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処理水の海洋放出を支持する

2021-04-14 21:51:55 | 国際・政治
私は福島第1原発の処理水を海に放出する政府の決定方針を以下の理由で支持する。専門家ではないが報道から判断するに、支持の理由はそれ程難しいことではない。誰もが容易に理解できる決断にも拘らず、「原子力」という「魔法の言葉」が今まで政治決定を先送りしてきた。

(1)他に方法がない。
(2)ほっとけば廃炉作業が遅れ、いつか大惨事が起こる。
(3)処理は世界的な安全基準に合致している。

2011年3月の東日本大震災の津波で起こった炉心溶融事故の廃炉作業は計画より遅れており、今も高濃度の放射性物質を含む汚染水が発生している。敷地内の汚染水のタンクは来年秋ころには満杯になると予測され、それ以降廃炉作業が中断される恐れがあるという。

私から見ればそれは福島県の危機であり、最悪の場合震災被害を受けた東日本に及ぶ危機になると思う。一方、福島県の魚業関係者が風評被害の不安を持つことはよく理解できる。対応が必要だ。だが、彼等はこれ以外の解決策はないこと、風評被害以上の危機が来る恐れがあることを理解すべきだ。

福島県の殆どの人々はそれ以外に解決策はないという、いわば消去法で政府決定を認めているようだ。多分、福島県以外の殆どの人々も同じ考え方と思う。だが、NHKなど多くのマスコミ報道は強く反対する漁業関係者の声を強調した報じ方と感じた。これが政治決定を遅らせた主要因だ。

一方、中韓などアジア諸国で懸念が相次いだ原因として、海外に向けた情報発信不足とこれまでの東電の対応に対する不手際などで根強い不信感があるという(日経)。多分その通りだろうが、放出する処理水が国際基準の1/7であるのが事実で、かつ諸外国の放出の現実が明らかになれば、やがて大多数の世界の支持を受けると考える。

最後に、この難しい問題に直面してぎりぎりのタイミングながら決断した菅首相を称賛したい。「魔法の言葉」に関わる政治決定は激しい感情的な反対に直面することが多く、あらゆる場面で必要な決定が避けられるのを見てきた。放置する方が支持を維持できるという不思議な現象だが、それが何年か後に国民が大変な目に合わせる。リーダーのあるべき姿を示したと思う。■
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