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白老アイヌ協会が第一弾事業のカフェオープン【白老】

2019-06-27 | アイヌ民族関連
室蘭民報2019.06.26
白老町コミュニティセンター1階にオープンした「かふぇピラサレ」
 一般社団法人格を今年5月に取得した白老アイヌ協会(山丸和幸理事長)は、法人としての第1弾事業として「かふぇピラサレ」(アイヌ語で広げようの意味)を白老町コミュニティセンター1階にオープンさせた。山丸理事長は「協会が自立するためにも何とか成功させたい」と話している。
 メニューはオハウ定食、煮魚定食、焼き魚定食、うどん、そばなど。季節に合わせて海の幸、山の幸を食材にしたメニューも考えていくという。毎週月曜が定休日。営業時間は午前10時~午後4時だが、同コミュニティセンターのイベントに対応した時間延長も検討している。
 広さ約50平方メートルにテーブルは七つ、いすは約30。アイヌ文様刺しゅうやアイヌ民族に伝わる叙事詩「ユカラ」の体験教室、アイヌ文化関連サークルへのスペース貸し出しなども考えている。
 山丸理事長は「アイヌ文化を発信しながら、気軽に見に来たりできる場所にしたい。町内外のみんなの力を借りていろんな企画をやっていきたい」と張り切っている。
 イランカラプテ音楽祭が同コミュニティセンターで開かれた22日には、オハウ定食60食分を来場者に無料提供した。
 ※「イランカラプテ」の「プ」は小文字
http://www.hokkaido-nl.jp/article/12244

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Book Review AINU

2019-06-27 | アイヌ民族関連
IMA 2019/6/26

池田宏『AINU』ブックレビュー
対話としてのポートレイト
北海道に暮らすアイヌの人々を訪ね、約10年の歳月をかけて池田宏が写真に収めた写真集『AINU』。アイヌの民族や文化的な背景ばかりを思い浮かべると、そこに写されたさまざまな人たちの姿と、彼らの普段の暮らしに意表を突かつかれるかもしれない。それほど池田はそのコミュニティに溶け込み、ゆえにこれらの写真は彼らとの個人的な関係性から生まれている。コミュニティに入るための労力はもちろん、どのように撮るかという試行錯誤も含めて、長い月日をかけたこの写真集を、札幌国際芸術祭の統括ディレクターを務める天野太郎が紐解く。
レビュワー=天野太郎(横浜市民ギャラリーあざみ野 主席学芸員、札幌国際芸術祭2020 統括ディレクター)
池田宏の写真家としてのキャリアは2006年に始まる。それまで、学生時代から海外旅行をしながら写真撮影をしていたものの、未熟だった技術的なことも含めて職業としての写真家を本格的に目指すことになった。とはいえ、最初からこの写真集のテーマであるアイヌについて関心を示し撮影をしたわけではない。職業としての写真を始め、その後、独立して以降、それも徐々にこのテーマについて掘り下げることになった。漠然と「民族的なもの」に興味があった池田にとって、誤解を恐れずにいえば、 取っ掛かりは国内の中にある、それが繋がるテーマであれば何でも良かった。沖縄に目を向けたこともあったが、2008年以降、自分にとって未知の世界であるアイヌに方向性を定めたのも、比較的手付かずの分野でもあったからだ。一見安易にも聞こえる動機ではあったが、後述するが、そのことがむしろ池田にアイヌについての関わりを少なくとも現在まで継続させることになった。
高校の修学旅行で白老を訪問したことはあったのだが、人伝にアイヌといえば二風谷と聞いてまずこの地を訪れた。そこで最初にあった人物が、池田の「純粋なアイヌの人は居ますか?」という不用意な問いに、即座に「純粋な日本人は居ますか?」と返したことが事実上、これまで継続的にこのテーマ、多くはアイヌの人々の人物像を撮影してきた池田の動機付けとなった。
人にはそれぞれルーツと称する自己を規定する手段を持つが、同時にそのことを問い始めると、いまの自分が如何に混ざりもの=ハイブリッドな存在であるかを思い知ることにもなる。日本に住み、日本語を話し、日本の国籍を持つものを総じて日本人という事に似て、それは法的な裏付けであって、背後にはさまざまな異なる民族や文化の異なる価値観が存在している。池田の撮影はまさに、その一見一括りにされている存在の背後を個別に浮き彫りにする事だといえるだろう。来日が叶わない海外の人々が、未だに日本人は着物を着て生活をしているとか、子供がその両親に深々と敬いのお辞儀をする姿を想起することに似て、「アイヌ」という言葉から想起されるステレオタイプな視覚的イメージは根深く刻まれている。
池田が撮影するアイヌという民族的バックグランドを持ちつつ、さまざまな職業について生活を営んでいる人々のポートレイトがとりわけ印象深いのは、この民族に対するステレオタイプなイメージを超えた独立した人間像として昇華されているからだろう。実際のところ、池田の人物像の撮影は、それぞれの人物との対話をはじめとする人間関係の形成によって、初めて果たされることになる。それは、池田が決めたルールというよりは、その過程を踏むことによってでしか撮影が可能にならないからだ。アイヌの人々が、これまでのさまざまな言説を支える「証拠写真」として、夥しい数のイメージが無断で使用され続けて来たという重い事実が横たわっていることも理由のひとつだろう。しかも、それがようやく社会的な問題となり、アイヌの肖像権に関心が寄せられるようになったのはさほど昔のことではない。
池田のこのテーマでの撮影は継続的に行われている。それは撮影という行為に止まらず、向き合った人物との対話をポートレイト像と不可分なものとして構成しようとしている。オーラルのアーカイヴとして、オーラルの歴史として、これらのインタビューと写真が、それぞれが補完的と言うより自律した作品として立ち上がってくる。それらが不可分な関係であるのは、いまある彼ら彼女らの生活が長きに渡る抑圧と差別の歴史の上に立っていることを抜きに語れないからだ。
備考:アイヌ民族の肖像権に関する記載は、「アイヌ肖像権裁判・全記録」現代企画室編集部編を参照した。
タイトル
『AINU』
出版社
リトルモア
価格
2,900円+tax
出版年
2019年
仕様
ハードカバー/A4変型/128ページ
URL
http://www.littlemore.co.jp/store/products/detail.php?product_id=1001
池田宏|Hiroshi Ikeda
1981年佐賀県小城市生まれ。写真家。大阪外国語大学を卒業後、2006年「studio FOBOS」入社。2009年に独立。アイヌ民族をテーマにした作品制作を行っており、現在も定期的に北海道に足を運ぶ。近年の個展として「SIRARIKA」(2018年、スタジオ35分・東京都中野区)などがある。2019年に写真集『AINU』を刊行し、スタジオ35分と本屋Titleにて個展を開催した。
https://imaonline.jp/articles/bookreview/20190626ainu/#page-2

