かぶれの世界(新)

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場違いな大統領と米国の復元力

2018-12-14 18:45:25 | ニュース
ワシントン大聖堂で行われたジョージ・H・W・ブッシュ第41代大統領の国葬は記憶に残るものだった。私はPBS(米公共放送)が報じた中継録画を見た。印象に残ったのは当時のカナダ首相が紹介した故人の思い出と、長男のジョージ・W・ブッシュ第43代大統領の本物の涙だった。

私にとって印象に残ったのは歴代の大統領や関係者の中で、トランプ大統領夫妻の存在だけ浮き上がって場違いな雰囲気を醸し出していたことだ。残念ながらこの気まずい雰囲気は米国内で少数派ではなくなった。今や戦後民主主義のグローバルリーダーならしめた米国と二分する存在なのだ。

民主主義のシンボルだった米国に憧れた「アメリカかぶれ」の私としては、行き当たりばったりで主義一貫しない馬鹿を世界最強国司令官に選び未だに続けさせている米国に信じられない場違いな印象がある。一方、歴史的に米国という船は時に大きく傾くが優れて復元力があるはずだ。

ここにきて、米国の復元力が働き始める兆候が出て来たと感じる。トランプ大統領の側近だった人達が次々と去って行き彼の悪行を暴露し始めた。従来ならトランプは「嘘」だとか「偽ニュース」とか言い放ち少なくとも支持者はついて来た。だが、元側近達は法的証拠に残る形で証言し始めた。

大統領選時に顧問弁護士だったコーエン氏が、トランプの浮気相手を黙らせるため政治資金を使い3年の実刑判決を受けたと報じられた。例によってトランプは「嘘つき」呼ばわりしたが、判決が出た後では説得力がない。最終的にはロシア疑惑で家族を含む側近の多くが何らかの判決をうけ、大統領が弾劾されるか分からないとしても議会で追及を受けるのは間違いない。

トランプを支持する新勢力との境界線は旧来の共和民主両党の外側にある。共和党の旧主流派の多くは先の中間選挙で立候補しないか落選した。選挙に勝ち残る為に共和党はトランプ党に変質したと報じられている。予想外の展開だったが、議会は中ロの疑惑に対して超党派で反応すると予想する。

個人的にはトランプは大嫌いだが、歴史は偉大な仕事をしたと評価する可能性もあると思う。特に中国が発展途上国と経済大国を立場を都合よく使い分け、進出企業に合弁会社化と技術移転を強要し、言論弾圧とか少数民族を弾圧する共産党独裁政治が世界をリードするようなことが絶対にあってはならない。

大国としてのポテンシャルの大きさを配慮し、欧米列強ですら歯止めがかけられなかった。歴史上初めて中国に待ったをかけた大統領として記憶される可能性がある。そして、それは事実だと考える。人として酷く稚拙どころか低劣であったとしてもだ。底流に米国主流派がいて馬鹿を使ってやらせている、それが米国の復元力なのかもと私は秘かに疑っている。■
コメント
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