元!吹奏楽部顧問の日常 

顧問を離れて早数年。今やただの音楽&ラグビー大好き親父です。

12月1日

2018年12月01日 | 吹奏楽
広島ウインドオーケストラ:結成25周年記念東京公演

2018年11月29日(木) 19:00開演
東京芸術劇場
指揮:下野竜也(音楽監督)




同期の星、福井敬(Ten)の盛岡でのコンサートと秤にかけて
こちらを取りました(苦笑)。
結果は・・・大満足!

オール邦人作品、しかも初演2曲。
しかもかなり重量級の作品ばかり。
さらには普段目/耳にすることの少ない地方のプロ吹奏楽団。

集客に苦労するのが最初から分かり切った内容な割に、
見た目6割以上は客席が埋まっていたのは健闘といってよいのでは?


それはひとえに下野さんと広島WOへの期待の大きさによるものかと。

今年春に仙台フィルで下野さんの振る公演を聴きに行ったが(メインはドヴォルジャーク6番)、
今回は長らく音楽監督を務めてきた手兵との共演。
よりストレートに下野さんの音楽が伝わってきたように思う。


指揮は実に雄弁で的確。
そこから繰り出される音楽はダイナミックかつ繊細。
初演の曲も含めて全く飽きることがなかったのは素晴らしい。

長生さんのEuph協奏曲は、
マエストロ・シモーノ&ヴィルティオーゾ・ホカゾーノwwwのタッグが秀逸。
外園さんの何と上手いこと!
Euphってこんなに多彩な響きと演奏ができる楽器なのだと改めて思い知らされました。


西村さんの『秘儀Ⅶ』は、やはり西村節全開(^^)。
ぶ厚くうねりまくるフォルテのエネルギーと、緊張感に満ち溢れたピアノの静寂。
素晴らしい初演を披露してくれたバンドの大健闘には心からの称賛を惜しまない。


ラストは、コンクールでもよく耳にするようになった『マインドスケープ』。

正直あまり期待していなかったのだけれど(^^;)、
これはいい意味で期待を裏切られました。
この作品は現代日本の吹奏楽の水準を指し示す指標の一つであり、
そしてこの日の演奏は、その作品の持つ魅力を惜しみなく披露してくれた。

こんないい曲だったのね(^^;)。
コンクールで聴く限りでは、これほど魅力ある作品にはとても聴こえなかったなあ。



終演後、決して満員とは言えなかった聴衆からは万雷の拍手!
すると、お約束のアンコールが2曲も(^^)。



2曲ともグレードの易しいオリジナル作品。
ちょっと驚いたけれど、考えてみれば初演やら重い曲やらがずらり並んだプログラム。
マーチや軽い作品だとコンサートの空気そのものが壊れてしまうと考えたのでしょう、
結果的に気持ちの良いアンコールとなった次第。

特にラストの『アルヴァマー』はコンクール調の快速テンポにもかかわらず、
よく歌いこまれたとても余裕のある演奏。
しかも、よく知っているつもりの曲だったのに、
今まで聴いたことのないような部分が強調されていたり、興味深かった。


考えてみれば、普段プロのオーケストラを相手に、
ベートーヴェンやブラームスやブルックナーを取り上げている指揮者が、
それと同じ態度/眼差しで邦人作品やバーンズに取り組んでいる訳で、
コンクールやアマチュアバンドのコンサートで聴く演奏とは次元が違っていて当然!
そして、それを聴きに来た当夜の聴衆たちも強者ぞろいではありましたw。


芸劇は何度も素晴らしいコンサートを聴いた会場。

・ハンスバーガー&イーストマンWE:パッサカリアとフーガ ハ短調(JSB)
・野中図洋和&陸上自衛隊中央音楽隊:シンフォニア・タプカーラ(伊福部昭)
・飯守泰次郎&東京佼成WO:ワーグナーの夕べ
・大井剛士&東京佼成WO :この地球を神と崇める(フサ)

などなど。


下野さん&広島WOは、
上記バンドと並ぶ忘れられないコンサートの一つとなりました。


福井よ、ごめん(^^;)。


PS
会場には私でも知っている斯界の有名人が沢山。

当夜のプログラムの作曲家の皆さんはもちろん(西村先生はフリートーク付きw!)、
秋山紀夫大先生、中橋愛生さん、編曲の黒川圭一さん、
それに東海大高輪台高校の畠田先生、羽村第一中の玉寄先生など。

皆、強者でした(^^)。












コメント
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