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白老アイヌ協会、28日カフェ開設 「笑顔と会話絶えない店に」 伝統料理「オハウ」など提供 /北海道

2019-06-27 | アイヌ民族関連
会員限定有料記事 毎日新聞2019年6月26日 地方版
 白老町の白老アイヌ協会(山丸和幸代表理事)は28日、町中央公民館(本町1)の1階に「かふぇ ピラサレ(アイヌ語で広がりの意味)」を開設する。アイヌ文化を発信し、コーヒーや軽食に加え伝統料理も提供しながら住民らが交流する拠点づくりを目指す。
 協会は今年4月、任意団体から一般社団法人になった。来年4月には、アイヌ文化振興の拠点「民族共生象徴空間(愛称・ウポポイ)」が開設される。「協会独自の事業で、…
この記事は有料記事です。
残り299文字(全文498文字)
https://mainichi.jp/articles/20190626/ddl/k01/040/162000c

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虎杖浜竹浦観光連合会が、アヨロ鼻灯台の周辺利用計画策定

2019-06-27 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 2019/6/26配信

 白老町の虎杖浜竹浦観光連合会(福田茂穂会長)は、虎杖浜にあるアヨロ鼻灯台の周辺利用計画(2019~23年度)を策定した。16年度に廃止された灯台や周辺区域を観光拠点として整備、活用の方向性を示した計画。太平洋をバックに岬状大地に立つ灯台の美しい光景を眺める展望休憩スペース、散策路などを周辺一帯に整備し、虎杖浜の新たな観光スポットの創出を目指す。
 アヨロ鼻灯台の周辺は、一帯に森林と太平洋の光景が広がるエリア。赤白塗装の灯台と青い海、緑の森が美しい色のコントラストを描く。縄文期からアイヌ文化期にかけた遺跡も点在し、「カムイミンタラ」などアイヌ民族伝承の地もある。
 こうした地域資源を観光に生かすため、同連合会は18年度、町の補助金を得て整備利用計画作りを民間コンサルタントに委託。現地調査や活用方法をめぐるワークショップも開くなどして、取りまとめた。
 計画によると、背景に太平洋の水平線を望む灯台と周辺地を絶景スポットとして売り出し、結婚や写真撮影会の場に利用してもらうことも想定。夜には灯台をライトアップして美しさを引き出す。アイヌ伝承の地が残る歴史スポットとしてもアピールし、誘客につなげる。
 活用に向けた整備は、同連合会が主体となって今年度から5年間かけて実施。老朽化した灯台の改修、散策路や展望休憩スペースや駐車場、トイレ、インターネット接続用の公衆無線通信Wi-Fi(ワイファイ)環境などの整備、案内看板や転落防止柵の設置といったハード事業を計画に盛り込んだ。
 また、ガイドの養成や周遊プログラム作り、モニターツアーの実施、インターネット活用のPR活動などソフト事業も展開し、今年度は危険箇所にロープを張るなど転落防止対策を予定している。同連合会事務局によると、「一連の整備に掛かる総費用は5000万円程度」と見積もっている。
 7月2日には「アヨロ鼻灯台周辺保存会」(仮称)を設立し、整備、保存活用の推進組織として活動に乗り出す。白老町では来年4月に民族共生象徴空間(ウポポイ)が開業し、国内外からの観光客も増えると予想される中、同連合会は「灯台周辺整備によって、ウポポイに訪れる旅行者を虎杖浜に誘客したい」としている。
 アヨロ鼻灯台は漁業の安全操業のため1976年12月に設置。所管する海上保安庁の沿岸灯台廃止計画(2014年)の対象となり、16年10月に廃止された。その後、地域から灯台撤去を惜しむ声が上がり、観光資源としての活用を模索した同連合会は17年8月、町に対し保存を要望。これを受けて町は18年度予算で、灯台施設と底地の民有地200平方メートルを10万円で取得したほか、利用計画策定費などの補助金240万円を同連合会に支出した。
https://www.tomamin.co.jp/news/area2/16593/

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