かぶれの世界(新)

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黒田緩和の総括的検証のボールパーク

2016-09-20 16:28:03 | ニュース
日銀が今日から実施する金融政策の「総括的な検証」が注目されている。ファイナンシャルタイムズ(FT)やCNN等の海外のマスコミも注目して報じている。物価上昇2%の目標達成が非現実的な状況で、現行の金融緩和の副作用を分析し、より長期的に続けられる枠組みに見直していこうというものらしい。

専門家でない私だが、この金融緩和の総括的検証が意味のある結果を生み出すのは困難であると予測する。悲観的な予測をする理由は物価上昇を金融政策でコントロール出来る状況に今はない為だ。戦う場所が違うのではないかということだ。米国にいる時良く使った言い回しで、ボールパーク(球場)が異なると言った。米国の野球場は夫々独自の形をして異なるルールで戦うことが求められるからだと当時私は理解した。

アベノミクスが曲がりなりにも成功して来たのは、異次元金融政策でマネーが急増し市場が驚いて反応したからだ。端的に言うとそれまでの不作為の円高が修正され、正常なレベルまで円安が進行した。しかし、正常化したレベルで経済を活性化する為には、潜在成長率を高め実体経済を成長させなければ何も起こらない。

潜在成長率を高めるには(1)一人当たりの生産性を高める、(2)労働人口を増やす事しかないこと位は素人でもわかる。しかし、その為には働き方を変えるとか、移民を増やすといった今まで国民が嫌がった多くの関連政策を実行することだ。これ等は決して金融政策ではない、安倍内閣が断行すべき政策だ。

政治家、専門家、一部メディア等はこのことは全てわかっている。だが、それは同時に多くの国民に痛みを強いることになる。目先の生活しか見えない国民は当然反対の声をあげ、ポピュリスト化したマスコミは全体を見通せず反対の声を強調して報じる。結果、政治家は次の選挙を恐れ既得権益層を維持し改革を先送りする。

これが今まで繰り返された先送り体質の政治だった。我が国の20年に亘るデフレ体質は少子高齢化による人口減少と改革先送り体質が組み合わさって生じた停滞に改革が追い付かなかった為だ。私の疑問は、これって金融政策で解決することですか。ボールパークもプレイヤーも違いますよ。やるべきは安倍内閣でしょう。

安倍内閣は近年にない強い内閣だ。この政治資産を使ってやれないなら、もう誰も出来ない。答えは分かっているのに。日本の未来は明るくない、先行き残り少ない私の人生の間に是非新しい風景を見せて欲しい。我が国だけではない、海外でも同じような状況にある。一時的に支持を失う恐れがあっても改革断行する気合を持ってほしい。黒田総裁にそこまで言わせるのか、だとしたら後世の評価は期待しない方が良い。■
コメント
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