かぶれの世界(新)

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体験的人種差別

2015-05-03 18:34:17 | ニュース
米国が人種差別で揺れている。この国では何がどうなろうと人種差別が間断なく繰り返される。国の在り方である自由平等の建前はイスラム原理主義みたいに徹底しているが、一方で多くの人達の間に理屈を超えた黒人差別の本音がある。建前が強い分だけ本音とのぶつかり合いも凄い、これが私の印象だ。人種差別はアジア系やヒスパニック系に対するものもある。私も経験した。だが、話題になるのはいつも黒人差別だけだ。

90年代半ばに私はシアトル郊外の富裕層が住むと言われるベルビュー市に住んだ。市内中心部にあるショッピングモール「ベルビュースクエア」に初めて買い物に行った時、アジア系の顔をしたショッパーは沢山見かけたがたった一人の黒人も見かけなかった。ワシントン州は歴史的にも黒人が少ないとしても異常だった。

ベルビュー市は住宅価格が高く、黒人の収入では住めないからだという。元々ワシントン州の黒人人口は少ないが、それでもシアトル市やその南にある町では少しは黒人を見かけた。ただ一人の黒人も見かけないベルビュー市は異常といえば異常だったが、その時は私が初めて住む米国の町なのでそんなものだと思った。

それから、シアトルの南にあるフェデラルウェイ市に引っ越し、地元高校の体育館でバドミントンクラブに加入、西シアトルで開催された大会に参加する機会があった。試合が終わりジム内のシャワーを浴びた。シャワールームは大部屋に数本のポールがあり、そのポールの上部にシャワーヘッドが数個取り付けてあり、その周りにみんなが集まっててんでにシャワーを浴びていた。

私は誰もいないところを見つけてシャワーを浴び始めたが、間もなくバカでかい黒人が真横に来て何も言わずシャワーを浴び始めた。私はその大きな黒い塊に物凄い圧力を感じ、素っ裸でビジネスの間合いを越えた距離感に身の危険すら感じた。正直言うと逃げ出したくなる恐怖だった。これはもう生理的にダメだった。

一連の報道を見て警察の過剰な取り締まりには黒人に対する恐怖が底流にあるかもと私は思った。勿論、双方に不信感を生み続けてきた長い歴史があるはずだが、奴隷として連れてこられた黒人との関係は私の生半可な知識以上の特別なものがあると思う。大陸横断鉄道建設で多くの中国人労働者が受けた扱いも酷かったが、彼等は強制された訳ではなかった。やはり、黒人の怒りに対する生理的な恐怖があるように私は思う。

警官が過剰な取り締まりをして黒人が死亡する事件が続き、黒人と警察の対立が激化しボルティモア市で暴動が起こったと報じられた。史上初めてメジャーの無観客試合が行われたという。暴動を起こした黒人達の度を越した乱暴狼藉が、結果的に警官側の恐怖を呼び過剰な取り締まりを誘発する悪循環を私は懸念する。地方政府の問題警官の処分や司法では解決するように思えない。■
コメント
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