かぶれの世界(新)

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やったもん勝ちは、民主主義の危機

2023-10-14 14:32:57 | 国際・政治
ハマスの奇襲攻撃はイスラエルの怒りの報復攻撃を招き、ニュース報道を見るとガザ地区で被災した一般市民の悲劇的な状況が繰り返し報じられている。確かにハマスとイスラエルの一般市民、加えて人道支援の人々は悲惨な目にあっている。

日本のマスコミ報道は一般市民のフォーカスして報じる傾向が強い。何百人もの無垢な子供が爆撃を受けて死亡している。中東情勢など普段考えもしない芸能人にコメントさせ、被災した一般市民を十羽一絡げにして戦争反対を訴えるのはちょっと違うと思う。

誰がこんな悲劇をもたらしたのか、それは一義的に奇襲攻撃を仕掛けたハマスだと思うが、その点についてほとんど問題指摘がない。しかも、市民は奇襲攻撃したハマスを支持している。イスラエルとパレスチナの間には長い対立の歴史があるし、背景には欧米が深くかかわってきた。

だからと言って今回のハマスの奇襲攻撃の罪を免れることは出来ない。何でも良いから軍事衝突を止めろと言うのは無責任でさえあると思う。それは「やったもん勝ちの世界」だと私は思う。ロシアのウクライナ侵攻が引き起こしたウクライナ戦争を停戦しろというのと変わらない。

国力の違いが引き起こす現実は実に不公平だ。いまだにウクライナ戦争の戦地は99%以上がウクライナ国土で戦われ、ウクライナ市民のみが惨めな生活を強いられている。欧米は軍事大国のロシアの原爆を恐れ、ウクライナ支援はウクライナ国内の戦いのみに絞っている。支援が続いても現状の「停戦イコールやったもん勝ち」の構図の中に限定して戦争が行われているのだ。

だが、ハマス奇襲後イスラエルは直ちにガザ地区を空爆して報復した。軍事大国の中国やロシアが関わってないからだ。今回のイスラエル地上軍攻撃によるガザ北部の110万人市民への避難警告は、二度とこのような奇襲攻撃をさせない様ハマスに強烈な打撃を与えようとしている。言い換えると、「やったもん勝ちは絶対に許さない」というイスラエルの姿勢だ。

世界は「やったもん勝ちを許さない」姿勢を徹底すべきだと私は信じる。だが、現実の世界は米国の経済軍事力が圧倒的に強いことを前提に成り立っていた。最早、米国は二つの戦争を同時に戦えなくなった。中国の急成長は米国一強の前提をなし崩しにし、結果として世界の半分以上の国は目先の都合を優先して動くようになった。

G7の民主主義ルールが機能しなくなった。実は欧米日でも石油ガス等経済的に自国に都合が良ければ民主主義ルールに目を瞑り、中ロや中東などと取引を増やしていった。マスコミ報道も民主主義を優先して報じる姿勢は見られない。今、我々はその報いを受けている。だとしても「戦争を仕掛けた国が損をする仕組み」が必須だと思う。■
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