ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

              【お知らせ】

【定休日は毎週水曜日です。】【7月も毎週日曜日は休業します。】

うれしいお客さん2

2012-07-26 16:54:20 | 日記・エッセイ・コラム

今日は所要で朝から小松に行って来ましたので、遅いブログ更新です。

昨日は水曜日営業で暇な一日になるかと思っていましたが、朝からうれしいお客さんが相次ぎました。今日のブログは昨日のお客さん達の事を書きます。

まず、朝、開店と同時に近所のKさんの奥さんがいらっしゃいました。先日の朝に娘さんと一緒に大きなボストンバッッグを持って歩いておられたのをお見掛けしました、とお話しをすると、高校生の娘さんがアメリカにホームステイに行かれたとの事で、旅のお守りに何かいい石がないかと探しに来られたとの事でした。私はそれならターコイズがよろしいのではないか?という話をしました。店にはスリーピング ビューティー産のタンブルと提携しているローズストーンさんのリングがありましたのでお勧めしました。ターコイズには旅の守護石的な意味があります。Kさんの奥さんはリングをお買い上げになられ、娘さんへの手紙に旅の守護石である事を書かれ郵便を出しに行かれました。石が親子の重要なコミュニケーション手段になるのだ、と、こちらもうれしくなりました。

次のうれしいお客さんは通りがかりの若い女性です。その女性は偶然お店を見つけたられたらしく、お店に驚きながらも、何か青い石がありませんか?と尋ねて来ました。実は青い石は店の中でも少数派です。私はとっさにローズストーンさんのフローライトのペンダントトップをお勧めしました。そのフローライトは透明なブルーに薄い紫色の縞が入っているものでした。その女性は喜んでそのフローライトを買ってくれました。こちらの提案にすぐに反応され、こちらの方がうれしくなってしまいました。

その次は先日、インカローズの事を尋ねてきた年配の男性です。先日は下見だったのでしょうか?昨日は娘さんと二人でいらっしゃいました。そして娘さんにインカローズのブレスレットを選ばせお買い上げになられました。その時に娘さんの方から「ありがとうございます。」とお礼の言葉がありました。私が「お礼はお父さんの方にです。」と言うと、娘さんは素直に「お父さん、ありがとう。」とおっしゃいました。何と!できた親子なのだ!と私は驚きと共にうれしくなりました。

その親子の会話を聞いていらっしゃったのが、鶴来からいらっしゃった女性です。その女性は二度目のご来店でした。その女性は私に正四面体の夢を見てお店に来たという話をしてくれました。興味深いお話です。私はプラトン立体の話とバックミンスター・フラーの話をしました。すると、その女性は正四面体の形にカットされた水晶を手にされました。さらにその水晶の近くに置いてあった4重のレインボーが見える水晶も気になると言って手にされました。すると不思議なことに透明だと思っていた水晶が薄いピンク色に変わっていました。レインボーの色も鮮やかにみずみずしくなったような気がしました。その女性はその両方の石を購入されました。石が変身して持ち主を選ぶ、という不思議な事は起こっているようです。

最後は夕方遅い時間帯にいらっしゃった女性です。お話を伺うと、どうもその女性は芸術家の方で、自分の作品の一部に天然石を使いたいというお話でした。試作中のマーメイドの写真を見せて頂きました。海のイメージの石を探しているという話に私も乗りたくなってしまいました。昨日はそれとは違うフローライトと黄鉄鉱をお買い上げになられましたが、例えば虹色に輝くアンモナイトの化石や水色の方解石のサザレ等がその作品に活かせたら良いなー、と思ってしまいました。

昨日はめずらしく充実した水曜日でした。

うれしいお客さん達に、こちらから「ありがとうございました。」の一日でした。

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電気石1

2012-07-25 12:43:15 | 日記・エッセイ・コラム

今日からは電気石について書きます。

電気石はホウ素を主要構成元素とする珪酸塩鉱物のグループ名で、13種類程度の鉱物に分かれています。その名前は電気的な性質(圧電効果、焦電効果)があることに由来しています。東京浅草の神谷バーの電気ブランの電気は明治時代のハイカラな飲み物という当時の最先端という接頭語的な意味の「電気・・・」でしたが、電気石の電気はそうではなく、まさしく電気に由来しています。ただし、電気的な性質があると言っても、マイナスイオンを発生させるとか有害な電磁波を吸い取る等、身体に良いという効能は過大に期待してはいけません。

電気石は宝石名のトルマリンの方が一般的かも知れません。宝石としてのトルマリンは色によって、黒(ショール)、赤(ルベライト)、青(インディコライト)、2つの色が混在(バイカラー)等の名前がついています。ただしこういった名前はまぎらわしいので、イエロートルマリンというふうにトルマリンの前に色をつけて呼ぶ方が無難です。

さて、今日は鉄電気石(ブラックトルマリン)です。

Dscf0744_2

ブラジル ミナスジェライル州 産の鉄電気石(Schorl)

