かぶれの世界(新)

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苦い思い出

2021-07-17 18:12:09 | 旅行記
掛かり付け医に予約の電話を入れると、「定期健康診断は緊急事態宣言されたので中断された、多分12月まで延期されるはず」と返事が返って来た。これで今回の帰京の目的の一つが実行不能になったことになる。これで残りはワクチン接種2回目と家族パーティになった。

調布市に移動した証券会社の担当者の自宅訪問を予定していたが、来客があるかもしれないという家内の理由で延期した。スタイルの良い若い美人が家に来てくれるなんて滅多にないので残念だ。ホントに何もすることがない。ぼんやりテレビ映画を見ていると、海外出張で見た風景を思い出した。大抵の場合、それは黙っていれば分からないけど小さな失敗物語だ。

人事異動で購入部品の技術責任者として隔月ペースで海外出張し始め、慣れると単独出張するようになった90年初め頃事件が起こった。行先は米国西海岸、特にカリフォルニア州シリコンバレーが多かった。定宿の一つがサンフランシスコのサー・フランシス・ドレークだった。

ホテルはユニオンスクエアの北側に面し名物のケーブルカーの終点に近く、広場の南側が有名な百貨店、西側が高級ホテル(ウェスティン)という仕事より観光したくなるお気に入りだった。因みに役員はウェスティンに泊まっていたと思う。英国王がレーガン大統領に会った所だと聞いた。

はっきり覚えてないが、多分仕事にうんざりして夜遅くホテル最上階のバーに行った時のことだ。カウンターに座り飲み物を注文して飲み始めた。飲み物が来ると料金とチップを払う、映画で見た通りにした。その時、横に若い女性が座った。ぽっちゃり体形のアラサーの地味な服を着てたと思う。

彼女は何かしゃべり始めたが適当にあしらった。こういう時私は曖昧な態度をとるのが癖だ。暫くして部屋番を聞かれ私はジタバタせず興味ないと答え、それを機に彼女は席を立った。様子を見ていたバーテンダーが来た時、僕にも好みがあるみたいに言い訳っぽく言った。彼は何も言わなかった。

チャンとしたホテルなのに変な女性が来たと帰国後友人に話すと、彼女達はバーかホテルの了解を得て来たプロだろうという。それからも出張を繰り返したが、その言葉が頭の片隅に残っていた。その後も同じホテルに何度か泊まったある夜、今度は明らかに下心があってバーに向かった。

だが、最上階を通り過ぎ屋根のないオープンスペースのビアガーデンみたいなところに間違えて行った。お客が沢山いて夜空を見ながらお酒を飲んで会話を楽しんでいる様子だった。前回とは違うと分かってたはずなのに私はある女性グループに声をかけた。当然というべきかそっぽを向いたまま無言の反応が返って来た。チンケなアジア人中年男など相手にされるはずがなかった。

同じホテルなのに全く雰囲気が違うと気付いていたのに声をかけて惨めな思いをした。多分、邪魔したと謝るべきだったが私もだんまりを通し場所を移した。余程精神的に疲れていたのだろうと後から言い訳のような分析をした。人生の最後に近づき何故に苦い思い出ばかり出てくるのか。楽しいことも一杯あったのに。■
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