かぶれの世界(新)

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往く人来る人(13)

2016-09-05 22:24:50 | 日記
母が死亡して四十九日の今日、納骨を済ませ一連の行事が終わった。自宅の仏壇にお霊供の準備をしてなかったとか、最後にお墓にお骨を納めた時に線香を持参せず和尚さんに借りるといった失態もあったが、とにかく終わった。夕方出合った近所のオバサンに報告すると、これで一息つけるねとねぎらわれた。

朝10時前に実家に和尚さんが来てお経をあげて頂きいた。その後お寺に骨壺や位牌とあの世への旅立ちの小道具を持って行き本堂で拝んで頂き、最後にお墓に行き骨壺を納めた。その時初めてお墓の中に骨壺を安置する結構広いスペースがあるのに気付いた。ところが、入っているはずの父と祖母の骨壺がなかった。

和尚さんに「変だな、何も無い。」というと、彼も「どうしたのかのう?」と頭を捻った。一体骨壺はどこに行ったのだろう。一番最初に聞きたい母はもういない。他の誰に聞けばいいのかもわからない。この謎が解けるかこれからじっくり考えたいと思う。

骨壺を納め拝んで頂き本堂に戻る途中、「今回が私がやる初めてで最後の葬式、次は子供が私の葬式をやる番」と和尚さんに言った。それを聞いて彼は、「その時は自分じゃない」と切り返された。数年前にガンを取り除く手術をしたと聞いていたので実感がこもっていた。私は笑っただけで返事できなかった。

住職の奥さんに骨壺の行方に心当たりがないかいつか聞いてみようと思う。彼女は74才、和尚さんは77才だそうだ。お寺だけではやって行けないので先代から引き継ぐまで二人とも学校の先生だった。和尚さんは校長先生だったのを記憶している。二人の年金で生活には困らないという。問題は跡継ぎがいないことだと言う。

彼女によれば息子さんは有名企業の社員で跡を継がないという。他に跡継ぎの当てがある様子ではなかった。あちこちでこういう話を聞く。お寺とは事情が違うが、都会で生まれた私の子供達が田舎で暮らせるとは思えない。この先どうなるかは子供達に決めさせると私も言った。だが、取り敢えず来年の一回忌・新盆・灯送り等をどうするか悩んでいるというと、来年の行事は纏めてやれるよう時期が来たら相談に乗ると彼女は言ってくれた。

午後から郵便局に行き母の預金の相続手続きを終わらせた。大阪に住む妹にゆうちょ銀行間転送をし、私の取り分は地方銀行に転送した。ゆうちょ銀行間は手数料が144円、地銀へは約850円の手数料で、意外に大きな差だった。郵便局を出ると、これで終わったと思った。後は葬儀に参列して頂いた方々にお礼をすればすべて終わりだ。そう思うと気が楽になった。■
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