かぶれの世界(新)

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映画の見方が変わった

2021-03-26 22:13:06 | 日記・エッセイ・コラム
多分、コロナのせいだと思う。

この3日間で午前中に2本映画を見た。NHKBSの映画放送「海街ダイアリー」と「東京家族」だった。実はこれまで何十年も邦画を見た記憶がない。映画館に行ったのも20年くらい前の洋画で、殆どはテレビでハリウッド映画、たまにヨーロッパ映画、といった程度だった。

昨年の田舎暮らしからコロナ自粛で家にこもる時間が長くなり、刑事物のテレビドラマを見ることが多くなった。ハリウッド映画のアクション物に見飽きて、テレビドラマの犯罪物を見るようになった。1年間こんなものばかり見てると次に何が起きるか予測でき飽きて来た。

上記の二つの映画は話題になり題名は知っていたが、その時は邦画は見たいとも思わなかった。朝ニュースを見た後、チャンネルを切り替えると「海街ダイアリー」が始まったばかりだった。そのまま「音」で画面を見ながら新聞を読んでいるうちに映画に引き込まれていった。

30分後にはテレビの前のソファに座って映画に集中し、最後まで見た。今朝も全く同じだった。今朝は早々に新聞を食卓に置いたまま、テレビの前に座って「東京家族」を最後まで見た。2本とも2時間以上の映画で、朝は何もしないで生産性のない半日になった。

共通するのは劇的なストーリー展開というより、家族とその周りの人々との間の日常の出来事が淡々と描かれていく。食事中に見た朝ドラみたいに突然大声で怒鳴ったりしない。ハリウッドにもこういう「非」劇的映画はあったと思うが、日本では余り公開されないのではないかと思う。

これは私の趣向を語るだけで、偉そうに日本映画とかハリウッド映画を語る積りはない。正直言うとこの二つの映画では登場人物が亡くなる場面に惹かれた。お涙頂戴というより、ごく普通に淡々と描かれる。それが何故か自分が死んだ時を想像させてくれ最後まで見た。

「東京家族」では両親は四国に住み、子供達が多摩地区に住む。まるで私と同じ環境だ。平均寿命から言えば私は10年以内に死に、近くの焼き場で焼かれ故郷のお寺の隣のお墓に埋葬されるはずだ。映画を見て、死後お墓に入る具体的なシーンがイメージできた。

同時に私の死後も子供達が淡々と生活を過していくイメージも沸き穏やかな気持ちになった。多分、優れた監督と俳優だからできたことだろう。年を取って涙もろくなった私だが、映画の後半になると予定通り涙が出て来た。これがコロナ後の私の映画の新しい見方かもと思った。■
コメント
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