黒い鉄電気石は電気石の中でも最も産出量が多い種です。この鉄電気石の特徴は細い針状結晶の放射状集合体で、それらが入り組んでいるところが魅力的です。

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ブラジル ミナスジェライス州 産 鉄電気石(Schorl)

この標本は一見、斧石に見えてしまうほどの複雑なガラス光沢の柱状結晶の集合体です。それは鉱物的な微細な無数の結晶体の集合体で、鉱物の本来的な姿をしていると思います。鉱物の本来的な姿とは人工的に造られたものではないという印象を与えてくれる事です。

Dscf0753

ブラジル ミナスジェライス州 産 鉄電気石(Schorl)

この標本は写真ではちょっと分かりにくいのですが、無数の黒い柱状結晶が縦方向に並びながら途中切れていながらも全体として構造を保っているかのような印象を受けます。この標本から受ける印象は鉱物本来のイメージよりも、新鋭建築家の集合住宅の模型のようなイメージがあります。自然の鉱物結晶でありながら人工的な建築物のようにも見えてしまうところが面白いところです。

Dscf0751_2

ブラジル ミナスジェライス州 産 鉄電気石(Schorl)

上の標本に比べるとこちらの標本は柱状結晶がランダムにばらついてくっついています。こちらの結晶から受ける印象は鉱物本来の姿です。人工的なものには何かしらの意図的な秩序がともないますが、これくらいにランダムなものには自然なものとして映ってしまいます。秩序がない事が普通の自然な現象なのです。

人工的なものと自然のものとの違いの原点は「秩序」にあるのかも知れません。





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プロメテウス

2012-07-24 11:34:50 | 日記・エッセイ・コラム

公開が待ち遠しい映画があります。それは「プロメテウス」(2012年 アメリカ)です。日本では一ヶ月後の公開です。

「プロメテウス」は「エイリアン」(1979年 アメリカ)の前日譚的な作品で、監督は「エイリアン」と同じリドリー・スコットです。リドリー・スコットといえばあのSF映画の金字塔「ブレードランナー」(1982年 アメリカ)の監督でもあり、こうなるとどうしても見なければなりません。

このブログは石のブログです。

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Aouli,Morocco ロマネシュ鉱(Romanechite)

上の写真はモロッコ産のロマネシュ鉱です。ロマネシュ鉱はバリウムを含むマンガンの酸化鉱物です。この標本は独特の雰囲気があり、この鉱物を見た時に「エイリアン」を想起してしまいました。「エイリアン」はスイス人のH・R・ギーガーがデザインした映画です。この標本ではないのですが、Web検索で見た他のロマネシュ鉱からもギーガー的雰囲気が漂っていました。中にはエイリアンの頭部やエイリアンの卵を彷彿する標本の写真もありました。もしかするとギーガーはロマネシュ鉱の存在を知っているかも知れません。本人が気づかずとも、無意識的にロマネシュ鉱の影響を受けているかも知れません。そう思ってしまうほどにその異様な雰囲気は似ています。鉱物がその画家の作風に影響を与えてしまうとすると、それは面白い現象だと思います。そのような事の真偽はともかく両者から受ける印象は似ています。

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「エイリアン」のスペース・ジョッキーのフィギュア

上の写真は数年前に飛騨高山のSFショップで購入したスペース・ジョッキーの樹脂製のフィギュアです。高山の石屋さんの近くにそのお店はありました。「エイリアン」では映画の最初の方で出て来ました。その強烈なイメージは脳裏に焼き付いています。「プロメテウス」でもそのスペース・ジョッキーは出てくるらしく、そのイメージの再確認ができそうです。

私は映画「エイリアン」を今は無き東京のテアトル東京で見ました。大学生の時です。テアトル東京では「2001年宇宙の旅」も見ました。映画は巨大スクリーンで見るのが一番です。iPhoneのような小さな画面では見る気がしません。世の中の進化は変な方向に行っているような気がします。

「エイリアン」での思い出ではもうひとつ東京・白金にあった「ギーガーズ・バー」を思い出します。ちょうどバブル時代で、私も何度か行きました。そのギーガー的な空間で飲むお酒は異空間に迷い込んだみたいで、複雑な酔い方をした記憶があります。

最後にもうひとつ。

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これは何年か前に名古屋のポートメッセ名古屋で行われていたクリエーターズ・マーケットで購入した焼き物です。素焼きのようなオブジェです。この球体オブジェを見た時には「エイリアン」的な印象と「2001年宇宙の旅」的な印象を受けました。どことなくスペース・ジョッキーとEVA PODとの雰囲気を併せ持っているような気がします。その作品の作家名は忘れてしまいましたが、イメージ感染されたようなその作品につい手が出てしまいました。

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鉱物標本が出てくるゲームソフト

2012-07-23 10:54:00 | 日記・エッセイ・コラム

今日の話題は「鉱物標本が出てくるゲームソフト」です。

昨日、iPhoneのアプリ「iGADGET HD」をやりました。私は知らなかったのですが、既に昨年から発売されていたようです。

この「GADGET」の原本は今は無きシナジー幾何学が1993年に発売したゲームソフトです。作者は庄野晴彦さん、日本の誇るCGアーティストのおひとりです。

私は1990年代初頭はMACユーザーだったので、「Alice」(1991)や「L-ZONE」(1992)の世界にどっぷり浸かっていました。当時の媒体はCD-ROMで、今では懐かしいマルチメディア・インタラクティブ・ゲームというジャンルのゲームでした。当時の私は本屋や映画館にも行かず、パソコンのコンテンツの世界にハマっていました。それらの中にも名作は沢山ありました。

そのような数多くの名作の中でも突出した名作が「GADGET」だったと思います。

その「GADGET」がiPhoneでも出来る事を最近知り、早速ダウンロードして、昨日、懐かしい思いでやってみました。

すると、忘れていた訳ではありませんが、その中で鉱物標本が出て来ました。ゲーム序盤の列車の中で出てきます。4×5の木製の標本箱に入っている鉱物標本と鉱石分析装置なる機械が出てきます。それを見た瞬間、「おぉー!」と思いました。確かにそのスチームパンク的レトロフューチャー的世界観と鉱物標本の世界観には共通性があります。「GADGET」の発売当初の頃の私にはまだ本格的な鉱物趣味がありませんでしたので、その事はあまり印象的ではなかったようです。これまでその事に気付かずにいました。

その「GADGET」では黄鉄鉱らしい鉱物標本が浮き出し飛び出してきます。昨日まで黄鉄鉱の事を書いていましたので、その偶然性にちょっと驚きました。

庄野晴彦さん、今はどんな仕事をしているのでしょうか?

そして、シナジー幾何学が発売予定していた「Underworld」はどうなったのでしょうか?非常に期待していた作品だっただけに今更ながら気になります。

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黄鉄鉱4

2012-07-22 10:57:27 | 日記・エッセイ・コラム

今日は黄鉄鉱4として黄鉄鉱の共生の話題です。

黄鉄鉱は鉄と硫黄の化合物で、世界中どこでもどんな環境でも産出するありふれた鉱物です。そのような黄鉄鉱ですから他の鉱物とも共生し易い鉱物です。

思いつくままに黄鉄鉱と共生する鉱物を挙げるならば、まず水晶でしょうか。中には水晶の中に黄鉄鉱の結晶がインクルージョンとして入っているものもあります。そして方解石、蛍石、菱マンガン鉱、エメラルド、等々。そういえば黄鉄鉱のキューブ状の結晶にエメラルドの六角柱状の結晶が突き刺さっている標本を見た事がありますが、それは即決出来なかった為にそれを入手できなかった苦い思い出の標本です。鉱物との出会いは一期一会的なものなのです。

その他、黄鉄鉱は同じ金属鉱物である黄銅鉱、方鉛鉱、閃亜鉛鉱、硫砒鉄鉱、毛鉱、等々とも共生します。さらにラピスラズリのような岩石中にもよく見られます。

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産地不明 黄鉄鉱・水晶(Pyrite/Quartz)

この写真は水晶のクラスターの上に二つの球状の黄鉄鉱が仲良く並んでいます。愛らしい標本だと思います。

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中国産の黄鉄鉱・方解石(Pyrite/Calcite)

この標本は黄鉄鉱の母岩の上に方解石が結晶しています。方解石の方が黄鉄鉱よりその存在を主張しているような気がします。

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ペルー Huanzala 産 黄鉄鉱・閃亜鉛鉱・方鉛鉱(Pyrite/Sphalerite/Galena)

この標本はキューブ状の黄鉄鉱の一面に閃亜鉛鉱の結晶が張り付いています。そしてその周辺には小さなキューブ状の方鉛鉱の結晶が散らばって着いています。金属鉱物三種の共生体です。

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ルーマニア産の黄鉄鉱・車骨鉱・水晶(Pyrite/Bournonite/Quartz)

この標本は黄鉄鉱の母岩の上に車骨鉱と水晶の結晶が共生しています。黄鉄鉱は脇役で車骨鉱と小さな白い花のような水晶が主役です。黄鉄鉱の母岩に花咲く可憐な水晶の結晶、なんとも愛らしい標本です。

Photo

アフガニスタン産 ラピスラズリ(Lapis lazuli )

この標本は鮮やかな青色のラピスラズリに金色の黄鉄鉱が着いています。ちょっと白い部分は石英です。ラピスラズリの青に黄鉄鉱の金色は映えます。そのコンビネーションは美しいものですが、やはりその金色よりもラピスラズリの青色の方が目立っています。

黄鉄鉱はその存在感から、鉱物世界の舞台では主役にも脇役にもなりうる役者なのだろうと思います。

黄鉄鉱は今日で終了し、また明日から話題を変えます。












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