む同社社員のタトゥーを認めると発表しました。これにより、制服着用の有無に関わらず、ニュージーランドの先住民族「マオリ」の「タ・モコ」と呼ばれるタトゥーや、不適切でないタトゥーを表に出すことが可能となります。
ニュージーランド航空は約5カ月間をかけて顧客や従業員に意識調査を実施し、文化や個性の表現方法として、同国内でタトゥーが認められつつあること、また5人に1人が少なくとも1つのタトゥーを入れ、そのうち30歳未満は35%以上にタトゥーが入っていることを考慮し、社会通念の変化に航空会社も追いついていくことが重要と説明しています。
ニュージーランド航空は、職場におけるダイバーシティとインクルージョンにコミットメントを掲げ、マオリ族の言葉でニュージーランドを意味する「アオテアロア (Aotearoa)」のメイクアップを偽りなく反映でき、個性と文化遺産を表現できる多様性を大事にするとともに、タトゥーを解禁することにより優秀な人材確保を目指します。
https://flyteam.jp/news/article/111178

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

食の実験場アメリカ ファーストフード帝国のゆくえ 鈴木 透著

2019-06-12 | 先住民族関連
AERAdot 2019.6.11 15:40 平山瑞穂

 食を通じて見るアメリカ社会史。生半可な政治史などよりも、この国の輪郭が手に取るように伝わってくる。
 ポップコーンが先住民に、フライドチキンが黒人奴隷を経由してアフリカに起源を持つことをご存知だろうか。多民族国家であるこの国の食は、最初から「混血料理」であることを免れなかった。
 土着性と国際性が同居していたクレオール料理の豊かさ。そうした多様性や健康への意識こそが、産業社会化が進展する中で変質し、利便性と収益性を重んじる画一化されたファーストフード帝国を築きあげる礎になってしまったという皮肉。しかしそれに異議申し立てをしたヒッピーたちの反抗精神が、形を変えて今も息づき、多様性や食の安全を取り戻そうとしている。
 アメリカ理解の大きな助けとなる一冊。(平山瑞穂)
※週刊朝日  2019年6月14日号
https://dot.asahi.com/ent/publication/reviews/2019061100055.html?page=1

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

瀕死の地方病院に起死回生の奇策はあるのか――久間十義『限界病院』

2019-06-12 | アイヌ民族関連
ブックバン 6/11(火) 7:00配信
 現在の地方行政システムは、高度成長期に定められたものをそのまま使っているところが多い。右肩上がりの景気の良かった時代を忘れられず「あの時よ、もう一度」と夢見ているうちに、取り返しのつかない状況に追い込まれてしまう。
 記憶している人も多いだろう。二〇〇七年、北海道、夕張市が深刻な財政難から事実上の財政破綻となり、財政再建団体に指定された。同時に、夕張市立総合病院も民間の経営する病院であれば倒産している状態となり、公設民営化された。NHKスペシャル「夕張 破綻が住民を直撃する」では退院を迫られる高齢者の姿を追っていた。市民の地域医療を担っていた総合病院の再生は難渋を極める。
『限界病院』はその夕張市を彷彿とさせる、政治と医療のせめぎ合いを描いた小説である。医療現場の現実を、病院経営という切り口で語っていく。「病気を治す」という医師の職業理念だけでは解決できない病院経営の難しさを読者に突き付ける意欲的な長編だ。
 札幌からディーゼルカーに乗って三時間、苫小牧近くに位置する北海道の富産別市立バトラー記念病院は、明治時代に北海道開拓に力を尽くした米国人、ウィリアム・バトラーというプロテスタントの伝道師の名を冠した、内科、外科、整形外科など諸科を併せ持つ、昭和の時代には病床二百四十床を数える地域の中核病院であった。
 一か月前、東京の国立千代田医科大学の消化器外科から城戸健太朗という三十九歳の外科医が赴任してきた。結婚生活の破綻と医療ミスの自責、そして大学との軋轢に苦しみ、高校の同級生を頼って逃げるようにこの病院にやってきたのだ。
 しかしこのバトラー病院は瀕死の状態にあった。
 厚労省が定めた新医師臨床研修制度によって大学病院の人手不足は深刻になり、医局から派遣されていた医師が大学に呼び戻されていたのだ。バトラー病院が頼っていた北斗医大も同じで派遣していた医師を徐々に引き揚げていた。
 そのため赴任して間もない城戸も、外科部長就任を院長と事務長から懇願される。固辞する城戸。しかし事態はどんどん深刻になり、その院長まで大学に呼び戻される始末。
 その上、病院予算の赤字解消のため、市が貸し付けた原資がアイヌ関連の基金だったのが明るみに出て、市長と反対勢力との間の対立が激化した。次の市長選にとって、バトラー病院の行く末が大きな争点となったのだ。
 火中の栗を拾うがごとく新病院長となったのは、東京の警察病院で副院長を務めていた五十代前半の大迫佳彦医師。東大医学部を卒業後、自衛隊の中央病院に入職し、PKOでカンボジアに派遣され、その後医療ボランティアに従事していたという一本筋の通った硬骨漢だ。
 大迫を慕って応援部隊としてやってきた後輩医師のなかに救急科の吉川まゆみ医師がいた。女優のような美人でありながら修羅場も物ともしない凄腕医師は、大迫の切り札であった。
 大改革を打ち出す大迫に、日和見に徹しようとしていた城戸も巻き込まれ翻弄されていく。市長派と反市長派との鍔迫り合いはますます激しくなり、バトラー病院の去就は市長選にかかっていった。
 東京からやってきた、若くはない、しかしまだ中年でもなく、土地に対する愛着もないが憎しみもない城戸健太朗の視点で物語が進んでいく。読者は彼と同じように戸惑い悩み、先へ先へと気持ちが急ぐ。ページをめくる手が止まらない。
 著者の久間十義は本書の舞台近く、北海道の田舎育ちである。それだけに舞台である富産別という辺地の歴史や、人々の気持ちをよく理解している。閉鎖された変化を嫌う地域の中で、目先の権力を奪い合う地元有力者たち。だが改革しなくては富産別市自体が存続できないというジレンマ。新しい風を入れたい冒険者たち。それぞれの思惑がぶつかり合うなか、バトラー病院に起死回生の奇策はあるのか? 
 人の命を預かる病院の危機は、いまの日本のあちこちで起こっている現実だ。人口減少著しい地方の総合病院だけではない。産科、小児科の減少や高齢化による医療費の増加など、日本が直面している問題は山積している。
 地方医療崩壊の危機に警鐘をならす傑作長編である。
[レビュアー]東えりか(書評家・HONZ副代表)
千葉県生まれ。書評家。「小説すばる」「週刊新潮」「ミステリマガジン」「読売新聞」ほか各メディアで書評を担当。また、小説以外の優れた書籍を紹介するウェブサイト「HONZ」の副代表を務めている。
新潮社 波 2019年6月号 掲載
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190611-00568873-bookbang-soci

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする